韓国映画ショーケース2007
国境を越える映画の力
【主催者ごあいさつ】
400年前、韓国と日本の両国の間を朝鮮通信使が行き交いました。
当時、通信使たちは戦後の平和を樹立するため、人と文物の往来を促しました。
近年、日本と韓国の間には映像コンテンツや、映画が行き交っています。
海を挟んだ生活と文化を、いきいきと伝えてくれる映画の交流を通じて、画面の外に生きる両国の人々は、お互いを理解し、受け入れる方法を学びました。
韓国映画振興委員会は、そのような理解をさらに深くするため、 “韓国映画ショーケース”を2007年より開始いたします。作品性と大衆性を取り揃えた新鮮な韓国映画を日本のシネカノンの協力を得て共に紹介いたします。
上映会はもちろんのこと、日韓両国の映画人、文化人たちが交友し、連帯を模索する場もご用意いたしました。あたたかな、友情がこもった対話が、この場で繰り広げられることを、私も、韓国映画人たちも待ち望んでいます。
是非お越し頂き、存分にお楽しみ下さい。
韓国映画振興委員会 委員長
安 貞 淑
2007年12月8日(土)~14日(金)、シネカノン有楽町1丁目にて開催
韓国映画と、再び出会う
余命短い男性のささやかな恋を静謐で叙情的な語り口で綴った『八月のクリスマス』と、
分断国家ならではの題材をスケール大きなエンターテインメントに仕上げた『シュリ』は、
韓国映画の新しい時代の始まりを日本に告げた。私たちはその時、嫉妬にも似た驚きを感
じながら「隣の国ですばらしい映画が作られ始めている」事実に気づいたのだ。その驚き
は、『JSA』『猟奇的な彼女』『オアシス』『殺人の追憶』といった良質な作品群が次々と上
陸してくるにつれ「韓国映画はおもしろい」という確信に変わり、日本で公開される韓国
映画の数も飛躍的に増加した。
韓国映画の実力が知らしめられた同じ頃、中国語圏に端を発した“韓流”が日本に到達
し、一気に社会現象化するほどの大ブームとなった。韓国人俳優がハリウッドスターをし
のぐほどの知名度を得て、彼らを見るために、幅広い観客が劇場にも足を運ぶようになっ
た。韓国の映画や芸能についての情報もインターネットを通じてリアルタイムで伝わるよ
うになった。
一方、映画製作における共同作業も、日常的に行われる時代となった。中谷美紀が出演
した『力道山』や久石譲が音楽で参加した『トンマッコルへようこそ』、クァク・ジェヨ
ン監督が日本を舞台に綾瀬はるか主演で手がける『僕の彼女はサイボーグ』(2008 年公開
予定)などのように出演者やスタッフが行き来して作られる作品だけでなく、韓国では『私
の頭の中の消しゴム』や『オールドボーイ』をはじめとして、日本のコミックス、ドラマ、
小説の映画化、ドラマ化が多数登場。日本でも『八月のクリスマス』のリメイクや『マイ・
ボス マイ・ヒーロー』をモチーフとしたドラマが作られている。日韓の映画界は、企画
段階から人材とアイディアを共有するゆるやかな共同体になりつつあると言えるだろう。
「韓国映画ショーケース」は、韓国映画の“発見”から約10 年を経て、韓国発のエン
ターテインメントを見聞きすることが当たり前になった日本で、現在の韓国映画の持つ
“掛け値なしの魅力と実力”に再び出会うために企画された。ここで紹介されるバラエテ
ィに富んだ9本は、90 年代後半以降の韓国映画の隆盛を反映しつつも、内容や人材といっ
た様々な面で新しい可能性の萌芽を感じさせる作品ばかりだ。
良質な韓国映画は今も生み出され続けている。そして、今や市場であるだけでなく、共
に新しい作品を生み出していくパートナーでもある私たちは、これらの作品を見ながら、
映画の豊かな未来を夢見ることができるはずだ。
『カンナさん大成功です!』( 미녀는 괴로워/200 Pounds Beauty )
韓国/2006年/116 分/35mm/2.35:1/Color/Dolby SRD監督:キム・ヨンファ 脚本:キム・ヨンファ、ノ・ヘヨン 主演:キム・アジュン、チュ・ジンモ
提供:アミューズ/ワーナー・ブラザース映画/S・D・P 配給:ワーナー・ブラザース映画
2006年 大鐘賞 主演女優賞、音楽賞、撮影賞受賞
2006年 チュンサ映画賞 主演女優賞受賞
2007年 プレミア・ライジング・スターアワード 主演女優賞受賞
人気歌手アミの陰で彼女の“声”として歌うカンナ。歌唱力抜群ながら、体重95kgの彼女には表舞台に出るチャンスはなかった。ある夜、思いを寄せていたプロデューサー、サンジュンに利用されていることを知ったカンナは、重大な決心をする。全身整形手術で運命を切り開こうとする女性を描いた鈴木由美子の同名漫画を、韓国を舞台に映画化。主演のキム・アジュンが抜群の歌唱力も披露し、見事大鐘賞主演女優賞を受賞。観客動員662万人を超える大ヒット作。 (→上映日程)
12/15(土)よりシネカノン有楽町1丁目、渋谷アミューズCQN、新宿バルト9他にて全国ロードショー(c) 2007 KM Culture co, ltd All Rights Reserved/KM The Feature Film is based on the comic books and characters created by Yumiko Suzuki and first published in Japan by Kodansha Ltd.,Publishers.
