七人のマッハ!!!!!!!

(2004 / タイ / パンナー・リットグライ)

七分の一のマッハ！

七人のマッハ！1 　なんだかなあ･･･。「マッハ！」がとても良かっただけに期待していたのだがちっとも面白くなかった･･･。いや別にこの作品は「マッハ！」の続編でもなんでもなくまったく関係ない作品なのだが･･･。

　今回は「マッハ！」で監督をしていたプラッチャヤー・ピンゲーオがプロデューサーに回っているが、アクションチームは同じチーム。売りも同じようにＣＧなし！ワイヤーアクションなし！スタントなし！。
「マッハ！」ではムエタイのムーブ全開バリバリだったので、そのほとんど見たこともなかったような動きに拍手喝采だったのだが、今回はムエタイ戦士はおらず、サッカー、セパタクロー、器械体操、体操、ラグビー、テコンドーの使い手が総出演。各々に見せ場らしきものはこさえているのだがどれもあんまりたいしたことなく見えてしまった。むしろＣＧやワイヤー使えよ！と突っ込みを入れたくなってしまうと言うか･･･。

　前半はほとんど「ポリス・ストーリー」と似たようなアクションで、しかもジャッキー・チェンのアイデアを上回っていないから（まあそれでもトラック二台が並走してその間に落ちたりしたとことかびっくりしたけど）始終どこかで見たようなアクションだなあという印象。まあそれでもそのアクションで物語を進行させるあたり後半に期待させるだけのものはあるのだが、七人のマッハたちがそろってからの後半のほうがひどかった。

　だいたいタイのサッカーやラグビー、体操ってどうなのよ。日本に置き換えればバスケットとか陸上の短距離並みに世界とは実力差がまだまだある競技なんじゃないだろうか･･･。
七人のマッハ！2 　いくらタイ国内ではトップどころをそろえたとはいえ、競技そのものをアクションに生かした場面は見ていてすごくたいしたことがなかった。例えば平行棒のとことか鞍馬とか平均台のとこなど、日本でも馴染みの深い競技であるがゆえこの程度なら日本の中学生クラスでもできちゃう奴いますぜって感じであるし、ラグビーの人なんか丸っきりラグビー関係ないし、サッカーの人なんかボール蹴って相手にぶつけてるくらいなら銃拾って撃ったほうがマシだろうよなんて突っ込みも入れたくなってしまうくらいだ。（しかも監視台にいる悪人を狙うキックはサッカーよりラグビーだろうよ）。
　やはりここはお家芸（なのかな？）のセパタクローとかテコンドーの動きをもっと取り入れてもよかったのではなかろうか。もちろんそれらの使い手にも見せ場はあるのだが、そのあたりも「見たことねえ！」と驚くようなものではなくサッカーと同じようにセパタクローのボール当てても効かねえだろうと･･･。
　しかもキャラクターの描き分けはほとんど競技の違いでしか描いていないために誰かのエピソードに感情移入することもできないし･･･。
　なんだかヤなとこばっかり探しているようで気分も滅入ってしまうのだが、ホント「マッハ！」を七で割ったような薄い作品になっておりました･･･。