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人気声優ユニット「スフィア」の寿美菜子、幻の主演実写映画が2週間限定で劇場公開!

-×-
(マイナス・カケル・マイナス)

http://mainasu-kakeru-mainasu.com/

2011年12月3日(土)~16日まで、渋谷ユーロスペースにてレイトショー

上映期間中、トークショー開催!
  • 12月3日(土):初日舞台あいさつ(伊月肇監督)
  • 12月6日(火):木村文洋(映画監督)/吉田浩太(映画監督) × 伊月肇(監督)
  • 12月7日(水):寿美菜子(声優/本作出演) × 伊月肇(監督)
  • 12月8日(木):井土紀州(映画監督) × 伊月肇(監督) 21:00の回上映後
  • 12月9日(金):諏訪敦彦(映画監督) × 伊月肇(監督)
  • 12月10日(土):山本政志(映画監督) × 伊月肇(監督)
  • 12月12日(月):今泉力哉(映画監督)/平波亘(映画監督) × 伊月肇(監督)
  • 12月13日(火):保坂和志(小説家) × 伊月肇(監督)
  • 12月15日(木):空族 富田克也(映画監督)/相澤虎之助(映画監督) × 伊月肇(監督)
INTRODUCTION

すれちがう他人、つながらない世界
人の痛みなど、ただ通り過ぎるだけなのか

-×-(マイナス・カケル・マイナス) 2003年、イラク戦争開戦前夜。舞台はかつて「人類の進歩と調和」が謳われた万国博覧会の象徴・太陽の塔がそびえ立つ大阪の町の一角。ラジオの音声がやっとかすめる小さな公園に、タクシー運転手と女子中学生の日常が交差する。彼らは、いま始まろうとしている戦争のニュースに思いを寄せることはおろか、目の前の仕事の貧しさ、肉親への思いさえどうにもできずにいた。この映画の時間が終わる7年後、2010年に、ひっそりと戦争は終結したと宣言される。多くの不条理を残したまま……。
そしてその1年後、3月11日に、東日本大震災は起こった。私達はいま、あのときとはまた違う思いで、目の前の日常と「つながらない世界」との狭間を行き来しているのではないだろうか。
映画『‐×‐』(マイナス・カケル・マイナス)は、その狭間において交わるはずのなかった他人と世界とのどうしようもない断絶を描き出す。だがその絶望的な眼差しは同時に、一人一人の人間が互いに真に向き合おうとする姿こそが、 「つながらない世界」に生きる希望となることを信じようとしているのである。

主演・藤本凛役は、大人気アニメ「けいおん!」の琴吹紬役の声優として、またアイドルグループ「スフィア」として爆発的な人気を呼ぶ寿美菜子。本作の撮影当時は高校一年生だったが、ブレイク直前の透明感にあふれ糸の切れる寸前のような張りつめた存在感がスクリーンに鮮烈に明滅する。
もう一人の主演・鬱屈した孤独なタクシードライバーの吉村貴治役には澤田俊輔。伝説的カルト映画『鬼畜大宴会』(熊切和嘉監督)に主演した澤田が、新たな存在感で映画に傷痕のような一瞬を残した。そしてタクシーの乗客・京子役に女優・長宗我部陽子。現在、いまおかしんじ、高橋洋、井土紀州監督作をはじめ日本映画オルタナティヴシーンのディーヴァとして活躍する彼女の不思議な魅力は物語に艶を与え、確かな記憶として人々の脳裏に刻まれる。

この精緻な物語を紡ぎだした監督は31歳の新鋭・伊月肇。熊切和嘉、山下敦弘、石井裕也など近年活躍目覚しい監督を多数輩出する大阪芸術大学の出身でもあり、山本政志、塚本晋也、山下敦弘監督作品にスタッフとして参加した経歴を持つ。長編デビュー作となる本作は、ローマ、ロサンゼルスなど海外の映画祭で高い評価を得た。(短編「トビラを開くのは誰?」はユーロスペースにて11月19日公開の「NONAME FILMS」の一作品として上映) .撮影は、黒沢清監督らにも絶賛を受ける最注目の若手キャメラマン・高木風太(『堀川中立売』(柴田剛監督)/『君と歩こう』(石井裕也監督)が担当。また、共同脚本・松野泉(『GHOST OF YESTERDAY』監督/ぴあフィルムフェスティバル審査員特別賞)、照明・浅川周(『bluebird』監督/第四回CO2 助成作品 )、助監督・桝井孝則(『夜光』監督)など、スタッフには関西インディぺンデント映画シーンの注目人物たちが結集した。

