トーキョーノーザンライツ
フェスティバル2014
2014年2月8日(土)~14日(金)まで、渋谷ユーロスペースにて開催
トーベ・ヤンソン生誕100周年記念特集
トーベ・ヤンソンのパートナー、トゥーリッキ・ピエティラが撮影した映像によるドキュメンタリー2本と、アニメ「ムーミン」シリーズの劇場版を上映。来日ゲストのトークも。
『ハル、孤独の島』( 1998年/フィンランド/44分ジャパンプレミア )
監督:カネルヴァ・セーデルストロム, リーッカ・タンネル
1964年、トーベがトゥーリッキと共に造り始め、91年まで毎夏を共に暮らしたクルーヴ島(ハル)の家。その島の生活を、トゥーリッキがコニカ製の8mmカメラで撮った映像を編集したドキュメンタリー。厳しい自然、差し込む光の美しさ、著書『島暮らしの記録』の世界が映像となって迫り来る。楽しそうにはしゃぎ、踊るトーベにも注目。
『トーベ・ヤンソンの世界旅行』( 1993年/フィンランド/58分/ジャパンプレミア
)
監督:カネルヴァ・セーデルストロム
トーベが1971年に日本のテレビ局から招待されて来日した際、渡された往復チケットを片道2 枚に変えて、日本からアメリカ、メキシコ、そしてヘルシンキに帰るまでの旅の記録。同行したトゥーリッキによって撮影された映像を見ながら当時を振り返る、2人の楽しいオーディオ・コメンタリーを収録した貴重なドキュメンタリー。
『ムーミン谷の彗星』( 1992年/日本・オランダ/72分 )
監督:斉藤博
1990年からテレビ放映されたアニメシリーズの劇場版。一家がムーミン谷へ引っ越してきたばかりのある日、ジャコウネズミからもうすぐこの世は滅びると聞かされ、真実を知るための旅に出たムーミン、ミイ、スニフ。おなじみスナフキンやフローレンたちとの最初の出会いも語られる。ムーミンたちと冒険旅行に出かけよう!
知られざるスウェーデンの巨匠ヤン・トロエル監督特集
欧米では広く知られる巨匠的存在でありながら、日本ではほとんど紹介されていないスウェーデン人監督ヤン・トロエルの作品群から、実在の人物を描き、高く評価された2本の秀作をお届け。
『ハムスン』( 1996年/ノルウェー・スウェーデン・デンマーク・ドイツ/159分 )
監督:ヤン・トロエル
1997年スウェーデンアカデミー(グルドバッゲ)賞最優秀作品賞、
最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞ほか9冠ノルウェーを代表するノーベル賞作家クヌート・ハムスン。第二次大戦中ナチスに利用され、戦後はスケープゴートとして戦犯扱いを受けた非業の作家の半生を描く壮大な歴史大作。マックス・フォン・シドー演ずるハムスンとその妻マリーの結婚生活を軸に、映画は数奇な時代のうねりを見せてゆく。1997年の北欧映画祭以来17年ぶりの上映!
『マリア・ラーション 永遠の瞬間』( 2008年/スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランド・ドイツ/131分/ジャパンプレミア ) 監督:ヤン・トロエル
2013年スウェーデンアカデミー(グルドバッゲ)賞助演女優賞20世紀初頭、スウェーデンの港町マルメ。フィンランド移民のマリアはくじでカメラを当てる。結婚後、飲んだくれの夫シグリッドとたくさんの子を抱えた困窮生活の中、カメラを売ろうと写真店へ。だが店主セバスティアンにほだされ、彼女自ら写真撮影にのめり込む……。激動の時代を生きた女性写真家の一代記を、長女マヤの視点で描く。
再発見!北欧映画の古典
北欧古典映画の巨匠、ベンヤミン・クリステンセン監督の連続上映第三弾!その緻密な映像設計から生まれる美とスリルに満ちた世界が、ピアノの音色と共にいま甦る。
『復讐の夜』( 1915年/デンマーク/100分 )
監督:ベンヤミン・クリステンセン
吹雪の夜。新年を祝う侯爵家に、無実の罪で投獄されていた脱獄囚が乳飲み子を抱えて忍び込む。彼は侯爵の姪アンに助けを求めたが、その親切を信じたため再び捕えられ、彼女への復讐を心に誓う……。技巧を駆使した撮影と趣向を凝らした照明設計。監督・脚本・主演を務めたクリステンセンの緊迫感溢れる演出は、今も色褪せることはない。
北欧パノラマ
ジャパンプレミア上映を含め、国内未公開作品の中からジャンルを問わず、バラエティに富んだ選りすぐりの劇場未公開作をラインナップ。
『アンバサダー』( 2011年/デンマーク/93分/ジャパンプレミア )
監督:マッツ・ブリュガー
「アンバサダー」=大使。この肩書を金銭で売買する国がある!? 潜入ルポを得意とするブリュガー監督の今回の潜入先はアフリカ大陸、リベリア。彼は「大使」となり“地獄の三角地帯”と呼ばれるダイヤ鉱山へと乗り込んで行くが……。隠し撮りされた数々の“公然の秘密”に「国家」の概念が揺さぶられる衝撃のドキュメンタリー。
『NOKAS』( 2010年/ノルウェー/87分/ジャパンプレミア ) 監督::エーリク・ショルビャルグ
2011年ノルウェーアカデミー(アマンダ)賞最優秀監督賞、 最優秀脚本賞オリジナル版『インソムニア』のショルビャルグ監督が、2004年にノルウェーで起きた史上最悪の現金強奪事件を映画化。犯行は、現地の警備会社「NOKAS(ノカス)」を襲った11人のグループによりわずか20分の間に行われ、その衝撃はヨーロッパ全土を揺るがした。事件のハードさとは対照的な警察の対応や市民の反応にも驚く、異色の実録ドラマ!
