西原理恵子原作、菅野美穂8年ぶりの主演映画
『パーマネント野ばら』の一般試写へご招待!
5月22日(土)から公開される映画『パーマネント野ばら』は、西原理恵子の同名傑作漫画を原作にした話題作だ。
山あいの小さなパーマ屋を舞台に、そこに集まる女達が自分に小さな嘘をつきながら懸命に生きる姿を描いた本作のメガホンを取ったのは、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(07)でその名を一気に高めた吉田大八監督。『Dolls』(02)以来、実に8年ぶりのスクリーン復帰となる菅野美穂を主演に迎え、「不器用に生きることを優しく肯定してくれる」女性映画として注目を集めている。この映画『パーマネント野ばら』の一般試写に5組10名様をご招待します。
ご希望の方は、「『野ばら』試写希望(メールでご応募する場合は件名)』・お名前・ご住所・電話番号 ・年齢」 を明記の上、こちらのこちらのアドレスか、メールフォーム(要・送り先の追記)からご応募下さい。
◆日時:5月13日(木) 18:00開場 18:30開演
場所:九段会館大ホール (住所:千代田区九段南1-6-5)
◆応募締め切り:2010年5月3日(日)応募受付分
◆公式サイト:http://nobara.jp/
※住所未記入で応募される方が増えています。住所がないものは無効にすることもありますのでご注意ください。※応募者多数の場合は抽選となります。
註)ご提供いただいた個人情報は、本プレゼント以外の目的では一切使用いたしません。また、個人情報そのものも招待状発送後一週間で破棄します。当選者の発表は、招待状の発送をもってかえさせていただきます。
なお、当選に関するお問合せへの回答はいたしかねます。予めご了承下さい。
パーマネント野ばら
http://nobara.jp/2010年5月22日(土)、新宿ピカデリー、シネセゾン渋谷、
ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋他全国ロードショー
いくつになっても、どんな恋でも、恋をしている人は美しい――。
観る人すべての心に優しく残る、最高傑作の誕生
新しい姿で魅せる 菅野美穂 8年ぶりの主演映画
「イグアナの娘」「働きマン」「キイナ」「曲げられない女」など数々の大ヒットドラマに主演、確固たる演技力で個性的なキャラクターを体現しながらも、独特の透明感で唯一無二の存在感を放つ女優・菅野美穂。2002年公開の北野武監督『Dolls』以降、実に8年ぶりの主演映画として彼女が選んだ作品が、西原理恵子の叙情的傑作と名高い『パーマネント野ばら』(新潮社刊)である。
強いキャラクターの中にも常に女性らしい可憐な姿が伴い、圧倒的な人気を持つ彼女。スクリーンの中で優しい眼差しと儚くも美しい新たな側面で観るものの共感と涙を誘う。
美しい空と海に囲まれた田舎町で起こった、すべての人の記憶に残る、ある切ない恋の物語。
様々な恋を経験し、その悲しみや痛みを知るすべての人に贈る――。
不器用に生きることを優しく肯定してくれる、胸に沁みる傑作が誕生しました。
西原理恵子が描く、かっこ悪くても恋するオンナたち
叙情的最高傑作、吉田大八監督により待望の映画化!