Story

何かを失ってしまった者たちの1対1の関わり――
交差する「喪失と希望」、2つの物語

-×-(マイナス・カケル・マイナス)1-×-(マイナス・カケル・マイナス)2

大阪郊外の町。日に日に緊張感が高まるイラク情勢のニュースがラジオから流れる中、 タクシードライバーの貴治(澤田俊輔)は消費者金融からの催促の電話に怯えながら 日々の仕事を無為にこなしていた。
ある日、市内をタクシーで流していた貴治は不思議な客・京子(長宗我部陽子)を乗 せる。「財布を忘れた」と言って自宅の団地にお金を取りに行った京子を外で待ってい ると、部屋の中から京子の悲鳴が聞こえ、空き巣に入られたという。
だがその後も料金を払うでもなく、貴治を引き止めて一人息子のホームビデオを見せ たりオセロの相手をさせながら延々と喋り続ける京子。棚の引き出しには現金が入って いる。貴治の心が黒くうごめきだす……。
同じ頃、両親が離婚して父親と暮らす14 才の中学生・凛(寿美菜子)は、引っ越し前に住んでいた団地を訪れて親友の智美(大島正華)との再会を喜んでいた。 その夜、凛は母親の春子とファミレスで食事をするが、心を閉ざした凛と春子の会話 はまったく噛み合わない。そこへ春子の現在の恋人らしき男がやって来る。行き場を失 った悲しみとやりきれない思いを持て余した凛は、その鬱屈を思わず智美にぶつけてし まうが……。
出会うはずのなかった人と人。それぞれに痛みを抱えた人生がいま、ひとつの町の片隅で 交差する!

2011年12月3日(土)~16日まで、渋谷ユーロスペースにてレイトショー

COMMENTARY

違和のある記憶 /伊月肇監督コメント

-×-(マイナス・カケル・マイナス)3振り返れば、この映画の脚本を考えていた時、2つの記憶から始まったと思う。
これは、ぼくの20代前半の記憶である。
ぼくは大阪郊外の人口25万人ほどの町で育った。実家は一戸建てで、そばには小学校があり、登下校の時間は小学生たちの声であふれる。実家の向かいには、今にも潰れてしまいそうな古く、汚く、暗いアパートが建っている。
ある日、数人の身なりのきちんとした人々がそのアパートの一室に入っていくのを目にした。あとから母に話を聞くとそのアパートに独りで住んでいる初老の男が死んでいたらしい。死体は腐り始めていた。その初老の男は、いつもしかめ面で一人、町を歩いていた。
小学生が通り、活気にあふれる数メートルの道を挟んで、初老の男は腐り、ぼくは穏やかに日々を暮らし、親に養ってもらいながら将来に悩み、不安を抱えていた。
近くて遠い他人。そして、無関心と無関係。
心に違和感が生まれた出来事であった。

もう一つの記憶は、2003年のイラク戦争である。
イラクに大量破壊兵器などなく、ブッシュ政権の嘘の話から始まった戦争である。連日、流れる戦争のニュースは初めは刺激的で見入ってしまったが、途中からはほとんどみなくなり、最後は天気予報と変わらないレベルになった。ブッシュ政権がでっちあげた大義名分のもとで大量殺戮が行われているというのに、ぼくはどこか遠い国のおぞましい大きな出来事より、自分自身の日常の小さな出来事のほうがずっと重要であった。
今、ぼくにとってあの戦争は違和のある遠い記憶にすぎないが、あのくだらない戦争で愛する人を喪った人たちは何を思い、生きているのだろうか?

-×-(マイナス・カケル・マイナス)4今、2011年、8月。2011.3.11東日本大震災に触れないわけにはいかない。
あれから数ヶ月経ち、再びあの違和感がよみがえろうとしている。どこか心の奥底に秘め、時折のぞかせては、目をつぶり、忘れ去ってしまっていたあの違和感。
目の前に迫る小さな日常に追われ、今、ぼくは精一杯生きている。そして、時には政府の対応に憤り、テレビに小言を言い、飲み屋の酒の肴にする。3.11 以降、ぼくの生活で変ったのはそれぐらいである。

ぼくはまだ東北に行っていない。

踏み出さなければいけない。世界はつながっているのだ。

C R E D I T
製作・監督・脚本・編集:伊⽉肇 / 出演:澤田俊輔 寿美菜⼦ ⻑宗我部陽⼦ ⼤島正華
制作・共同脚本・⾳響効果:松野泉 助監督:桝井孝則 撮影:⾼⽊風太 照明:浅川周
美術:塩川節⼦ 樋口麻衣 録⾳:東岳志 メイク:窪田やよい 衣装:鳥越麻由 ⾳楽:森谷将之
2010/120分/DV/16:9/ステレオ 配給:I film 宣伝::酒井 慧 宣伝:協力:ノンデライコ(大澤一生)
http://mainasu-kakeru-mainasu.com/

2011年12月3日(土)~16日まで、渋谷ユーロスペースにてレイトショー

2011/11/29/13:19 | トラックバック (0)
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