インタビュー

増本庄一郎(映画監督) & 宮内知美(女優)

映画「後ろから前から」について

増本庄一郎監督 主演:宮内知美さん

増本庄一郎監督インタビュー  主演:宮内知美インタビュー
公式

2010年2月27日(土)~3月12日(金)ユーロスペース2週間限定レイトショー
2月27日(土)~3月4日(木)スカパー!HD(パーフェクトチョイスch138)でPPV放送

22年ぶりに復活した日活の「ロマンポルノ」シリーズは、その名も「ロマンポルノ・RETURNS」だ。中原俊監督の「団地妻 昼下がりの情事」に続いて第二弾として公開されるのが「後ろから前から」。畑中葉子主演の名作として、その名を映画史に残す作品だが、タイトルを借りた全く新しい作品に生まれ変わっている。筆者は試写で観たが、今作は監督の才気溢れる作品と主演女優のいきいきとした演技で、見応えある意欲作として仕上がっており、インタビューを行おうと思わせられるほどだった。ここに主演女優の宮内知美と増本庄一郎監督のインタビューをお届けする。(取材:わたなべりんたろう

<あらすじ> 営業成績がまったく振るわないタクシー運転手の桃子(宮内知美)は同僚の乱子(琴乃)と女の武器を使う秘策を一計!長距離運転もなんのその!群がる男たちをどんどん運び入れては出し……、成績をグングン上げていく!!が、会社にバレてクビに。売春容疑で警察に追われタクシーで逃走する桃子は、最後の客:どうも怪しい石田(金橋良樹)を拾う。ガス欠になったタクシーを捨て道中を行く2人に、いつしか何かが芽生えて……自然に求め合ってみる2人。しかし、驚愕の過去が2人を結びつけているのを彼らはまだ知らなかった!

『後ろから前から』 『後ろから前から』2

「後ろから前から」
主演:宮内知美インタビュー

<宮内知美> 公式
1989年、第1回ミスチャンピオングランプリでデビュー。その後はグラビアアイドルとして活躍し、テレビ東京の人気番組「出動!ミニスカポリス」の3代目リーダーとして人気を博す。それ以降は俳優として活動。主な出演作にテレビ「めだか」、「女王の教室」、「ハンチョウ〜神南署安積班〜」、映画「ブランク」、「わたしのグランパ」、「Border Line」、舞台「コックは踊る」、「LUCKY HORAA SHOW!!Ⅴ」などがある。07年9月に約10年ぶりとなるグラビアに挑戦し話題になる。09年8月公開の初主演映画「エッチを狙え!-イヌネコ。-」で大胆な初ヌードも話題になったのは記憶に新しい。

――宮内さんは3代目ミニスカポリスとして知られていますが、今回、復活したロマンポルノに出演するにあたって、どのような心境でしたでしょうか?

宮内知美2宮内 多くの素晴らしい作品がロマンポルノのシリーズから生まれて、日本国内だけでなく海外などでも上映されるぐらいに高く評価されていることは知っていました。世代的にリアルタイムには観ていないですが、今回の出演にあたり、名作と呼ばれる作品を何本か観て、本当に素晴らしかったです。だからこそ、出演は光栄でしたし、監督のおかげで楽しい現場でした。

――その増本庄一郎監督は、よしもとの元芸人で、今は脚本家と俳優で活躍されていて、今回が長編監督デビュー作になります。いかがでしたか?

宮内 とにかく明るい現場でしたね。なかなかタイトなスケジュールでしたので、朝早くから翌日の夜中までの撮影などもありましたが、増本監督のおかげで乗り切ることができました。感謝しています。それに俳優もされている方なので、演出される俳優の気持ちもよく分かっていて、その点でもとてもやりやすかったです。

――とても面白い脚本ですが、脚本を読んでどう思いましたか?

宮内 とにかく面白かったです! わたしが演じるタクシー運転手の主人公の桃子が、映画の冒頭でちょっとした事故でタクシーの前後からぶつけられて、その被害者に「後ろから前からぶつけられたんだから」とエッチなシーンになっちゃうんですけど、そのシーンをまず読んで「とても面白い!」と思いました。

――ロマンポルノやピンク映画の監督には、ベッドシーンを口だけで演出するだけでなく、実際にやってみせる方もいます。ライターをする以前から、こちらが懇意にさせていただいている小沼勝監督は後者のタイプで知られていますが、増本監督はどうでしたか?

