デヴィッド・エリオット
(監督・脚本家)
- 映画『カタコンベ』について
10月6日(土)より
お台場シネマ・メディアージュほか
全国ロードショー
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プロデューサー、マーク・バーグ氏インタビュー
作品情報
『カタコンベ』公式Web:http://www.catacombs.jp/
デヴィッド・エリオット(監督・脚本家)
スタンフォード法科大学院を卒業後、インディペンデント映画「Nothing Sacred」で脚本・監督デビュー。2000年にはジェームズ・スペイダー、キアヌ・リーヴス共演の「ザ・ウォッチャー」の脚本を共同執筆。その他、2005年にスマッシュヒットを記録したジョン・シングルトン監督、マーク・ウォルバーグ主演の「フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い」でも脚本を担当。現在は、ウィル・スミス主演の新作「It Takes a Thief」と「フォー・ブラザーズ」の続編「Texas Hold’em」の脚本を執筆中。
プロデューサーのマーク・バーグ氏に続いて、「カタコンベ」のデヴィッド・エリオット監督のインタビューをお届けする。「カタコンベ」はコミック・アーティストで長年の友達のトム・コーカーとの共同監督になっている。
――コーエン兄弟やパン兄弟、「ライアー」のペイト兄弟などの兄弟監督はいますが、二人で共同監督するのは珍しいですね。
デヴィッド トム・コーカーは古い友達で、何か一緒に出来たらと思ったんだ。「カタコンベ」の話しをパリに行った知人から聞いていたんだ。18世紀末のパリでは、急速な都市開発のあおりを受けてそれまでの墓地が掘り起こされ、700万体もの遺骨が地下に複雑に張り巡らされた坑道やトンネルに埋め直されたという事実だけでも十分に不気味でホラーの題材になると思ったんだ。そこに情緒不安定のアメリカ人の女性がパリ在住の姉を訪ねてきて、カタコンベで恐怖の一夜を過ごすストーリーを思いついたんだ。それで、『ソウ』シリーズのプロデューサーで知られるマーク・バーグ氏が、そのアイデアを気に入ってくれて映画化することが出来たんだ。
――二人の監督の役割分担はどういうものだったんでしょうか?
デヴィッド ぼくは脚本家だからストーリー構成や台詞を担当して、コミック・アーティストであるトムはヴィジュアルを担当したんだ。タイトな日程の低予算のホラーであったから、体力的には大変だった。
――カタコンベで実際にロケしたんですか?
デヴィッド ロケした部分もあるが、アクションがあるのでセット撮影もしているね。
――デヴィッド・エリオット監督はインディ映画の「Nothing Sacred」の監督・脚本で注目されて、「ウォッチャー」の脚本を手掛けています。
デヴィッド 「Nothing Sacred」は若者の群像劇でウッディ・アレン風の作品だ。「ウォッチャー」は知っているかもしれないが、監督との強引ともいえる契約でキアヌ・リーヴスが主演した作品なので、現場ではとても仲が悪かった。ぼくは脚本の直しで入ったのだが、そんな現場だったので、監督経験のあるぼくが実際には「ウォッチャー」の多くのシーンを撮影しているんだ。ただ、監督協会に入っていなかったので、監督にクレジットできなくて、監督料の問題もあって、プロデューサーにクレジットされているんだ。
――そうだったんですね。
デヴィッド 後、「ウォッチャー」にはトムも絵コンテで参加しているんだ。だから、「ウォッチャー」からトムと共同作業が始まったとも言えるね。
――「カタコンベ」ではシャニン・ソサモンの熱演が印象的でした。
デヴィッド シャニン・ソサモンはDJとしてまずは知ったんだ(笑)。彼女は女優をする前にLAでは、DJとして先に知られていたんだ(現在、シャニンはWarpaintという女性バンドでドラムも叩いている)。「美人なDJだなあ」と思って見ていたよ(笑)。オーディションで一番よかったから主演に選んだんだ。
――シャニン・ソサモンが最近出ていた映画の「キスキス、バンバン」はとても大好きな作品です。「キスキス、バンバン」は、「リーサル・ウェポン」などの脚本家のシェーン・ブラックの監督デヴュー作ですが、ハリウッドの同じ脚本家として接点はあるのでしょうか?
デヴィッド 一度会ったことがあって、ぼくが脚本を書いた「フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い」を好きだとのことで、とてもほめてくれたね。「この作品は君の代表作になって、ブレイクするきっかけになるよ」って励ましてもくれて嬉しかった。
――「カタコンベ」のプレスには、その「フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い」の続編「Texas Hold’em」の脚本を書いていると載っていましたので、楽しみにしています。
デヴィッド 実際にはまだ企画だけの映画なんだ。ハリウッドによくある話しで製作されるかは分からない。
――今手掛けているのは、どんな作品なんでしょうか?
デヴィッド 先週始まったばかりなんだけど、韓国映画「グエムル」のアメリカでのリメイク版の脚本を書くことになった。
――「グエムル」は大好きな作品なので楽しみです。ポン・ジュノ監督は先日まで日本で新作を撮影していて、現場を取材しました。
デヴィッド 彼はとても才能のある監督だよね。他の監督作品も観たが、力量がよく分かった。リメイク版は「パイレーツ・オブ・カリビアン」のゴア・ヴァーヴィンスキーの製作で進められている。
――今、注目している作品はありますか?
デヴィッド 日本で公開されたか分からないけど、「Knocked Up」は良かった。「40歳の童貞男」のジャド・アパトウの新作だけど、コメディでストーリーテリングがしっかりしていた。
――日本はアメリカのコメディがヒットしない傾向があるので、残念ながら公開されるか分からない作品です。最後に「カタコンベ」の見所を教えてください。
デヴィッド 極端状態に置かれた人間の根源的恐怖を描いた作品だ。カタコンベにいるような体感が出来るので、スクリーンの暗闇で是非観てください。
取材/文:わたなべ りんたろう
カタコンベ 2006年 アメリカ
プロデューサー:マーク・バーグ,オーレン・ノウルズ,グレッグ・ホフマン
監督・脚本:トム・コーカー,デヴィッド・エリオット 撮影:マキシム・アレクサンダー
音楽:マイケル・トルーマン/クリス・ヒーリングス 衣裳デザイン:ジェニファー・スラジェス
編集:ジョシュア・リフキン メインテーマソング;YOSHIKI
出演:シャニン・ソサモン,アリシア・ムーアa.k.a.P!NK 他
(c)2006 Catacombs Productions Inc.All rights reserved.
10月6日(土)よりお台場シネマ・メディアージュほか全国ロードショー
主なキャスト / スタッフ
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