特集上映案内
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生誕百年

映画監督 マキノ雅広(2)

マキノ雅広2008年2月29日は、映画監督・マキノ雅広(1908-1993)生誕百周年の記念日にあたります。“日本映画の父”牧野省三の長男として生を享け(本名:牧野正唯)、幼少期より子役として映画の世界に身を浸したマキノは、1926年に弱冠18歳で監督に進出、28年には『浪人街 第一話 美しき獲物』(マキノ御室)などの話題作を発表して早々と日本映画界の第一線に駆け上りました。以来、映画各社を股にかけて娯楽作品を矢継ぎ早に手がけながら、戦前には『鴛鴦歌合戰』(1939年、日活)『昨日消えた男』(1941年、東宝)のようなヒット作品を、戦後には「次郎長三国志」(1952-54年、東宝)、「日本俠客伝」(1964-69年、東映)のような人気シリーズを続々と放つこととなります。1972年の『藤純子 引退記念映画 関東緋桜一家』(東映)を最後にスクリーンから遠ざかるまで、生涯に手がけた監督作品は260本以上。半世紀近くに及ぶそのキャリアは、まさに日本映画史の本流を貫くものであったといっても過言ではありません。
本特集では、いまも根強い人気を誇るお馴染みの作品、シリーズはもちろん、『グランド・ショウ1946年』(1946年、松竹)や『肉体の門』(1948年、吉本映画)などこれまで再上映の機会に恵まれなかった作品のニュープリント、あらたに発掘・復元された『赤垣源蔵』や『忠治活殺剱』(いずれも1936年、マキノトーキー)などの珍しい作品も多数含む計110本、104プログラムの上映を通して、マキノ映画の魅力に迫ります。
なお、本企画は、全体を1月5日から2月17日まで開催される第1期と、上映される機会の少ない作品をより多く紹介する第2期に分けて開催しています。
  フィルムセンターならではの充実したプログラムをお楽しみください。

トーク・イベント

3月5日(水)19:00~『侠骨一代』上映終了後
ゲスト:山根貞男 氏(映画評論家)

3月20日(木)17:00~『日本俠客伝 花と龍』上映終了後
ゲスト:マキノ佐代子 氏(マキノ雅広監督長女)、山根貞男 氏

※トークのみの入場はできません。

料金
一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円
障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。
発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。
発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール 定員:310名(各回入替制)

http://www.momat.go.jp/

2008年2月19日(火)~3月30日(日)まで
※ただし毎週月曜日は休館

スケジュール

2月の上映スケジュール

2/19(火) 13:00 次郎長裸旅(25分)ごろんぼ街(66分)
16:00 國定忠治 信州子守唄(19分) 忠治活殺剱(59分)
19:00 芝浜の革財布(32分)忍術三妖傳[『自來也』改題版](56分)
2/20(水) 13:00 藤純子 引退記念映画 関東緋桜一家(101分)
16:00 恋山彦[『風雲の巻』『怒濤の巻』総集篇](103分)
19:00 喧嘩菩薩(29分)鞍馬天狗 角兵衛獅子[『鞍馬天狗』改題短縮版](53分)
2/21(木) 13:00 弥次喜夛道中記(96分)
16:00 江戸の惡太郎(84分) 19:00 グランド・ショウ1946年(65分)
2/22(金) 13:00 肉体の門(87分) 16:00 おかる勘平(92分) 19:00 大暴れ五十三次(88分)
2/23(土) 11:00 玄海遊俠伝 破れかぶれ(101分) 14:00 浮雲日記(97分) 17:00 離婚(100分)
2/24(日) 11:00 武藏と小次郎(96分) 13:30 彌太郎笠 前篇 後篇(154分)
17:00 りゃんこの弥太郎(94分)
2/26(火) 13:00 赤城の血祭(94分) 16:00 清水港に来た男(91分) 19:00 橋藏の やくざ判官(91分)
2/27(水) 13:00 大暴れ五十三次(88分) 16:00 いれずみ半太郎(90分) 19:00 次郎長三国志(102分)
2/28(木) 13:00 続 次郎長三国志(90分) 16:00 次郎長三国志 第三部(94分)
19:00 次郎長三国志 甲州路殴り込み(90分)
2/29(金) 13:00 色ごと師春団治(89分) 16:00 蝶々・雄二の 夫婦善哉(80分)
19:00 任俠男一匹(89分)