『家族の誕生(原題)』
( 가족의 탄생/ Family Ties )
韓国/2006年/113 分/35m/2.35:1/Color/Dolby SRD監督:キム・テヨン 脚本:キム・テヨン、ソン・ギヨン
主演:オム・テウン、ムン・ソリ 提供:CJ Media Japan
2006年 大鐘賞 最優秀作品賞、脚本賞受賞
2006年 青龍映画賞 監督賞、助演女優賞受賞
2006年 チュンサ映画賞 新人男優賞
2006年 釜山映画評論家協会賞 監督賞、最優秀作品賞
2006年 東京国際映画祭「アジアの風」部門出品作品 ベストアジアンフィルムアワード受賞
2006年 テキロニキ国際映画祭 主演女優賞、作品賞、脚本賞、観客賞受賞
長く音信不通だった弟ヒョンチョルが年上の恋人ムシンと共に帰ってきたことにとまどうミラ。男出入りの激しい母親と、父親違いの弟につらくあたってばかりのソンギョン。誰にでも優しくしてしまうことで恋人を不安にさせてしまうチェヒョン。それぞれの事情を抱えながら“普通”とは少し違う形で愛情豊かな家族の形を模索する女性たちの姿をリアルな感情と独創的なタッチで描く。三つの物語は意外な形でゆったりとつながる。監督は『少女たちの遺言』のキム・テヨン。 (→上映日程)
(c) Lotte Entertainment『極楽島殺人事件』
( 극락도살인사건/Paradise Murdered )
韓国/2007年/112 分/35mm/2.35:1/Color/Dolby Digital監督:キム・ハンミン 脚本:キム・ハンミン
主演:パク・ヘイル、パク・ソルミ 提供:MK Pictures
2006年 大鐘賞 最優秀照明賞受賞
1986 年のある日、住民17人が暮らす極楽島から近くの港に死体が流れ着き、捜査のために島に渡った刑事たちは、住民が一人残らず消えていることを知る。1カ月前、そこでは花札賭博をしていた島民2人が殺されたことをきっかけに次々と殺人事件が起こっていた。土俗的な雰囲気ただよう孤島で起きた殺人事件の謎に迫るミステリー。『殺人の追憶』『グエムル -漢江の怪物-』のパク・ヘイル他、実力ある俳優たちが疑心暗鬼にとりつかれた島民たちを迫力ある演技で見せる。 (→上映日程)
(c) Two Entertainment / MK Pictures『千年鶴』( 천년학 / Beyond the years )
韓国/2007年/100 分/35m/1.85:1/Color/Dolby SRD監督:イム・グォンテク 脚本:イム・グォンテク
主演:チョ・ジェヒョン、オ・ジョンへ
提供:KINO2 Pictures/Prime Entertainment
2007年 ベニス国際映画祭 特別招待作品
2007年 トロント国際映画祭「マスターズ」部門出品作品
パンソリの歌い手である男の元で姉弟同様に育てられたソンファとドンホ。貧しい暮らしに嫌気が差した弟のドンホはある日、彼らの元を去る。やがて、ソンファに会おうと行方を捜したドンホは彼女が盲目となったことを知る。出会いと別れを繰り返す2人の姿をパンソリの調べに乗せて描き出す傑作。日本国内で10万人動員のヒットを記録した『風の丘を越えて〜西便制』の続編ともいえる巨匠、イム・グォンテク監督の100作品目。ソンファを演じるオ・ジョンヘが円熟味を増した歌声を披露。彼女を思い続けるドンホ役を『悪い男』のチョ・ジェヒョンが演じる。 (→上映日程)
(c) KINO2 Pictures Corp. / Prime Entertainment Co.,Ltd『バント(仮)』( 날아라 허동구/ Bunt )
韓国/2007年/96 分/35mm/1.85:1/Color/Dolby SRD監督:パク・ギュテ 脚本:パク・ギュテ 主演:チョン・ジニョン、チェ・ウヒョク 提供:シネカノン
