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兎たちの暴走

『兎たちの暴走』画像 『兎たちの暴走』場面画像1

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2023年8月25日(金)より池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺、
8月26日(土)新宿K‘s cinema ほかで全国順次公開

INTRODUCTION

あなたのためだったら 何だってする

17歳の高校生シュイ・チンは、重工業が盛んなとある町で父親と継母と弟の4人暮らし。お金持ちだけど両親が不仲で悩みを抱えるグループのリーダー、ジン・シー。地元の広告モデルをするほどの美人だけど父親の暴力に怯えるマー・ユエユエ。そんな3人は喧嘩しながらも毎日楽しく高校生活を送っていた。
そんなある日、生まれて間もないシュイ・チンと古い街を捨て、成都へ行ってしまった彼女の実の母チュー・ティンが戻ってくる。憧れていた母との再会でシュイ・チンの生活は一変する。

2020年第33回東京国際映画祭でワールドプレミアとして上映され話題を呼び、中国で最も注目される新進気鋭の女性監督シェン・ユー監督の長編デビュー作『兎たちの暴走』。

シェン・ユーは、若い頃から芸術への関心が高く、北京電影学院の監督科を卒業後、美術の仕事で映画業界に入り、NHKなどのドキュメンタリー撮影や監督、CMディレクターなど俳優以外の映画に関わる仕事を経験してきた。今回初監督をするにあたり、母と娘が娘の同級生を誘拐し殺害したという2011年の実際の事件から着想を得て本作の映画制作に取り組んだ。

エグゼクティブ・プロデューサーにはロウ・イエ監督の『天安門、恋人たち amazonリンク:『天安門、恋人たち [DVD]』』を制作したローレル・フィルムの代表ファン・リーが務める。またプロデューサーには『ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅』の女性監督リー・ユーが務め、脚本にはロウ・イエ監督の『シャドウプレイ』で共同脚本を務めたチウ・ユジエが担当した。

『兎たちの暴走』場面画像2本作のロケ地となる東南アジアに近い四川省攀枝花市は「山と川があり、そして1本の川が1つの都市を通り抜ける場所であれば映像的にも面白く、都市の空間が重層的になる」という理由から選ばれ、「南京や西安のような古都と違い、急速な経済発展のため新しい都市が生まれ、人々の生活が一変した街を舞台にしたかったのです。特に攀枝花市を具体的に描きたいわけではなく、現代中国社会の縮図の一つの街として設定しました」と監督は言う。

劇中放送室の場面では、架空の作家 金沙江一郎が「ホルモンの影響で生じ、成長すると消える。経済発展により生まれ、資源の枯渇で捨てられた。ここはニキビのような街。豊かな日差しで、街は露光過多。輝いて見えて、実は潰瘍だらけ。捨てられた街」と街をこのように表現している。

映画の冒頭は、主人公の高校生シュイ・チンとそのクラスメイトのマー・ユエユエが誘拐され、身代金を要求された父親二人と、シュイ・チンの母親チュー・ティンが警察署に駆け込む場面から始まる。
母親チュー・ティンが車のトランクを開けた場面で、映画は事件が起きる前の街を出た母親チュー・ティンが黄色いスポーツカーに乗り娘の元に戻ってきたところへと時は巻き戻るのだった。

シェン・ユー監督の一番好きな映画作品は、ダニー・ボイルの『トレインスポッティング』で好きな映画監督はポン・ジュノ、デヴィッド・フィンチャーだと言う。そんな監督だけあって、観客を映画の冒頭で一気に物語へと引き込む巧みな構成となっている。
また、母が抱えた闇を徐々に解き明かすサスペンスを描く上で「一番大切にしているのは感情です。この物語は自分を捨てて戻ってきた母の愛を守るために、なんでもするという感情の話なのです」と語り、ビジュアルにこだわるシェン・ユー監督は、感情を表す色として危険を象徴する黄色を母親のキーカラーとした。

劇中に何度か現れるトンネルを人が生まれ変わる象徴として描く『兎たちの暴走』、母親は過去に戻り過ちを改めたいと思い、娘は母親のためならなんだってするという思いで大きな過ちを犯す。この母と娘の悲劇は、果たして、トンネルの中に入り抜け出た先で生まれ変わることができるのだろうか。

『兎たちの暴走』場面画像3
CREDIT
監督::シェン・ユー(申瑜)
脚本:シェン・ユー(申瑜)、チウ・ユジエ(邱玉潔)、ファン・リー(方励)
プロデューサー:リー・ユー(李玉)、ファン・リー(方励)
出演::ワン・チェン(万茜)、リー・ゲンシー(李庚希)、ホァン・ジュエ(黄覚)ほか
2020年/中国/105分/北京語、中国語/日本語字幕:鈴木真理子/原題:兔子暴力 The Old Town Girls
配給・宣伝:アップリンク ©Beijing Laurel Films Co.,Ltd.

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2023年8月25日(金)より池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺、
8月26日(土)新宿K‘s cinema ほかで全国順次公開

2023/08/21/18:12 | トラックバック (0)
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