>>3月の上映スケジュールはこちら

上映タイトル一覧
3月9日(日)11:00~ / / 3月28日(金)16:00~

学生三代記 昭和時代 [マキノ・グラフ版] (「野球の巻」「下宿の巻」)( 16分・16fps・35mm・白黒・無声・部分 )

'30(マキノプロ)(監)川浪良太、滝澤英輔、久保為義(原)(脚)八田尚之(撮)大森伊八(出)横澤四郎、砂田駒子、津村博、泉清子

「学生三代記」は、マキノ総指揮で製作されたオムニバス形式の短篇喜劇集で、『天保時代』『明治時代』『昭和時代』の3篇が同時に公開された。今回上映するのは、映画保存協会、立命館大学アート・リサーチセンター マキノ・プロジェクト、フィルムセンターが共同で16mmから35mmにデジタル復元したもので、『昭和時代』篇の8つのエピソードのうち、「野球の巻」「下宿の巻」の2話が収録されている。

浪人街 第二話 樂屋風呂 [短縮版]( 73分・16fps・16mm・白黒・無声 )

'29(マキノプロ)(脚)山上伊太郎(撮)三木稔(出)南光明、根岸東一郎、津村博、マキノ登六、松浦築枝、荒木忍、尾上松綠、岡村義雄、大林梅子、住ノ江田鶴子

「浪人街」シリーズ(1928-29年)のうち、「浪人街 第二話 樂屋風呂」(第一篇・解決篇)を短縮したフィルム。お人好しの宮内甚内(根岸)と野放図な千葉平八(登六)の浪人コンビの交友が喜劇的に描かれるが、ひたすら仕官を願う浪人(津村)、飲んだくれの老浪人(荒木忍)、旗本になぶられ捨てられた女(松浦)らの悲壮感が強く漂う作品。

上映スケジュール一覧

2月19日(火)13:00~ / / 3月9日(日)14:00~

次郎長裸旅 ( 25分・35mm・白黒・部分 )

'36(マキノトーキー)(監)久保為義(脚)立春大吉(マキノ正博、他)(撮)大森伊八(出)葉山純之輔、原駒子、光岡龍三郎、椿三四郎、ジョー・オハラ、水原洋一、浅野進二郎、大丸厳、片岡章之介

浪曲等で知られる清水次郎長の「裸道中」の映画化。ロシアのゴスフィルモフォンドで発掘され、2004年にフィルムセンターに収蔵されたフィルム。初公開時の約67分に比べ、半分以上が失われているが、本作の見せ場というべき、次郎長一家を「裸」にする佐太郎(水原)とその妻・お徳(原)の傑作場面が残されている。

ごろんぼ街 ( 66分・35mm・白黒・不完全 )

'36(マキノトーキー)(共同監督)根岸東一郎(原)(脚)玉江龍二(撮)柾木四平(出)澤村國太郎、大倉千代子、大久保淸子、坂内永三郎、大丸巌、西村淸、谷譲二、河合靜子、竹西俊郎、藤村平三郎

自作『浪人街 第一話 美しき獲物』(1928年)の主演俳優・根岸東一郎との共同監督作品(但し、マキノはクレジットされていない)。姉・マキノ輝子(智子)の夫・澤村国太郎が、妹を溺愛するやくざな浪人を演じる。助演の大久保清子は、本作出演の半年後に伊藤大輔と結婚して女優を引退。初公開時は76分。

上映スケジュール一覧

2月19日(火)16:00~ / 3月21日(金)19:00~ / 3月30日(日)11:00

國定忠治 信州子守唄 ( 19分・35mm・白黒・部分 )

