ジョージアの日記
ゆーうつでキラキラな毎日
11月15日(土)恵比寿ガーデンシネマ他ロードショー
"前向きパワー"で恋も人生もゲットする
もうひとりのブリジット・ジョーンズ
目下の悩みは、ちょっと"残念"な自分の顔と、頭の固い両親の小言。でも理想の恋愛と人生を手に入れるために、ひたすら前向きなジョージア・ニコルソン。オシャレやファッションはもちろんキスの練習(!)にも余念がないし、"ダイナマイト・バディ"とまではいかないけれど、走ればビミョーに揺れる胸もある--?!
『ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日』は、そんな悩める青春真っ只中の女の子、ジョージア・ニコルソンを主人公に描く、恋と人生の奮闘記。前向きな明るさと元気さはもちろん、恋愛になるとマヌケな失敗を連発するジョージアは、同じイギリスから生まれたヒロイン、ブリジット・ジョーンズを思い出させるキャラクター。恋愛の知識を頭に詰め込みながら、好きな人の前ではすべてが吹っ飛んでしまう愛すべきダメぶりには、時代や世代を超えた笑いと共感を呼び起こしてくれる。そしてよみがえってくるのは、恋も悩みもゆーうつも、ぜーんぶひっくるめて楽しくて仕方なかった"あの頃"の気持ち。それはたとえいくつになっても、女性にとっての最高のビタミン剤になってくれるに違いない。
UK発の"ブスかわ"&"ダサかわ"はエッジなユーモアで勝利する
冒頭でいきなり、"赤ピーマン入りオリーブ"のド派手なグリーンの着ぐるみ姿で登場するジョージア。友達4人揃って「オードブル」になってウケを取る仮装パーティーの作戦は、ジョージアのクレイジーで愉快なキャラクターが笑いを誘う。男の子の視線を気にしていないわけじゃないけれど彼女の「自分らしさ」はどーやったって隠し切れない。カッコつけてもキメきれないけど、憎みきれないユニークな魅力にあふれているのだ。そんな彼女が髣髴とさせるのは、女芸人を始めとする"ブスかわ"や"ダサかわ"とカテゴライズされる女性たち。決して美人とはいえないけれど、ユーモアや他にはない個性があれば、恋も人生も手に入れられることを証明した彼女たちは、いまや時代の主役といってもいい存在なのだ。
監督はイギリスの女性監督グリンダ・チャーダ。保守的なイギリスのインド人社会で、サッカーに熱中する少女ジェスの夢と恋を描いた代表作『ベッカムに恋して』は、世界的な大ヒットを記録した。『ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日』の主人公ジョージアもまた、「自分らしさ」を恥じないジェス同様の爽快感で観客を魅了する。フレッシュなキャストと、"チャーダ組"の面々を中心としたスタッフにおいても"From UK"を強く意識した監督が、ジョージアに語らせる毒舌も"モンティ・パイソンの国"を思わせ、ハリウッドのヒロインとはまったく違う個性を見せている。
"女子心"をくすぐる舞台
優雅なイーストボーン&キラキラなブライトン
映画の舞台は、イギリス南岸の町、イーストボーン。イギリス南部に位置するこの小さな町は『ハリー・ポッター』シリーズや『007』シリーズの撮影にも使われた美しい海岸を持つビーチリゾート。ヨーロッパの優雅さを漂わせる町並みは鮮やかな花々に彩られ、ロンドンの曇り空とは対照的な明るい日差しが降り注ぐ。ジョージアが愛しの王子様、ロビーを追いかけて行くイーストボーン・ピアや、海岸通りのデートスポット、ビーチ・ヘッド・ウォークなど、曇り空のロンドンに代表されるイギリスのイメージを覆す美しさだ。
また映画の雰囲気を左右する多くの場面は、アーティストやゲイが集うことでも有名な近隣の町ブライトンで撮影された。パステルカラーのまるでオモチャみたいな住宅街や、アンティークショップなどの店が連なるレーン(昔ながらの裏通り)など、"女子心"をくすぐる可愛さ。その一方でヒップなクラブカルチャーでも知られており、ナイトシーンのキラキラぶりも必見。多く登場するパーティー場面では音楽も話題のひとつで、UKチャート1位を獲得したザ・ティン・ティンズの"グレイトDJ"や、ロビーがベースを担当するバンドとしてこの映画のために作られたスティフ・ディランズによるテーマ曲など、クールなサウンドも作品を盛り上げている。
イギリスのビーチリゾート、ブライトン。この町に住むジョージアは、「まるで木星みたいに」デカい鼻とヘンな家族、荒くれ猫のアンガスに悩まされながらも、学校の仲良し4人組"エース・ギャング"と大騒ぎの楽しい毎日を送る女の子。目下の目標は、大人っぽくて最高にクールなクラブでの誕生日パーティーを開くこと。そのためには絶対に必要なのは、理想の恋人なのだが、石器時代なみに頭の固い両親はまったく理解してくれない。
