特集上映案内
東京国立近代美術館フィルムセンター
東京国立近代美術館フィルムセンター情報トップページ
生誕百年

映画監督 マキノ雅広(1)

マキノ雅広2008年2月29日は、映画監督・マキノ雅広(1908-1993)生誕百周年の記念日にあたります。“日本映画の父”牧野省三の長男として生を享け(本名:牧野正唯)、幼少期より子役として映画の世界に身を浸したマキノは、1926年に弱冠18歳で監督に進出、28年には『浪人街 第一話 美しき獲物』(マキノ御室)などの話題作を発表して早々と日本映画界の第一線に駆け上りました。以来、映画各社を股にかけて娯楽作品を矢継ぎ早に手がけながら、戦前には『鴛鴦歌合戰』(1939年、日活)『昨日消えた男』(1941年、東宝)のようなヒット作品を、戦後には「次郎長三国志」(1952-54年、東宝)、「日本俠客伝」(1964-69年、東映)のような人気シリーズを続々と放つこととなります。1972年の『関東緋桜一家』(東映)を最後にスクリーンから遠ざかるまで、生涯に手がけた監督作品は260本以上。半世紀近くに及ぶそのキャリアは、まさに日本映画史の本流を貫くものであったといっても過言ではありません。
  本特集では、いまも根強い人気を誇るお馴染み作品、シリーズはもちろん、『不沈艦撃沈』(1944年、松竹)「丹下左膳」三部作(1956年、日活)などこれまで再上映の機会に恵まれなかった作品のニュープリント、あらたに発掘・復元された『赤垣源蔵』や『忠治活殺剱』(いずれも1936年、マキノトーキー)などの珍しい作品も多数含む100本あまりの上映を通して、マキノ映画の魅力に迫ります。
  なお、本企画は、全体をこの第1期と、上映される機会の少ない作品をより多く紹介する第2期(2月19日-3月30日)に分けての開催となります。 皆様のご来場をお待ち申し上げます。

料金
一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円
障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。
発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。
発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール 定員:310名(各回入替制)

