生誕100年川喜多かしこ

ヨーロッパ映画の黄金時代
(9月2日~9月28日までの上映スケジュール)

禁じられた遊び

2008年3月21日は川喜多かしこ(1908-1993)生誕100年の記念日に当たります。川喜多かしこは、東和商事(現・東宝東和)の社長で夫でもある長政とともに、戦前より数々の優れたヨーロッパ映画を日本に輸入するかたわら、日本映画の海外への普及や、「アート・シアター」運動、「フィルム・ライブラリー」運動にも先駆的な役割を果しました。
映画史にさん然と輝く名作を我が国に紹介し、映画で世界と日本を結びながら、映画文化の向上に生涯を捧げたかしこ夫人は、海外でもそうそうたる映画人の尊敬を集め、「マダム・カワキタ」の呼び名で親しまれました。その存在はまさに日本の「映画大使」と呼ばれるにふさわしいものであったと言えるでしょう。
川喜多記念映画文化財団との共同で開催される本企画では、かしこ夫人が初めて輸入にかかわった『制服の処女』(1931年)などのドイツ映画をはじめ、30年代のフランス映画、戦後のイギリス映画など、東和の配給で紹介された作品59本の上映を通して、我が国におけるヨーロッパ映画の黄金時代と「アート・シアター」運動の軌跡を回顧します。
かしこ夫人の功績と生涯を関連の資料でたどる展覧会「生誕100年 川喜多かしこ展」とあわせて、ご鑑賞下さい。

トーク・イベント
8月5日(火) 19:00~『禁じられた遊び』上映終了後 ゲスト:佐藤忠男(映画評論家)
9月7日(日) 14:00~『バルタザールどこへ行く』上映終了後 ゲスト:ドナルド・リチー(映画評論家)

料金
一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。開映後の入場は不可。
発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。 発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール 定員=310名(各回入替制)

http://www.momat.go.jp/

2008年7月25日(金)~9月28日(日)まで
※8-9月の月曜日、9月29日(月)30日(火)は休館

スケジュール

9月2日(火)~9月28日(日)までの上映スケジュール

9/2(火) 13:00~『アレクサンドル・ネフスキー』(108分) 16:00~『ふくろうの河』『いぬ』(計135分) 19:00~『第七の封印』(97分)
9/3(水) 13:00~『アメリカの影』(81分) 16:00~『いとこ同志』(109分) 18:30~m『リチャード三世』(158分)
9/4(木) 13:00~『新・七つの大罪』(111分) 16:00~『』(121分) 19:00~『女だけの都』(101分)
9/5(金) 13:00~『陽気なドン・カミロ』(107分) 16:00~『大人は判ってくれない』『あこがれ』(計123分) 19:00~『喜劇の黄金時代』(78分)
9/6(土) 11:00~『青い麦』(108分) 14:00~『たそがれの女心』(99分) 17:00~『わが青春のマリアンヌ』(106分)
9/7(日) 11:00~『自由を我等に』(88分) 14:00~『バルタザールどこへ行く』(95分)※トーク・イベント
17:00~『アスファルト』(117分)
9/9(火) 13:00~『たそがれの維納』(99分) 16:00~『上から下まで』(81分) 19:00~『少年探偵団』(73分)
9/10(水) 13:00~『嘆きの天使』(107分) 16:00~『ル・ミリオン』(84分) 19:00~『会議は踊る』(91分)
9/11(木) 13:00~『いとこ同志』(109分) 16:00~『ドン・キホーテ』(85分) 19:00~『最後の億万長者』(89分)
9/12(金) 13:00~『商船テナシチー』(73分) 16:00~『ミモザ館』(112分) 19:00~『未完成交響楽』(88分)
9/13(土) 11:00~『』(121分) 14:00~『にんじん』(92分) 17:00~『女だけの都』(101分)
9/14(日) 11:00~『喜劇の黄金時代』(78分) 14:00~『制服の処女』(89分) 17:00~『赤い砂漠』(116分)
9/16(火) 13:00~『赤ちゃん』(95分) 16:00~『マヅルカ』(94分) 19:00~『三十九夜』(86分)
9/17(水) 13:00~『ブルグ劇場』(122分) 16:00~『モンブランの王者』(81分) 19:00~『月世界の女』(147分)
9/18(木) 13:00~『リラの門』(98分) 16:00~『民族の祭典 オリンピア 第1部』(85分) 19:00~『美の祭典 オリンピア 第2部』(81分)
9/19(金) 13:00~『ホフマン物語』(111分) 16:00~『ピカソ―天才の秘密』(74分) 19:00~『うたかたの恋』(82分)
9/20(土) 11:00~『ふくろうの河』『いぬ』(計135分) 14:00~『大人は判ってくれない』『あこがれ』(計123分) 17:00~『アレクサンドル・ネフスキー』(108分)
9/21(日) 11:00~『反撥』(103分) 14:00~『われら巴里ッ子』(107分) 16:30~『リチャード三世』(158分)
9/23(火) 11:00~『新・七つの大罪』(111分) 14:00~『沈黙の世界』(82分) 16:30~『天井棧敷の人々』(186分)
9/24(水) 13:00~『宿命』(128分) 16:00~『たそがれの女心』(99分) 19:00~『第三の男』(104分)
9/25(木) 13:00~『眼には眼を』(110分) 16:00~『三文オペラ』(94分) 19:00~『わが青春のマリアンヌ』(106分)
9/26(金) 13:00~『青い麦』(108分) 16:00~『禁じられた遊び』(87分) 19:00~『居酒屋』(117分)
9/27(土) 11:00~『アメリカの影』(81分) 14:00~『尼僧ヨアンナ』(108分) 17:00~『惡魔のような女』(117分)
9/28(日) 11:00~『陽気なドン・カミロ』(107分) 14:00~『巴里の空の下セーヌは流れる』(117分) 17:00~『第七の封印』(97分)
7月25日(金)~8月31日(日)までの上映スケジュールはこちら
上映タイトル一覧
8/5(火)19:00~ 8/16(土)11:00~ 9/26(金)16:00~

