映画祭情報&レポート

イスラーム映画祭3

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2017年3月17日(土)~23日(金)、渋谷ユーロスペースにて開催!

イスラーム映画祭3『ラヤルの三千夜』『ラヤルの三千夜』

映画を通してイスラーム文化に触れることができると好評を博している「イスラーム映画祭」が、今年も3月17日(土)からの渋谷・ユーロスペースを皮切りに、名古屋・シネマテーク、神戸・元町映画館の全国3都市で開催される。

3回目となる今年も“異文化理解の場”の創出をテーマに、イスラームの文化が広がる国々や地域を舞台にしたよりすぐりの13作品を上映(神戸は12作品)。
中でも注目は、虚偽の告発によってイスラエルの刑務所に収監され、獄中出産を余儀なくされた女性の姿を通してパレスチナの現実を描き、世界で絶賛されたパレスチナ映画『ラヤルの三千夜』。多くのパレスチナ人難民を生み出したイスラエル建国70年の節目にあわせ、本邦初上映される。
また、東京ではパレスチナ問題やシリア内戦などをテーマにしたトークイベントも過去最多の11回に渡って開催される。イスラームに興味のある人、イスラームに対する理解を深めたい人は是非会場まで足を運んでみて欲しい。

トークイベント

  1. 3月17日(土)『ラヤルの三千夜』上映後
    ぼくの村は壁で囲まれた~パレスチナの70年~
    ゲスト:高橋真樹 (ノンフィクションライター 著書『ぼくの村は壁で囲まれた パレスチナに生きる子どもたち』ほか)
  2. 3月17日(土)『エクスキューズ・マイ・フレンチ』上映後
    ラー・ムアーハザ~エジプト映画のなかの学校と宗教
    ゲスト:勝畑冬実 (東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 Jr. フェロー)
  3. 3月17日(土)『遺灰の顔』上映後
    イラク北部・クルド自治区のスレイマニヤ映画祭
    ゲスト:綿井健陽 (映像ジャーナリスト/映画監督(『イラク チグリスに浮かぶ平和』ほか))
  4. 3月18日(日)『アブ、アダムの息子』上映後
    サリーム・アフマド監督を迎えて
    ゲスト:サリーム・アフマド (映画監督/プロデューサー ※通訳:松下由美)
  5. 3月19日(月)『イクロ クルアーンと星空』上映後
    『イクロ』とインドネシアのイスラーム
    ゲスト:野中葉 (慶応義塾大学総合政策学部 専任講師 著書『インドネシアのムスリムファッション』)
  6. 3月20日(火)『モーターラマ/ボクシング・フォー・フリーダム』上映後
    アフガニスタンに生きる女性たち
    ゲスト:古居みずえ (ジャーナリスト/映画監督(『ガーダ パレスチナの詩』ほか))
  7. 3月20日(火)『女房の夫を探して』上映後
    イスラームと婚姻制度
    ゲスト:後藤絵美 (東京大学 日本・アジアに関する教育研究ネットワーク 特任准教授 著書『神のためにまとうヴェール―現代エジプトの女性とイスラーム』)
  8. 3月21日(水)『ラジオのリクエスト』上映後
    今この時にも、シリアの病院で起きていること
    ゲスト:白川優子 (国境なき医師団・看護師)
  9. 3月21日(水)『私の舌は回らない』上映後
    移民二世監督が捉える新しいドイツとグローバルな映画の形
    ゲスト:渋谷哲也 (東京国際大学教授/ドイツ映画研究者 著書『ドイツ映画零年』ほか)
  10. 3月22日(木)『熱風』上映後
    ギーターにもコーランにも誰も耳を貸さなかった、印パの分離独立
    ゲスト:麻田豊 (ウルドゥー語学文学、インド・イスラーム文化研究者)
  11. 3月23日(金)『私の舌は回らない』上映後
    映画から読みとくドイツ移民社会の変遷
    ゲスト:渋谷哲也 (東京国際大学教授/ドイツ映画研究者 著書『ドイツ映画零年』ほか)

2017年3月17日(土)~23日(金) 渋谷ユーロスペースにて開催!