あらゆる雑誌を読み漁り"キスの10段階"を妄想していた彼女の前に現れたのは、まるで理想を絵にしたような転校生、二卵性双生児のロビーとトム。ロビーに一目惚れしたジョージアは"トム狙い"の親友ジャスと一緒に兄弟をストーキング。そしてロビーが学校で一番のビッチ、リンジーとデートしているのを目撃する。その下着は男心をくすぐるTバック、オッパイは全男子釘付けの巨乳……。
「"面白さ"ではリンジーに勝ってる!」なんて慰めにもならないジャスの言葉を頼りに、打倒リンジーの作戦を練るジョージア。まずはリンジーに勝るキスのワザを手に入れようと、学校のモテ男でキスの名手、ピーターの「完璧なキス講座」へ。予行演習は大成功、"キスの達人"という称号を手にし、上機嫌のジョージア。
次の作戦は、猫好きなロビーの気をひくための"アンガス行方不明事件"をでっち上げること。ジャスの協力で作戦はまんまと大成功。ふたりと兄弟の距離はグッと縮まり、ジャスはついにトムと付き合い始める。一方のジョージアは、ナゼか惚れられてしまったピーターの猛アタックをロビーに誤解された上に、色気も何もない巨大パンツをはいていることを知られてしまう。誤解を解くために会えば会ったで、またまた大失態。ところがドジを繰り返しては一喜一憂するジョージアの可笑しくも素直な姿は、ロビーのハートを捕らえ……。
ロビーとの初キスに夢見心地のジョージア。ところがそれ以来、ロビーからは電話の1本もない。落ち込むジョージアにママが教えてくれたのは、"遠ざければ必ず戻る"という「男子ゴム・バンド説」。ジョージアは早速、ロビーの友人デイブとのデートを見せつけることに。ところがジャスからトムを通じ、作戦のすべてがロビーにもデイブにも知れてしまった。デイブを利用した罪悪感も手伝い、ジョージアはジャスを責め立て、売り言葉に買い言葉で絶交してしまう。そしてリンジーと別れるタイミングを探していただけだったロビーとの関係も最悪の状態に。追い討ちをかけるように、パパのニュージーランド転勤とママの浮気疑惑が原因で、両親が離婚の危機にあることが発覚。友達も家族もバラバラになっていく中、ジョージアはある決心をする……。
観客誰もが“あの頃”を思い出す、ベストセラー小説の映画化
10代の女の子の日記の形で描かれる、国際的なベストセラーシリーズ『ジョージアの青春日記』。その最初の2冊の映画脚本の執筆を依頼され、監督グリンダ・チャーダはすぐにその話に飛びついた。直感的に面白い脚本が書けると確信したのだ。
「ジョージアは、ティーンエイジのブリジット・ジョーンズのような感じです。ただし、もっと反抗的な。子供から大人になる時って、親や先生??というより、全世界が自分に立ちはだかっているような感じがするものですよね。ジョージアは、反抗的なティーンや、かつて反抗的なティーンだった誰もが共感し、理解できる、素晴らしいキャラクターなんです。リアルで、笑わせるんですね。」
チャーダは共同脚本のポール・マエダ・バージェスとともにリサーチを始めた。彼らはティーンと会話してはそれをメモし、ティーン向けの雑誌を読み漁ったという。そして誕生した“映画の”ジョージアは、子供っぽくスネたかと思うと、次の瞬間には友達と笑い転げ、恋をして小さなことに一喜一憂し、両親の関係に心を痛めながら、世の中には自分の思い通りにいかないこともあると知っている、リアルでファニーな魅力にあふれる女の子となった。
この過程で、ティーンの女の子向けだった原作は、どんな世代も共感できる物語に変わったと共同製作のミシェル・フォックスは語る。
「映画を見た人は誰でも、すべてが一大事だった10代の頃を思い出すでしょう。それにジョージアが経験する物語は、家族全員にアピールするものです。ティーンもその親も、同じように共感できるエモーショナルな旅なんです。」
リアルでファニーな主演女優と、
“エース・ギャング”を騒がせたイケメンたち
キャスティングで最も重要だったのは、ジョージアを演じる若い女優を探すことだった。チャーダのファースト・チョイスは、“London to Brighton”で家出娘を演じて高い評価を得たジョージア・グルーム。だがオーディションの初日に会ったグルームは、自分の身体の変化や異性を意識するジョージア役を演じるには、子供っぽい印象だった。運命を変えたのはチャーダの産休で、4ヵ月後、彼女は再びグルームに会うことにしたのだ。