'36(マキノトーキー)(原)伊藤大輔(脚)マキノ正博、千々喬一(撮)藤井春美(出)月形龍之介、澤村國太郎、光岡龍三郎、葉山純之輔、浅野進二郎、野津操

無声映画「忠次旅日記」(1927年、伊藤大輔)のリメイク。マキノトーキー設立のご祝儀に伊藤から贈られた脚本を、マキノ自らトーキー映画向けに改訂した。本作を皮切りにシリーズ化する予定だったが、主演の月形龍之介の都合で単発に終わった。内容は、伊藤作品の第2部「信州血笑篇」に相当し、幼子・勘太郎(野津)を連れて信州へ逃がれた忠治(月形)とニセ忠治の遭遇が山場となる。初公開時は79分。

忠治活殺剱 ( 59分・35mm・白黒・一部無声・不完全 )

'36(マキノトーキー)(共同監督)久保爲義(原)伊藤大輔(脚)比佐芳武(撮)大森伊八(出)淸水英太朗、大内弘、原駒子、大倉千代子、大久保淸子、葉山純之輔、光岡龍三郎、浅野進二郎、大倉文男、島津勝二

月形龍之介の代わりに、清水英太朗(郎)主演で製作した「忠治」シリーズの2作目。物語は、『忠次旅日記 御用篇』(1927年、伊藤大輔)の前半部分を改訂したもので、忠治(清水)と居酒屋の娘・お粂(大倉)との恋、山城屋への殴り込みが中心となる。今回上映するのは、「発掘された映画たち2005」で紹介した35mmフィルム(45分)に欠落した部分を、無声版の16mmフィルム(60分)から補い、忠治救出のラストシーン等が加わった最長版。初公開時は75分。マキノの監督クレジットはない。

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2月19日(火)19:00~ / 3月09日(日)17:00~

芝浜の革財布 ( 32分・35mm・白黒・不完全 )

'36(マキノトーキー)(共同監督)根岸東一郎(原)(脚)桐島雄吉(撮)大森伊八(出)田村邦男、根岸東一郎、松浦築枝、大内照子

ロシアのゴスフィルモフォンドで発掘され、2001年にフィルムセンターが収蔵したフィルム。大金を手にした大酒呑みの魚屋が妻の機転で改心する。古典落語の人情噺「芝浜」や、歌舞伎の世話物「芝浜の革財布」で知られた物語。魚屋を演じた巨漢の田村邦男と、その賢妻を演じた華奢で細面の松浦築枝のコントラストが利いている。初公開時は60分。マキノの監督クレジットはない。

忍術三妖傳 [『自來也』改題版]( 56分・35mm・白黒 )

'37(日活)(原)(脚)比佐芳武(撮)石本秀雄(音)西梧郎(出) 片岡千惠藏、星玲子、河部五郎、瀨川路三郎、香川良介、尾上華丈、志村喬、市川正二郎、水原洋一、賀川淸

『豪傑児雷也』(1921年)など、牧野省三が無声映画時代に得意としていた忍術映画にマキノが挑んだ作品。家臣らの裏切りで滅ぼされた地頭の遺児が仙人に育てられ、忍術使い自来也(千恵蔵)となって復讐する。マキノは、『血煙高田の馬場』と本作を正月公開に間に合わせるために、2作併せて20日足らずで仕上げたという。

上映スケジュール一覧

3月25日(火)16:00~ / 3月30日(日)14:00~

赤垣源蔵 ( 53分・35mm・白黒 )

'36(マキノトーキー)(指揮)マキノ正博(監)平尾善夫(撮)大森伊八(出)澤村國太郎、志村喬、大倉文男、曽呂利進、松浦築枝、花野國子、團徳麿、清水英太朗

赤穂浪士の有名な挿話のひとつ「徳利の別れ」を描いた作品で、浪曲師・吉田大和之丞(奈良丸)の唸りを堪能できる浪曲トーキー。上映するのは、近年渡部修吉氏より寄贈された17.5mmフィルムを35mmフィルムにブローアップして復元したもの。源蔵は討入りの決意を胸に秘めて兄夫婦の家を訪れるが、兄は不在で、兄嫁からは冷たくあしらわれてしまう。

決鬪高田の馬場[『血煙高田の馬場』改題短縮版] ( 50分・35mm・白黒 )

