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ヤコブへの手紙

http://www.alcine-terran.com/tegami/

2011年1月15日(土)より、銀座テアトルシネマほか全国順次公開

INTRODUCTION

北欧フィンランドから、やさしくてあたたかい手紙が届きました

『ヤコブへの手紙』1970年代のフィンランドの片田舎の白樺に囲まれた古い家を舞台に、深い後悔を胸に秘め、12年間暮らした刑務所から出てきたレイラと、人々からの手紙を待ち続ける盲目の年老いた牧師ヤコブ、そして悩める人々からヤコブ牧師への手紙を届ける郵便配達人という意外な組み合わせの3人が紡ぐ、手紙を巡る物語。
孤独で、周囲を寄せ付けない雰囲気を持つ主人公レイラ。無愛想なレイラをヤコブはただひたすらに温かく迎え入れる。まさに、「隣人を自分のように愛しなさい」という聖書の言葉を実行するかのように。しかし、ヤコブを受け入れようとせず、手紙を読むという毎日の仕事にも嫌気がさすレイラは、毎日手紙を届けにくる郵便配達人とも反目してしまう。自分の存在に価値を見いだせないレイラだったが、ヤコブ牧師との交流によって、少しずつ変化していく。そして、明かされる一つの真実が、レイラの心に希望の光を与える。深い絶望の淵に立った時、あなたのことを思っている存在がどこかにいたら?「あなたの幸運を祈っている。私は、あなたのために祈る――」その一言が、孤独と絶望を癒し希望へと導いていく――。
監督は、フィンランドだけでなく、スウェーデンでも活躍するクラウス・ハロ。本作品では、2010年フィンランド・アカデミー賞(Jussi Awards)作品賞と監督賞を受賞。3人の登場人物が紡ぐ物語を、静謐ながらも、温かくやさしい視線で綴る。主演は、コラムニストとしても活躍するカーリナ・ハザード。本作品でフィンランド・アカデミー賞女優賞にノミネートした。深い慈愛を感じさせるヤコブ牧師役には舞台を中心に活躍するヘイッキ・ノウシアイネン。本作品でフィンランド・アカデミー賞男優賞を受賞。そして、物語のカギを握る郵便配達人にはTVドラマで活躍するユッカ・ケイノネン。
さらに、美しいフィンランドの情景とショパンやベートーベンの曲の旋律が深い感動へといざなう(フィンランド・アカデミー賞音楽賞受賞)。第82回アカデミー賞外国語部門のフィンランド代表に選出されたほか、様々な国際映画祭で獲得し各国の観客に支持された作品。ありのままの自分を赦してくれる存在に気付いた時、きっとあなたも誰かを愛せるはず。胸を打ち、あふれる涙に心洗われる物語。

    =作品受賞歴=『ヤコブへの手紙』2
  • 第82回アカデミー賞外国語映画賞フィンランド代表
  • 第66回フィンランド・アカデミー賞(Jussi Awards)最多4部門受賞(作品賞・監督賞・主演男優賞・音楽賞)
  • 第51回リューベック北欧フィルム・デイズ 観客賞、特別賞
  • 第58回マンハイム=ハイデルベルグ国際映画祭 グランプリ
  • 第33回カイロ国際映画祭 グランプリ・脚本賞
  • 第13回タイリン ブラックナイト国際映画祭 監督賞
  • 第25回サンタバーバラ国際映画祭 最優秀外国映画賞
  • 第28回ファジル国際映画祭 スピリチュアル映画部門最優秀作品賞
  • 第21回パームスプリングス国際映画祭 境界の架け橋賞
  • 第33回ヨーテボリ国際映画祭 最優秀音楽賞
  • 第23回ルーアン ノルディック映画祭 最優秀女優賞、最優秀男優賞、観客賞
  • 第3回ケープワインランド映画祭 特別俳優賞
  • 第34回香港国際映画祭 推賞
  • 第12回リバーラン国際映画祭 観客賞
  •  
  • 第26回トロイア国際映画祭 特別賞
  • 第17回ウエスカ映画祭 観客賞