禁じられた遊び JEUX INTERDITS ( 87分・35mm・白黒 )

’52(フランス)(監)(脚)ルネ・クレマン(原)フランソワ・ボワイエ(脚)ジャン・オーランシュ、ピエール・ボスト(撮)ロベール・ジュイヤール(美)ポール・ベルトラン(音)ナルシソ・イエペス(出)ブリジット・フォッセー、ジョルジュ・プージュリー、リュシアン・ユベール

1953年9月日本公開。ナチスに両親と飼い犬を殺された難民の少女と村の少年との淡くせつない交流を描いた、ルネ・クレマン監督による詩情豊かな反戦映画。1952年ヴェネツィア国際映画祭でグランプリを受賞。ナルシソ・イエペスのギターによる主題曲とともに大ヒットを記録した。

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8/6(水)13:00~ 8/31(日)11:00~ 9/25(木)16:00~

三文オペラ THE BEGGER’S OPERA ( 94分・35mm・カラー )

’53(イギリス)(監)ピーター・ブルック(原)ジョン・ゲイ(脚)デニス・キャナン(撮)ガイ・グリーン(美)ウィリアム・C・アンドリュース(音)アーサー・ブリス(出)ローレンス・オリヴィエ、スタンリー・ホロウェイ、ジョージ・ディヴァイン、ドロシー・テューティン

1953年11月日本公開。ブレヒトの「三文オペラ」ではなく、その種本であり1728年に初演されて大ヒットしたジョン・ゲイの「ベガーズ・オペラ」の映画化。時代は18世紀前半に設定され、楽曲にも18世紀の俗謡が使われている。L・オリヴィエが美声を聞かせるのも見所。

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8/6(水)16:00~ 9/5(金)13:00~ 9/28(日)11:00~

陽気なドン・カミロ LE PETIT MONDE DE DON CAMILLO ( 107分・35mm・白黒 )

’53(フランス=イタリア)(監)(脚)ジュリアン・デュヴィヴィエ(原)ジョヴァンニ・グアレスキ(脚)ルネ・バルジャヴェル(撮)ニコラ・エイエ(美)ヴィルジリオ・マルキ(音)アレッサンドロ・チコニーニ(出)フェルナンデル、ジーノ・チェルヴィ、シルヴィー、ヴェラ・タルキ

1954年6月日本公開。イタリアの小さな町が舞台。共産党員の町長とカトリックの司祭ドン・カミロは、ことあるごとに大喧嘩するが、幼馴染みでもある。田舎町の生き生きとした様子が、二人の諍いを中心にテンポよく語られるヒューマン・コメディ。フランス、イタリアのみならず日本でも大人気を得た。