宮内 全く同じタイプの監督さんでしたね(笑)。でも、そのほうが演じる側としてはやりやすいので、とても良かったです。

――中盤に幻想的なレズシーンがありますが、あのシーンは演じるのが大変だったと思います。こちらも助監督をやっていたので分かりますが、実際のベッドシーンというのはダンスに近いですよね。ダンスの振り付けのように動きや、どこに手を置くなどが決まっていたりします。

『後ろから前から』4宮内 全くそのとおりでした。レズシーンも含めてベッドシーンは、ダンスと同じでしたね。レズシーンも、先に監督が演じてくれたので、やりやすかったです。幻想的でも最後は笑えるオチなのも見所です(笑)。レズシーンの相手役の琴乃さんは気が合ったのもよかったですね。

――宮内さんの演技が、今作の明るさにコメディエンヌとしてとてもあっていました。

宮内 スケジュールなどから大変ながらも楽しい現場でしたが、出来た作品を観て本当に良かったんで、この作品に主演できたことは誇りに思っています。増本監督とは、また何かご一緒できたらと思っています。

――相手役の金橋良樹さんはいかがでしたか?「時計仕掛けのオレンジ」を思わせるラブホテルの長回しかつ早送りのセックスシーンが最高でした(笑)。

宮内 あのシーンは15分ぐらいあったんですけど、簡単な打ち合わせのみで金橋さんのおかげで演じ切れました。とても共演しやすい、気遣いのある方でした。前貼りをしていたのですが、見えないようにするのに、金橋さんと一緒にいろいろ工夫したのは良い思い出です(笑)。

――木下ほうかさんは、こちらとmixiのマイミクでもある好きな俳優ですが、いかがでしたか?

宮内 ほうかさんとは以前に共演したことがあるのと、実力派の俳優の方なのでさすがでしたね。以前の共演は、もう少しシリアスでしたが、今回のほうかさんのはじけっぷりは必見ですね(笑)。

――ラストシーンで、ある動物が大量に空から落ちてきて、まるでポール・トーマス・アンダーソン監督のある作品のようですが(笑)、宮内さんの顔にも落ちてきます。あの体当たりの演技には試写でも爆笑が起きていました。

宮内 ありがとうございます! そう言っていただけると、あのシーンは大変だったので嬉しいです(笑)。パウダーなどを使って、あの動物のぬめりは少し取ったんですが、でも大変でしたね。

――今作のポスターは「映画秘宝」のデザインや、「キル・ビル」の東映テイスト溢れるポスターを独自に製作しタランティーノに絶賛された高橋ヨシキさんがデザインしています。先ほどポスター前で写真撮影したときも、ポスターと同じく胸寄せのポーズをしていただきましたが、あのポーズは高橋ヨシキさんの演出だったと言っていましたね。

宮内知美3宮内 そうなんですよ。写真撮影も高橋さんだったのですが、「もっとエッチに、エロく」と言われて、あのポーズになりました(笑)。初めて見たときは髪の色が赤くて怖い人かな?と思いましたが、そんなことなくて才能ある方でしたね。

――最後に今作を観る方にメッセージがありましたらお願いします。

宮内 良い作品になっているので、とにかく多くの人に観ていただきたいです。そして、良かったと思ったら周りの人に伝えていただきたいです。この素晴らしいロマンポルノのシリーズがもっと続くかどうかは多くの方に観ていただくことでもあります。是非観ていただいて、楽しんでもらえたらと思います。

「後ろから前から」
増本庄一郎監督インタビュー

<増本庄一郎> 公式
東海大学在学中に、お笑いコントグループ「インパクト」を結成し、吉本興業に所属。練り込まれた脚本の長編コントに定評があったが1999年に解散。その後、兼ねてから目標としていた映画作りを目指す為、役者に転向。同時に作家、演出活動を小劇場から開始。活動の場を徐々に映像の世界へと移していく。2006年、16年在籍していた吉本興業からユマニテに移籍。現在は、役者・脚本・監督、それぞれの活躍が注目され、今作品が長編では劇場公開デビュー作となる。近作に「ゴーストフレンズ」(NHKドラマ8)(脚本)(カンフーアクション映画)「真一文字拳」(09公開 短編映画)(監督・脚本)「板尾創路の脱獄王」(10)(出演・脚本)がある。

――増本さんは脚本家として、去年のNHKドラマ「ゴーストフレンズ」、今年の映画「板尾創路の脱獄王」の脚本を手掛けたりと脚本家として活躍し、短編は撮っていますが、長編デビューが今作になります。ロマンポルノシリーズを監督・脚本するにあたって、どのような気持ちだったのでしょうか?

