新作情報

『赤い靴:デジタルリマスター・エディション』ロゴ赤い靴は踊り続けた。
疲れを知らない赤い靴は、
彼女を外に連れ出した。
時を追い越し、恋を置き去り、
人生を駆け抜け。
赤い靴は踊り続ける。

1948年アカデミー賞 劇映画音楽賞、美術監督・装置賞受賞
1948年ゴールデン・グローブ賞 作曲賞受賞
「TIME OUT LONDON」誌 2011年2月14日発表:「100 Best British film」第5位

http://www.red-shoes.jpn.com/

2011年7月2日(土)ユーロスペースほか全国順次公開

INTRODUCTION

蘇る、バレエ映画の金字塔!
新たに制作されたデジタルリマスター・エディションが
いよいよ待望の日本上陸!

『赤い靴:デジタルリマスター・エディション』11950年3月1日、有楽座で1本の洋画が日本初公開された。アンデルセン童話「赤い靴」をベースに綴られる、バレエ・ダンサーの悲劇。観たこともない映像世界は観客を魅了し、瞬く間に話題となった。映画は大ヒットし、56日間で33万人を動員。日本には空前のクラシックバレエ・ブームが起こり、街にはバレエ教室が次々と出現。靴業界では、“赤い靴”が流行した。
不朽の傑作『赤い靴』は、イギリスの巨匠マイケル・パウエル&エミリック・プレスバーガーの代表作であり、バレエ界、美術界、音楽界からも最高のスタッフが結集した奇跡的作品。赤い靴の運命を背負って踊り続けるヒロインに、サドラーズ・ウェルズ・バレエ団(現ロイヤル・バレエ団)のプリマ、モイラ・シアラー。ロバート・ヘルプマン、レオニード・マシーンが振付し、ダンサー役で踊りも披露する。撮影は、テクニカラーの父ジャック・カーディフ。音楽のブライアン・イースディルは、アカデミー賞&ゴールデン・グローブ賞をダブル受賞。画家(ハイン・ヘックロス)を美術監督に起用したのも画期的な試みだった。中盤に登場する約17分のバレエ演目「赤い靴」のシーンは、映画芸術に革命を与え、そのセンセーショナルな衝撃は、今観ても全く色褪せることはない。

マーティン・スコセッシ監修で蘇る名作!

スティーヴン・スピルバーグ。フランシス・フォード・コッポラ。『赤い靴』へのリスペクトを公言している映画監督は多いが、その中のひとり、スコセッシが同作のオリジナル・ネガ修復作業に着手。彼の監修のもと、2年の歳月をかけて完成された<デジタルリマスター版>は、2009年カンヌ国際映画祭で世界初公開された。いよいよ待望の日本上陸である。

バレエ芸術と映画芸術の見事な融合
そして、イギリスにしか成しえなかった最高のスタッフの結集

当時、世界にその輝きを放っていた英国バレエ界が総力を結集しただけに、本作では、目を見張るばかりの華麗なバレエが存分に堪能できる。ヒロインには新鋭モイラ・シアラーを抜擢。ロバート・ヘルプマン、そしてニジンスキーの後継者と称されたレオニード・マシーンの英国バレエ界2大ダンサーが特別出演。バレエシーン全体をヘルプマンが振付し、靴屋のパートはマシーンが自ら振付して踊った。また、プリマドンナのボロンスカヤ役にはフランスからリュドミラ・チェリーナを迎えるというあまりにも贅沢な配役が実現した。

三次元の空間芸術であるバレエを二次元の映像で表現するというパウエル&プレスバーガーの挑戦に応えたのは、撮影監督ジャック・カーディフ。彼は、飛躍的に進歩したテクニカラー技術を駆使し、カメラの速度、照明器具は勿論美術装置やメイクまで徹底的にこだわり、それまでに類のないセンセーショナルで驚異的な映像世界を展開させた。ダンサーが次々に移り変わる超幻想的な風景の中を舞うシーンには、ジョージ・ガンが考案して以来ガン・ショット・プロセスとして有名になった合成法が用いられ、テクニカラーの特殊技術の面に新生命を吹き込んだ。
『赤い靴:デジタルリマスター・エディション』2ブライアン・イースデルの音楽を指揮したのは、サー・トーマス・ビーチャム。彼が率いるロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏も素晴らしい本作は、映画芸術だけでなく、バレエ、美術、音楽といったあらゆる分野における“本物の芸術”を堪能できる。これは、英国芸術界の最高のスタッフが結集したからこそ成しえた奇跡だった。

イギリス映画の奇跡の1本は、アメリカからも最大の賞賛を受けた。全米各地で公開され、記録的な興行成績を収める。特に、ニューヨークの映画館ビジョー・シネマは3年以上も続映し、これがロングラン興行のはしりになった。

バレエ・ダンサーの悲劇。
愛を選ぶのか、踊り続けることを選ぶのか。

世界一のプリマを夢見るヴィクトリアは、バレエ団主宰者レルモントフに見出され新作「赤い靴」の主役に抜擢。公演は成功し、作曲家クラスターとの恋も実らせ結婚を誓う。しかし、彼女に踊り続けることだけを強いるレルモントフ。彼女は苦しみ、そして悲しい結末へ・・・。バレエ・ダンサーの2つに引き裂かれる心を描きつつ、芸術の神に愛された者が背負う宿命について、鋭く語りかけてくる。

2011年7月2日(土)ユーロスペースほか全国順次公開

Check it Out !!