世界で一番好きな場所、学校に元気に通う小学生ドング。男手一つで彼を育てた父ジンギュはそんな彼を温かく見守っていた。しかし、学校はIQ60のドングを特殊学校に転校させることを提案。ドングは廃部寸前の野球部に入ることでなんとかこれを逃れようとするのだが……。父と子のささやかで愛情にあふれる毎日を丁寧に綴ったヒューマン・ドラマ。ハンディキャップを持った息子を小学校に通わせるため奮闘する父親を『王の男』のチョン・ジニョンが演じている。 (→上映日程)
(c) 2007 Showbox / Mediaplex, Inc. All Right Reserved.『飛翔』( 비상/ Bisang )
韓国/2006年/100 分/DV-Cam/16:9/Color/ Dolby digital 5.1監督:イム・ユチョル ナレーション:オ・マンソク
提供:Emotion Pictures
2006年 釜山映画評論家協会賞 審査委員特別賞受賞
2005年、Jリーグの監督経験もあるチャン・ウェリョンがKリーグの“お荷物チーム”仁川(インチョン)ユナイテッドFC監督に就 任。その徹底したデータ分析と的確な練習でチームは次第に勝利を重ねるようになる。そして過酷な練習環境と選手層の薄さにも負けず、ついに目標だったプレーオフ進出を果たす。仁川UFCが奇跡の躍進を見せたシーズンを放送TVドキュメンタリー出身の監督が密着取材した韓国初のスポーツドキュメンタリー映画。韓国サッカー界を驚かせた“嘘のような実話”は私たちにも希望のメッセージを与えてくれる。 (→上映日程)
(c) Emotion Pictures『マイ・ファーザー』( 마이 파더/ My Father )
韓国/2007年/107 分/35mm/1.85:1/Color/Dolby SRD監督:ファン・ドンヒョク 脚本:ファン・ドンヒョク、ユン・ジノ 主演:キム・ヨンチョル、ダニエル・ヘニー
提供:Lotte Entertainment
2007年 プレミア・ライジング・スターアワード 主演男優賞受賞
5歳の時に韓国からアメリカに渡り、養父母の元で不自由なく育ったジェイムス・パーカーは、実の両親を捜すため駐韓米軍に志願し祖国の土を踏む。テレビや新聞で呼びかけ、ついに探しあてた父親は殺人を犯して刑務所に収監されていた。ジェイムスは彼の元に面会に通い、父は亡くなった母親との美しい思い出を聞かせる。幼い頃に養子に出され、死刑囚である実の父親と対面した青年の実話をドラマ<春のワルツ>のダニエル・ヘニーが熱演。父と息子の心情を静かに見つめた感動作。 (→上映日程)
(c) Cineline / Innet Inc. Lotte Entertainment『横綱マドンナ(仮)』
( 천하장사 마돈나/ Like a Virgin )
韓国/2006年/116 分/35mm/2.35:1/Color/Dolby SRD監督:イ・ヘヨン、イ・へジュン 脚本:イ・ヘヨン、イ・へジュン 主演:リュ・ドックァン、ペク・ユンシク 提供:アミューズ
2006年 大鐘賞 新人男優賞受賞
2006年 百想芸術大賞 脚本賞受賞
2006年 青龍映画賞 新人監督賞、脚本賞、新人男優賞受賞
2006年 釜山映画評論家協会賞 新人監督賞、新人男優賞受賞
2006年 大韓民国映画大賞 新人監督賞
2007年 シンガポール国際映画祭 NETPAC 賞受賞
幼い頃から歌手マドンナを崇拝する男子高校生オ・ドングは、完璧な女性になるための手術に必要な資金を稼ぐためアルバイトに励んでいた。そんなある日、「シルム(韓国相撲)大会の優勝者には奨学金500 万ウォン」という朗報を聞いた彼は、シルム部へ入部する。心優しく繊細な高校生がシルムに打ち込みながら力強く生き抜く自信を得るまでを描いたスポーツ・ヒューマン・コメディ。増量して主人公に扮したリュ・ドックァンの演技がすばらしい。 (→上映日程)
