新作情報

セリフの指定をせずに、ト書のみの脚本から、
俳優とともに対話を繰り返しながら作り上げた
第45回ぴあフィルムフェスティバル2023準グランプリ劇映画
ブリュブ国際中編映画祭2024 入選

ふれる

痛くて、生々 しい、子どもの世界

『ふれる』画像 『ふれる』場面画像1

公式サイト 公式 𝕏 

2024年9月27日(金)~10月10日(木)
テアトル新宿にて2週間限定公開

INTRODUCTION

「ふれる」ことで、母の喪失に向き合っていく、少女の成長物語

母を数年前に亡くした小学 4 年生の美咲は、度々奇行を起こして家族を困らせている。不登校の彼女を心配する学校の先生や周りの大人たちをよそに、美咲は陶芸家の工房で遊ぶようになる。そんなある日、一人の女性が家にやってくる。父と親しげなその姿に、美咲はいずれこの女性が「新しい母」になることを悟る。美咲とそれを取り巻く人々の人生が少しずつ動き出していく……。

第 45 回ぴあフィルムフェスティバルの PFF アワード 2023 で準グランプリを受賞し、人間の機微に寄り添った作風が評価された『ふれる』。本作は本年 8 月末まで U-NEXT にて配信されていたが、本作を劇場で観たいという多くの声と、本作に惚れ込んだ劇場スタッフの想いから実を結び、配信後、異例とも言える劇場公開へと漕ぎつけた注目作品。また公開時には、キャストと監督が登壇しトークイベントの開催も予定している。(舞台挨拶の詳細は映画の公式サイトにてご確認ください)

監督は、日本大学芸術学部映画学科出身の髙田恭輔。大学を卒業したばかりで、まだ 23 歳の若者ながら、脚本には出来事だけを書き、セリフは現場で生み出すという独特のスタイルで本作を制作。母を亡くした小学 4 年生の美咲を演じた鈴木唯の自然な表情や、美咲にどう接していいか正解がわからない大人たちの戸惑いや心からの優しさを見事に引き出している。「ト書のみの脚本と言っても、決して演者に丸投げするのではなく、監督として責任を持ちしっかりと全体を把握しながら話し合っていった」と語る髙田監督。

自分の想いを吐露する友達もいなく、母の死や生活の変化に対応する必要性に迫られる主人公・美咲を演じたのは、撮影当時弱冠 9 歳で、本作で映画初出演にして初主演を果たした鈴木唯。同じく母を亡くした娘ながら、年齢的には大人で、小学生の妹と父の間を取り持つ姉・美和役は、足立紳監督の短編『しちゃったね』(21)で初主演を飾った仁科かりん。シングルファーザーとして料理も担当しつつ、折々で恋人の聡子を娘にも会わせる父・和仁役に、西谷弘監督作品などで活躍する河野安郎。美咲との距離を詰めようと頑張る聡子役に、岩井秀人演出作の作・出演を担当するなど活動の幅を広げる水谷悟子。唯一、美咲にフラットに寄り添い、ろくろ回しを教える陶芸家のシショウ役にインディペンデント映画を中心に多数の作品で主演も務める松岡眞吾。美咲の家出に繋がる事件に立ち会う新人担任教師・梨ノ木役は、出演作『鮮やかに笑ってくれ』(23)で評価された吉田晏子が演じた。

『ふれる』場面画像2 『ふれる』場面画像4
COMMENTARY

監督・脚本・編集:髙田恭輔

「かつて、あらゆる物事に触れることが新鮮で、発見の連続だった幼少期。
社会的な役割や地位のない、取り替えのできない自分がそこにいました。ありのままの自分であることで、周囲とうまく馴染めなかったり、誰かを傷つけることになったり、自分と自分以外の人たちとの関わり方の模索の時期でした。
素直であることが時に自分自身も傷つけてしまう。そんな途方もないどうしようもなさから、みんな、いつからか人や世界と距離感を保ってうまくやり過ごすようになっていきます。自分の理解できる世界のなかで、生きていくようになります。
この映画では、痛くて、生々しい、子どもの頃の世界との関係を描こうと思いました。母という自分を無条件で愛して守ってくれる者のいない世界で、少女が人々と築く関わりの原風景を見つめようとした作品です。
(プロフィール) 2001 年生まれ、茨城県出身。日本大学芸術学部映画学科監督コースを卒業。卒業制作として作られた『ふれる』が第 45 回ぴあフィルムフェスティバルにて準グランプリを受賞。その後、ブリーヴ国際中編映画祭の国際コンペティション部門に選出。この作品が劇場デビュー作となる。
  • 度肝を抜かれました。髙田恭輔監督は、物凄く巧い。
    監督がやるべきことを正確に理解しているから、
    俳優たちが彼を信じ、ついていく。
    現にこの映画に出演している俳優たちは誰もがいきいきとしていて、
    普通ではない輝き方をしています。
    撮影現場にて即興で台詞を作っているらしいです。
    どうやったらそんなことができるのか……。
    とにかく俳優の芝居が素晴らしいです。
    ――石井裕也(映画監督)
  • こどもの美咲には亡き母がみえる。美咲を見守るおとなたちは、
    自らのかなしみを抑え、死を抱えきれないこどもを慈しむ。おとなたちは、怒らない。
    「奇跡」という言葉を使いたい、この映画の数々の震えるような画は
    「おとなは怒らない」という希望に支えられていることを、改めておもう。
    撮影協力の場所も素晴らしく、学生映画を全力で支える芳醇な映画環境にも感服する。傑作。――荒木啓子(PFF 総合ディレクター)
  • 驚くほど丁寧に編まれた 60 分。
    どこまで情報を込めるか、誰を/何をどこまで見せるか。
    我々観客のリテラシーと、そして映画そのものを信頼しながら、
    各々のショット、フレームの中に美しい小宇宙が形成されている。
    ――森直人(映画評論家)
『ふれる』場面画像3 『ふれる』場面画像5
CREDIT
出演:鈴木唯,仁科かりん,河野安郎,水谷悟子,松岡眞吾,吉田晏子
監督・脚本・編集:髙田恭輔
撮影・照明:市川雄一 録音・整音:土手柚希 美術:黒田晴斗 助監督:宮川彰太郎,杉岡岳 音楽:伊達千隼
2023/日本/カラー/アメリカンビスタサイズ/ステレオ/60 分 配給/アルミード

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2024年9月27日(金)~10月10日(木)
テアトル新宿にて2週間限定公開

2024/09/21/19:36 | トラックバック (0)
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