http://www.momat.go.jp/

2008年1月5日(土)~2月17日(日)まで
※ただし毎週月曜日は休館

スケジュール

1月の上映スケジュール

01/05(土) 11:00 鴛鴦歌合戰(69分) 14:00 清水港 代参夢道中 [『續清水港』改題短縮版](89分) 17:00 風雲兒信長 [『織田信長』改題短縮版](91分)
01/06(日) 11:00 昨日消えた男(89分) 14:00 長谷川・ロッパの 家光と彦左 [短縮版](88分)
17:00 劔雲鳴門しぶき [『阿波の踊子』改題短縮版](71分)
01/08(火) 13:00 世紀は笑ふ(93分) 16:00 男の花道 [短縮版](73分) 19:00 待って居た男(98分)
01/09(水) 13:00 婦系圖 [総集篇](108分) 16:00 阿片戰爭(115分) 
19:00 ハナコサン (ハナ子さん)(71分)
01/10(木) 13:00 野戰軍樂隊(67分) 16:00 怪傑紫頭巾 總輯版 [「佐平次捕物控 紫頭巾」前後篇・改題短縮版](96分) 19:00 殺陣師段平(104分)
01/11(金) 13:00 次郎長三國志 次郎長賣出す(82分) 16:00 次郎長三国志 次郎長初旅(83分) 19:00 次郎長三国志 第三部 次郎長と石松(88分)
01/12(土) 11:00 次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港(80分) 14:00 次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路(77分) 17:00 次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家(104分)
01/13(日) 11:00 次郎長三国志 第七部 初祝い清水港(89分) 14:00 次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊(103分) 17:00 次郎長三国志 第九部 荒神山(82分)
01/15(火) 13:00 やくざ囃子(87分) 16:00 次郎長遊俠傳 秋葉の火祭り(90分) 
19:00 次郎長遊俠傳 天城鴉(96分)
01/16(水) 13:00 不沈艦撃沈(96分) 16:00 人生とんぼ返り(116分) 19:00 朝やけ血戰場(76分)
01/17(木) 13:00 丹下左膳 乾雲の巻(82分) 16:00 丹下左膳 坤竜の巻(61分) 
19:00 丹下左膳 昇竜の巻(79分)
01/18(金) 13:00 仇討崇禅寺馬場(92分) 16:00 浪人街(110分) 19:00 おしどり駕篭(86分)
01/19(土) 11:00 清水港の名物男 遠州森の石松(98分) 14:00 捨てうり勘兵衛(94分)
17:00 喧嘩笠(84分)
01/20(日) 11:00 鞍馬天狗(87分) 14:00 弥太郎笠(96分) 17:00 天保六花撰 地獄の花道(103分)
01/22(火) 13:00 若き日の次郎長 東海の顔役(88分) 16:00 東海一の若親分(93分) 
19:00
若き日の次郎長 東海道のつむじ風(89分)
01/23(水) 13:00 神田祭り喧嘩笠(84分) 16:00 江戸っ子肌(86分) 19:00 月形半平太(89分)
01/24(木) 13:00 次郎長と小天狗 殴り込み甲州路(86分) 16:00 千姫と秀頼(86分) 
19:00 八州遊俠伝 男の盃(84分)
01/25(金) 13:00 九ちゃん刀を抜いて(88分) 16:00 清水港 代参夢道中 [『續清水港』改題短縮版](89分) 19:00 長谷川・ロッパの 家光と彦左 [短縮版](88分)
01/26(土) 11:00 世紀は笑ふ(93分) 14:00 男の花道 [短縮版](73分) 
17:00
怪傑紫頭巾 總輯版 [「佐平次捕物控 紫頭巾」前後篇・改題短縮版](96分)
01/27(日) 11:00 不沈艦撃沈(96分) 14:00 野戰軍樂隊(67分) 17:00 殺陣師段平(104分)
01/29(火) 13:00 鴛鴦歌合戰(69分) 16:00 風雲兒信長 [『織田信長』改題短縮版](91分) 
19:00 昨日消えた男(89分)
01/30(水) 13:00 劔雲鳴門しぶき [『阿波の踊子』改題短縮版](71分) 
16:00
待って居た男(98分) 19:00 やくざ囃子(87分)
01/31(木) 13:00 阿片戰爭(115分) 16:00 人生とんぼ返り(116分) 
19:00 婦系圖 [総集篇](108分)

2月の上映スケジュールはこちら

上映タイトル一覧
1月5日(土)11:00~ / 1月29日(火)13:00~ / 2月15日(金)19:00~
鴛鴦歌合戦

鴛鴦歌合戰 (69分・35mm・白黒)

'39(日活)(脚)江戸川浩二(マキノ正博)(撮)宮川一夫(美)長谷川繁吉(音)大久保徳二郎(出)片岡千惠藏、香川良介、志村喬、ディック・ミネ、服部富子、市川春代、深水藤子、遠山満、尾上華丈

千恵蔵の急病で延期となった『彌次喜多 名君初上り』の代わりに急遽撮られたにも拘らず、今や傑作としての確固たる評価を得ている時代劇ミュージカル。病み上がりのため短時間の撮影で臨んだ千恵蔵の不在シーンを、歌手ディック・ミネや意外なる美声を披露した志村の他、端役達までもが陽気に歌って繋ぎ、独特な幸福感に満ちた映画にしている。

1月5日(土)14:00~ / 1月25日(金)16:00~

清水港 代参夢道中 [『續清水港』改題短縮版]
(89分・35mm・白黒)

'40(日活)(脚)小國英雄(撮)石本秀雄(美)上羽慶太郎(音)大久保徳二郎(出)片岡千惠藏、轟夕起子、廣澤虎造、澤村國太郎、志村喬、澤村アキヲ(長門裕之)、美ち奴、常磐操子、瀬川路三郎、香川良介

人気浪曲師・広澤虎造口演の浪曲映画。舞台「森の石松」の初日を控えた演出家(千恵蔵)が劇場でうたた寝してしまう。目覚めるとそこは幕末の清水港、自らは石松その人で、敏腕秘書(轟)は着物姿の町娘となっていた。虎造の十八番「寿司食いねえ」の台詞を、出演も兼ねた虎造相手に千恵蔵が言うのが滑稽。

