■■■■ INTRODUCTION ■■■■ |
直木賞作家の金城一紀の同名短編小説を原作にした本作は、
突然の動脈瘤によって生きる希望を失いかけた青年と、
亡き妻を弔う旅に向かう末期ガンの初老の男が織りなす珠玉のロードムービーだ。
対話を通じて他者と心を通わし、絆を深めていく姿を描いたシンプルな構造だが、
直球勝負ゆえの力強さを秘めた作品となっている。「失くしてしまった後になってその大切さに気が付く」
人間の哀しみや愚かさが、実に丁寧に掬い取られており、ラストシーンのカタルシスは圧巻。観賞後、
一番身近な人に優しくしたくなる、優しくしなきゃと思わずにはいられないだろう。
大沢たかお、柄本明、牧瀬里穂という実力のある俳優陣に加え、
今回映画音楽に初挑戦となる村治佳織の哀切感を湛えた劇中音楽によって、
深い感銘を与える忘れがたい一本に仕上がっている。
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■■■■ STORY ■■■■ |
本当に愛する人を見つけたら、
絶対にその人の手を放しちゃダメだ――。
サラリーマンの野崎(大沢たかお)が動脈瘤で突然倒れた。
医者に手術を勧められるがそれを拒否し、会社を辞め、現実から逃避するように日々を過ごしていた。
そんな彼にバイトの話しが持ち込まれた。期間は1週間。仕事の内容は、東京・日本橋を起点に国道1号・
2号・3号とただひたすら西に下る鹿児島・指宿までの運転手。依頼主は初老の弁護士・鳥越(柄本明)
。 野崎は25年前に別れた妻が残したという遺品を受け取りに行くという鳥越の旅に対する興味から、
その単純明快なバイトを引き受けることにする。旅が進むにつれて、遠い記憶を語り始める鳥越。
この道は別れた妻とかつて新婚旅行で通った道、
そして顔も忘れてしまった妻の記憶を取り戻す再会の旅であることを。いつしかそれは、
野崎自身が再び生きることの喜びを取り戻す旅となっていく。そうして辿り着いた指宿で、
二人は鳥越の亡き妻が残した意外なものと対面することになる…。
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■■■■ CAST ■■■■ |
大沢たかお:「解夏」「スカイハイ」「天使の牙」
「世界の中心で、愛をさけぶ」
柄本明:「座頭市」「風花」「ドッペルゲンガー」
牧瀬里穂:「顔」「ターン」「美しい夏キリシマ」
西田尚美:「ナビィの恋」「OUT」「幸福の鐘」
加瀬亮:「壬生義士伝」「アカルイミライ」「アンテナ」
南果歩
椎名桔平
仲村トオル
樋口可南子
藤村志保
遠藤憲一
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■■■■ STAFF /
CREDIT ■■■■ |
監督:西谷真一
原作:金城一紀 「GO 」
音楽:村治佳織
脚本:奥寺佐渡子 「お引越し」
撮影:町田博 「風花」「PARTY7」
照明:木村太朗 「風花」「水の女」
美術:福澤裕二 「ブラックレイン」「ココニイルコト」
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