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8/6(水)19:00~ 9/6(土)11:00~ 9/26(金)13:00~

青い麦 LE BLÉ EN HERBE ( 108分・35mm・白黒 )

’53(フランス)(監)(脚)クロード・オータン=ララ(原)コレット(脚)ジャン・オーランシュ、ピエール・ボスト(撮)ロベール・ルフェーヴル(美)マックス・ドゥーイ(音)ルネ・クロエレック(出)エドウィージュ・フイエール、ニコール・ベルジェ、ピエール=ミシェル・ベック

1954年9月日本公開。コレットの同名小説をオーランシュ&ボストが脚色。ブルターニュの避暑地で、思春期を迎えた少年少女のはかなげな青春が爽やかに綴られている。少年を誘惑する夫人役のE・フイエールが圧倒的な魅力を見せている。

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8/7(木)13:00~ 9/6(土)14:00~ 9/24(水)16:00~

たそがれの女心 MADAME DE... ( 99分・35mm・白黒 )

’53(フランス=イタリア)(監)(脚)マックス・オフュルス(原)ルイズ・ド・ヴィルモラン(脚)マルセル・アシャール、アネット・ワドマン(撮)クリスチャン・マトラス(美)ジャン・ドーボンヌ(音)ジョルジュ・ヴァン・パリス、オスカー・シュトラウス(出)ダニエル・ダリュー、シャルル・ボワイエ、ヴィットリオ・デ・シーカ、ジャン・ドビュックール

1954年12月日本公開。夫からもらったイヤリングを内緒で売り払った貴婦人。それはやがて夫の情婦へ、貴婦人を想う男爵へと持ち主を変え…。オフュルス作品ならではの流麗なキャメラに乗って恋のデカダンスが廻り始める。

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8/7(木)16:00~ 8/29(金)13:00~ 9/27(土)17:00~

惡魔のような女 LES DIABOLIQUES ( 117分・35mm・白黒 )

’54(フランス)(監)(脚)アンリ=ジョルジュ・クルーゾー(原)ピエール・ボワロー、トーマ・ナルスジャック(脚)ジェローム・ジェロニミ(撮)アルマン・ティラール、ロベール・ジュイヤール(美)レオン・バルザック(音)ジョルジュ・ヴァン・パリス(出)シモーヌ・シニョレ、ヴェラ・クルーゾー、ポール・ムーリス、シャルル・ヴァネル

1955年7月日本公開。妻(V・クルーゾー)に大きく依存しながらも愛人(シニョレ)を持つ、横暴な学校長(ムーリス)の失踪をめぐるサスペンス。東和は公開時に、途中から見ないこと、結末を絶対に知らさないことを徹底させたという。

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8/7(木)19:00~ 8/27(水)13:00~ 9/21(日)14:00~

われら巴里ッ子 L’AIR DE PARIS ( 107分・35mm・白黒 )

’54(フランス)(監)(脚)マルセル・カルネ(原)ジャック・ヴィオ(脚)ジャック・シギュール(撮)ロジェ・ユベール(美)ポール・ベルトラン(音)モーリス・ティリエ(出)ジャン・ギャバン、アルレッティ、ローラン・ルザッフル、マリー・ダームス、ジャン・パレデス、フォルコ・リュリ

1956年1月日本公開。かしこ夫人が「飽くなき貪欲さでパリを描く」と評し、常に敬愛したマルセル・カルネの戦後の作品。貧しい青年アンドレ(ルザッフル)と身分違いの令嬢(ダームス)の恋の行方が描かれる。パリの下町のリアルなセットは、『天井棧敷の人々』の美術担当A・トローネルを師とするP・ベルトランが手がけた。

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8/8(金)12:30~ 9/3(水)18:30~m 9/21(日)16:30~

リチャード三世 RICHARDⅢ ( 158分・35mm・カラー )

’55(イギリス)(監)(出)ローレンス・オリヴィエ(原)ウィリアム・シェークスピア(脚)アラン・デント(撮)オットー・ヘラー(美)カーメン・ディロン(音)ウィリアム・ウォルトン(出)ジョン・ギールグッド、ラルフ・リチャードソン、クレア・ブルーム、アレック・クランズ、メアリー・ケリッジ、スタンリー・ベーカー、セドリック・ハードウィック

