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JAWS/ジョーズ・ブルーレイ
スティーブン・スピルバーグ監督の傑作海洋パニック・ムービーが、ブルーレイで甦る!【スポンサー】

2012年8月22日(水)より発売中

REVIEW

『ジョーズ/JAWS』ブルーレイ

( 1975 / アメリカ / スティーヴン・スピルバーグ )
一級品のB級映画

鈴木 並木

『ジョーズ/JAWS』ブルーレイ押しも押されぬ大監督、スピルバーグの出世作として、また、海洋パニックの現代の古典として、揺るぎない地位を占めている『ジョーズ』が、このたび初ブルーレイ化される。何度も見てすみずみまで覚えてしまっているひとも、あまりにも有名になりすぎているがために未見のままのひとも、新たな気持ちでこの作品に向き合ういい機会かもしれない。

いまや巨匠の名をほしいままにするスピルバーグも、本作公開時は28歳。『ジョーズ』は劇場公開作としては2本目にあたる。劇場デビュー前にも、TVシリーズ『刑事コロンボ』の演出、TV映画として製作され、日本やヨーロッパでは劇場公開された『激突!』といった仕事である程度は注目されていたにはせよ、もちろん「スピルバーグ」の名前が世間に与えるインパクトは現在とは比べ物にならないほど小さかっただろう。もちろん、いまでは恐怖そのもののアイコンとしてもいたるところで流用されているジョン・ウィリアムズの音楽も、公開当時はみんな初めて耳にしたわけだし、「そもそも『ジョーズ=顎』ってどういう映画なんだ?」と思ったひとも少なくなかったのではないだろうか(80年代に中学生だった筆者の世代だと逆に、サメのことを英語ではジョーズと呼ぶと思い込んでいる者もいた)。

映画の前半は、夏のリゾート地に巨大サメが登場したことによる混乱と、観光客を逃したくない一心で事態をなあなあに収束させようとする市長ののらくらが描かれる。この無策ぶり、現代日本に生きる我々にとってなにやら身につまされるものがある。そして、ちょうど映画の折り返し地点で、3人の男たち(警察署長のロイ・シャイダー、サメ狩りの達人ロバート・ショウ、若き海洋学者リチャード・ドレイファス)が船でサメ退治に出発する。えっ、まだ時間たっぷりあるのに大丈夫か、と余計な心配をしながら見進める後半の1時間、人間とサメとががっぷり四つに組んでの死闘は、身の毛もよだつ迫力。

なにしろCGなどない時代の映画だから、サメは、機械仕掛けの模型と、実物の泳ぐカットを巧みにつないで作られている。驚くべきことに、前半・後半あわせても、サメの全身がはっきり映るカットは10もあるかないかといったところ。なめらかに波を切る背びれ、白く光る牙、邪悪に開く大きな口。部分部分の組み合わせというこうした手法自体はB級映画でおなじみのやり方だが、ここでかもしだされる恐怖はまぎれもない一級品。そして、あの有名なテーマ以外にも、ジョン・ウィリアムズのスコアの格調の高さには、何度もはっとさせられることだろう。

(2012.8.26)

この記事はユニバーサル・スタジオによってスポンサーされていますが、本文内容は筆者自身のものです


JAWS/ジョーズ・ブルーレイ

2012年8月22日(水)より発売中

2012/08/30/09:06 | トラックバック (0)
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