特集上映案内
特集上映

未来へ向って連続する戦後
―その失意と虹―

四たび“八月の”を植える。
何も変っていない。
見事にも変っていない現実の下でもがき続け、
そしてそれでも生のエネルギーは、望を見出そうと弾を込める。
画という弾を込める。

今夏アメリカという国から、
奇しくも日系二世三世のドキュメンタリー映画がふたつもやってきて、
戦争と痕跡を検証しようとしている。
ぼくたちも戦争や戦後に触れた
日本映画の名作の数々があったことを知らねばならないと思う。

料金
当日券:一般・学生 1,200円/シニア 1,000円
2回券:2,000円/3回券 3,000円/会員:900円
各回入替制
http://www.cinekita.co.jp/

~2007年8月17日(金)まで上映

上映タイトル一覧

第3週 歪曲された戦後民主主義の下で

8月11日(土)~17日(金) 13:30

秋津温泉 (1962年/松竹/112分)

■製作:白井昌夫/岡田茉莉子 監督・脚本:吉田喜重
 原作:藤原審爾 撮影:成島東一郎 音楽:林光
■出演:岡田茉莉子/長門裕之/芳村真理/清川虹子/東野英治郎/山村聡
夫人の岡田茉莉子が企画し、吉田芳喜重が監督した、成瀬巳喜男の「浮雲」と並ぶ二大恋愛映画であり戦後思想論でもある。戦前結核治療に秋津にきた青年は宿の娘の助けで一命を取り止めるが、関係を戦後もだらだらと続ける青年の堕落、それを拒絶して自死する娘の関係に、日本の戦後民主主義が透けて見える。
8月11日(土)~8月17日(金) 15:40

黒い雪 (1965年/第三プロダクション/89分/R-18)

■製作:池俊介 監督・脚本:武智鉄二
 撮影:倉田武雄 音楽:湯浅譲二 美術:大森実
■出演:紅千登世/花ノ本寿/美川陽一郎/村田知栄子/松井康子/内田高子/滝まり子
司法が映画に介入した初めての<芸術か猥褻か>裁判で、三島由紀夫が証人に立つなど世間を賑わした作品。売春宿経営の母、黒人兵と平気で売春する叔母、怒りの犯罪を犯す主人公、米軍基地と娼婦を描いて反米民族主義を訴えた、反権力の武智鉄二のセックス表現を良く発揮した問題の一品でもある。
8月11日(土)~8月17日(金) 17:30

儀式 (1971年/創造社=ATG/123分)

■製作:葛井欣士郎/山口卓治 監督:大島渚 助監督:小笠原清
 脚本:田村孟/佐々木守/大島渚 撮影:成島東一郎 音楽/武満徹
■出演:河原崎健三/佐藤慶/中村敦夫/賀来敦子/小山明子/乙羽信子/高山真樹/河原崎しづ江/小松方正
敗戦によっても崩れることのなかった日本旧家の<家>制度にメスを入れた大島渚らしい骨太の戦後論映画。個人は総からく<家>に組み込まれ冠婚葬祭は粛々と裁かれてゆく。閉鎖的な日本の歴史的根拠という社会悪への憎しみと、個人的思想や考えがあらかじめ失われている戦後青春への愛惜と鎮魂がある。

料金

当日券:一般・学生 1,200円/シニア 1,000円 2回券:2,000円/3回券 3,000円/会員:900円
各回入替制
http://www.cinekita.co.jp/

2007/08/12/14:17 | トラックバック (0)
シネマアートン下北沢
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