'37(日活)(共同監督)稲垣浩(脚)牧陶三(マキノ正博、他)(撮)三井六三郎、石本秀雄(音)高橋半(出)阪東妻三郎、市川百々之助、伊庭駿三郎、志村喬、香川良介、市川正二郎、團徳麿、大倉千代子、小松みどり、原駒子

赤穂浪士・堀部安兵衛(中山安兵衛)の婿入り前の英雄譚。飲んだくれの安兵衛(阪妻)が、叔父の決闘に助太刀するために八丁堀から高田馬場まで韋駄天走り。『自來也』と本作の2本同時公開で、「早撮り監督」のイメージが強まることを恐れたマキノは、日活の同僚・稲垣浩監督の名を借り、ふたりの共同監督として発表した。

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2月20日(水)16:00~ / 3月16日(日)11:00~

恋山彦 [『風雲の巻』『怒濤の巻』総集篇]( 103分・35mm・白黒 )

'37(日活)(原)吉川英治(脚)比佐芳武(撮)竹村康和(音)高橋半(出)阪東妻三郎、花柳小菊、尾上菊太郎、澤村國太郎、市川百々之助、櫻木梅子、原駒子、瀨川路三郎、香川良介、志村喬

マキノトーキーと阪妻プロの解散によって日活へ入社したマキノと阪妻が再起をかけた作品で、見事に興行的成功をおさめた。今回上映するのは、『風雲の巻』(79分)と『怒濤の巻』(90分)をあわせた総集篇。阪妻が、三味線の名器「山彦」に翻弄される平家の末裔・小源太と、素浪人・無二齋の二役を演ずる。クレーン撮影による天守閣での迫力ある乱闘シーンは必見。

上映スケジュール一覧

2月20日(水)19:00~ / 3月15日(土)14:00~

喧嘩菩薩 ( 29分・35mm・白黒・不完全 )

'37(マキノトーキー)(監)(原)(脚)牧陶六(マキノ正博、他)(撮)西本良生(出)淸水英太郎、團徳麿、大倉千代子、林誠太郎、マキノ博子

股旅やくざの朝太郎(清水)は、旅の途中で女スリ・おけい(大倉)に財布をすられた。その後、しつこく付きまとう彼女に閉口する朝太郎だったが、実は、おけいは朝太郎が恩義を受けた親分・儀十(林)の家出娘であった…。不完全なフィルムながら、終盤のチャンバラシーンが残されている。マキノの実妹・マキノ博子が、おけいの妹・おふみを演じた。初公開時は54分。

鞍馬天狗 角兵衛獅子 [『鞍馬天狗』改題短縮版]( 53分・35mm・白黒 )

'38(日活)(共同監督)松田定次(原)大佛次郎(脚)比佐芳武(撮)宮川一夫(音)髙橋半(出)嵐寛壽郎、原駒子、深水藤子、河部五郎、瀨川路三郎、香川良介、原健作、志村喬、尾上華丈、團徳麿

寛寿郎プロを解散したアラカンの日活入社第一回作品。嵐寛寿郎のデビュー作『鞍馬天狗異聞 角兵衛獅子』のリメイク。勤王の志士・鞍馬天狗が、角兵衛獅子の少年・杉作、新吉とともに、新撰組に挑む。今回上映するのは、『鞍馬天狗』を1950年に再公開した版。初公開時は63分。

上映スケジュール一覧

2月21日(木)13:00~ / 3月16日(日)17:00~

弥次喜夛道中記 ( 96分・35mm・白黒 )

'38(日活)(原)(脚)小國英雄(撮)石本秀雄(音)古賀政男(出)片岡千惠藏、杉狂兒、香川良介、瀨川路三郎、尾上華丈、河部五郎、志村喬、原駒子、悦ちゃん、ディック・ミネ、楠木繁夫、美ち奴、服部富子

遠山の金さん(千恵蔵)と鼠小僧(杉)がニセ”弥次喜多”に成りすまして「東海道中膝栗毛」。有名な“五右衛門風呂”等の滑稽場面で、本物の”弥次喜多”を演ずる歌手のディック・ミネと楠木繁夫や、旅芝居一座の座頭に扮する元うぐいす芸者・美ち奴が随所で歌う時代劇ミュージカル。