1月5日(土)17:00~ / 1月29日(火)16:00~
風雲児信長

風雲兒信長 [『織田信長』改題短縮版] (91分・35mm・白黒)

'40(日活)(原)鷲尾雨工(脚)観世寺光太(山上伊太郎)(撮)石本秀雄(美)林米松(音)高橋半(出)片岡千惠藏、高木永二、宮城千賀子、河部五郎、香川良介、志村喬、瀬川路三郎、市川正二郎、上田吉二郎、宗春太郎

戦時色深まるなか、チャンバラ時代劇の代わりに重要視されるようになった「歴史映画」の一本。当時新婚のマキノが妻・轟夕起子の妊娠を知り、我が子への希望を託して選んだ題材だという。尾張の青年信長が、政略結婚、父の死、家督争いを経験しながら、天下統一を目指す姿を描く。

1月6日(日)11:00~ / 1月29日(火)19:00~

昨日消えた男 (89分・35mm・白黒)

'41(東宝)(脚)小國英雄(撮)伊藤武夫(美)樋野正雄(音)鈴木靜一(出)長谷川一夫、山田五十鈴、髙峰秀子、徳川夢声、江川宇禮雄、川田義雄、鳥羽陽之助、淸川虹子、淸川莊司、進藤英太郎、鬼頭善一郎、藤田房子、渡辺篤、サトウ・ロクロー、杉寛、澤井三郎、坂東橘之助、藤間房子

日活退社後のマキノがフリーとして東宝で撮った最初の作品。米国の探偵映画『影なき男』シリーズを「遠山の金さん」に置き換え、長屋で起きた大家殺人事件の解決に金四郎が乗り出す。長谷川・山田のコンビに高峰の人気も加わり大ヒットとなったが、正月公開に間に合わせるために、わずか十日で撮影されたという。

1月6日(日)14:00~ / 1月25日(金)19:00~

長谷川・ロッパの家光と彦左 [短縮版] (88分・35mm・白黒)

'41(東宝)(脚)小國英雄(撮)伊藤武夫(美)中古智(音)鈴木靜一(出)長谷川一夫、古川綠波、渡邊篤、黑川彌太郎、鳥羽陽之助、汐見洋、佐伯秀男、林成年、清川莊司、千葉早智子、櫻町公子、藤間紫

徳川家光(長谷川)と大久保彦左衛門(ロッパ)の忠孝物語。山場となる「宇都宮釣天井事件」では、悪君・本多上野介正純(清川)に対する河村靱負(長谷川)の忠義が描かれ、家光と彦左に対する合わせ鏡となっている。

1月6日(日)17:00~ / 1月30日(水)13:00~ / 02/15日(金)13:00~

劔雲鳴門しぶき [『阿波の踊子』改題短縮版] (71分・35mm・白黒)

'41(東宝)(原)(脚)觀世光太(山上伊太郎)(撮)伊藤武夫、立花幹也(美)北村髙敏(音)飯田信夫(出)長谷川一夫、入江たか子、髙峰秀子、黒川彌太郎、月田一郎、清水金一、清川虹子、澤村貞子、鳥羽陽之助、汐見洋

1931年に未完成で終わったという“阿波踊り映画”にマキノが再度挑んだ作品で、阿波踊りの本場・徳島でロケを敢行した。悪家老によって無実の罪に陥れられた廻船問屋の次男が、海賊となって復讐する物語。主役の長谷川一夫ら俳優陣が、地元の踊子たちを従えて壮大な阿波踊りを繰り広げるラストシーンは圧巻。

1月8日(火)13:00~ / 1月26日(土)11:00~

世紀は笑ふ (93分・35mm・白黒・不完全)

'41(日活) (脚)小國英雄(撮)橫田達之(美)松山浩(音)大久保徳二郎(出)廣澤虎造、杉狂兒、轟夕起子、初代松旭齋天勝、吉谷久雄、吉井莞象、潮万太郎、上代勇吉、齋藤紫香、芝田新

この頃のマキノにとっては珍しい現代劇。屋台のラーメン屋を営む廣田大造(虎造)が、杉野凡作(杉)の友情に支えられて、人気浪曲師として大成するまでを描いた涙と笑いの物語。当時の妻・轟夕起子が、杉野に恋される女性二役(座主の娘おふみ・松旭斎小天勝お雪)を演じ、女流奇術師として手品も披露する。