増本庄一郎監督2増本 歴史あるロマンポルノのシリーズでしたが、なるべく気負わずに撮ろうと決めていました。よしもとで芸人をやらせていただいてて、20代を笑いに捧げてきたので、「デビュー作はコメディで」と思っていましたし、プロデューサーの方と話して、コメデイテイストでも構わないとのことで、このような作品に仕上げました。

――今作を試写で観て、良い意味で驚いたのが意外性のある他の映画からの引用でした。「幸せの黄色いハンカチ」は観に来る往年のロマンポルノのファンの観客層から分かりましたが、「時計仕掛けのオレンジ」と「マグノリア」には意表をつかれ、かつその大胆な引用(オマージュ)に「やられた!」と思いました。特に後者は試写でも爆笑が起きていましたね。

増本 そう言っていただけて嬉しいです。せっかく長編を監督するチャンスに恵まれたのだから、好きにやってみようと思ったんです。もちろん意表も突きたかったですし(笑)。

――主演の宮内さんの体当たり演技が良かったですね。増本監督のインタビューの前に宮内さんにインタビューしましたが「また、増本監督と是非一緒にやりたい」と言っていました。このインタビューの前も宮内さんが増本監督の待合室に行っていて、盛りあがったようで、こちらの取材時間スタートが10分近く遅れましたが、全く問題ないです(笑)。

増本 すいません(笑)。宮内さんは最高のコメディエンヌ女優でしたね。彼女のおかげで映画が何倍もよくなりました。頭の回転も早く、こちらが説明するとすぐに理解して演じてくれました。(時間的な)余裕が一切ない現場だったので助かりました。

――あの「マグノリア」シーンは街田しおんさんが、また最高でしたね(笑)。動物のぞんざいな扱いというか、動物自身が勝手に動いているのですが、あのシーンは試写で、隣りにいたまじめそうな記者でずっとメモとっていた方も拍手して笑っていました。

『後ろから前から』3増本 街田さんはもともと演技に対しての信頼もあった方なので、あんな役を引き受けていただいて、これまたありがたかったです。この映画のトーンと少し違う方が欲しかったので適役でした。

――金橋良樹さん演じる町田は元レーサーですが、すごいシーンがありましたね。事故でレーサー人生をあきらめて荒れる町田が、レーサーの格好で飲み屋街をふらふら歩き回る。いい意味で大胆な画面の絵作りをしているなと思いました(笑)。

増本 コントみたいになっていましたよね(笑)。

――昔のマンガやドラマの定番(?)の忙しい主人公にソバ屋の出前がぶつかり、ソバ屋がひっくり返るシーンを想起しました(笑)。

増本 確かに、そんな感じのシーンです(笑)。あえてベタはベタでやりたかったんです。

――その強さが、この映画の力強さになっていると思います。

増本 暴走気味かもしれないですが(笑)。

――でも、この作品は観る人が観ればとても喜ぶ作品だと思うんです。それだけの作品が公開されても、あまり盛り上がらずにひっそりと公開が終わってしまったらもったいないと思って、このインタビューを企画しました。

増本 ウケる人にはウケるでしょうね。ウケない人には全くウケないかもしれいですけど(笑)。

――先ほどの金橋さんの話しに戻ると、金橋さんは本人の1/27付けのブログに「只今公開中の「板尾創路の脱獄王」の脚本・出演をされた増本庄一郎監督に僕は丸裸にされました!
身も心も裸になって自分自身がはっきりと見えた気がします(略)。映画職人たちが創ったロマンを見てください」と書かれています。金橋さんにとっても、かなり刺激的な現場だったのがうかがわれます。

増本庄一郎監督2増本 金橋さんも良かったですよね。一生懸命取り組んでくれました。「時計仕掛けのオレンジ」の早回しセックスシーンを思わせるシーンも、っていうかオマージュですが(笑)、金橋さんはいろいろアイデア出して撮影にのぞんでくれましたね。

――あのシーンはロケ撮影のようでしが、そうでしたでしょうか?そうだったら狭いですし、とても大変だったと思います。

増本 あそこはロケですね。狭くて大変でした。だからカメラは固定していますが、画面から2人が出てきて、もどってきたり動き回るのにいろいろ制約多かったですが、その制約を逆手にとりましたね。

――「時計仕掛けのオレンジ」と同じく「ウィリアム・テル序曲」が流れますね。

増本 熱いオマージュにさせていただきました(笑)。

――タランティーノやロドリゲス、エドガー・ライトと同じ世代なんだなと思いました。

増本 彼らの映画は好きです。「ホットファズ」も面白かったですね。

――最後に今作を観る方にメッセージがありましたらお願いします。

増本 どう受け止められるか分からないですが、まずは劇場に観に来てもらえたらと思います。あ、PPVもありますので、PPVでもいいですから、まずは観ていただきたいです。 そして、感想を周りの方に知らせてもらえたらと思います。ネットに書いていただけたら、反応が気になるので探し出して読ませていただきます(笑)。

(取材:わたなべりんたろう

後ろから前から 2010年 日本
監督・脚本:増本庄一郎 出演:宮内知美,琴乃,金橋良樹,聡太郎,街田しおん,木下ほうか
71分/デジタル上映/配給:日活/(C)2010ロマンポルノ・リターンズ製作委員 (C)2010NIKKATSU
公式

2010年2月27日(土)~3月12日(金)ユーロスペース2週間限定レイトショー
2月27日(土)~3月4日(木)スカパー!HD(パーフェクトチョイスch138)でPPV放送

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2010/03/02/11:15 | BBS | トラックバック (0)
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