1956年3月日本公開。かしこ夫人と親交が深かったロンドン・フィルムのアレグザンダー・コルダが、最後に製作した作品。『ハムレット』で監督・主演したL・オリヴィエが再びシェークスピアの戯曲に挑戦。15世紀に全盛期を迎えたヨーク家で、残虐なリチャード三世(オリヴィエ)が中心に繰り広げる王位継承争いが描かれる。

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8/8(金)16:00~ 9/6(土)17:00~ 9/25(木)19:00~

わが青春のマリアンヌ MARIANNE DE MA JEUNESSE ( 106分・35mm・白黒 )

’55(フランス)(監)(脚)ジュリアン・デュヴィヴィエ(原)ペーター・ド・メンデルスゾーン(撮)レオンス・アンリ・ビュレル(美)ジャン・ドーボンヌ(音)ジャック・イベール(出)マリアンヌ・ホルト、イザベル・ピア、ピエール・ヴァネック、ジル・ヴィダル、ジャン・ガラン、ジャン・ヨンネル、ミハエル・アンデ

1956年4月日本公開。古い洋館に閉じこめられた美少女に恋した少年は、少女をそこから救おうとするが…。オーストリアの神秘的な湖畔でのロケシーンを交えた悲しくも美しい青春恋愛物語。本作は、主要人物以外のキャストがすべて異なるドイツ版も作られた。

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8/8(金)19:00~ 8/28(木)13:00~ 9/23(火)14:00~

沈黙の世界 LE MONDE DU SILENCE ( 82分・35mm・カラー・吹替 )

’55(フランス)(監)(水中撮影)(脚)(出)ジャック=イヴ・クストー(監)(水中撮影)ルイ・マル(撮)エドモン・セシャン(水中撮影)アルベール・ファルコ、フレデリック・デュマ(音)イヴ・ボードリエ(日本語版語り手)河原武雄

1956年8月日本公開。1956年のカンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品。海洋生物学者クストーがルイ・マルとともに撮った海中探検ドキュメンタリー映画。ルイ・マルは本作を撮った翌年に『死刑台のエレベーター』で長篇監督として華々しいデビューを遂げた。

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8/9(土)11:00~ 8/28(木)16:00~ 9/26(金)19:00~

居酒屋 GERVAISE ( 117分・35mm・白黒 )

’56(フランス)(監)ルネ・クレマン(原)エミール・ゾラ(脚)ジャン・オーランシュ、ピエール・ボスト(撮)ロベール・ジュイヤール(美)ポール・ベルトラン(音)ジョルジュ・オーリック(出)マリア・シェル、フランソワ・ペリエ、シュジー・ドレール、アルマン・メストラル、ジャック・アルダン、シャンタル・ゴッジ、ジャニー・オルト

1956年10月日本公開。文豪ゾラの原作をルネ・クレマンが映画化。男たちに裏切られ、それでもなお健気に生きようとする女ジェルヴェーズの悲劇的な物語。ペシミスティックな作風は批評家たちの間で賛否両論を生んだが、日本ではキネマ旬報ベストテン第1位に輝き、主演のM・シェルはヴェネツィア国際映画祭で主演女優賞を受賞した。

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8/9(土)14:00~ 8/26(火)19:00~ 9/19(金)16:00~

ピカソ―天才の秘密 LE MYSTÈRE PICASSO ( 74分・35mm・パートカラー・吹替 )

’56(フランス)(監)アンリ=ジョルジュ・クルーゾー(撮)クロード・ルノワール(音)ジョルジュ・オーリック(出)パブロ・ピカソ(日本語版語り手)永井智雄

1957年5月公開。サスペンス映画でも評価の高いクルーゾーが、長年親交のあったピカソの制作風景を丹念にキャメラで捉え、巨匠の創造への熱意を映し出した。編集は、後に『かくも長き不在』(1960年)でカンヌ国際映画祭グランプリを手にするアンリ・コルピが手がけた。

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8/9(土)17:00~ 8/29(金)19:00~ 9/24(水)13:00~

宿命 CELUI QUI DOIT MOURIR ( 128分・35mm・白黒 )

’57(フランス=イタリア)(監)(脚)ジュールス・ダッシン(原)ニコス・カザンツァキ(脚)ベン・バルツマン(撮)ジャック・ナットー(美)マックス・ドゥーイ(音)ジョルジュ・オーリック(出)ピエール・ヴァネック、ジャン・セルヴェ、メリナ・メルクーリ、フェルナン・ルドゥー、モーリス・ロネ、ニコール・ベルジェ

