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美しき運命の傷痕

美しき運命の傷痕

公式HPhttp://www.utsukushiki.jp/にて
ダニス・タノヴィッチ監督×エマニエル・ベアール来日記者会見

ジャパンプレミア舞台挨拶レポート掲載中

2006年4月8日
bunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマにてロードショー

■■■■ INTRODUCTION ■■■■

愛の痛みと苦しみを知る全ての人に――。
愛と再生を描く今世紀最高傑作。

22年前に起こった不幸な出来事によって父親を失った三姉妹。美しく成長した彼女たちは今、それぞれに問題を抱えている。 長女ソフィは夫の浮気に悩み、次女は恋人のいない孤独な日々を過ごし、 三女は年の離れた大学教授との不倫関係を引きずっている。そして、彼女たちの母親が抱える、ある秘密――。
映画は、彼女たちが愛の地獄でさ迷い、もがき苦しみ、心に傷を負うさまを描きつつ、 その運命を受け入れて現実を強く生きぬこうと“再生”する姿を、繊細かつ熱情的に映し出してゆく。

多彩でゴージャス!
ヨーロッパを代表する俳優達の豪華共演

美しき運命の傷痕2本作の大きな見どころの一つは、 何といってもヨーロッパを代表する俳優たちの豪華な顔ぶれ。まさに"夢の共演"と呼ぶにふさわしい、 ゴージャスな顔合わせが実現した。
長女ソフィに扮するのは、『美しき謹い女』で一躍フランス映画界を代表する女優に上りつめ、『ミッション:インポッシブル』 といったハリウッド映画でも活躍し名実ともに国際派としての地位を確立したエマニュエル・ベアール。 次女セリーヌを演じたのは、フランス映画界のオスカーにあたるセザール賞を二度受賞した演技派、カリン・ヴィアール。 報われない愛に苦悩する三女のアンヌには、若手の中でも群を抜く美しさを誇るマリー・ジランが扮し、可憐に演じている。
三姉妹の母親役にはフランスを代表する聡明なクールビューティー、キャロル・ブーケ。 本作ではほぼ全編でその美貌を封印した姿で登場し、圧倒的な存在感を見せる。ソフィの夫、ピエールを演じるのは、 『クリクリのいた夏』『レセ・パセ 自由への通行証』のジャック・ガンブラン。 後ろめたく思いながらも浮気を続けるピエールを情けなくも愛すべき存在として絶妙に演じきった。 アンヌが一途な思いをぶつける大学教授のフレデリック役には、『ニュー・シネマ・パラダイス』 での大人になった主人公トトを演じた俳優として、また大ヒット作『WATARI-DORI』の総監督として有名なジャック・ ペラン。他にも、俳優としてだけではなく映画作家としても最近大きな注目を集めるギョーム・ カネが物語の重要なキーパーソンとなるセバスチャンに扮し、三姉妹の父親役には旧ユーゴ出身で、エミール・ クストリッツァ作品やヨーロッパ各国の作品で独特の存在感を見せる名優ミキ・マノイロヴィッチが扮している。 圧巻はフランス映画界の至宝、ジャン・ロシュフォール。 母を見舞うセリーヌの心のオアシス的存在であるルイを高貴なユーモアたっぷりに演じ、映画に重厚な品格を与えている。

巨匠キェシロフスキの遺稿に挑んだ、
若き天才ダニス・ タノヴィッチ

美しき運命の傷痕3『トリコロール』三部作や『ふたりのベロニカ』といった多くの傑作を生み出し、 世界中の映画ファンに崇拝されながらも96年3月13日に54歳の若さで急逝したポーランドの巨匠クシシュトフ・ キェシロフスキ。彼が最後に遺した「天国」「地獄」「煉獄」三部作の第一章「天国」を『ヘヴン』 として映画化したドイツの新鋭トム・ティクヴァに続いて第二章「地獄」に挑んだのは、デビュー作『ノー・マンズ・ ランド』でアカデミー賞外国語映画賞ほか数々の賞を受賞して一躍世界の注目を集めた若き天才ダニス・ タノヴィッチだ。「運命と偶然」 というキェシロフスキ作品の永遠のテーマを盛り込んで亡き巨匠にオマージュを捧げつつも、 タノヴィッチはこの遺稿を大胆に脚色。
出演者たちの魅力を最大限に輝かせる優れた演出力と、 観客の心をぐいぐいと作品世界に引き込む卓抜したストーリーテリングカで、確実に自分の作品へと昇華させた。『ノー・ マンズ・ランド』で、生きるか死ぬかという戦争下の緊迫した状況に生きる二人の兵士の関係と、 彼らをとりまくマスコミや国連軍の異常ぶりをブラックなおかしみたっぷりに描いたタノヴィッチならではのユーモアと皮肉は本作でも健在。 息が詰まるようなシリアスな描写の後に、ミルクチョコレートに固執する母親やタイミングの悪い車掌といった、 思わずクスリと笑ってしまうエピソードを盛り込んで、緩急のリズム豊かに物語を紡いでゆく。
別々の個性を持った二つの才能の、時空を超えた奇跡のコラボレーション。この異色の、 かつとびきり魅力的なコラボレーション企画に名優たちも続々と賛同し、「運命と偶然」 によって生まれた出会いが起こした化学反応は、美しくも哀しい愛を描いた傑作として結晶した。