1月8日(火)16:00~ / 1月26日(土)14:00~

男の花道 [短縮版] (73分・35mm・白黒)

'41(東宝)(脚)小國英雄(撮)伊藤武夫(美)中古智(音)鈴木靜一(出)長谷川一夫、古川緑波、渡辺篤、千葉早智子、丸山定夫、高勢実乘、鳥羽陽之助、山本礼三郎、横山運平、市丸

『長谷川・ロッパの 家光と彦左』の成功を受けて製作された作品で、失明寸前のところを眼医者・土生玄磧(ロッパ)によって救われた役者・中村歌右衛門(長谷川)がその恩に報いる。長谷川が、当たり役の雪之丞さながらに女形を演ずる。今回上映するのは、戦後に再編集された短縮版の為、クレジットに名前があっても出演シーンのない俳優がいる。

1月8日(火)19:00~ / 1月30日(水)16:00~

待って居た男 (98分・35mm・白黒)

'42(東宝)(脚)小國英雄(撮)山崎一雄(美)中古智(音)鈴木靜一(出)長谷川一夫、山田五十鈴、髙峰秀子、榎本健一、藤原鷄太(釜足)、大川平八郎、淸川莊司、江川宇礼雄、山根壽子、清川玉枝、澤村貞子

『昨日消えた男』の成功を受けて製作され、やはり大ヒットとなった探偵時代劇だが、内容は連続していない。江戸の目明し夫婦が温泉旅行の旅先で殺人事件に遭遇する。文吉(長谷川)が止めるのも聞かずに自信満々と解決に乗り出した妻のお光(山田)だったが、田舎の目明し金太(エノケン)と推理を競う羽目に。

1月9日(水)13:00~ / 1月31日(木)19:00~

婦系圖[総集篇] (108分・35mm・白黒)

'42(東宝)(原)泉鏡花(脚)小國英雄(撮)三浦光雄(美)久保一雄(音)鈴木靜一(出)長谷川一夫、山田五十鈴、古川綠波、高峰秀子、山本禮三郎、進藤英太郎、菅井一郎、小杉義男、瀧口新太郎、山根壽子、三谷幸子、田中筆子、澤村貞子、三益愛子、村瀨幸子

当初、時局にそぐわないとして検閲を通らなかったが、主人公らの職業を、原作での文学者という設定から化学者に変えるなど「職業報国」を強調することによって製作がかなった悲恋物語。今回上映するのは、正篇と続篇を戦後にマキノ自ら再編集した総集篇で、ラストが、火薬の爆発シーンから湯島の境内のフラッシュ・バックに変わっている。

1月9日(水)16:00~ / 1月31日(木)13:00~

阿片戰爭 (115分・16mm・白黒)

'43(東宝)(原)松﨑啓次(脚)小國英雄(撮)小原讓治(美)久保一雄(音)服部良一(出)市川猿之助、原節子、髙峰秀子、河津淸三郎、鈴木傳明、青山杉作、坂東好太郎、小杉義男、菅井一郎、進藤英太郎

ギッシュ姉妹主演の『嵐の孤児』等、いくつかのアメリカ映画を翻案・引用している。英国支配下の中国における愛蘭(原)と麗蘭(高峰)姉妹の受難を通して「大東亜共栄圏」建設を訴えた「国策映画」ながら、盲目のヒロイン高峰が阿片窟で儚げに歌うシーン等に、娯楽監督マキノの手腕が発揮されている。クレジットは無いが、監督デビュー前の黒澤明が脚本に参加 している。

1月9日(水)19:00~ / 2月1日(金)13:00~

ハナコサン (ハナ子さん) (71分・35mm・白黒)

'43(東宝)(原)杉浦幸雄(脚)山崎謙太、小森靜男(撮)木塚誠一(美)北川惠司(音)鈴木靜一(出)轟夕起子、灰田勝彦、髙峰秀子、山本禮三郎、英百合子、山根壽子、岸井明、嵯峨善兵、伊達里子

