新作情報

アルゼンチンタンゴ
伝説のマエストロたち

http://www.starsands.com/tango/

6月26日(土)より、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

INTRODUCTION

タンゴとは、愛、祖国への誇り、そして人生全てを捧げた音楽ムジカ
巨匠マエストロたちによる一夜限りの世紀のコンサートが、今、幕を開ける!
人々の旅情をかきたてる魅惑の都市、ブエノスアイレス。
郷愁のバンドネオンが誘う、アルゼンチンタンゴの世界

タンゴ版『ブエナビスタ・ソシアルクラブ』の誕生

『アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』2006年、ブエノスアイレスの最も古いレコーディングスタジオで、1940年代から50年代に活躍し、アルゼンチンタンゴの黄金時代を築いたスター達が感動的な再会を果たした。彼らはアルバム「CAFÉ DE LOS MAESTROS」に収録する名曲を歌うためにこの場所にやって来たのだった。60~70年もの演奏歴をもち、いまなお現役で輝き続ける、まさに国宝級とも言えるマエストロたち。時を重ね人生の深みを増した歌声が響くなか、彼らは激動の歴史とともにアルゼンチンに脈々と生き続けてきた、タンゴの魅力と自らの思い出を語り始める。なけなしの金で父が買ってくれたバンドネオン、街角のカフェから成功の階段をともに上った仲間たち、亡き師への変わらぬ熱い思い。彼らの人生のすべてがタンゴという3分間のドラマに刻まれていく。

ラテンアメリカから世界へ。アカデミー賞受賞の音楽家
グスタボ・サンタオラージャがプロデュース

「タンゴという芸術を生み出した マエストロたちと一緒に仕事が出来たことは、私の人生において最高の出来事の一つとなった」と語るのはアルバム「CAFÉ DE LOS MAESTROS」と本作を企画した、世界的な音楽家グスタボ・サンタオラージャ(『ブロークバック・マウンテン』『バベル』でアカデミー作曲賞を受賞)。彼は、このアルバムのためにマリアーノ・モーレス作曲「軍靴の響き」などレコーディング以降一度も再演されることのなかった編曲を再現したり、1950年代にエミリオ・バルカルセがオスバルド・プグリエーセ楽団のために提供した自作の編曲「シ・ソス・ブルーホ」、1960年代にフリアン・プラサがアニバル・トロイロ楽団のために提供したオスバルド・ベリンジェリの作品「両親に捧ぐ」など、数々の歴史的名編曲の再現なども意欲的に行った。マエストロたちの長い年月で培われた経験と、今までになくエネルギッシュな演奏、彼らをリスペクトしてやまないサンタオラージャとのコラボレーション。そしてエグゼクティブ・プロデューサーには『セントラル・ステーション』『モーターサイクル・ダイアリーズ』のウォルター・サレス監督を迎え、音楽と映画の最高のスタッフが伝説をつくりだした。

アルゼンチンタンゴの至宝が集結!
──そして、奇跡のステージの幕が開く。

『アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』2ミラノ・スカラ座、パリ・オペラ座に並ぶ世界三大劇場のひとつであるブエノスアイレスのコロン劇場。真夏の一夜、タンゴの歴史をつくりあげた偉大なるマエストロたちが一堂に会したそのとき、奇跡のステージの幕が開く。すでに惜しまれつつこの世を去ったカルロス・ラサリ、オスカル・フェラーリなど、二度とは見ることのできないアーティストたちの共演は、近年屈指の希少性をもち、音楽史に永遠に伝えられることだろう・・・。
聴く者誰をも魅了する彼らの演奏を収録したアルバム「CAFÉ DE LOS MAESTROS」は、文句なしの2006年ラテン・グラミー最優秀アルバム賞を受賞した。

6月26日(土)より、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

インタビュー

グスタボ・サンタオラージャ インタビュー

4月末日、『バベル』『ブロークバック・マウンテン』で、二度にわたるアカデミー賞作曲賞を受賞している世界的音楽家グスタボ・サンタオラージャが、現在拠点としているLAから、自身がプロデュースした映画『アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』について、電話インタビューに応じてくれた。
――『アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』を製作した過程で印象に残っているエピソードを教えてください。