◆◇映画『赤い靴』に登場するバレエ演目の数々◆◇

本作の見どころのひとつは、1本の映画の中で、いくつもの有名な古典バレエのシークエンスが鑑賞できることである。しかも、すべてが当時の英国バレエ界を代表するスターたちが競演する本格的バレエで、その断片を惜しげもなくちりばめているという贅沢さだ。本作が、類稀な優れた芸術作品であると称される所以が此処にある。

『白鳥の湖』Swan Lake
ロンドンの由緒あるマーキュリー劇場で踊るヴィッキーを、客席からじっと見つめるレルモントフ。モンテカルロ歌劇場で踊る彼女に指揮台から投げキッスを送るジュリアン。そしてヴィッキーがバレエ団を去った後呼び戻された先輩バレリーナ、ボロンスカヤの舞台の3つの場面。
『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』と並ぶ3大バレエのひとつ。あまりにも有名な古典バレエだが、群舞の長いチュチュや、グラン・アダージョと呼ばれる名場面(ボロンスカヤの踊り)に王子の他にもう一人男性ダンサーが加わるなど、今とは違った当時のスタイルが垣間見られるのも興味深い。

『赤い靴:デジタルリマスター・エディション』3『ジゼル』Giselle
パリ・オペラ座ガルニエ宮でのドレス・リハーサルで、ボロンスカヤは婚約を発表。本番を踊る彼女に、レルモントフは冷ややかな視線を向け、本番の舞台袖で「バレエと結婚の両立は不可能だ」と切り捨てる。
結婚を目前にして亡くなった娘達が妖精となり、夜中に森に迷い込んできた若者を死ぬまで踊らせるというオーストリア地方の伝説に着想を得て作られたロマンティック・バレエの代表作。

『奇妙な店』La Boutique Fantasque/『コッペリア』Coppélia/
『レ・シルフィード』Les Sylphides

新作バレエ『赤い靴』を成功させたレルモントフ。その後ヴィッキーは、バレエ団のレパートリーを次々と主演していく。
選ばれた演目は、いずれもバレエ・リュスの人気作品で、主演モイラ・シアラーのバレリーナとしての魅力をよく伝えている。機械仕掛けの人形たちが賑やかに踊る『奇妙な店』は、シアラーが所属していたサドラーズ・ウェルズ・バレエ団で1947年に再演され、振付者であるレオニード・マシーン自身が相手役に新進のシアラーを大抜擢した記念すべき演目。人形作り職人コッペリウス博士と人形コッペリアが繰り広げる喜劇『コッペリア』では、コケティッシュなヒロインのスワニルダをチャーミングに演じ、空気の精シルフィードと詩人が月明かりの森で踊る『レ・シルフィールド』では、ロバート・ヘルプマンとの美しいパ・ド・ドゥを披露する。

◆◇映画『赤い靴』を彩る名曲の数々◆◇

本作では、オリジナル楽曲「赤い靴」の他にも、チャイコウスキーの「白鳥の湖」、アダンの「ジゼル」、フリムルの「ボヘミア組曲」等の旋律も楽しむことができる。演奏はサー・トーマス・ビーチャムの指揮するロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団。テッド・ヒース&ケニー・ベイカー・スイング・グループが共に演奏に当たっている。

<バレエ曲/作曲家>
「火のこころ」 ブライアン・イースデル 「白鳥の湖」 ピョートル・チャイコフスキー 「ジゼル」 アドルフ・アダン 「赤い靴」 ブライアン・イースデル 「老年のいたずら」 ジョアキーノ・ロッシーニ 「コッペリア 自動人形の音楽とワルツ」 レオ・ドリーブ 「レ・シルフィード ワルツ第7番」フレデリック・ショパン

<挿入曲/作曲家>
「カマリンスカヤ ―ロシアの踊りの歌の主題によるスケルツォ」 ミハイル・イヴァノヴィチ・グリンカ
「ボヘミア組曲」 ルドルフ・フリムル

ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とサー・トーマス・ビーチャム
1946年にサー・トーマス・ビーチャムによって創設されたイギリスの国民的オーケストラ。ロンドンの5大オーケストラの中でも唯一「ロイヤル」の称号を許可されている。パトロンはエリザベス皇太后で、女王陛下のオーケストラということでも知られている。
サー・トーマス・ビーチャムは、1879年イングランド西北部ランカシャー州生まれ。ビーチャム製薬(現グラクソ・スミスクライン)の御曹司として生まれ、その膨大な私財を惜しげもなく投じ、生涯を英国音楽界に捧げた功労者。32年ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を創設。同年ロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督に就任。第二次世界大戦中に渡米したことで、ロンドン・フィルを手放す結果となったが、戦後、新たにロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を創設し、61年に没するまで同団の主席指揮者を務めた。