轟夕起子を想定して描かれた同名漫画の映画化。戦時プロパガンダとしての要素が随所に認められるが、バスビー・バークレーを思わせるダンス・シーンや、出演者が軍歌や戦時歌謡をミュージカル・ナンバーのように楽しく歌うシーンにマキノの才能が光る。検閲前のフィルムには五郎(灰田)の出征にハナ子(轟)が涙を流すカットがあった。主題歌は「お使いは自転車に乗って」。

1月16日(水)13:00~ / 1月27日(日)11:00~ / 2月15日(金)16:00~

不沈艦撃沈 (96分・35mm・白黒)

'44(松竹)(原)平田弘一(脚)小國英雄(撮)三木滋人(美)本木勇(音)大澤壽人(出)井上正夫、小澤栄太郎、佐分利信、高田浩吉、水戸光子、桑野通子、東野英治郎

松竹撮影所長時代のマキノが、映画統制下のフィルム不足を解消するために、海軍に企画を持ち込んで製作にこぎつけた。マレー沖海戦のプリンス・オブ・ウェールズ号撃沈に使われた魚雷をつくった工場の人々を描いた職業報国映画。実話を基にした英雄譚を市井の人々のものとしたところにマキノの意図がある。

1月10日(木)13:00~ / 1月27日(日)14:00~

野戰軍樂隊 (67分・35mm・白黒)

'44(松竹)(原)田辺新四郎(撮)竹野治夫(出)小杉勇、佐分利信、三原純、上原謙、佐野周二、李香蘭、杉狂児、三井秀夫、槇芙佐子

敗戦色濃くなるなか、情報局募集による「国民映画脚本」をマキノが脚色。戦意高揚映画ながら音楽映画としても楽しめる。軍楽少尉・園田(佐分利)が野戦軍楽隊を組織するために、中国駐屯のある部隊を訓練することになるが、音大出の菅上等兵(上原)と佐久間上等兵(佐野)はことごとく衝突する…。歌自慢の中国娘を演じた李香蘭は本作を最後に満映を退社。

1月10日(木)16:00~ / 1月26日(土)17:00~

怪傑紫頭巾 總輯版 [「佐平次捕物控 紫頭巾」前後篇・改題短縮版]
(96分・35mm・白黒)

'49(C・A・C)(原)壽々喜多呂九平(脚)八尋不二(撮)三木滋人(音)鈴木静一(出)阪東妻三郎、大河内傳次郎、沢村國太郎、加東大介、月丘夢路、宮城千賀子、市川春代、逢初夢子、尾上菊太郎、小堀誠

マキノプロ時代の寿々喜多呂九平作品『紫頭巾 浮世繪師』(1923年)のリメイクだが、物語は異なる。前作で、惜しくも主役を逃した阪妻が、念願の紫頭巾・能役者・浮世絵師の三役を演ずる。今回上映するのは、「佐平次捕物控 紫頭巾」前後篇(137分)を、1953年に再公開した版。

1月10日(木)19:00~ / 1月27日(日)17:00~
殺陣師段平

殺陣師段平 (104分・35mm・白黒)

'50(東横映画)(原)長谷川幸延(脚)黒沢明(撮)三木滋人(美)堀保治(音)大久保徳次郎(出)市川右太衛門、月形龍之介、山田五十鈴、杉狂児、月丘千秋、進藤英太郎、横山エンタツ、加藤嘉、原健作、髙松錦之助

金も学もなく、髪結いの妻・お春に支えられながら、歌舞伎仕込みの殺陣一筋で生きてきた市川段平(月形)が、新国劇の澤田正二郎(右太衛門)の目指す新しい剣劇に魅せられ、生涯をかけて挑む。二度目の結婚に失敗したばかりのマキノが思い描く、過剰なまでに理想化されたお春を、山田が生身の女として見事に演じた。マキノは、本作から「正博」を「雅弘」に改名。

1月11日(金)13:00~ / 2月5日(火)13:00~

次郎長三國志 次郎長賣出す (82分・35mm・白黒)

'52(東宝)(原)(脚)村上元三(脚)松浦健郎(撮)山田一夫(美)中古智(音)鈴木靜一(出)小堀明男、若山セツ子、河津清三郎、田崎潤、森健二、田中春男、廣沢虎造、沢村國太郎

