ローレン・グリーンフィールド監督
オフィシャルインタビュー
映画「クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落」について
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2014年8月16日(土)より、新宿武蔵野館ほかにてロードショー
――撮影中にリーマンショックが起こり、作品が当初の予定より変わることが予想されたと思いますが、「これはおもしろい」と思いましたか?
グリーンフィールド監督 金融危機が、シーゲル夫妻の計画や人生、財産に与えた影響は、撮影開始時には予想もしていなかった形で、映画の語り口にとって極めて重要なものとなりました。
この映画はアメリカンドリームの研究として始まりました。しかし次第に、アメリカンドリームと、私たちが、国として、個人として、アメリカンドリームを追い求め、道を失っていく様を、深く探求するものへと変わっていきました。
しかし、私はそれを「笑える」ことだと言いたくはありません。この映画は、ベルサイユ建設計画についてのコメディとして始まりますが、デヴィッドとジャッキーが金融危機の圧力に対処していくにつれて、悲劇へと変化していきます。それは、家や夢を失うという現実に直面した、あらゆる社会経済レベルの家族たちと同じなのです。
――もし監督に夫妻ほどの財産があったら、何に投資をしたいと思いますか?
グリーンフィールド監督 ベルサイユ宮殿からインスパイアを受けて、8,361平米の邸宅を建てることなんて、デヴィッドとジャッキーに出会わなければ想像しなかったでしょう。デヴィッドは「私には可能だったから建てたんだ」と言っていました。ジャッキーにとっては、ファンタジーの実現でした。デヴィッド・シーゲルについて言えば、投資というより、夢の実現であり、自分のエゴを表現したものだったと思います。又、彼は自分の事業にも投資しました。彼が家を売ろうとした時には買い手が見つからず、それが大した投資ではなかったことが分かりました。
7500万から1億ドルする家を買いたいと思っているような人は、そう多くはいないでしょうからね。
――聞きにくい質問ですが、映画公開後にシーゲル夫妻と裁判になったと伺っています。そのことはアメリカでどのような反響がありましたか?
グリーンフィールド監督 聞いてくださってありがとう。デヴィッドは映画祭の晩、私たちとサンダンス映画祭を名誉棄損で訴えました。この物語が、彼自身が言った言葉なのですが、「大金持ちの転落物語」だと報道をされたことに基づき、訴訟を起こしたのです。
私たちは訴訟に勝ち、弁護士費用として75万ドルを勝ち取りました。判事はこの映画内の発言はすべて真実だと判断しましたし、実際すべて真実です。
デヴィッドによると、訴訟を起こした理由は、映画の最後で、彼の人生においてとてもつらい一章である、ラスベガスタワーを失う自分の姿を映っていることが、気に入らなかったためだからそうです。
マスコミはこの訴訟を馬鹿げたものだと考え、そのように報道しました。マスコミや他の映画製作者は、最終的に私たちが裁判に勝ったこと、これが表現の自由の圧倒的な勝利でもあることを、とても喜んでいると思います。
――日本での公開は8月16日です。この映画を特にどのような人に見て欲しいと思いますか?
グリーンフィールド監督 『クィーン・オブ・ベルサイユ~』をアメリカで公開して分かったことは、この映画は幅広い観客、若者やお年寄り、お金持ちや貧しい人々、中産階級、あらゆる出身の人たちにアピールするということです。ユーモラスでありながら悲劇的であり、普遍的でありながら象徴的で、娯楽性がありながらためにもなります。金融危機や強欲さ、野心、そしてそれを引き起こした消費主義についての訓戒的な物語なのです。
この作品はアメリカンドリームの美点と欠点の両方について語っています。しかし、金融危機が世界中に与えた影響から我々が学んだように、アメリカンドリームは、世界中で同じような例を持つどこにでもあるような夢なのです。
日本の観客の皆さんにこの映画を楽しんでいただければと思います。
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監督:ローレン・グリーンフィールド
プロデューサー:ダニエル・レンフルー・ベーレンス エグゼクティブプロデューサー: フランク・エヴァーズ
撮影監督:トム・フルヴィッツ 編集:ビクター・リビングストン 音楽:ジェフ・ビール
出演:デヴィッド&ジャッキー・シーゲル一家ほか
2012年/アメリカ、オランダ、イギリス、デンマーク/英語/100分/カラー/DCP
原題:THE QUEEN OF VERSAILLES/字幕:大西公子 提供:スターサンズ/マイシアターD.D.
配給:スターサンズ ©2012 Queen of Versailles, LLC. All rights reserved.
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2014年8月16日(土)より、新宿武蔵野館ほかにてロードショー
- 監督:チャールズ・ファーガソン
- 出演:マット・デイモン, ポール・ボルカー, ジョージ・ソロス, エリオット・スピッツァー, バーニー・フランク
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