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『私の少女』

ぺ・ドゥナ (女優)
キムセロン (女優) 公式インタビュー
映画『私の少女』について

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2015年5月1日(金)より、ユーロスペース、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!

ハリウッド作品『クラウド アトラス』や日本映画『空気人形』のぺ・ドゥナと、『アジョシ』『冬の小鳥』のキム・セロンが主演、『オアシス』『ポエトリー アグネスの詩』のイ・チャンドン監督がプロデューサーを務めた『私の少女』は、小さな村を舞台に、暴力、セクシャルマイノリティ、外国人の不法就労問題など、様々な社会問題を交えながら、女性警察官と少女との出会いを力強く描いた“希望の物語”だ。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門、東京フィルメックスのコンペティション部門で観客やマスコミから絶賛され、話題を呼んだ本作の主演を務めたぺ・ドゥナとキム・セロンの公式インタビューをお届けする。
<ストーリー> 海辺の村に赴任してきた警官のヨンナム(ぺ・ドゥナ)は、少女ドヒ(キム・セロン)と出会う。ドヒは血のつながりのない継父ヨンハ(ソン・セビョク)と暮らし、日常的に暴力を受けている。村全体が暴力を容認しているなか、ひとり立ち向かっていくヨンナムは、ドヒを守ってくれる唯一の大人だった。 ヨンナムも少女の笑顔に癒されてゆくが、やがて激しく自分に執着するようになったドヒの存在に少し戸惑いを憶える。ある日、偶然にもヨンハはヨンナムの秘密を知り、社会的に破滅へと追い込んでゆく。ヨンナムを守るためドヒはひとつの決断をするが……。

ペ・ドゥナ インタビュー

ぺ・ドゥナ 1979年10月11日生まれ。 2000年、ポン・ジュノ監督の『ほえる犬は噛まない』で青龍映画賞最優秀新人女優賞を受賞。その後、『子猫をお願い』(01)、『復讐者に憐れみを』(02)『春の日のクマは好きですか?』(03)などに出演。カンヌ国際映画祭の監督週間に出品された『グエムル-漢江の怪物-』(06)は韓国国内で歴代動員記録を塗り替える大ヒットとなった。数多くのドラマにも出演し、国民的人気女優となる。日本映画『リンダ リンダ リンダ』(05)や『空気人形』(09)でも主役を演じ、カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された『空気人形』では、日本アカデミー賞優秀主演女優賞にも輝いた。また日本のCMにも出演するなど親日家としても知られている。2012年ウォシャウスキー姉弟&トム・ティクヴァ監督作品『クラウド アトラス』でハリウッドデビューを飾り、2015年公開予定の『ジュピター』ではウォシャウスキー姉弟と再タッグを組んでいる。他に北朝鮮の女子卓球選手を演じた『ハナ~奇跡の46日間~』(12)などがある。

ペ・ドゥナ――シナリオを読んで5分で出演を決めたと聞いた。シナリオのどんなところに魅力を感じたのか?

ペ・ドゥナ 私は本を読んだりする時もそうなんですが、本の序章、初めの一行が人の心を掴むと思うんです。このシナリオも最初の一行、二行を読んだ時になぜかそれを書かれた監督の芸術的な作家的な趣向が感じられてすごく素敵だと思いました。とても好意を持ってシナリオを読みました。シナリオが静かでありながらも、とても破格的で。シナリオを読んで作品に惚れました。シナリオを受け取った時は他の映画の撮影で外国にいたのですが、シナリオを読んで本当に5分でメッセージを送りました。「私にぜひやらせてください」と。それから、この映画にとても惹かれた理由の一つは、私自身『クラウド アトラス』や『ジュピター』とは全く違う、地に足のついた人間の役をやりたかったからです。そういうこともあって、このシナリオが私の心にすごく響いたことを覚えています。

――役作りのために準備したこと、どんなところに重点を置いて演技をしたのか?

ペ・ドゥナ まず、俳優が作品に入る時は、キャラクターのバックグラウンドについて調査をします。今回は警察官の役だったのですが、監督のお友達の中で実際に女性警察官の方がいて、ソウルのある町の派出所の所長なんです。私が演じるヨンナムも派出所の所長だったので、その方の派出所に見学に行って色々ヒアリングしたりもしました。それ以外は私自身の姿を役に込めて演技をした気がしますね。

――ヨンナムが考えるドヒはどんな子供だと思うか?