上映スケジュール一覧

2月21日(木)16:00~ / 3月16日(日)14:00~

江戸の惡太郎 ( 84分・35mm・白黒 )

'39(日活)(脚)比佐芳武(撮)石本秀雄(音)西梧郎(出)嵐寛壽郎、轟夕起子、市川小文治、瀨川路三郎、香川良介、志村喬、田村邦男、原健作、團徳麿、星玲子

寺子屋の塾長・島崎三四郎(アラカン)が男児と思い込んでいた三吉は、親の押し付けた結婚を嫌って家出した資産家令嬢であった。当時21歳の轟夕起子が1年後に夫となるマキノの演出によって、悪太郎(いたずら小僧)に見事に成りきる。粗末な着物ばかり着ていた轟が、終盤でみせる晴れ姿が感動的。

上映スケジュール一覧

2月21日(木)19:00~ / 3月11日(火)13:00~

グランド・ショウ1946年 ( 65分・35mm・白黒 )

'46(松竹)(脚)青山圭男(撮)三木滋人(音)浅井挙曄、田代与志、万城目正、北村秀俊、北村滋章、吉沢博(出)高峰三枝子、森川信、水ノ江滝子、三浦光子

コック(森川)とウェイトレス(高峰)の恋物語を軸に、水ノ江滝子や並木路子らのステージショーが展開するレビュー映画。ディック・ミネが、『鴛鴦歌合戰』(1939年)では替え歌にして歌った持ち歌「青い空僕の空」を、ここでは原詞で歌っている。父・省三から贈られた光学焼付機が特撮シーンに活用されている。

上映スケジュール一覧

2月22日(金)13:00~ / 3月12日(水)19:00~ / 3月30日(日)17:00~

肉体の門 ( 87分・35mm・白黒 )

'48(吉本映画)(共同監督)小崎政房(原)田村泰次郎(脚)小澤不二夫(撮)山崎一雄(美)田辺達(音)大久保徳二郎(出)轟夕起子、月丘千秋、逢初夢子、小夜福子、水島道太郎、田崎潤、清川莊司、田端義夫、春名薫、水町京子

1947年に出版、舞台化もされたベストセラー小説を最初に映画化した作品で、鈴木清順監督をはじめ、3度に渡ってリメイクされている。敗戦直後の荒廃した街で、肉体を武器に必死に生きる娼婦たちの姿を描く。映画製作に乗り出したばかりの吉本興業がマキノに依頼し製作された。当初、辞退したマキノの代わりに小崎政房が監督に配されたが、吉本側からのたっての要望で、途中から、マキノが撮りなおすことになったという。

上映スケジュール一覧

2月22日(金)16:00~ / 3月11日(火)16:00~

おかる勘平 ( 92分・35mm・白黒 )

'52(東宝)(脚)小國英雄(撮)山崎一雄(美)北川惠司(音)服部良一(出)榎本健一、越路吹雪、岸井明、龍崎一郎、木匠久美子、岡田茉莉子、津山路子、中村是好、如月寛多、森健二

バックステージもののミュージカル映画。羽根本健一(エノケン)と山路吹雪(越路)が歌う舞台「お輕と勘平」を軸に、楽屋裏での悲喜こもごもが交錯する。越路は面長を気にして出演を渋っていたが、マキノの演出はその不安を見事に払拭した。無名時代の北原三枝が日劇ダンサーズのひとりとして出演。

上映スケジュール一覧

2月23日(土)14:00~ / 3月14日(金)13:00~

浮雲日記 ( 97分・35mm・白黒 )

'52(東宝)(原)富田常雄(脚)松浦健郎(撮)山崎一雄(美)北辰雄(音)鈴木靜一(出)重光彰、田崎潤、森繁久彌、藤原釜足、花柳小菊、宮城千賀子、谷さゆり、若山セツ子、田中春男、澤村貞子