◆◇童話 アンデルセンの「赤い靴」◆◇

昔、あるところにカーレンという名の美しい娘が住んでいた。彼女には病身の母がいるだけで、他に身寄りはいなかった。貧乏だったので、履く靴もなく冬は木靴で、夏は素足で過ごしていた。母親が亡くなった時、村の靴屋のおかみさんが不憫に思い、「赤い布靴」を作ってくれた。お葬式にカーレンはこの「赤い布靴」で母親の柩に従ったところ、裕福な老婦人に声をかけられた。カーレンは、この老婦人の家で不自由なく暮らすようになった。この幸せは赤い布靴がもたらしたものと考えていた。
ある日、女王様が王女様を伴って国内を巡視していた。カーレンは、王女様が履いている革製の「赤い靴」がどうしてもほしくなった。そして、町一番の靴屋の店先に、それとまったく同じ舞踊用の「赤い靴」を見つけると、カーレンは目の悪い老婦人を騙してこれを買い、厳粛な堅信礼の日に教会へ履いていった。そして、式の最中も赤い靴で踊ることばかりを考えていた。人々は驚き、それを知った老婦人は注意をしたが、次の式もカーレンは赤い靴で出掛けていった。教会に着くと、戸口に老人がいて、踊る時に脱げないようにと靴の底をたたいた。この日もカーレンは、賛美歌など上の空で、ただ踊ることばかりを考えていた。
 カーレンは町の舞踊会に招待され、病気の老婦人を1人にして出掛けしまい、とうとう老婦人は死んでしまった。一方、町で踊り始めたカーレンは、赤い靴が少しも自分の思うように動いてくれず、休もうとさえしてくれないことに気づく。夜もふけ、人々は皆家に帰っていったが、彼女は独り踊り続ける他はなく、来る日も来る日も、雨の日も風の日も、赤い靴に身を運ばれていった。大きな翼を持った天使に逢ったが、「お前の好きな赤い靴で、死ぬまで踊ったらよい」と冷たく言い放たれてしまう。野山の茨で血だらけになったカーレンは、耐えられず死刑執行人のところで足を切断してもらう。すると、赤い靴は、彼女の小さな足を入れたまま、どこかへ踊りながら行ってしまった。執行人に木で義足を作ってもらい、杖をもらって家に戻ったカーレンは、すべて赤い靴が悪いのだと考えていた。
ある日、皆に逢いたいと思いたって教会にいったカーレンは、戸口で彼女の足が踊っているのを見た。びっくりした彼女は家に引き返して1週間泣き悲しむ。次の日曜の朝、自分は充分に苦しんだのだと教会に行くと、やはり戸口で赤い靴が踊っていた。彼女は、ここでようやく改心する。この日から、牧師様の下女として身を粉にして働き、祈りを捧げる毎日を続けるようになった。皆から、教会に行こうと言われたが、彼女は涙をたたえ、杖を悲しげに見つめるだけだった。
 皆が教会で神の祝福を受けている間、カーレンは、ベッドひとつの暗い部屋で独り神に祈りを捧げていた。すると、部屋が急に明るくなり、彼女の目の前に天使が降りてきた。そして、手にしたバラの小枝で彼女の部屋の壁を叩くと、壁は大きく開いて、彼女の目の前に教会が現れ、賛美歌を歌う人々の姿や祈る新婦の姿が現れた。カーレンは、天国に召されたのだった。 天国ではもう誰も赤い靴のことは言わなかった。

C R E D I T

スタッフ
製作・脚本・監督:マイケル・パウエル,エメリック・プレスバーガー
音楽:ブライアン・イースデル 指揮:サー・トーマス・ビーチャム 演奏:ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
撮影:ジャック・カーディフ 編集:レジナルド・ミルス 美術監督:ハイン・ヘックロス
録音:ゴードン・K・マッカラム、チャールズ・プルトン テクニカラー撮影:ジョージ・ガン、E・ホーグ
振付:ロバート・ヘルプマン,レオニード・マシーン

キャスト
ヴィクトリア・ペイジ:モイラ・シアラー ボリス・レルモントフ:アントン・ウォルブルック
ジュリアン・クラスター:マリウス・ゴーリング イワン・ボレスラフスキー:ロバート・ヘルプマン
グリシャ・リュボフ:レオニード・マシーン

1948年イギリス映画/原題:The Red Shoes/カラー/128分/スタンダード/モノラル ※デジタル上映
配給:デイライト、コミュニティシネマセンター 宣伝:メゾン 後援:英国大使館 貿易・対英投資部 協力:チャコット
公式サイト:http://www.red-shoes.jpn.com/

2011年7月2日(土)ユーロスペースほか全国順次公開

黒水仙 [Blu-ray]
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  • 監督:マイケル・パウエル, エメリック・プレスバーガー
  • 出演:デボラ・カー, サブー, フローラ・ロブソン, ジーン・シモンズ, ジュディス・ファース
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愛と喝采の日々 [DVD]
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  • 監督:ハーバート・ロス
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  • おすすめ度:おすすめ度4.0
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2011/06/18/01:26 | トラックバック (0)
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