ペ・ドゥナ ドヒは母親に捨てられたり、家では虐待を受けていて愛を求めている子供なのだという感じがします。そしてヨンナムもまたドヒを通じて成長したと思います。ある種、ヨンナムにとってはドヒが女神のような存在だと言えるのではないでしょうか。

――キム・セロンとの共演はどうだったか?

ペ・ドゥナ とても楽しかったです。セロンはまだ若い子役でありながらもとてもプロフェッショナルです。子供とは思えないくらい大人っぽいですし、もしかすると私のほうが子供っぽいです(笑)。撮影中は彼女の演技の上手さに何度も驚かされました。

――ソン・セビョクとの共演はどうだったか?

ペ・ドゥナ セビョクさんはもともととても尊敬している俳優さんでした。ソン・セビョクとヨンハというキャラクターは全く違うのに、どうやったらあんな自然に役に入って演技ができるのだろうと思いました。カメラの後ろから見ていても本当に驚きました。「私もあんなふうに演技ができるようになりたい」と思いましたね。共演できて本当に光栄でしたし、それほど好きな俳優さんです。

――記憶に残っているシーン

ペ・ドゥナ 正直、すべてのシーンが記憶に残っています。ドヒの祖母が海で亡くなるシーンは印象的でした。その時、私はソン・セビョクさんの演技が本当に怖かったんです(笑)。それから、ドヒとは感情を交感するシーンがたくさんありました。本当にセロンがドヒになりきって私を見て演技をするので、その本気を実際に感じました。

――撮影中のエピソード

ペ・ドゥナ 金鰲島(クモド)という島は、船に乗っていかないといけない島で、午後5時半には船が終わってしまうので島の外へは出れません。ホテルもないところなので、スタッフと一緒に部屋を使って民泊していました。撮影中は島に民泊しながら毎日同じメンバーで一緒にいたこともあって、良い意味で俳優もスタッフも仕事をしているという感じはなかったんです。それがとても力になったのは、部屋も一緒に使って、毎日一緒にご飯を食べて寝て、撮影してという具合なので、撮影中も自然にヨンナムになれたことでした。そして.鰲島では、韓国にこんな美しい海があるのかと驚きました。

――チョン・ジュリ監督との仕事はどうだったか?

ペ・ドゥナ チョン・ジュリ監督は本当に物静かで怒らない監督です。私がポン・ジュノ監督と仕事をした時も本当に怒らない監督だなぁと思っていましたが、チョン・ジュリ監督はそれ以上です(笑)。まさにこの映画のシナリオのような方です。とてもやりやすかったですし、私たちを楽にしてくださいました。監督との仕事はとても楽しかったですね。

――『私の少女』が女優ぺ・ドゥナにとってどんな作品か?

ペ・ドゥナ この作品は私に初心を思い出させてくれた作品です。そして改めて韓国映画が好きになりました。誤解があるといけないのですが、それまで外国の映画が良かったと言っているわけではなくて、やはりこの仕事をしていると時には失望したり、傷ついたりもします。この作品はそんな私の治癒になった作品とも言えます。スタッフたちに愛されながら争うこともなく、素敵な共演者とスタッフ、監督と仕事ができて、作品を作っていく過程を心から楽しめて、本当に幸せでした。

――最後にこれから映画を観る観客へ一言

ペ・ドゥナ 初めにこの作品のシナリオを読んだ時、すごくドキドキしました。そして自分以外のキャスティングを聞いた時、本当に嬉しかったです。現場ですごく良い気をもらいながら、みんなでベストを尽くして良い作品を作ろうと努力しました。期待されるくらい良い作品に仕上がっていると信じていますし、私たちの情熱を観客の皆さんも受け入れてくれると信じています。

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私の少女 2014年/韓国/119分
監督:チョン・ジュリ プロデューサー:イ・チャンドン 出演:ぺ・ドゥナ、キム・セロン ソン・セビョク
配給:CJ Entertainment Japan © 2014 MovieCOLLAGE and PINEHOUSE FILM, ALL RIGHTS RESERVED
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2015/04/26/20:06 | トラックバック (1)
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