明治の東京を舞台に、学問を志して上京した田舎出の青年が、悲恋や困難を乗り越え、ジャーナリストになるまでを描く。花柳小菊と宮城千賀子が、着物姿の古風な女と、洋装でモダンな令嬢を対照的に演じている。マキノは牛肉屋の女中を演じた鳳弓子と、父・省三の命日に再婚。『続 浮雲日記』(1953年)が、マキノプロ時代の同僚・並木鏡太郎監督によって製作されている。

上映スケジュール一覧

2月23日(土)17:00~ / 3月12日(水)16:00~

離婚 ( 100分・35mm・白黒 )

'52(東宝)(脚)小國英雄(撮)山中晋(美)河野鷹思(音)鈴木靜一(出)木暮実千代、佐分利信、田崎潤、田中春男、英百合子、杉狂児、江川宇禮雄、斎藤達雄、飯田蝶子、宗方規子

木暮実千代が、『雪夫人絵図』(1950年、溝口健二)さながらに、妖艶なる良家の夫人を演じるメロドラマ。相馬家の嫁・道子は、スキーの最中に吹雪に見舞われ、凍死寸前のところを、従兄に救われる。ところが、相馬家の人々は冷たく、道子の貞操を疑う。道子は、世間体ばかりを気にする婚家に反発し、やがて真実の愛を見出すのだった。

上映スケジュール一覧

2月24日(日)11:00~ / 3月12日(水)13:00~

武藏と小次郎 ( 96分・35mm・白黒 )

'52(松竹)(脚)八木隆一郎、鈴木兵吾(撮)片岡清(美)角井平吉(音)鈴木靜一(出)島田正吾、辰巳柳太郎、淡島千景、桂木洋子、藤原釜足、香川良介、山路義人、沢村國太郎、徳大寺伸、沢村マサヒコ(津川雅彦)

新国劇の双璧・辰巳柳太郎と島田正吾の主演作品。剣道一筋で無骨な宮本武蔵(辰巳)に対し、佐々木小次郎(島田)は強欲で狡い男として描かれている。マキノはロケ地・知多半島での長雨に悩まされ、半日だけみせた快晴の間に、急いで巌流島の決闘シーンを撮影したという。

上映スケジュール一覧

2月24日(日)13:30~ / 3月11日(火)18:30~

彌太郎笠 前篇 後篇 ( 154分・35mm・白黒 )

'52(新東宝=新生プロ)(原)子母沢寛(脚)松浦健郎(撮)平野好美(美)進藤誠吾(音)鈴木靜一(出)鶴田浩二、岸惠子、河津清三郎、高田浩吉、江川宇礼雄、三島雅夫、沢村國太郎、村田知英子、田中春男、林寛

新生プロの設立第1回作品。1作品のみの製作予定が、前評判を受けて前後篇(同時公開)となった。彌太郎(鶴田)が、草鞋を脱いだ親分の娘・お雪(岸)と恋に落ちる。鶴田が歌い、岸が踊る祭のシーンが見せ場。ヒロインの岸は、翌年のマキノ作品『ハワイの夜』(松林宗恵が共同監督)でも鶴田の相手役をつとめた。

上映スケジュール一覧

2月24日(日)17:00~ / 3月14日(金)16:00~

りゃんこの弥太郎 ( 94分・35mm・白黒 )

'55(新東宝)(原)子母沢寛(脚)八木保太郎、毛利三四郎(撮)岩佐一泉(美)大門恒夫(音)鈴木静一(出)小泉博、河津清三郎、藤間紫、千秋実、森健二、玉島愛造、忍美智子、水原真知子、石黒達也、田中春男

武士の身分を捨てて渡世人となった弥太郎が、機織り女たちのために一肌脱ぐ。弥太郎(小泉)が、旅の道連れとなった政(河津)とともに辿り着いた村は、絹織物の産地・桐生であった。そこでは、強欲な木戸屋(石黒)が女たちの就労の斡旋を独占し、あろうことか、娘を女郎に売り飛ばそうと企んでいた。

上映スケジュール一覧

2月26日(火)13:00~ / 3月15日(土)11:00~

赤城の血祭 ( 94分・35mm・白黒 )

