映画『鬼灯さん家のアネキ』インタビュー特集PART2
今泉力哉(監督) × 佐藤かよ(女優)対談
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2014年9月6日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
(取材:深谷直子)
――前野朋哉さんは『桐島、部活やめるってよ』(12)に続いての学ラン姿がすごくハマっていました(笑)。監督は前野さんと仲がよさそうですよね。
今泉 そうですね、3年前にも『終わってる』(11)っていう作品に出てもらっていたし、前野さんも監督なのでそこでも友達で。でも今回相当久しぶりに会って最初に読み合わせをしたときに、芝居が前と全然違ってて「ああ、これは売れるわ」と(笑)。やっぱり場数を踏んで、いろんな監督にいろいろ言われてこうなったんだなと。だから安心感がすごくありましたね。すごく幅広く器用にいろいろできるタイプではないと思うんですけど、もちろん役を理解しているし、見た目を含めたキャラクターがすごくあるので。佐藤さんはどうでした? 前野さんのこと。
佐藤 私は演技とか初めてだから映画の現場がどういう空気か分からなかったし、そもそも演技をしている人をあんまり見たことがなかったのでどうなんだろうって思ってて。でもさっきも話したんですが、吾朗くんが家を覗いているのを私が上のほうから醒めた目で見ているっていう最初にやったシーンのときに、高校生でスケベなところがあって、でも焦って「いやいやいや」とかごまかしてる演技に「こういう人いる!」って。私が中学生のときにこういうふうに恥ずかしそうにしてる人いたんですよ。リアリティがあってすごいなあって思いました。
今泉 確かにあそこ面白かったですね。なんでしょうね、技術的なうまさじゃなくて、お姉ちゃんにイタズラされるときの余裕のなさみたいなのをちゃんと演じられるのって前野さんのすごい魅力だなあと思いますね。やっぱり恥ずかしいですからね、ちょっといやらしいようなことをされるのって。でも前野さんは普通にちょっと楽しめてたりとか、そういうのって才能だなあと思いますね。
佐藤 「嫌なのかいいのかどっちなんだよ!」みたいなのがすごくリアルでした(笑)。
――ハルを演じた谷桃子さんはお二人にとってどんな方でしたか?
佐藤 原作のハルとはまた違ったリアルなお姉ちゃんっぽさが出ていましたね。
今泉 ハルは別の人がやったらもっとエロくなったかもしれないしまったくなくなるかもしれないし、これは谷さんの位置だなあと思いましたね。変な爽やかさがあるし明るいし。今回は役者さん本人たちが相当いい人で助けられたんですけど、特に谷さんがすごくいい人でしたね。谷さんとは恋愛の話とかも現場ですることがあって、まあ「それはダメだわ」というような話をいっぱいしてたんですけど(苦笑)、そこでも尽くす人なんだなっていうのが分かって。いい人度がすご過ぎました。
佐藤 え~、もっと桃子ちゃんといっぱい話したかったなあ。
今泉 この間谷さんとこの映画の取材で会ったときに「恋愛の話をもっとしたかったです」って言われました。
――ぜひ公開されたらトークショーをやってほしいですね。そういえば「今泉力哉フェスティバル」っていうイベントもありますよね。
今泉 ありますね、公開前ですけど。谷さんに来てもらいます。
――佐藤さんにも出てほしいですね。
佐藤 いやいや、私はこっそり遊びに行くぐらいで(笑)。
――佐藤さんは今泉監督の作品は何か観られているんですか?
佐藤 まだ観たことがないんです。
今泉 ああ、まあそうだと思います(苦笑)。ぜひよかったら前野さんが出ているやつとか。
佐藤 あ、ぜひ! 現場でよくお話には聞いていたんです。
今泉 めっちゃエロですよ。前野さんカラミとかやっているんで。
佐藤 えっ!前野さんが? え~~すごい。
今泉 好きな人に童貞を奪われかけるという。しかも童貞だということを認めない。
佐藤 面白そう。
今泉 それも結構重いというか、夫婦の話ですけど。
出演:谷桃子 前野朋哉 佐藤かよ 川村ゆきえ 古崎瞳 岡山天音 葉山レイコ 水澤紳吾/モト冬樹
原作:五十嵐藍(株式会社KADOKAWA 角川書店刊) 監督・編集:今泉力哉 脚本:片岡翔 今泉力哉
音楽:曽我淳一(トルネード竜巻) 主題歌:浜崎貴司「家族」(スピードスターレコーズ)
製作プロダクション:角川大映スタジオ 制作プロダクション:ダブ 製作:KADOKAWA ポニーキャニオン
©2014『鬼灯さん家のアネキ』製作委員会
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