足立 フミ

　私は恨みがましい人間の割に復讐を行動に移した経験が１度しかありません。
　小３の時にボスキャラだった女子に「鼻毛が出ている」と意地悪を言われた仕返しに、藁人形ちっくに書いた絵の腹部にボールペンを貫通させるという可愛らしい復讐です。
　しかし、思った以上に恨みが深かったせいか効果抜群で、彼女は腹痛で学校を休みました。
　薄気味悪くなったので、それ以来実行には移せないでいます。
　そんな中映画を見て、忘れていた復讐心が蘇って来ました。
　お兄ちゃんへです。
　小学校の頃なんぞは超険悪な兄妹だったので、頭の中はいつも兄への復讐心で一杯でした。
　当時鼻毛が出てるくせに目立ちたがり屋のでしゃばりだった私は、 修学旅行という大舞台でクラス中の女子から無視されるという悲惨な目に合うような子供でした。
　そんな私の暗黒時代に、常に多くの友達に囲まれ、悩みの１つもなさそうで、私を怒らせるタイミングだけは天才的に上手かった兄を恨み、 日頃の悪行やら小６にもなってオネショの常習犯である事やら、全てを暴露した文書を街中にバラまいてやろうと常々思っていたものです。
　更に思い返すと、私の引きこもり時代にせっせと貯めた「バスに乗ったつもり貯金」 （学校に行く為に乗らねばならぬバス代を乗ったつもりでセコセコ貯めた小銭）6400円を持ち逃げされた事もありました。 正直イタかったです。
　6400円だけは回収しない事には私の復讐心は晴れてくれそうにありません。