田崎潤が桶屋の鬼吉を演じたくて企画したという同名小説(「オール讀物」連載)の映画化でシリーズ第1部。些細な喧嘩がきっかけで旅立った米屋の長五郎(小堀)が、鬼吉(田崎)、関東綱五郎(森)、大政(河津)、法印大五郎(田中)の子分を従える次郎長一家の親分になるまでを描く。

1月11日(金)16:00~ / 2月5日(火)16:00~

次郎長三国志 次郎長初旅 (83分・35mm・白黒)

'52(東宝)(原)(脚)村上元三(脚)松浦健郎(撮)山田一夫(美)中古智(音)鈴木靜一(出)森繁久彌、堺佐千夫、隅田惠子、石井一雄、小杉義男、和田道子、三好榮子、小川虎之助

第1部と同時に製作された第2部。マキノは、2作品を併せて40日間で完成させ、直ぐに同時封切の『ハワイの夜』の撮影のために新東宝へ赴いたという。潰れかけた料理屋の窮状を見兼ね、次郎長一家が酔った振りをして農兵節を繰り返し歌う羽目になるのが見もの。料理屋の佐太郎夫婦の描写に、マキノの夫婦愛の理想がみえる。本作から森の石松(森繁)が登場。

1月11日(金)19:00~ / 2月5日(火)19:00~

次郎長三国志 第三部 次郎長と石松 (88分・35mm・白黒)

'53(東宝)(原)村上元三(脚)松浦健郎(撮)山田一夫(美)北猛夫、阿久根巖(音)鈴木靜一(出)久慈あさみ、小泉博、小杉義男、清水元、鴨田清、花房一美

本作から「第三部」とクレジットが入り、シリーズとして定着する。レギュラーに追分三五郎(小泉)と投げ節お仲(久慈)が加わり、石松を含めた恋の三角形に発展。酔った石松とお仲が三味線を弾いて歌う場面が秀逸。宝塚の男役スターであった久慈あさみは、岩風呂入浴シーンに裸同然で臨み、周囲を驚かせたという。

1月12日(土)11:00~ / 2月6日(水)13:00~

次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港 (80分・35mm・白黒)

'53(東宝)(原)村上元三(脚)松浦健郎(構成)小國英雄(撮)山田一夫(美)北猛夫、阿久根巖(音)鈴木靜一 (出)加東大介、豊島美智子、小倉俊子、千葉信男、石黑達也

行き倒れの力士・八尾ケ岳久六らを連れて清水港へ現れた石松と三五郎に頼まれて、次郎長が相撲興行を打つことに。一家に加わりたくて仕方がない漁師・三保の豚松(加東)が飛び入り参加し、巨漢力士と取り組む一番が見もので、これは加東自身が「次郎長三国志」メンバーになりたくて大熊役の実兄・澤村国太郎に頼んだという逸話とも重なる。

1月12日(土)14:00~ / 2月6日日(水)16:00~

次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路 (77分・35mm・白黒)

'53(東宝)(原)村上元三(脚)松浦健郎(構成)小國英雄(撮)飯村正(美)北猛夫、浜上兵衛(音)鈴木靜一(出)豊島美智子、谷晃、緒方燐作、小堀誠

黒駒一家の身内・猿屋の勘助(小堀誠)の動向を探りに行ったお仲が囚われの身に。それを知った次郎長一家は急遽旅立つのだった。惚れたお仲を救うために石松は片眼を斬られ…。前作からレギュラーに加わった加東大介=豚松は、『七人の侍』への出演が決まったため、甲州路で死ぬ設定に変えられた。

1月12日(土)17:00~ / 2月6日(水)19:00~

次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家 (104分・35mm・白黒)

'53(東宝)(原)村上元三(脚)松浦健郎(構成)小國英雄(撮)飯村正(美)北猛夫、浜上兵衛(音)鈴木靜一 (出)越路吹雪、長門裕之、若山セツ子、山本廉、千葉信男、廣瀬嘉子、英百合子

勘助を斬って無事にお仲を救い出し、凶状旅に出た次郎長一家。お蝶(若山)の病気で身を寄せた保下田の久六一家に裏切られ、這う這うの体で小松村の七五郎(山本)の家に辿り着く。七五郎の妻・お園を演じた越路吹雪が、男勝りだが夫思いの可愛い女を好演し、勇ましくも優美なマキノ直伝の槍さばきをみせてくれる。