'55(新東宝)(原)横倉辰次(脚)八木保太郎、関沢新一(撮)山中晋(美)進藤誠吾(音)大久保徳二郎(出)北上彌太郎、小堀明男、田崎潤、島崎雪子、池内淳子、筑紫あけみ、本郷秀雄、森健二、横山運平、江川宇礼雄

上州の国定村にふらりと現れたふたりの旅がらす(北上、本郷)が、代官らの悪計から村人たちを救う。土地の大親分・忠治(田崎)が、固定化された豪傑なヒーロー像とは違った、人間味あふれる人物として描かれている。マキノは、村娘を演じた池内淳子の好演ぶりを讃えている。

上映スケジュール一覧

2月26日(火)16:00~ / 3月14日(金)19:00~

清水港に来た男 ( 91分・35mm・カラー )

'60(東映)(脚)小国英雄(撮)三木滋人(美)井川徳道(音)鈴木静一(出)大川橋藏、大河内傳次郎、丘さとみ、進藤英太郎、青山京子、喜多川千鶴、木暮実千代、堺駿二、加賀邦男

1939年に製作した自作『清水港』のリメイクのため、戦時下の軍国主義が反映されている。桂小五郎の命を受けた武士・政之進(橋蔵)が三下やくざに成りすまして次郎長一家に潜入する。政之進は、祭の出し物で、闇討ちされた森の石松を演じることで、やくざ稼業の虚しさを訴え、清水次郎長(大河内)や民衆を勤皇へと導く。

上映スケジュール一覧

2月26日(火)19:00~ / 3月21日(金)16:00~

橋藏の やくざ判官 ( 91分・35mm・カラー )

'62(東映)(原)小国英雄(脚)マキノ雅弘(撮)吉田貞次(美)鈴木孝俊(音)斎藤一郎(出)大川橋藏、丘さとみ、立川さゆり、北沢典子、沢村訥升、進藤英太郎、堺駿二、多々良純、宇佐美淳也、田中春男、水島道太郎

長谷川一夫と山田五十鈴コンビで人気を博した推理時代劇『昨日消えた男』(1941年)の2度目のリメイク。本作では、大川橋蔵と丘さとみが主役を演じる。『恋や恋なすな恋』(1962年、内田吐夢)で悲恋に落ちる陰陽師に扮したばかりの橋蔵が、打って変わって、遊び人の文吉を軽快に演じている。

上映スケジュール一覧

2月22日(金)19:00~ / 2月27日(水)13:00~

大暴れ五十三次 ( 88分・35mm・カラー88分・35mm・カラー )

'63(東映)(原)小国英雄(脚)マキノ雅弘(撮)わし尾元也(美)桂長四郎(音)鈴木静一(出)北大路欣也、松方弘樹、丘さとみ、小林哲子、堺駿二、加賀邦男、花房錦一、神楽坂浮子

『弥次喜夛道中記』(1938年)のリメイクで、鼠小僧と北町奉行の息子が、弥次さん喜多さんに成りすまして東海道中をともにする。前作で片岡千恵蔵が演じた役を松方弘樹が引き継いでいるが、役名は遠山金四郎から近江銀八郎に変わっている。また、杉狂児がコミカルに演じた鼠小僧を、本作では二枚目俳優の北大路欣也が演ずることで、前作とは違った持ち味の作品となった。

上映スケジュール一覧

2月27日(水)16:00~ / 3月21日(金)13:00~

いれずみ半太郎 ( 90分・35mm・カラー )

'63(東映)(原)長谷川伸(脚)野上竜雄(撮)吉田貞次(美)鈴木孝俊(音)斎藤一郎(出)大川橋藏、丘さとみ、長門裕之、進藤英太郎、立川さゆり、千之赫子、河原崎長一郎、原健策、徳大寺伸、夏川靜枝

長谷川伸の戯曲「刺青奇偶」の映画化で、やくざと女郎の悲恋物語。薄幸な女郎・お仲は半太郎(橋蔵)によって命を救われ真の愛を知る。その女郎を東映の”お姫様女優”丘さとみが熱演し、彼女の代表作の1本となった。マキノが1973年に、テレビドラマ「長谷川伸シリーズ」の1篇として菅原文太主演でリメイクしている。