1957年10月日本公開。ギリシャの文豪カザンツァキの小説が原作。ギリシャと抗争が続くトルコのギリシャ人村で、流れてきた貧しい流民たちの救助を巡って、偏見と欲にまみれた教会の人間たちと心優しい少数の村人たちが対立する。ダッシンの初のワイド画面作品。

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8/10(日)11:00~ 8/29(金)16:00~ 9/18(木)13:00~

リラの門 PORTE DES LILAS ( 98分・35mm・白黒 )

’57(フランス)(監)(脚)ルネ・クレール(原)ルネ・ファレ(脚)ジャン・オーレル(撮)ロベール・ルフェーヴル(美)レオン・バルザック(音)(出)ジョルジュ・ブラッサンス(出)ピエール・ブラッスール、アンリ・ヴィダル、ダニー・カレル、レイモン・ビュシエール

1957年10月日本公開。パリ市東端にある下町地区ポルト・デ・リラ(=「リラの門」)が舞台。お人好しの飲んだくれと、自称“アーティスト”のギター弾きが逃亡中の強盗をかくまって世話を焼く庶民劇。シャンソン歌手ブラッサンスが主演し、ギターを抱えて自作の歌も披露する。

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8/10(日)14:00~ 8/26(火)16:00~ 9/25(木)13:00~

眼には眼を OEIL POUR OEIL ( 110分・35mm・カラー )

’57(フランス=イタリア)(監)(脚)アンドレ・カイヤット(原)(脚)ヴァエ・カチャ(撮)クリスチャン・マトラス(美)ジャック・コロンビエ(音)ルイギ(出)クルト・ユルゲンス、フォルコ・ルッリ、パスカル・オードレ、レア・パドヴァニ

1958年3月日本公開。十分な診療を受けられずに妻を失った男ボルタク(ルッリ)は、最初に診療を断り別の病院を紹介した町医師(ユルゲンス)に、我が身の危険もかえりみず復讐しようとする。フランスの社会派監督として知られたアンドレ・カイヤットが、シリアを舞台に、中近東における有色人たちの白人に対する憎悪を描き上げた。

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8/10(日)17:00~ 9/3(水)16:00~ 9/11(木)13:00~

いとこ同志 LES COUSINS ( 109分・35mm・白黒 )

’59(フランス)(監)(脚)クロード・シャブロル(撮)アンリ・ドカエ(美)ジャック・ソールニエ、ベルナール・エヴァン(音)ポール・ミスラキ(出)ジェラール・ブラン、ジャン=クロード・ブリアリ、ジュリエット・メニエル、クロード・セルヴァル、ギイ・ドコンブル

1959年10月日本公開。田舎から出てきた純情青年シャルル(ブラン)は、プレイ・ボーイの従兄ポール(ブリアリ)と同居中、二人のアパートにやってきたポールの恋人(メニエル)に心乱されてゆく。ヌーヴェル・ヴァーグを支えたクロード・シャブロルは、この長篇第2作で1959年ベルリン国際映画祭金熊賞を手にした。

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8/12(火)13:00~ 9/5(金)16:00~ 9/20(土)14:00~

あこがれ LES MISTONS ( 25分・35mm・白黒 )

’58(フランス)(監)(脚)フランソワ・トリュフォー(原)モーリス・ポンス(撮)ジャン・マリージュ(音)モーリス・ルルー(解説朗読)ミシェル・フランソワ(出)ベルナデット・ラフォン、ジェラール・ブラン

1960年8月日本公開。映画批評の枠を越えて本格的に映画監督として活動し始めた頃のトリュフォーの短篇。南仏を舞台として、美しい恋人たちへの憧れから二人に悪戯をする幼いこどもたちをいきいきと描き出した。当時G・ブランの妻だったB・ラフォンが初出演した。

大人は判ってくれない LES QUATRE CENT COUPS ( 98分・35mm・白黒 )

’59(フランス)(監)(脚)フランソワ・トリュフォー(脚)マルセル・ムーシィ(撮)アンリ・ドカエ(美)ベルナール・エヴァン(音)ジャン・コンスタンタン(出)ジャン=ピエール・レオー、クレール・モーリエ、アルベール・レミー、ギイ・ドコンブル、パトリック・オーフェー