山あいの小さなパーマ屋さんは、女のザンゲ室――。
"大人の女性の恋心"を赤裸々に描き、西原理恵子の新境地的な作品として話題となった本作。深い愛情と悲しみを湛える女性たちが、自分に小さな嘘をつきながら懸命に生きる姿は、多くの共感と絶大な支持を得ている。女のたくましさ、したたかさ、純粋さ、大らかさ、優しさ、切なさ……など、様々な「女の情」が詰まった珠玉の原作が、待望の映画化。メガホンを取るのは、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(07)がカンヌ国際映画祭の批評家週間部門に正式出品されるなど国際的にも評価が高く、人間の「どうしようもなさ」や「愛すべき可笑しさ」を描き続ける気鋭の監督、吉田大八。男性である吉田監督の俯瞰した目線が入ることにより、女たちの恋と、女同士の親子間に漂う繊細な愛情、そして人の弱さや痛さをもすべて包みこむ、田舎町特有の大きな友情までもが深みを持って描かれる、多面的な人間の情を賛美する作品へと昇華させました。
個性と魅力を放つ 豪華共演・スタッフ陣
美しい風景とスタッフの熱意をスクリーンに収めた高知ロケ
ほぼ全編を西原の故郷である高知県ロケで行った本作。あけすけで温かい人間が多い独特の土壌と、太平洋に面する高知ならではの空と海の色を映像に収めることに監督はこだわった。菅野演じるなおこを取り巻く人々も、豪華役者陣が勢ぞろい。なおこの友人には小池栄子、池脇千鶴。母まさ子に夏木マリ。母の再婚相手に宇崎竜童。そして、恋人カシマ役には江口洋介と、様々な振れ幅の個性が物語を盛り上げる。主題歌は、高知県土佐清水市出身の注目アーティスト、さかいゆうの書き下ろし「train」。地元を愛する彼が明日からの一歩を進みだすために、そっと背中を押してくれる楽曲で深い余韻を残します。
美しい空と海に囲まれた田舎町で起こった、
すべての人の記憶に残る、ある恋の物語──。
彼女の涙に秘められた、あまりにも切ない真実……。
「ずっと好き」はどこにもないから私は毎日、小さな嘘をつく──。
海辺の町にひっそりと佇む、小さな美容室"パーマネント野ばら"。
そこは、離婚をして一人娘のももを連れて出戻ったなおこ(菅野美穂)と、その母まさ子(夏木マリ)が切り盛りしている、町に一つのパーマ屋さん。町の女たちは日々ここへやってきては、退屈な日常に華を求めるように、少し大げさに、お互いさまの小さな嘘を交えながら、恋にまつわる悲喜こもごものおしゃべりをする。
"パーマネント野ばら"はうまく行かない恋や夫の愚痴を吐き出してすっきりする、女たちの憩いの場になっている。
"野ばらさん"と地元の皆に慕われているまさ子には夫のカズオ(宇崎竜童)がいるが、カズオは外に作った女の家に入り浸っている。機嫌の悪いまさ子を気遣い、カズオのところへ向かうなおこ。「お母ちゃんのところに戻ってきて」とお願いするが、「男の人生は真夜中のスナックや。夜中の2時に、次のスナックにハシゴする男の気持ちがわかるか?男をここで終わりにするわけにいかんのや」というムチャクチャな理屈で断られてしまう。
なおこの友人でフィリピンパブを経営しているみっちゃん(小池栄子)は、店の女の子と平気で浮気し、金の無心ばかりする夫ヒサシ(加藤虎之介)に頭を悩ませている。今回の浮気には「愛があるやないろうか?」と不安と怒りが溜まったみっちゃんは、ラブホテルから出てきた浮気相手を車で轢き殺そうと行動に出てしまう。しかし、浮気相手をかばった夫とともに重症を負ってしまう。病院でも罵りあって大暴れする二人だが、それでもまた、夫の金の面倒を見てしまうみっちゃん。
「どんな恋でもないよりましやき・・好きな男がおらんなるゆうて、うちは我慢できんのよ」
みっちゃんと同じくなおこの友人のともちゃん(池脇千鶴)は男運が激しく悪く、ダメ男から散々な仕打ちを受けてきた。現在はギャンブルに溺れたあげく、行方不明となった旦那を心配している毎日。ある日、なおこはまさ子とゴミ屋敷に暮らす老夫婦の髪を切りに行った帰りに突然山道から飛び出してきた、ともちゃんの旦那ユウジ(山本浩司)と遭遇する。
廃人のような風貌のユウジから、なおこは「金に換えるように・・ゆうといて」とスロットのコインを渡される。しばらくして、発見されたユウジは帰らぬ人となっていた。
