村本 天志

公園通りにサブカルがあったのは遥か遠く昔の事で、
今あの通りを歩いたとしても、
かつて10代の頃のワクワクした気持ちはなく
人混みにうんざりするばかりである。
音楽も芝居もファッションも別にここのはもはやどうでもいい。

一本道を入ったところに『バックドロップ』はあり
今年か来年には30周年だそうだ。
ということは、かれこれオレもここで30年近く服を買ってることになる。
フラフラと年に何度かは店を訪れてしまう。
一階には、少しだけセレクションが変化があり、
つい嬉しくなり店員に話しかける。
……膝の絞りの甘いブーツカットありますか？
 若く髪の毛の長い青年はサイズを出してくれて履き方のアドバイスまでくれた。
こっちのラングラーのシャツは別注して
70年代っぽいのを少し細身にして丈感つめたんすよ……出来いいすよ！
……と丁寧に説明してくれる。
ぶっきらぼうな口調がなかなかいい。
多分20年近く先輩のオレだがジーンズの前では二人は公平だ。
それが、いい。

渋谷の片隅でずっと同じような物を売り続け30年……
ビームスにもアロウズにもならず、店員は代変わりしたが
おんなじような奴がおんなじよいな態度で働いている。
一瞬 Vansonの革ジャンを買いそうになったが理性で堪えた。
オレもバックドロップに勤めてればよかったかなぁ……。
そいでバックドロップボムとかみたいな名前の店出して独立して……。
後悔先に立たず、か……。
ホットヨガを始めたせいなのか、ジーンズのサイズがダウンした！
大学生以来の29インチ。
リーバイスでもLeeでもそうであった。
たまにこの手のブランドのを試し履きしたくなる。
 ちょっと嬉しい。
あとはかつての持久力と気持ちの維持を取り戻す、だけだ。
それが一番ムツカシイんだけど、ね。

てふさんの書き込みで頭痛に効く食べものサイトを教えてもらい覗いてみた。
頭痛持ちには頭痛持ちのつらさがあり、
大抵の場合あまりシンパシーを持って貰えない。
鬱なら、どうか？ 今や、癌並に回りが優しいではないか？
病の前では人は平等なはずなのに……。
鬱なら、どうか？ 繰り返すが、白血病ならトラジディになるものも
鬱ならコメディーになってしまうこともある。
実際、あったし‥。
しかし、オレは鬱ではないし、鬱には特別なシンパシーがあるから
白血病なみに癌なみに心配してしまう。
そして苦い苦いコメディーがエピソードとして残る。
実現した映画より実現しなかった映画に面白いエピソードが山のようにあるのは、きっとそのせいだ。

オレのウエストが１インチ細くなったのはホットヨガのせいだけど……。

↑果たして我が頭痛に効果はあるか？赤ピーマンのおひたし！