1月13日(日)11:00~ / 2月7日(木)13:00~

次郎長三国志 第七部 初祝い清水港 (89分・35mm・白黒)

'54(東宝)(原)村上元三(脚)松浦健郎(構成)小國英雄(撮)飯村正(美)北猛夫、浜上兵衛(音)鈴木靜一(出)越路吹雪、長門裕之、山本廉、堺左千夫、廣瀬嘉子、隅田惠子、和田道子、千葉信男

久六に復讐することを誓い清水に戻った次郎長一家だったが、紅一点のお仲が一家を残して旅立ってしまう。やくざ志願で次郎長を慕う喜代造少年(長門)が言った「母になってくれ」という言葉に動揺してのことだった。そのうえ、死んだお蝶の百箇日の法要に、一家が酒盛りで食べた河豚の毒に当ったとの噂が流れ…。

1月13日(日)14:00~ / 2月7日(木)16:00~

次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊 (103分・35mm・白黒)

'54(東宝)(原)村上元三(脚)小川信昭、沖原俊哉(撮)飯村正(美)北辰雄(音)鈴木靜一(出)越路吹雪、水島道太郎、山本廉、志村喬、青山京子、川合玉江

石松の開眼・死のエピソードを含み、シリーズ最高傑作との呼び声高い。次郎長の命令で金比羅様へ代参することになった石松。初心な石松を「男」にするための次郎長の親心でもあった。石松は、旅の道連れとなった小政(水島)にのろけられて、「泣いているような眼」の女を求めて花街へ繰り出して行く。冒頭で豚松の仏前に弔する許婚の丸髷=既婚女性の記号はマキノが好んでよく用いる。

1月13日(日)17:00~ / 2月7日(木)19:00~

次郎長三国志 第九部 荒神山 (82分・35mm・白黒)

'54(東宝)(原)村上元三(脚)マキノ雅弘(撮)山田一夫(美)北辰雄(音)鈴木靜一(出)若原雅夫、角梨枝子、千秋實、浜田百合子、江川宇礼雄

伊勢国鈴鹿山郡荒神山を舞台に繰り広げられる縄張り争いの調停に立った吉良の仁吉(若原)と、それに加勢する次郎長一家。当初「荒神山」前・後篇として撮られ、全10部作となる筈だったが、後篇が完成しなかったため、本作がシリーズ最後となった。岡田茉莉子が仁吉のかつての許婚に配されて撮影もされたが、日の目を見なかった。

1月15日(火)13:00~ / 1月30日(水)19:00~

やくざ囃子 (87分・35mm・白黒)

'54(滝村プロ=東京映画)(原)村上元三(脚)松浦健郎、マキノ雅弘(撮)三村明(美)島康平(音) 服部正(出)鶴田浩二、岡田茉莉子、花柳小菊、河津清三郎、田崎潤、森健二、田中春男

「次郎長三国志」シリーズと平行して製作された作品で、出演者も幾人か共通している。マキノは寝る間なく撮り、産まれた子にも会いに行けなかったという。股旅やくざの弥太郎(鶴田)と足の不自由な元武家の娘・篠(岡田)のシンプルな恋物語ながら、簪、笠、お面といった小道具、そして祭の場面が効果的に使われ、情緒あふれる見せ場をつくりあげている。

2月の上映スケジュールはこちら

料金

一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール 定員:310名(各回入替制)
http://www.momat.go.jp/

2008年1月5日(土)~2月17日(日)まで
※ただし毎週月曜日は休館

2007/12/28/17:40 | BBS | トラックバック (0)
東京国立近代美術館フィルムセンター
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Googleブックマークに追加
  • web拍手 by FC2

主なキャスト / スタッフ

    Tags
記事内容で関連がありそうな記事
キャスト&スタッフで関連がありそうな記事

TRACKBACK URL:

メルマガ購読・解除
INTRO 試写会プレゼント速報
掲載前の情報を配信。最初の応募者は必ず当選!メルメガをチェックして試写状をGETせよ!
アクセスランキング
新着記事
Follow me
 
 
 
 
Copyright (C) 2004-2015 INTRO