「人は二度死ぬがやと。人の心の中におらんようになったら、いよいよ最後やと。今度こそ、本当に死ぬ。」
皆そんな自分たちを涙目ながらも、明るく笑いとばしている。
一方なおこは、高校教師をしているカシマ(江口洋介)と恋をしている。
互いを優しく想いあいながら、高校の教室で、海で、旅館で……デートを重ねるふたり。
──しかし、その恋にもある秘密が隠されていた……。
それから、王子さまとお姫さまはキスをして二人はいつまでも幸せに暮らしました――。
そんなお話は この世に ないけど――。
西原理恵子の叙情的傑作『パーマネント野ばら』が映画になるまで
映画化の企画が始まったのは、今から3年ほど前になる。プロデューサー陣が単館系の良質な作品を作りたいと思っていた矢先にこの原作に出会う。女性に共感を呼んでいる感動作であり、映画としても成立させられる可能性を感じ、映画化を打診。同時に映画化オファーが既に殺到しており、10数社もの間での争奪戦であった。
詩のようなモノローグやそれぞれの登場人物のエピソードが連なる特殊な構成の原作を脚本化するにあたり白羽の矢が立ったのが、当時『時をかける少女』や『しゃべれども しゃべれども』で活躍が目覚しかった脚本家・奥寺佐渡子氏。大切な台詞や雰囲気を損なうことなく、原作からすくい上げたストーリーラインにオリジナルのエピソードを違和感なく織り込み、見事に映画『パーマネント野ばら』の骨組みを作り上げた。
監督は、当時『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』がカンヌ映画祭へ出品されるなど、高い評価を受けていた吉田大八に焦点が当たる。個性的な登場人物たちへの視線や、批評性を持って田舎を撮っているのがよかったと、プロデューサーがオファーした後、快諾される。
「女性が中心の物語だから、男性である自分が撮るにあたって、どこを足場にして掘り下げていくべきか当初は迷った。まず最初に、母親の中に女を見る娘の複雑な心境を原作から感じ取れたので、そこから親子や男女に関係なく、とにかく人生をもがく人間たちの話にすればいいと、開き直った」と監督は振り返る。
モノローグが多く登場する原作にある独特の雰囲気を、実際に生身の人間が演じるにあたって注意したのは客観的になりすぎないようにすることだった。かくして、まさ子、なおこ、ももの親子三代の物語と、なおことふたりの友達の物語、そして主人公なおこを見守る、周りの人間の温かな優しさが交差する愛情深い物語ができあがった。
キャスティング
ストーリーの軸になりながらも、どこか浮遊感のあるエキセントリックなキャラクターである主人公の「なおこ」を誰が演じるのか。製作陣全員の意見が一致したキャスティングは、なおこと同世代であり、確固たる演技力がある女優の菅野美穂だった。プロデューサー曰く、「メジャーなテレビドラマでの活躍が多い菅野さんと、作家性の強い吉田大八監督との化学反応が見てみたかった。ドラマで垣間見せるふとした表情が印象的なので、久々の映画主演作として新たなテイストの作品での彼女を見たいと思った」。
菅野美穂自身が「我慢の芝居」と語る通り、周りのキャラクターを"受けとめる"演技が要求されたなおこ役。テレビドラマでの個性の強いキャラクターとは真逆の、「静かで繊細な芝居」という菅野美穂の新たな一面を見ることができる。
菅野美穂を囲む共演陣も、個性豊かな役者が顔を揃える。なおこの友達である「みっちゃん」と「ともちゃん」には、実力と知名度を兼ね備えた小池栄子と池脇千鶴を抜擢。監督曰く小池栄子は「男の面倒を最後まで見てくれそうな雰囲気を持っている」、西原氏も「ぴったり」と喜んでいたそう。池脇千鶴は、「原作の何人かの登場人物を重ねているのがともちゃん。池脇さんの芝居力の高さが映画をぎゅっと掴んでくれる」(監督)。
なおこの母親である「まさ子」には、唯一無二の存在感と独特のオーラをまとう夏木マリに決定。まさ子の茶色いパンチパーマや原色の服と対照的ななおこの質素な雰囲気に現れるように、まさ子となおこはお互いに相手を気遣わないと崩れてしまう関係であり、親子としてのすわりの悪さが必要だったと監督は語る。ちなみに、髪型や衣装のアイデアは夏木本人からの意見が反映されている。まさ子の夫である「カズオ」にはスクリーンに落ち着きと重厚な雰囲気を添える宇崎竜童が、監督たっての希望でキャスティングされた。