1960年3月日本公開。トリュフォーの長篇デビュー作。大人の世界に対する憧れと嫌悪の間で揺れる少年アントワーヌ・ドワネルを、トリュフォーの生い立ちと重ねるように描いている。こどもらしい無邪気さと大人びた繊細さを、子役レオーが見事に体現した。

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8/12(火)16:00~ 9/5(金)19:00~ 9/14(日)11:00~

喜劇の黄金時代
LA GRANDE ÉPOQUE (GOLDEN AGE OF COMEDY) ( 78分・35mm・白黒・フランス語版 )

’57(アメリカ)(監)ロバート・ヤングソン(出)スタン・ローレル、オリヴァー・ハーディ、ベン・ターピン、ウィル・ロジャース、ハリー・ラングドン、キャロル・ロンバード、ビリー・ビーヴァン(解説)ルネ・クレール

1960年12月日本公開。喜劇の巨匠マック・セネット、ダグラス・フェアバンクスのものまねをするロジャースに、人気俳優ローレルとハーディ、小柄でチョビ髭のベン・ターピン。無声映画時代のアメリカの名作コメディをダイジェストにまとめた作品。傑出したコメディ映画の数々を手がけたルネ・クレールが解説する。

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8/12(火)19:00~ 8/31(日)17:00~ 9/27(土)14:00~

尼僧ヨアンナ MATKA JOANNA OD ANIOŁÓW ( 108分・35mm・白黒 )

’61(ポーランド)(監)(脚)イェジー・カワレロウィッチ(原)ヤロスワフ・イワシュキェヴィッチ(脚)タデウシュ・コンウィッキー(撮)イェジー・ヴーイチック(美)ロマン・マン(音)アダム・ワラチニュスキー(出)ルチーナ・ウィンニツカ、ミェチスワフ・ウォイト、アンナ・チェピェレフスカ、マリア・フワリブック、カジミエシ・ファビシャック

1962年4月日本公開(ATG共同配給)。かしこ夫人の熱心な奨励と東宝の出資により、世界のアート・シネマ普及を強化させるべく、全国の中小映画館10館の連合組織である日本アート・シアター・ギルド(ATG)が発足した。本作はATG第1作である。中世の尼僧修道院で、美しい院長ヨアンナの悪魔払いに身を捧げる修道士の愛が鮮烈に描かれている。

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8/13(水)13:00~ 9/4(木)16:00~ 9/13(土)11:00~

LA NOTT ( 121分・35mm・白黒 )

’60(イタリア)(監)(原)(脚)ミケランジェロ・アントニオーニ(原)(脚)エンニオ・フライヤーノ、アントニオ・グエルラ(撮)ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ(美)ピエロ・ズッフィ(音)ジョルジョ・ガスリーニ(出)ジャンヌ・モロー、マルチェロ・マストロヤンニ、モニカ・ヴィッティ、ベルンハルト・ヴィッキ、ジョルノ・ネグロ、ロージ・スッツァクラーティ

1962年11月日本公開。作家の夫ジョヴァンニ(マストロヤンニ)と何不自由なく暮らす妻リディア(モロー)。妻はある夜、親密だった夫の親友(ヴィッキ)の死と夫の浮気を立て続けに知ることとなる。音楽はジャズの鬼才ジョルジョ・ガスリーニが手がけている。1961年のベルリン国際映画祭金熊賞受賞作品。

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8/13(水)16:00~ 9/2(火)13:00~ 9/20(土)17:00~

アレクサンドル・ネフスキー ALEXANDER NEVSKY ( 108分・35mm・白黒 )

’38(ソ連)(監)(脚)セルゲイ・エイゼンシュテイン(監)ドミトリー・ワシーリエフ(脚)ピョートル・パヴレンコ(撮)エドアルド・ティッセ(美)イサーク・シュピーネリ、ニコライ・ソロヴィヨフ、コンスタンティン・エリセーエフ(音)セルゲイ・プロコフィエフ(出)ニコライ・チェルカーソフ、ニコライ・オフロブコフ、アレクサンドル・アブリコーソフ、ドミトリー・オルロフ、ワシーリー・ノヴィコフ

1962年12月日本公開(ATG共同配給)。ドイツ・ソ連の関係が極度の緊張状態を迎えた頃に企画された作品。中世のサンクト・ペテルブルクにおける、君主ネフスキー率いるノヴゴロド軍とドイツ騎士団との闘いを、ロシア・ソ連映画の巨匠エイゼンシュテインが描く。