グスタボ・サンタオラージャサンタオラージャ 今まで経験したことのないような、数々の素晴らしい瞬間に立ち会うことができたよ。中でもビルヒニア・ルーケさんが、「ブエノスアイレスの歌」の歌を収録したときのことはとても印象に残っているな。実はあの曲には、自由な"間"がいくつもあって、オーケストラがボーカルのタイミングに沿って演奏しなくてはならない。逆に言うと、彼女がどれだけ休止をとるかによって、オーケストラの入るタイミングや出るタイミングが変わってしまうんだ。とりあえずガイド・ボーカルを録って、そのボーカルに沿った形でオーケストラの演奏を収録することにしたのだけれど、どうやって彼女の歌を再度収録すればいいのだろうかと考えてしまったよ。オーケストラが彼女に沿って演奏しているのに、その演奏に今度はボーカルを合わせるなんてことが果たして可能なのだろうかとね。翌日、スタジオにやってきた彼女に事情を話したら、彼女はまるで怒ったように私を見て「私はワンテークでやるつもりよ。」と言ったのさ。そして、彼女は宣言通り一発で成功させてしまった。なぜそんなことが出来たのか分からないよ、私も今までこんな経験はしたことがないからね。彼女の歌と歌の間とオーケストラの演奏が不思議とぴったりとはまった。あれはかつてないほどの経験だったね。

――あなたより遥か年上のマエストロたちとのお仕事はあなたにとってどのようなものでしたか。96歳のマエストロが奏でるバンドネオンの音色を聴く時などはどのような気持ちでしたか。

サンタオラージャ 残念ながらガブリエル・クラウシさんは今年亡くなってしまわれたけれど、彼は昔ながらのバンドネオンの奏法を継承していた最後のバンドネオン奏者だった。映画に登場する他の奏者も含めて、今日のバンドネオン奏者は自らの体重を利用した演奏法を使用している。だから、彼らは演奏する際、必ず片足に楽器を乗せているわけだね。一方、クラウシさんの昔ながらの奏法は、小さいスツールに腰掛けて、両足は閉じたまま、楽器を両方の足の上にのせて弾くというものなんだ。体重を利用せずに彼自身の力で楽器を開閉させて音を出すから、良く知られている一般的なバンドネオンの音色とは一風異なり、ハルモニウムのような独特の音になるんだね。でも、彼の死によってこの昔ながらの奏法は失われてしまった。これは一つの時代の終焉と言っていい。だから、彼の演奏シーンを最後に挿入することがとても重要だと思ったんだ。
クラウシさんの演奏のように、この映画では素晴らしい才能とタンゴという音楽の多様性をフィーチャーしているわけだけれど、その一方で「高齢者の尊さ」というものも伝えたいと思った。我々の住む社会はどんどん、若さを求める傾向にあり、残念ながら高齢者は蔑まされているようにも思える。だから、老齢の音楽家たちのバイタリティーやパワー、ほとばしるエネルギーといったものを伝えることが重要だと考えたんだ。もう一つ重要だったことは、映画を観終わった人にタンゴやタンゴの音楽家たちについてもっと知りたいという興味を抱いてもらいたかったということだね。歳を重ねることでアーティストにもたらされるものを理解してもらえたら、この映画の任務が果たせたと言ってもいいんじゃないかな。

――日本でもヒットした『モーターサイクル・ダイアリーズ』『バベル』『ブロークバック・マウンテン』などの映画音楽について、一言でいいのでどのようなことを考えて作品化したかを教えてください。

グスタボ・サンタオラージャ2サンタオラージャ 映画の製作でよくあるのが、撮影して、編集して、そこに既存の曲をあて込んでから、作曲家がその雰囲気に近い音楽を作るという流れだろう。でも、私はこのような作業は好まない。私の場合、まずは脚本を読む。登場人物や物語などからインスパイアされて、音楽を録り始めるんだ。私は音楽を勉強したことはないので、譜面を書いたり読んだりすることはできないからね。自分自身でたくさんの楽器も演奏するよ。唯一『アモーレス・ぺロス』は例外だったけれど、ほとんどの場合は、使われている音楽の大部分は映画が撮影される前に作られているね。
最も顕著な例が『ブロークバック・マウンテン』。あの映画は完全に全部の音楽を、映画の撮影前に作りあげていたから。音楽を撮影前に作って、監督は役者にもその音楽を聞かせたりしながら、音楽と共に撮影中過ごす。そうしてその音楽が映画にとって不可欠なものになっていくわけだね。もちろん、それは私がアン・リー監督を信頼しているからこそ出来たことだけれど。事前に大量の音楽を監督に託して、監督自身がこれをここに、これをあっちへと決めていったんだ。初めてラフカットを観たとき、音楽が映像にあまりにもうまくはまっていて夢のようだったよ。