(c) 2006 CJ Entertainment Inc. All Rights Reserved.『ウリハッキョ~われらの学校』
( 우리학교/ Our School )
韓国/2006年/131 分/DV-Cam/16:9/Color/Stereo監督:キム・ミョンジュン 提供:Studio Nurimbo
2006年 釜山国際映画祭「ドキュメンタリー」部門最優秀賞受賞
小学校1年生から高校3年生までの生徒たちが共に学ぶ北海道朝鮮初中高級学校。キム・ミョンジュン監督は3年以上の時を生徒や教師たちと共に過ごしながら、在日コリアンたちが自らの手で育ててきた朝鮮学校の歴史と現在を温かく描き出す。日本語を一切使わない授業や学校行事、クラブ活動、寮生活の合間のインタビューから、生徒たちとその家族を取り巻く環境と彼らの心が強く伝わってくる。韓国では一般上映、地方自治体での上映合わせ7万人以上の観客を動員。 (→上映日程)
(c) Studio Nurimbo【開催概要】
■会期 2007年12月8日(土)~14日(金)
■会場 シネカノン有楽町1丁目 千代田区有楽町1-11-1 ビックカメラ7F
■チケット情報 「チケットぴあ」にて前売券を独占販売 11月17日(土)10:00より一般発売開始
全席指定 1,300円 先行特別上映作品『カンナさん大成功です!』のみ全席指定 1,500円
* 各日上映2日前まで販売
電話予約 0570-02-9999 (10:00〜23:30 音声自動予約 オペレーター対応は18:00 まで)
@電子チケットぴあ http://www.pia.co.jp/cinema/ P コード:553-351
*詳細は公式ホームページをご覧下さい。 *定員制・各回入れ替え制
*前売券完売の際は当日券の販売はございません。詳細は劇場まで。
当日券【劇場窓口にて販売】 全席指定 1,300円
先行特別上映作品『カンナさん大成功です!』のみ全席指定 1,500円
【パネルディスカッション】 日時 12月9日(日) 開演15:00
タイトル「国境を越える映画の力」
韓国からの来日ゲストと、シネカノン・李鳳宇代表によるパネルディスカッションを開催。
日本と韓国がパートナーとして描く映画の未来とは?
近年の成功例から、今後の展望やアイデアなど、新たな“アジア映画”を模索する。
同時通訳システムを使用!
当日はFM電波を利用し、パネラーの会話を同時通訳にてお聞きいただけます。予め受信用のラジオ(携帯ラジオ等)をご持参ください。(周波数88.6MHz)
※当日は数量限定で携帯ラジオの貸出しを行います。
台数に限りがありますので、無くなり次第貸出しを終了いたします。あらかじめご了承下さい。
※通訳を介してのトークは行いません。
上映作品のチケット、もしくは半券でご入場いただけます。
定員に達し次第、受付を終了いたします。あらかじめご了承ください。
詳しくは劇場、シネカノンへお問い合わせください。
■アクセス シネカノン有楽町1丁目 TEL:03-3283-9660 千代田区有楽町1-11-1 ビックカメラ7F
■主催 韓国映画振興委員会(KOFIC)
■後援 駐日韓国大使館 韓国文化院/韓国観光公社/韓国農水産物物流公社
■協力 アミューズ/Emotion Pictures/S・D・P/MK Pictures/KINO2 Pictures/CJ Media Japan/Studio Nurimbo/シネカノンコリア/Prime Entertainment/Lotte Entertainment/ワーナー・ブラザース映画
■協賛 江原道/大韓航空
■制作・運営 シネカノン
■宣伝協力 ブースタープロジェクト
■公式ホームページ www.cqn.co.jp/ks2007
2007年12月8日(土)~14日(金)、シネカノン有楽町1丁目にて開催
主なキャスト / スタッフ
TRACKBACK URL: