これを観ずに映画は語れない。ブラジル映画史を担う伝説の作品群を一挙上映!
2010年12月4日(土)より、
シアターイメージフォーラムにて期間限定上映!
50~60年代――それは世界中の映画愛好家たちが新しい潮流を巻き起こした時代。イタリアではネオレアリズムが起こり、フランスではヌーベル・ヴァーグが起こった。時を同じくして、ブラジルで起こったのがシネマ・ノーヴォだ。反ハリウッドモデルを特徴とする映画愛好家たちの一世を風靡した伝説の作品群は、今、世界的に再評価されており、ヴェネチア映画祭やニューヨーク映画祭でデジタル修復による回顧上映も行われた。その個性的な作風が世界的に注目を浴びているシネマ・ノーヴォ。なかでも、特に代表的な3人の映画作家たちによる計5作品が、『シネマ・ノーヴォ特集』と称して一挙上映されることになった。
ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ
Joaquim Pedro de Andrade
1932年、リオデジャネイロ生まれ。大学で物理学を専攻するが、在学中にシネクラブを立ち上げ、映画の上映、批評、自主製作活動を行う。2本の短編ドキュメンタリーを監督した後、61年にシネマ・ノーヴォの象徴的作品として知られる「five times favera」の一篇、『キャット・スキン』を監督。長編第二作にあたる『マクナイーマ』(’69)は批評、興行面双方で成功を収め、その後も劇映画、ドキュメンタリーの双方で活躍するが、56歳の若さでガンのため死去。
ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス
Nelson Pereira dos Santos
1928年、サン・パウロ生まれ。サン・パウロ法科大学に学び、弁護士、ジャーナリスト、映画評論家、助監督を経て、リオのスラムを舞台にした『リオ40度』(’56)で長篇監督デビュー。本作は後に、新しいブラジル映画(シネマ・ノーヴォ)の先駆的作品とみなされるようになる。
グラウベル・ローシャ
Glauber Rocha
1938年、北東部バイーア州生まれ。監督になる前は映画評論家として活躍。シネクラブを中心とする文化活動の中心人物でもある。ネルソン・ペレイラの『乾いた人生』に協力し、62年『バラヴェント』で監督デビュー。次回作『黒い神と白い悪魔』(’64)によってシネマ・ノーヴォの代表的な監督の一人となる。
『夫婦間戦争』 ( Guerra conjugal 1975年 [88分] )
監督・脚本:ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ 原作:ダウトン・トレヴィザン 撮影:ペドロ・デ・モラエス 音楽:イアン・ゲスト 出演:クリスティーナ・アシェー、リマ・ドゥアルチ、イタラー・ナンディ、カルロス・グレゴリオカンヌ国際映画祭監督週間出品
ブラジル社会を鋭く批評した艶笑コメディ
ブラジル南部の街クチバを舞台に繰り広げられる3つの男女の物語。クライアントの女性を誘惑しようとする弁護士、究極の快楽を与えてくれる女性を探す男、そして諍いを繰り返す初老の夫婦。艶笑コメディの形式をとりつつもブラジル社会を鋭く批評した作品。
『リオ40度』 ( Rio, 40 Graus 1956年 [100分] )
監督・原作・脚本:ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス 撮影:エリオ・シルヴァ 出演:ジェゼ・ヴァラダン グラウセ・ローシャ ロベルト・バタリン1956年、パリで上映され、トリュフォーやゴダールを熱狂させたシネマ・ノーヴォの先駆作。
灼熱のリオ。カブスの丘のスラムに暮らす5人のピーナッツ売り少年を中心に、金と欲の力関係に翻弄される人間たちの姿を縦横無尽に交錯させた、都市生活者のタペストリー。ネオレアリスモなどに影響を受けつつ、政治状況への積極的な加担と連帯への希望を表明したこの作品は、新しいブラジル映画(シネマ・ノーヴォ)の到来を告げることになった。
『乾いた人生』 ( Vidas Secas 1963年 [105分] )
監督・脚本:ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス 原作:グラシリアーノ・ラモス 撮影:ジョゼ・ローサ ルイス・カルロス・バレット 製作:エルベルト・リッシャー ダニーロ・トゥレス ルイス・カルロス・バレット 出演:アッチラ・イオリオ マリア・リベイロ オルランド・マセードブラジルの著述家グラシリアーノ・ラモスの同名小説を映画化。カンヌ映画祭で絶賛され、シネマ・ノーヴォの存在を世界に知らしめた傑作!
干ばつのために難民生活を強いられたファビアーノ一家。ようやく見つけた農場での生活も、権力者の搾取と横暴からは逃れられない。そして、新たな干ばつが一家をふたたび「地獄」へと突き落とす。ブラジル東北部(ノルデスチ)の内陸に生きる零細農民の苛酷な現実を、独特な世界観と地を這うような目線でドキュメンタリー・タッチに描く。
『切られた首』 ( Cabeças Cortadas 1970年 [94分] )
監督・原案・脚本:グラウベル・ローシャ 撮影:ハイメ・デウ・カサス 美術:ファビアン・プレイグセルペル 音楽:スペインの民謡オール・スペインロケを敢行!仮想国・エルドラドをテーマに繰り広げられる劇・音楽・詩の狂宴
とある第三国の城の中、ディアスは狂乱状態で仮想国”エルドラド”の権力者になることを夢見るが、地元の原住民や労働者農民たちから抑圧されていた。そして彼の元に奇跡を起こす羊飼いが現れる。羊飼いは彼を魅了し脅しをかける。彼の犠牲者たちの脅威はすぐそこまで迫っていた。危険を十分に察知していたディアスは、ある日、まるで純潔の象徴ともいうべき美しい田舎娘を見つけ、彼女を監禁し自分の葬式に似せた儀式を行おうとするが……。
『マクナイーマ』 ( MACUNAIMA 1969年 [105分/デジタルリマスター版] )
監督:ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ 原作:マリオ・デ・アンドラーデ 撮影:ギド・コズリッチ/美術:アントニオ・メデイロス 出演:グランデ・オテロ、パウロ・ジョゼ、ディナ・スファト、ミルトン・ゴンサルヴェ半世紀の時を超え、カルト映画の秘宝がついに日本ご開帳!!
アマゾンの密林に響き渡る産声。産まれいでしは、なんと黒人の中年男の姿をした赤子。不吉を意味する“マクナイーマ”と名付けられた赤子は、あるとき魔法の泉の水を浴びて美しい白人の青年に変身する。さっそくアマゾンを抜け出し、兄弟たちとともに都会へと出かけたマクナイーマ。しかし、そこで彼らを待ち受けていたのは奇想天外な珍事奇談の連続であった…。
2010年12月4日(土)より、
シアターイメージフォーラムにて期間限定上映!
- 原著:ルシア ナジブ
- 発売日:2006-01
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- 監督:ヘクトル・バベンコ
- 出演:ウィリアム・ハート, ラウル・ジュリア, ソニア・ブラガ, マヌエル・プイグ
- 発売日: 2010-05-29
- おすすめ度:
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主なキャスト / スタッフ
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