――音楽界において、華々しいキャリアをもつサンタオラージャさんですが、こと映画音楽について、アカデミー賞の作曲賞を受賞したときの心境を教えてください。

サンタオラージャ とっても、とっても嬉しかったね。自分の作品がこうして認められて、自分はとても幸運だと思っている。これまでにグラミーで15回、ゴールデングローブでも1回受賞したけれど、オスカーはやはり格別だね。まったく別の生き物のような感じなんだ。言葉で説明するのが難しいのだけれど。

――映画音楽において、影響を受けた作曲家や作品はありますか。

サンタオラージャ 私はあらゆる分野の様々なものに影響を受けている。あらゆるアートと文化にとても興味があるんだ。本から影響を受ける場合もあるし、絵画や料理などから影響を受けることもある。誰かの人生や、人生におけるある出来事みたいに、人間そのものからも影響を受けるね。好きな作曲家もたくさんいる。ニーノ・ロータやヘンリー・マンシーニ、バーナード・ハーマンなど。もっと最近の作曲家では、トーマス・ニューマンなどが好きだね。

――この映画を観る日本の観客にメッセージをお願いします。

サンタオラージャ 日本にはすでにこの映画を楽しみにしてくれているお客さんが大勢いると思う。と言うのも、多くの日本人はタンゴへの愛があり、タンゴという音楽の素晴らしさを知っているから。タンゴというジャンルやタンゴの音楽家たちについてとても詳しいお客さん以外にも、タンゴに余りなじみがなくタンゴについて知らない人にも、ぜひご覧になっていただきたい。また、若者にもぜひ観てもらいたいね。この映画にとって音楽はもちろん重要な要素だけれど、世代の異なる人の表現がいかに刺激的で、今日においても現代的(モダン)かということを表現したかったのでね。

C R E D I T
監督:ミゲル・コアン
エグゼクティブ・プロデューサー:ウォルター・サレス,フランソワ・イヴェルネル,キャメロン・マクラッケン
プロデューサー:グスタボ・サンタオラージャ,リタ・スタンティック
音楽制作スタッフ:グスタボ・サンタオラージャ,グスタボ・モッシ,ホルヘ・“ポルトゥゲス”・ダ・シルバ,アニバル・ケルペル
編集:アレハンドラ・アルミロン,ゴンサロ・サンティソ 音響・ミキシング・スーパーバイザー:アニバル・ケルペル
録音監督:ギド・ベレンブルム ミキシング:マクシミリアーノ・ゴンサレス・ゴリーティ
ポスト・プロダクション監督:セルヒオ・レンテーロ ポスト・プロダクション・マネージャー:ミレーナ・ゲリーニ
ミュージシャンたち:オラシオ・サルガン,レオポルド・フェデリコ,マリアーノ・モーレス,カルロス・ガルシーア,
ホセ・“ペペ”・リベルテーラ,ビルヒニア・ルーケ ほか
製作・制作:PATHE PRODUCTIONS CHANNEL4 / A LITA STANTIC PRODUCCIONES S.A. /
PARMIL S.A., / VIDEOFILMES PRODUCCIONES ARTISTICAS
(c) 2008 LITA STANTIC PRODUCCIONES S.A. / PARMIL S.A. /
VIDEOFILMES PRODUCCIONES ARTISTICAS
『アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』 原題/CAFÉ DE LOS MAESTROS
第58回ベルリン国際映画祭パノラマ部門出品
2008年/アルゼンチン/92分/1:1.85/カラー/ドルビーSRD&SR/字幕:大西公子/字幕監修:高場将美
配給:スターサンズ 配給協力:ビターズ・エンド 宣伝:メゾン
公式サイト:http://www.starsands.com/tango/

6月26日(土)より、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

Cafe De Los Maestros [Import] [from UK]

Cafe De Los Maestros

2010/06/23/19:47 | トラックバック (0)
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