そして物語のキーパーソンとなる「カシマ」には、監督が出演を熱望し、最後までこだわった江口洋介に決定。体が大きく、明るく、生命力にあふれている彼の人間味あふれる力強さにより、ラストシーンの驚きと共に起こるべき大きな切なさが表現できることとなった。
なお、西原理恵子原作映画のお約束、西原氏も映画のどこかに登場しているのでお楽しみに。
高知県宿毛市での撮影
本作のもうひとつの主役ともいえるのは、西原理恵子の出身地である「高知」という場所。監督によると「西原のスピリットを育てた高知という土地の魂に、助けを借りたかった」のだとか。また、「日常の隣り合わせに死があるのが本作の特徴でもあり、『死ぬことも生きることも地続きである』というメッセージをリアルに活き活きと描くためには、その地に根ざしている言葉の躍動感が必要だと思い、土佐弁の台詞にこだわった」とプロデューサーも語る。そこで、監督をはじめとするスタッフは高知県の海岸線沿いを何往復もするロケハンを敢行。美しい山々に囲まれて、小さな港と街並が一体となっている宿毛市・栄喜にロケ場所を決定した。風景や土地そのものを魅力的に見せることのできるスタッフである撮影・近藤氏と、照明・藤井氏を起用し、自然な光の中に画を作りこみ、監督が思い描いていた通りの映像となった。
余韻を残す主題歌
「傷ついた人を癒して終わるのではなく、生き続ける女性たちを力強く肯定するようなラストにしたい」という監督のリクエストに答えた主題歌「train」をうたうのは、聴く人の心に響くシルキー・ヴォイスを持つ、シンガーソングライター、さかいゆう。偶然にも高知県出身のミュージシャンである。かけがいのない人への想いをストレートに歌った感動的なラヴソングで物語に深い余韻を残している。
『パーマネント野ばら』のテーマ
「"人間ってどうしようもないけど、いとおしい"という感情を描きたい。」
「物語の終盤、なおこを包み込むまさ子やみっちゃん、野ばらに集うおばちゃんたちの微笑みに満ちた大きな愛情を。」
女たちの恋物語でもあり、母と娘の親子の愛情や支えあう友情など、人間における様々な「情」の物語でもあり、不恰好でも幸せになりたいと思う素直な生き様とそれを包括する大きな優しさが根底に流れる本作。さらに、西原原作の毒も活かした作品にしたい。という難易度の高い映画化だったが、菅野美穂の存在感と、実力のある俳優陣、独特のテンポでありながら人間の感情を丁寧に描き上げる吉田大八監督の演出により、様々なテーマを内包する多面的な傑作が完成した。
監督:吉田大八
プロデューサー:松本整、石田雄治、鈴木ゆたか、中村陽介、藤田滋生 エグゼクティブプロデューサー:春名慶
ラインプロデューサー:加藤賢治 原作:西原理恵子『パーマネント野ばら』(新潮社刊)
脚本:奥寺佐渡子 撮影:近藤龍人 美術:富田麻友美 編集:岡田久美 音楽:福原まり
音楽プロデューサー:日下好明 主題歌:さかいゆう『train』 スクリプター:柳沼由加里
スタイリスト:小里幸子、谷口みゆき ヘアメイク:小沼みどり 照明:藤井勇 装飾:佐藤孝之
助監督:甲斐聖太郎
出演:菅野美穂,小池栄子,池脇千鶴,宇崎竜童,夏木マリ,江口洋介
配給:ショウゲート (c)2010映画『パーマネント野ばら』製作委員会
公式サイト:http://nobara.jp/
2010年5月22日(土)、新宿ピカデリー、シネセゾン渋谷、
ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋他全国ロードショー
(単行本)
- 著:西原理恵子
- 発売日: 2006-09-28
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- 監督:吉田大八
- 出演: 佐藤江梨子, 佐津川愛美, 永作博美, 永瀬正敏, 土佐信道
- 発売日:2008-10-22
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