「今回は、若い女性という感じで、身体も女性らしく態度も以前とまったく違いました。彼女が部屋に入ってくるなり、私はドキドキしました。ついにジョージアを見つけたと思ったからです。」一方、共同脚本家で夫のポール・マエダ・バージェスは、グルームの魅力をこう語る。
「彼女は、明るさとひょうきんさとドジな部分のバランスがよく、しかもリアルな感情も持ち合わせています。それらを使って ジョージアの変化やロビーに関する心の傷、両親への苛立ちを表現します。そういう経験がどんなものかを捕らえる感覚には、素晴らしいものがあります。すごくリアルで自然なんです。」
グルームの誠実な演技は、劇中のすべての人間関係がさも本物であるかのようなリアリティをもたらした。実際、カメラが回っていないところでも、“エース・ギャング”の友情はあっという間に育まれたが、彼女たちを奮起させたものは他にもあったようだと、ミシェル・フォックスは言う。
「ハンサムな少年のキャストは、彼女たちの好奇心を掻き立て、ロビーのバンド“スティフ・ディランズ”はさらなる興奮を与えたようです。このバンドは誰もが参加できるオーディションで選びましたが、スクリーンでの存在感はかなりのもの。観客は映画館を出る時には ロックに酔っているでしょう。」映画のために結成された“スティフ・ディランズ”は、撮影の後にはソニーBMGとの契約を結んだ。
“イギリス的”を意識した
キャストとスタッフ、そしてクレイジーなユーモア
作品にはまた、チャーダのあるこだわりが込められている。
「最初の脚本はL.A.に住むアメリカ人が書いたもので、ちょっとヘンな感じだったので、私とポールで最初から全部書き直しました。アメリカの高校生映画『クルーレス』や『ミーン・ガールズ』のような面白い作品になると思いましたが、同時にイギリス的な作品にしようと考えました。」
結果、フレッシュなキャストをはじめ、マイク・リー作品でおなじみの撮影監督リチャード・ポープや、作曲家のジョビィ・タルボットなど、スタッフにも多くのイギリス人が顔を揃えた。
“イギリス的”へのこだわりは、全篇通して描かれるユーモアにも感じられる。大嫌いな大きな鼻を「木星みたい」と自虐するジョージアや、自分を猫だと思い込んでいる天衣無縫な妹リビー ヒュー・グラントに自らを重ねて陶酔する「完璧なキス講座」の主催者ピーター・ダイアーなど キャラクターたちは時にクレイジーで毒のある笑いを誘う。山猫の血を引く“ブスかわ”の荒くれ猫アンガスもまた、最も印象に残るキャラクターのひとつだろう。2匹の猫を使った撮影は、チャーダにとって初めての経験だった。
映画の中のアンガスは、ジョージアの“悪事”で重要な役割をになうパートナーだ。それは撮影中のグルームにとっても同様で、特に2匹のうちの1匹??大人しいほうのベニーは、彼女にとって特別な存在だったようだ。
「彼は、なんでも打ち明けられる救世主、身の上相談のおばさんのような存在です。あの猫の口がきけたら……と考えると、恐ろしい気がします。だって私は何もかもあの子の耳に囁いていたんですから(笑)」監督/共同脚本/製作:グリンダ・チャーダ『ベッカムに恋して』 原作:ルイーズ・レニソン
共同脚本:ポール・マエダ・バージェス,ウイル・マックロブ&クリス・ヴィスカルディ
製作:リンダ・オスト 製作総指揮:スコット・エイヴァサーノ
撮影監督:リチャード・ポープ B.S.C. プロダクション・デザイン:ニック・エリス
編集:マーティン・ウォルシュ A.C.E.,ジャスティン・クリシュ 衣装デザイン:ジル・テイラー
共同製作:ミシェル・フォックス 音楽:ジョビイ・タルボット
へアー&メーキャップ・デザイナー:アイリーン・カストナー・ディラゴ
キャスト:ジョージア・グルーム,アラン・デイビス,カレン・テイラー,アーロン・ジョンソン,スティーブ・ジョーンズ,
エレノア・トムリンソン,マンジーヴェン・グレウォル,ジョージア・ヘンショウ,ショーン・ボーク,キンバリー・ニクソン,
リアム・ヘス,トミー・バストウ,エヴァ・ドリュー
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
(c) 2008 Paramount Pictures. All rights reserved.
http://www.g-nikki.jp/
11月15日(土)恵比寿ガーデンシネマ他ロードショー
主なキャスト / スタッフ
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