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2月27日(水)19:00~ / 3月22日(土)14:00~

次郎長三国志 ( 102分・35mm・カラー )

'63(東映)(原)村上元三(脚)マキノ雅弘、山内鉄也(撮)三木滋人(美)鈴木孝俊(音)鈴木静一(出)鶴田浩二、松方弘樹、佐久間良子、長門裕之、水島道太郎、大木実、藤山寛美、山城新伍、津川雅彦、藤純子、千原しのぶ

小堀明男(東宝)、河津清三郎(日活)、中村錦之助(東映)が主役を演じてきた「次郎長」シリーズに、マキノが再び挑んだ作品。次郎長の鶴田浩二、お蝶の佐久間良子をはじめ、次郎長一家のキャストが刷新されるなかで、なおも田中春男が法印大五郎役として健在。水島道太郎は「次郎長遊俠傳」の大政から大熊役へ出世する。藤純子の父で東映の大プロデューサーとなった俊藤浩滋は『傷だらけの男』(1950年)以来のマキノ組への参加となり、ともに「日本俠客伝」シリーズなどの傑作を生み出していくことになる。

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2月28日(木)13:00~ / 3月22日(土)17:00~

続 次郎長三国志 ( 90分・35mm・カラー )

'63(東映)(原)村上元三(脚)マキノ雅弘、山内鉄也(撮)三木滋人(美)鈴木孝俊(音)鈴木静一(出)丘さとみ、近衛十四郎、進藤英太郎、立川さゆり、御影京子、堺駿二、芦屋雁之助、大村文武、阿部九州男、園佳也子

兇状旅にでた次郎長(鶴田浩二)が、大政(大木実)、桶屋の鬼吉(山城新伍)、関東綱五郎(松方弘樹)、法印大五郎(田中春男)とともに、三島の赤鬼金平一家に殴り込む。その喧嘩を、ふてぶてしく見物する渡世人こそ、のちに次郎長一家に加わる森の石松(長門裕之)であった。

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2月28日(木)16:00~ / 3月23日(日)11:00~

次郎長三国志 第三部 ( 94分・35mm・カラー )

'64(東映)(原)村上元三(脚)マキノ雅弘、山内鉄也(撮)三木滋人(美)鈴木孝俊(音)津島利章(出)里見浩太郎、丹波哲郎、中村竹弥、品川隆二、石山健二郎、佐藤晟也、遠藤辰雄、楠本健二、香川良介、宇治みさ子

東宝の「次郎長三国志」第四部と第五部のエピソードが本作に凝縮されている。次郎長一家は相撲興行と花会を催すことになるが、そこで黒駒勝蔵との確執が表面化する。投げ節お仲は、黒駒の身内である猿屋勘助を偵察するため甲州へ旅立っていくのだった…。シリーズ中、本作のみ大政を中村竹弥が演じている。

上映スケジュール一覧

2月28日(木)19:00~ / 3月23日(日)14:00~

次郎長三国志 甲州路殴り込み ( 90分・35mm・カラー )

'65(東映)(原)村上元三(脚)マキノ雅弘、山内鉄也(撮)山岸長樹(美)鈴木孝俊(音)菊池俊輔(出)南田洋子、待田京介、山本麟一、曽根晴美、天津敏、天野圭二、安城百合子、原健策、汐路章、鳳玲子

シリーズ4作目。勘助の人質となったお仲を救うため、次郎長一家が小政(里見浩太郎)の案内で甲州路へ殴り込む。見事、勘助を斬って凶状旅に出た次郎長一家だったが、お蝶は病に倒れ、味方と思った保久田の久六一家にも裏切られる。危うく、捕縛されるところを、小松村の七五郎夫妻(待田・南田)の家へ落ち延びるのだった。前作まで、丘さとみが演じたお仲の役を、安城百合子が引き継いでいる。

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料金

一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール 定員:310名(各回入替制)
http://www.momat.go.jp/

2008年2008年2月19日(火)~3月30日(日)まで
※ただし毎週月曜日は休館

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2008/02/23/14:25 | BBS | トラックバック (0)
東京国立近代美術館フィルムセンター
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