『馬々と人間たち』 ( 2013年/アイスランド・ドイツ/81分 ) 監督:ベネディクト・エルリングソン
2013年東京国際映画祭最優秀監督賞厳しい大自然の中、たくましく生き抜いてきたアイスランド馬と人々の織りなす日々のいとなみを、絶妙なユーモアで描く新感覚ヒューマンドラマ。舞台演出家として活躍しているエルリングソンはこの古典的テーマを奇妙で味わい深い快作に作り上げた。名匠フリドリクソンがプロデューサーとして全面的にバックアップしている。
『ベンヤミンの夏』( 1995年/アイスランド・スウェーデン・ドイツ/88分 )
監督:ギスリ・スナイル・エリンソン
家を火事で失った孤独な老女のため、騎士団を結成した4人の少年のひと夏の物語。子供らしい正義感や無邪気さだけではなく、純真であるがゆえの残酷さをもまっすぐに見つめた、子供映画に秀でたものが多い北欧ならではの1本。短い夏の陽射しの下、傷つきながらも成長してゆく少年たちの姿がまぶしい北欧版『スタンド・バイ・ミー』。
『ミス・ジーンズ・フィンランド』
( 2012年/フィンランド・スウェーデン・アイルランド/89分 ) 監督:マッティ・キンヌネン
1977年、ルー・リードに憧れロックに熱中するヴァルデは、田舎の高校で鬱屈した日々を送るなか、華やかな同級生ピケに密かに恋をする。バンドを結成した彼の生活は徐々に変わり始めるが……。ミュージシャン、カウコ・ロユフカの自伝的小説をもとに、青春の痛みが瑞々しいタッチで描かれていく。70年代音楽やファッションも見どころ。
『ファーザーズ・トラップ 禁断の家族』( 2011年/フィンランド/90分 )
監督:ミカ・カウリスマキ
小説家のイヴァルと映画プロデューサーのミティヤ、父親と暮らすトルスティの異母兄弟。彼らはそれぞれの母親を捨てた父親の70歳の誕生日を祝うために集まるが……。ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」に着想を得た、ダメ親父とどこかおかしな息子たちの愛憎劇。ベテラン個性派俳優陣が台本なしの即興で演じる。
特別上映
ノルウェー国内で興行成績1位を記録!2014年公開予定のアドベンチャー超大作を先取り上映!
『ラグナロク』( 2013年/ノルウェー/94分/ジャパンプレミア )
監督:ミケル・ブレネ・サンデモーセ
考古学者のシーグルは、発掘されたバイキング船から謎のルーン文字を発見する。それは北欧神話における終末の日を意味する「ラグナロク」について書かれたものだった。シーグルは二人の子供を引き連れて、真実を探求する冒険へと旅立つ……。『コン・ティキ』のポール・スヴェーレ・ハーゲン主演のアクション・アドベンチャー!
アンコール上映
『ウィ・アー・ザ・ベスト!』2013年東京国際映画祭サクラグランプリ受賞を記念し、ムーディソン監督の国内未公開作品を再上映。
『リリア 4-ever』( 2002年/スウェーデン・デンマーク/107分 )
監督:ルーカス・ムーディソン
2003年スウェーデンアカデミー(グルドバッゲ)賞最優秀作品賞、監督賞ほか6冠旧ソ連の殺伐とした郊外で暮らす16歳のリリア。親に捨てられ、生活に困窮していたある日、目の前に現れた若い男に心を開いていく。彼からスウェーデンで暮らそうと誘われたリリアは、希望を胸に新しい生活に飛び込むが……。撮影当時14歳だったオクサナ・アキンシナが、運命に翻弄されるヒロインを体当たりで演じた衝撃作。
トーキョーノーザンライツフェスティバル 2014 スペシャルイベント
北欧からの贈り物〜生演奏で楽しむサイレント映画の世界
2014年2月2日(日)渋谷区総合文化センター大和田 さくらホールにて
今回、初の試みとなる企画です。コンサートホールで生演奏付きサイレント映画鑑賞を体験できる貴重な機会です。
■『風』「スウェーデン映画の父」ヴィクトル・シェストレム監督、リリアン・ギッシュ主演
柳下美恵さんの生演奏付きでお送りします。
■『白い花びら』 アキ・カウリスマキによる20世紀最後のサイレント映画
初来日のノルウェーのトリオ・バンド「ハンツヴィル」の生演奏付きてお送りします。