2011年1月15日(土)より、銀座テアトルシネマほか全国順次公開

Story

すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。
わたしがあなたがたを休ませてあげます。(マタイの福音書 11章 28~30節)

『ヤコブへの手紙』3模範囚として恩赦を言い渡されたレイラ。12年間暮らした刑務所から釈放されても身寄りのないレイラは、不本意ながらもすすめられるがまま、ある牧師の家に住み込みで働くことになった。レイラが訪ねた家には、盲目の牧師ヤコブがいた。「いらっしゃい、よくきてくれましたね。」レイラを温かく迎え入れるヤコブ牧師。しかし、すぐにそこを出て一人で生活を始めようと考えていたレイラは牧師にそっけない態度をとってしまう。
「届いた手紙を読んで、返事を書くのを手伝ってほしいのです。」ヤコブ牧師はレイラに、目の見えない彼がただ一つできないことを仕事としてお願いする。それは毎日届く手紙を読み、その返事を彼の代わりに書くこと。それが、レイラの仕事だった。
「ヤコブ牧師、郵便ですよ。」自転車に乗った郵便配達人によって、毎日届けられる人々からの手紙。「親愛なるヤコブ牧師様……。」手紙の送り主たちは、些細なことから、だれにも打ち明けられないことまで、いろいろな悩みを手紙で告白する。孫の就職口がないこと、学校が嫌でたまらないこと、夫の暴力がおさまらないこと……。一度だけ手紙を送ってくる人もいれば、何度も手紙を送ってくる人もいる。
さまざまな内容の手紙のひとつひとつに、丁寧な返事をするヤコブ牧師。手紙の送り主たちは、ヤコブからの返事を心のよりどころにし、彼もまた日々届く手紙を楽しみにしていた。人々の手紙が届かなくなってしまわないように、心のよりどころがなくなってしまわないようにと、ヤコブ牧師は別の土地に用意された立派な家に引っ越すこともなく、そこに住む彼と同じように古ぼけて、雨漏りのする家に住み続けるのだった。
嫌々ながらヤコブ牧師の家に住み続けるレイラは、ヤコブ牧師のために手紙を読んで返事を書くという仕事も好きになれない。毎日手紙を配達に来る郵便配達人もうっとうしく感じ、彼がヤコブ牧師に届けた人々からの手紙を勝手に捨ててしまうのだった。毎日手紙を届けながら、牧師のことを心配する郵便配達もまた、突然現れたレイラに不信感を持つ。相容れない二人の仲は、険悪になってしまう。
そんなある日、毎日届いていたヤコブ牧師への手紙が届かなくなる。「そんな日もあるさ」というヤコブ牧師だったが、それが生きがいとなっていた彼は、手紙が届かないことにすっかり気を落としてしまう。ヤコブ牧師の元を出て行こうと決心をしたレイラは、自分には行くべき場所も、待っている人もいないということに絶望し、自らの命を断とうとする。そんなレイラに、盲目の牧師は「まだこの家にいてくれたんだね」と語りかける。孤独な自分を受け入れてくれるヤコブに、レイラはようやく心を許し始める。そして、手紙が届かなくなったことに、「人のために祈るのが私の使命だと信じてきた。とんだ自惚れだったな。もう手紙も届かないというのに。」と言うヤコブを心配するレイラ。
郵便配達になぜ手紙が来なくなったのかと問い詰めると、「来ない手紙は届けられない」という。毎日届いていた手紙は、まるで何かの合図のように、ぷつりと届かなくなったのだった。落ち込んで寝込んでしまったヤコブ牧師のために、レイラと郵便配達は一つの約束をする。明日、必ずヤコブ牧師に手紙を届けること――。しかし、翌日もヤコブ牧師への相談の手紙は届かなかった。それでも悩みを持つ人からの手紙を待ちわびるヤコブ牧師。そんな彼に、レイラは「手紙が来ましたよ」と告げる。そして、ゆっくりと、今まで誰にも打ち明けられずにいたことを語り始めるのだった。「親愛なるヤコブ牧師……。」そんなレイラに、ヤコブ牧師は……。