誰もが傷跡を抱えて、
万華鏡のようなこの世界を生きている

三姉妹は、幼い時に父親を失ったことがさまざまな形でトラウマとなっている。 再び"父親"に捨てられてしまうのではないかという不安と嫉妬から予想外の行動に出る長女。 男性との距離のとり方が下手でなかなか心を開くことが出来ない次女。父親への強い憧れを抱き、 自分と同い年の娘を持つ大学教授と付き合い、その愛を独占しようとする三女。嫉妬、疑惑、欲望、憎しみ一一。 程度の差こそあれ、こうした"負の情念"が生んだ心の傷を誰もが一つや二つは抱えているもの。ただ傷痕は残っても、 再びつらい出来事が起こった時に痛みを和らげるための"免疫"になることもある。苦しい過去が明るい未来に変わることも…… 。それはまるで、その時々によってさまざまな模様を見せる万華鏡のように光と陰、明と暗とが対になっていて、角度や位置、 高さによってさまざまな見え方をするこの現実世界そのものでもある。 彼女たちが陥った"地獄"は特殊な状況にあるものではない。私たちの日常に、いつでもそれは顔を覗かせていて、 私たちはいつでもそこにはまりうる可能性を持っているのだ。

■■■■ STORY ■■■■

美しき運命の傷痕4現代のパリ。
22年前に父親をある出来事によって失った三姉妹。美しく成長した彼女たちは今、それぞれに問題を抱えている。

写真家の夫との問には二人の子供がいる長女ソフィは36歳。 夫の浮気を疑うソフィは夫を尾行し、職場にも押しかける。嫉妬にかられたソフィの行動は次第にエスカレートしていく。
三女のアンヌは聡明で魅力的な大学生。 アンヌはフレデリックという年の離れた大学教授と不倫関係にあったが、突然の別れを彼から告げられる。ひたむきなアンヌは、 フレデリックの愛をなんとか繋ぎ止めようと彼の自宅で待ち伏せするが、拒絶されてしまう。
次女のセリーヌは32歳、恋人もおらず孤独な日々を過ごしている。 体が不自由で口がきけなくなった母親の世話を彼女が一身に引き受けている。ある日、 セバスチャンという魅力的な男性に声をかけられるが、恋に憶病な彼女は彼とどう距離をとればいいのか分からない。
別の日、 セリーヌはセバスチャンからある告白を受ける。それは22年前に起きた父の死にまつわる衝撃の事実だった……。

■■■■  CAST/STAFF  ■■■■

監督・脚色:ダニス・ タノヴィッチ
原案:クシシュトフ・キェシロフスキ
   クシシュトフ・ピェシェヴィチ
脚本:クシシュトフ・ピェシェヴィチ
撮影:ローラン・ダイヤン
美術:アリーヌ・ボネット
衣装:カロリーヌ・ドゥ・ヴィヴェーズ
録音:ディルク・ボンベイ
編集:フランチェスカ・カルヴェリ
音楽:ダニス・タノヴィッチ
   ダスコ・セグヴィッチ

出 演
エマニュエル・ベアール
カリン・ヴィアール
マリー・ジラン
キャロル・ブーケ
ジャック・ペラン
ジャック・ガンブラン
ギョーム・カネ
ジャン・ロシュフォール
ミキ・マノイロヴィッチ

2005年/フランス=イタリア=ベルギー=日本/
カラー/35mm/シネマスコープ/102分/ドルビーデジタル
提供:ビターズエンド、スタイル・ジャム、ぴあ、読売新聞

http://www.utsukushiki.jp/

2006年4月8日
bunkamuraル・シネマ、
銀座テアトルシネマにてロードショー

2006/03/26/14:10 | トラックバック (1)
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邦題:美しき運命の傷痕 原題:L' ENFER 英題:HELL 監督:ダニス・タ

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