佐藤 かよ (女優)
映画『鬼灯さん家のアネキ』について
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2014年9月6日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
(取材:深谷直子)
――うわあ、悪夢ですね。出演シーンの撮影は何日間ぐらいあったんですか?
佐藤 約1か月半とか2か月ぐらいでしたっけ?
大森氏勝プロデューサー 撮影期間は12日ぐらいだから、多分体感的にそれぐらい長い感じがしたんだと思います(苦笑)。
一同 え~!?
佐藤 そうなんですか? あ、ギュ~ッと凝縮するとそれぐらいってことですよね??
大森プロデューサー いや、全部で12日ぐらいで、佐藤さんは出番が多いからそのうちのほぼ毎日撮影があったけど。大変だったからそれぐらい長く感じたんだよ。
佐藤 ウソ~、私1か月半ぐらいやっていた気がしたんだけどなあ……。
――(笑)。本当に濃厚な体験だったんですね。
佐藤 結構私、朝が早くても前の日の夜に友達と遊びに行ったり飲みに行ったりしているんですけど、映画の期間中はもう全然外に行かなかったです。
――映画に全力を注いでいたんですね。この作品はラブコメディで、恋愛の素敵な部分も描かれるけど、カメラを仕掛けて盗撮をするとか、想いが強すぎて人がちょっと異常な行動をしてしまうような部分も描かれますよね。そういう気持ちには共感できました?
佐藤 私は隠しカメラを仕掛けたりしたことはないんですけど、でもそこまでしてでも相手の気持ちが気になるということは昔はあったし、その人のことが好きって強く思っていると、たとえ相手とそういう言葉を交わしたり一緒に行動してても満足しない部分ってあるじゃないですか。「本当に私のこと好きなのかな?」って思ったり、なんか自分の気持ちがもう暴走しちゃってるみたいな。でもそれってとても素直なことだし、特に麻衣ちゃんは、他人に対してはすごくズバズバ言うけど自分のことに関してはあんまりオープンにしない子だから、余計に感情的になったときにストッパーが効かないぐらいに気になって仕方なくなってしまうと思うんです。でも相手の思いは分からないし、自分はいろんな理由があって「好き」ってオープンにはできない。そこが可愛いなりかわいそうなり、いろんな共感は生まれましたね。あとは「なんで私あんなこと言っちゃったんだろう」とか「もうちょっと愛想よくしていればよかったのに」みたいなことを多分麻衣ちゃんは思っているんだろうな、とか身近に感じながら演じていました。
――佐藤さんは今25歳ですよね。セーラー服を着て高校生役を演じるというのはいかがでしたか?
佐藤 私は高校に行っていないので、高校生の役をできるというのがすごく嬉しかったんですけど、でもぶっちゃけ正直私がセーラー服を着て似合うのかどうなのかとか、それもスカート膝下みたいな真面目な感じの制服だし、大丈夫かなって(笑)。それに私身長が高いので、映画の中では麻衣ちゃんって存在感がドン!というようなキャラクターではないから、そういう点で浮いちゃわないか心配でした。吾朗くんとハルちゃんと麻衣ちゃんの3人が家の中で話すシーンがあって、正座しているんだけど私一人だけ頭の位置が違うのをテストの映像を見て感じてしまって、「私脚が短いみたい」ってすごい気にしました(笑)。
――(笑)。細いしそれは全然。不思議な存在感でよく合っていたと思います。こういう真面目そうなルックスの水野が、前野朋哉さん演じる吾朗とギャグの多いやり取りをするのが面白かったです。
佐藤 吾朗くんは、「あ、こういう高校生の子いる!」っていう感じでしたね。私には前野さんが吾朗くんにしか見えなくて、こういう台詞をまんま言いそうな雰囲気だし、それがやっぱり俳優さんってすごいなあと思いました。リアリティに溢れてましたね。いちばん最初のシーンが、吾朗くんが家を覗いていて、鍵を探しているふりをしてごまかすのを私が醒めた目で見ているというシーンだったんですけど、本当に怪しい高校生のスケベな男の子にしか見えなくて、いつも笑いそうになっちゃって(笑)。台本を読んで想像したとおりの吾朗くんに前野さんがなってくださったおかげで、撮影にすごく入りやすく感じました。
出演:谷桃子 前野朋哉 佐藤かよ 川村ゆきえ 古崎瞳 岡山天音 葉山レイコ 水澤紳吾/モト冬樹
原作:五十嵐藍(株式会社KADOKAWA 角川書店刊) 監督・編集:今泉力哉 脚本:片岡翔 今泉力哉
音楽:曽我淳一(トルネード竜巻) 主題歌:浜崎貴司「家族」(スピードスターレコーズ)
製作プロダクション:角川大映スタジオ 制作プロダクション:ダブ 製作:KADOKAWA ポニーキャニオン
©2014『鬼灯さん家のアネキ』製作委員会
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