Production Note

2007年のある日、監督のクラウス・ハロはインフルエンザで寝込んでいた。
そこに、一通のメールが届く。

『ヤコブへの手紙』4「まったく知らない名前の脚本家からメールが送られてきました。フィンランドの映画界はとても小さいから、脚本家の名前はほとんど知っているはずなので、寝込んでいなかったら、名前も知らない人が書いた脚本は読まなかったと思う。どんな人物なのか、女性か男性かも知らないまま、とにかく自分が興味を持ったことを伝えたかった。そうしたら、その人物は40歳の元ソーシャルワーカーの女性で、休職して映画学校に通っている女性だった。そして彼女は、教師がそうしろと言ったからという理由で、僕に脚本を送ってきたに過ぎなかったんです。」

素晴らしい偶然とも言える出会いによって、この作品は動きだすことになる。

「台本を読んだときに、この映画を作ることをはっきりと決めました。すぐに、その住人と同じように古ぼけて見える家のアイディアが浮かんだんです。そして、早い段階で彼と一体となる家と、登場人物たちが自然に見える場所を探しました。映画のためにかけられる時間がかなり短かったし、最初からシンプルにやろうと決めていました。」

作品の主軸にはカーリナ・ハザードと有名俳優のヘイッキ・ノウシアイネンを起用した。

「私はとても運がいいと思う。一つはこの素晴らしい脚本を得たこと。そしてこの2人の俳優を起用したこと。彼らとは、とても長い間仕事がしたいと思っていた。そして、この2人だったからこそ、このフィルムに真実味が出たと思う。この物語をより説得力があるようにたくさんのことを指摘してくれた。彼らは役に近づくために本当に努力して、素晴らしい仕事をしてくれた。」

2008年の夏に行われた撮影は、とてもシンプルな方法で行われた。

「カメラを設置して、フレームの中で俳優たちに動き回ってもらいました。フレームの中で、離れている登場人物をちゃんととらえられるように、シネマスコープを使った。同じセットでいくつかのシーンを撮ったり、とてもシンプルな方法を使った。俳優がたくさんいると、大混乱になるかもしれないが、熱心でとても小さな撮影部隊だったので、それがよかったと思う。あの夏の日々を思い出すと、夏休みだったような気分になるんです。」

そして、本作品は2009年の4月にフィンランドで公開されて以降、
世界各国で様々な賞を受賞していく。

「多くの人たちに、私の映画を見たといわれると驚いてしまうんです。フィンランドの田舎で、映画中毒だった10代のころ、スコセッシとかコッポラとかの作品とか、ジョージ・スティーヴェンソン、ジョン・フォードとかの古典的名作とかを観たいと思っていました。でも、まったく誰もそういう映画を観たがりませんでした。だから、誰も観たがらないような作品を自分は観たがっているのかもしれないと思ってたんです。だから、私が作った映画に多くの人が興味を持ってくれるのを不思議に感じることがあります。この作品が、ここまでになるとは全く期待していなかったので、本当に光栄です。この台本が私を見つけてくれたんだと思います。」

C R E D I T

CAST
レイラ/カーリナ・ハザード ヤコブ牧師/ヘイッキ・ノウシアイネン
郵便配達/ユッカ・ケイノネン 刑務所長/エスコ・ロイネ

STAFF
監督・脚本/クラウス・ハロ  原案・台本/ヤーナ・マッコネン プロデューサー/ラッセ・サーリネン/ リスト・サロマー
撮影/トゥオモ・フトゥリ 編集/サム・ヘイッキラ 美術/カイサ・マキネン 衣装デザイン/サリ・スオミネン
メイクアップ/ピア・ミッコネン グラフィックデザイン/ティモ・ヒュッポネン セットデザイン/カイサ・マキネン
音編集/ヨーナス・ユララ 音声/キルカ・サイニオ 照明/カッレ・ペンティラ オンライン編集/ユーソ・セリム
作曲、テーマ曲/ダニ・ストロムベック 台本協力/ジミー・カールソン

2009年 フィンランド フィンランド語 75分 35mm カラー シネマスコープ SR/SRD
原題:Postia Pappi Jaakobille 後援:フィンランド大使館 配給・宣伝:アルシネテラン
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2010/12/20/22:35 | トラックバック (0)
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