7/8月上映スケジュール一覧  ▲9月上映スケジュール一覧

8/13(水)19:00~ 9/4(木)13:00~ 9/23(火)11:00~

新・七つの大罪 LES SEPT PÉCHÉS CAPITAUX ( 111分・35mm・白黒 )

’62(フランス=イタリア)(監)シルヴァン・ドム、エドゥアール・モリナロ、フィリップ・ド・ブロカ、クロード・シャブロル(監)(脚)ジャック・ドゥミ、ジャン=リュック・ゴダール、ロジェ・ヴァディム(脚)ウジェーヌ・イオネスコ、クロード・モーリアック、ダニエル・ブーランジェ、フェリシアン・マルソー(撮)ジャン・パンゼル、アンリ・ドカエ、ジャン・ラビエ、ルイ・ミエル(美)マックス・ドゥーイ、ベルナール・エヴァン(音)ミシェル・ルグラン、サシャ・ディステル、ピエール・ジャンセン(出)マリー=ジョゼ・ナット、ドミニク・パテュレル、ダニー・サヴァル、クロード・ブラッスール、ジョルジュ・ウィルソン、マルセル・アルノル、ローラン・テルジェフ、ジャン=ルイ・トランティニャン、エディ・コンスタンティーヌ、ニコール・ミレル、マリナ・ヴラディ、サミー・フレー、ジャック・シャリエ、ジャン=クロード・ブリアリ

1963年1月公開。聖書に記された7つの罪が描かれたオムニバス映画。「憤怒の罪」をドム、「羨みの罪」をモリナロ、「大食いの罪」をブロカ、「淫乱の罪」をドゥミ、「怠惰の罪」をゴダール、「傲慢の罪」をヴァディム、「貪欲の罪」をシャブロルが手がけている。

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8/14(木)13:00~ 9/2(火)16:00~ 9/20(土)11:00~

ふくろうの河 LA RIVIÈRE DU HIBOU ( 28分・35mm・白黒 )

’61(フランス)(監)(脚)ロベール・アンリコ(原)アンブローズ・ビアーズ(撮)ジャン・ボフェティ(音)アンリ・ラノエ(出)ロジェ・ジャッケ、アンヌ・コルナリ

1963年9月日本公開。1950年代の産業PR映画を主に手がけていたアンリコの初の短篇劇映画。南北戦争中、南部の農場主(ジャッケ)が北軍の鉄道工事を阻止しようとして、北軍に捕まり、殺されそうになるが、命からがら逃げ出して…。1962年にカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞。

いぬ LE DOULOS ( 107分・35mm・白黒 )

’62(フランス)(監)(脚)ジャン=ピエール・メルヴィル(原)ピエール・ルズー(撮)ニコラ・エイエ(美)ダニエル・ゲレ(音)ポール・ミスラキ(出)ジャン=ポール・ベルモンド、セルジュ・レジアニ、ジャン・ドザイ、ミシェル・ピコリ、モニク・エネシー、ルネ・ルフェーヴル

1963年11月日本公開。強盗計画の情報を警察に売り渡した密告者(「=「いぬ」)をめぐって繰り広げられる迫力あるサスペンス劇。ヌーヴェル・ヴァーグの先駆的存在でもあったメルヴィルは、本作のような犯罪サスペンス、ギャングものの製作を通して、ハリウッドのフィルム・ノワールへの傾倒振りを窺わせた。

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8/14(木)16:00~ 9/2(火)19:00~ 9/28(日)17:00~

第七の封印 DETS JUNDE INSEGLET ( 97分・35mm・白黒 )

’57(スウェーデン)(監)(脚)イングマール・ベルイマン(撮)グンナー・フィッシャー(美)P・A・ルンドグレン(音)エリック・ノルドグレン(出)マックス・フォン・シドー、グンナー・ビョルンストランド、ビビ・アンデルソン、ニルス・ポッペ、ベント・エーケロート、オーケ・フリーデル、グンネル・リンドブロム

1963年11月日本公開(ATG共同配給)。中世ヨーロッパが舞台。十字軍の遠征で心底疲弊したアントニウスは、迎えにやってきた死神と、わが身の生死をかけてチェスに挑む。上品なユーモアもまじえながら、死の神秘と、生の喜びを美しく描き上げた本作は、1957年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。