上映作品紹介
  1. 日本初公開ラヤルの三千夜』 (パレスチナ/2015年/メイ・マスリ監督/103分)
    イスラエルの刑務所で子どもを産んだパレスチナ女性の実話をモチーフに、今なお続くパレスチナの理不尽な現実を描いた社会派ドラマです。苛酷な状況下で我が子を育てる主人公のレジスタンスが未来への希望を語ります。
  2. 日本初公開エクスキューズ・マイ・フレンチ
    (エジプト/2014年/アムル・サラーマ監督/93分)
    ムスリムばかりの学校へ転入することになったコプト教徒の少年が主人公の学園コメディです。見た目は楽しい子ども映画でありながらムスリムとコプトの関係というエジプト社会のデリケートな問題に切り込んでいます。
  3. 日本初公開アブ、アダムの息子』
    (インド/2011年/サリーム・アフマド監督/101分)
    マッカへの巡礼ハッジに旅立とうとするムスリムの老夫婦を主人公にした、信仰についての物語です。夫婦と善意ある人々の交流が宗教を超えた愛と宥和の精神を謳います。カザン国際ムスリム映画祭グランプリ受賞作です。
  4. 熱風』 (インド/1973年/監督:M・S・サティユー/138分)
    東京・名古屋のみの上映 1947年の印パ分離独立を題材に、パキスタンに移住せずインドに留まったがゆえに苦境に追いやられるあるムスリム一家を描いた文芸ドラマの名作です。インドが発狂したと言われるほど当時情勢は混乱を極めました。
  5. 日本初公開イクロ クルアーンと星空
    (インドネシア/2017年/監督:イクバル・アルファジリ/97分)
    “イスラームと科学”をテーマにバンドゥン工科大学のサルマン・モスクが製作した子ども映画です。イクロとはクルアーンをアラビア語で詠む練習法のことを指します。子どもたちの成長と学びが温かく描かれる作品です。
  6. ボクシング・フォー・フリーダム
    (アフガニスタン/2015年/監督:シルビア・ベネガス、ホアン・アントニオ・モレノ/74分)
    2012年のロンドン五輪を目指し、アフガニスタン初の女子ボクシングチームに参加した少女が主人公のドキュメンタリーです。礼拝を欠かさず、アフガン女性の希望となるべく境遇に立ち向かう少女の姿が胸に迫ります。
  7. モーターラマ
    (アフガニスタン/2012年/監督:ディアナ・サケブ、マレク・シャフィイ/60分)
    ヘラート、カブール、マザリシャリフ、アフガニスタンの3つの街で女性たち声を記録した作品です。宗教以前に保守的な社会における女性の困難が描かれます。モーターラマとは女性の呼称として使われる口語表現です。
  8. トゥルー・ヌーン
    (タジキスタン/2009年/監督:ノシール・サイードフ/83分)
    ソ連崩壊からの独立後初めて製作されたタジキスタン映画です。トゥルー・ヌーンとは、太陽が真上に来て影がなくなり、人間と太陽が一つになる平等な時のことを表します。国境の意味について考えさせられる作品です。
  9. 花嫁と角砂糖』 (イラン/2011年/監督:レザ・ミルキャリミ/114分)
    五人姉妹の末っ子の結婚準備に集まったある大家族の群像劇です。様々な人生を背負いながら生きている人々の心の機微が丁寧にすくいとられます。イランの伝統的家屋や家庭料理など豊かな色彩にもため息が出る逸品です。
  10. 遺灰の顔
    (クルディスタン=イラク/2014年/監督:シャフワーン・イドレス /87分)
    イラン・イラク戦争を背景に、ムスリムとクリスチャンの遺体の取り違えをめぐる騒動を描いたコメディです。イスラームで火葬は禁じられており、タイトルには人間を一瞬で灰にする戦争への熱い怒りが込められています。
  11. 日本初公開私の舌は回らない
    (ドイツ/2013年/監督:セルピル・トゥルハン/92分)
    女優でもある移民二世の作者が、自分たちがトルコ系ではなく実はクルドだったことを隠していた祖父母の人生を追い自らカメラを回した作品です。欧州に暮らすある平均的な移民一家の愛の系譜が優しく静かに語られます。
  12. ラジオのリクエスト
    (シリア/2003年/監督:アブドゥルラティフ・アブドゥルハミド/89分)
    緑美しいシリアの山村を舞台にした悲喜劇です。神の名の下に分け隔てなくにぎやかに暮らす人々の営みが、戦争によって踏みにじられる悲しみに胸を塞がれます。先の見えないシリア内戦を彷彿とせずにはいられません。
  13. 女房の夫を探して
    (モロッコ/1993年/監督:ムハンマド・アブデッラハマーン・タージ/88分)
    もともとは戦争未亡人救済の措置であるイスラームの“一夫多妻”を題材にしたコメディです。ルールにふり回される憐れな男とは対照的に人生を楽しむ女性の姿を活き活きと描き、90年代にモロッコで大ヒットしました。

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2017年3月17日(土)~23日(金)、渋谷ユーロスペースにて開催!

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2018/03/10/20:43 | トラックバック (0)
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