『ウォール・ストリート』
オリバー・ストーン監督来日記者会見
(C)2010 TWENTIETH CENTURY FOX2月4日(金)から全国で公開される『ウォール・ストリート』は、世界の金融マーケットの中心地ニューヨークを舞台に、非情なマネー・ゲームの行方を描いた『ウォール街』(87)の続編だ。監督は、もちろんオリバー・ストーン自身がメガホンを取り、前作に引き続き名優マイケル・ダグラスとのタッグを復活させた。共演には、若手トップスターとして今最も脚光を浴びている『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』のシャイア・ラブーフと、『17歳の肖像』でアカデミー主演女優賞候補に名を連ねた新星キャリー・マリガンと、フレッシュな顔ぶれが脇を固めている。
物語は前作の主人公ゴードン・ゲッコーが、すべてを失った「過去の人」になっているところから始まる。そんな彼にある目的を秘めた青年が接近してきたことで、ゲッコーの止まっていた時間が動き始める。本作は異なる世代の価値観を対比的に描くことで人間の欲望という本質に迫る一方で、現代の若者が直面する苦難と成長を通じて〈夢への挑戦〉という普遍的なテーマを提示する見応えのあるドラマに仕上がっている。
本日11月29日に公開に先駆けてオリバー・ストーン監督が来日、記者会見を開いた。その模様をお届けする。
2008年、頭の切れる若い<電子取引による>私設取引担当、ジェイク・ムーア(シャイア・ラブーフ)は、由緒あるケラー・ザベル・インベストメンツで大金を儲けていた。一方、ジェイクの恋人のウィニー(キャリー・マリガン)は、父のゴードンには欠けている理想主義に基づいたジェイクの情熱――環境保護エネルギーへの投資――を支持していた。
多額の負債を抱えているという噂が流れたせいで、ケラー・ザベル社の株価は突然、暴落。ウィニーには知らせないまま、ジェイクはゲッコーに近づき、娘との仲を取り持つと申し出る。こうして、ジェイクがケラー・ザベル社没落のうらみをはらすために、そしてゲッコーがウィニーとの関係を復活させるために同盟が結ばれた。しかし、ゲッコーは本当に卑劣な皮を脱いだのだろうか?――4年ぶりの来日になりますが、日本の印象は?
オリバー・ストーン: とても美しい場所ですね。昔きた時より新しい建物ができていたり、今日はお天気が良かったので、窓から見える景色が本当にキレイです。アメリカでは日本の経済が厳しいといわれていますが、そうは見えません。豊かな国に見えます。
――前作『ウォール街』から、23年ぶりに続編を撮ろうとした理由は?
オリバー・ストーン: 前作は1980年代で、金融業界では自由市場と言われ、金融緩和が始まりました。
そして、2008年にリーマンショックで終わりましたよね。ですので、このタイミングにと思いました。
この『ウォール街』と『ウォール・ストリート』の2つの作品は、本棚の初めと終わりという感じで、前の作品が春の花開く若いチャーリー・シーンのモラルの話で、どうやって成長していくかということが描かれている。そして、今回は年をとったゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)の、人間としてのモラルで考えていく映画になっています。
――作品を作る際に、こだわった点
オリバー・ストーン: この作品を撮影する前にたくさんのリサーチをしたんですが、当時、銀行は巨大な資本を持っていて、100年間で新しい市場を作ったことが問題になり、社会に還元しなかったことが更に問題になりました。
自分はそれを発見し、忘れないで作品に入れていきたいと思った。
また、銀行が罪悪感持たず、国が救うか救わないか決めてしまったところが驚きで、そのシーン作品に入れました。それは初の試みだと思います。
――ゴードン・ゲッコーの魅力とマイケル・ダグラスへのアドバイスは?
オリバー・ストーン: ゲッコーは、金が大事で人間なんてどうでもいいと思っていて、時代がそんな彼をもてはやしていた。金を持っていて成功していれば、どんな人間でも受け入れられていた。しかし、結局刑務所に入ることになり罰せられた。
そういう点では、人間の道徳心があるか、ないかということになりますが、ゲッコーにしてみると、刑務所から出てきて人間的に反省したのかですよね。
それは、ゲッコーの微笑みに答えが入っています。
そして最後は、娘に本当に認められたいのからなのか、それともやはり金のためなのか、ご覧になったみなさんが決めて頂くところだと思います。
本当のマイケルは家族を大事にしている人ですけどね。
――シャイア・ラブーフとキャリー・マリガンと仕事をした感想
オリバー・ストーン: 楽しかったですよ。私はこの映画を3世代に渡って描きたかった。
シャイアとキャリーが新しい世代ですね。
2人の役の中での仕事を見ればわかりますが、とても理想主義です。
私がリサーチした時に、ほとんどが20代半ばの、ハングリーで理想的で、お金儲けをしたいけれど、夢見がちな若い人をたくさん見ました。
まさに、シャイアとキャリーと重なるところがある。いかにも今らしい。
キャリーはとても素晴らしい女優さんです。
彼女はイギリス人なので、アメリカ人の発音ができるか気にしていたんですが、反対にアメリカの子供として育っていないところが、父親に捨てられた娘を見事に演じてくれた。
2人はエネルギーに溢れていて、彼らと一緒に仕事ができて、とても楽しかった。
――金融は現代社会の中で進行系ですが、過去の題材を作るにあたって先を見据えて作ったのでしょうか?
オリバー・ストーン: 現在を見据えて近未来を描くことは、とてもリスキーなことですし、間違ってしまうと簡単にに批判されてしまいます。
『ウォール街』を作った時は、父が仲買人ですし、ニューヨークもそれなりに知っていますし、ブローカーの人も相談にのってくれたりたので、全く知らない世界ではありません。だからこそ、とても楽しかった。満足して、誇りに思う作品になりました。
- 監督:オリバー・ストーン
- 出演:マイケル・ダグラス, チャーリー・シーン, ダリル・ハンナ
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- 監督:オリバー・ストーン
- 出演:ヴァル・キルマー, メグ・ライアン, ケヴィン・ディロン, カイル・マクラクラン
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