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8/14(木)19:00~ 9/3(水)13:00~ 9/27(土)11:00~

アメリカの影 SHADOWS ( 81分・35mm・白黒 )

’60(アメリカ)(監)ジョン・カサヴェテス(撮)エリック・コールマー(美)ランディ・ライルズ、ボブ・リー(音)チャールズ・ミンガス(出)レリア・ゴルドニ、ヒュー・ハード、ベン・カラザース、アンソニー・レー

1965年2月日本公開(ATG共同配給)。ニューヨーク・インディペンデント映画をリードし、そして俳優としても知られるカサヴェテスの初監督作。C・ミンガスによる即興的な音楽、独特な対話リズム、そして街頭でのロケーション撮影により、混血ニューヨーカーたちの思い思いの生き方を浮き彫りにしてみせた。

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8/15(金)13:00~ 8/28(木)19:00~ 9/21(日)11:00~

反撥 REPULSION ( 103分・35mm・白黒 )

’65(イギリス)(監)(脚)ロマン・ポランスキー(脚)ジェラール・ブラシュ(撮)ギルバート・テーラー(美)シームス・フラナリー(音)チコ・ハミルトン(出)カトリーヌ・ドヌーヴ、イヴォンヌ・フルノー、イアン・ヘンドリー、パトリック・ワイマーク、ヴァレリー・テーラー、ジョン・フレーザー、ルネ・ハウストン

1965年8月日本公開。恋人とのキスも嫌がるほど潔癖性の女(ドヌーヴ)は、同居人の姉が旅行中、男性へのいや増す嫌悪感をどうすることもできず、いよいよ狂気の沙汰となる。『水の中のナイフ』(1962年)で長篇デビューを果たした新鋭の映画監督ポランスキーの第2作目。1965年ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作品。

7/8月上映スケジュール一覧  ▲9月上映スケジュール一覧

8/15(金)16:00~ 8/20(水)19:00~ 9/14(日)17:00~

赤い砂漠 IL DESERT ROSSO ( 116分・35mm・カラー )

’64(イタリア=フランス)(監)(脚)ミケランジェロ・アントニオーニ(脚)アントニオ・グエッラ(撮)カルロ・ディ・パルマ(美)ピエロ・ポレット(音)ジョヴァンニ・フスコ(出)モニカ・ヴィッティ、リチャード・ハリス、カルロ・キオネッティ、アルド・グロッティ、リタ・ルノワール、クセニア・ヴァルデーリ

1965年10月日本公開。交通事故がもとで、夫も子もありながら極度な孤独感で情緒不安定に陥ってしまったジュリアーナ(ヴィッティ)。冷たく暗い冬の工業都市ラヴェンナを舞台に、もはや他人には理解できない個の不安と孤独感が描かれる。1964年のヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞作品。

7/8月上映スケジュール一覧  ▲9月上映スケジュール一覧

8/15(金)19:00~ 8/30(土)11:00~ 9/7(日)14:00~

バルタザールどこへ行く AU HASARD BALTHAZAR ( 95分・35mm・白黒 )

’64(フランス=スウェーデン)(監)(脚)ロベール・ブレッソン(撮)ギラン・クロケ(美)ピエール・シャルボニエ(音)フランツ・シューベルト、ジャン・ウィーネル(出)アンヌ・ウィアゼムスキー、フランソワ・ラファルジュ、フィリップ・アスラン、ヴァルテル・グリーン、ナタリー・ジョワイヨー

1970年5月日本公開(ATG共同配給)。飼い主をはじめ周囲の人間たちの変化を常に見守り、ときにはその犠牲ともなるロバのバルタザール。淡々とした心情表現ゆえにかえって胸を打つ、異色の監督ブレッソンの傑作。撮影は、1950年代に短篇製作でアラン・レネやクリス・マルケルと組み、ベッケルの『穴』(1960年)にも携わったクロケが担当。

7/8月上映スケジュール一覧  ▲9月上映スケジュール一覧

料金

一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。開映後の入場は不可。
発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。 発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール 定員=310名(各回入替制)
http://www.momat.go.jp/

2008年7月25日(金)~9月28日(日)まで
※8-9月の月曜日、9月29日(月)30日(火)は休館

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2008/07/30/13:46 | トラックバック (0)
国立映画アーカイブ(元フィルムセンター)
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