『いぬむこいり』公開記念トークイベントレポート【1/3】

2017年5月13日(土)より、新宿K's cinemaほか全国順次公開！

片嶋一貴監督の新作『いぬむこいり』の公開を記念して、ライブイベント「勝手にPANTA」が5月2日に新宿ロフトにて行われ、映画に出演する武藤昭平率いるバンドの勝手にしやがれとPANTAがステージで競演した。ライブに先駆けて、武藤とPANTAに加え、片嶋監督と出演者の有森也実、山根和馬が登壇するトークイベントが行われ、作品の見どころを語った。(取材：深谷直子)

片嶋一貴監督 武藤昭平

本作は、伝承民話の「犬婿伝説」をモチーフに、シニカルな風刺とエロスが交錯する神話的世界を全4章4時間で描く異色の長編。劇映画の公開記念イベントとしてライブを行うというのも型破りだが、にぎにぎしくカオティックなこの作品にはとても似合いに感じられる。
まず挨拶をした片嶋一貴監督は、「この映画はおととし2015年の夏に、1ヵ月半ほど鹿児島県で撮影して作った映画です。5月13日にやっと新宿ケイズシネマで公開されることになり、公開を記念して今日のライブとなったわけです。この映画に出演し、主題歌『カオス』を歌っていただいている勝手にしやがれの武藤昭平さん、そしてPANTAさんの初の対バンライブを、僕もしっかり楽しみたいなと思っています」と、ライブハウスのステージから楽しそうに語った。 ちなみに、この日話題には出なかったが、片嶋監督が武藤を知ったのは、オダギリジョーから「監督にそっくりなミュージシャンがいる」と教えてもらってのことだそう。二人並んだ姿を確認してひそかに喜び、また、このツーショットに「？」となった勝手にしやがれファンもいるのでは……などとほくそ笑む筆者だった。

本作で本格的な役者デビューを果たした武藤昭平は、「役者としてすごくがんばり、みなさんにもおんぶにだっこで、いい作品になったと思っています。今日は『いぬむこいり』の魅力を少しでも伝え、そのあとにライブをバーンとやって盛り上がっていきたいと思います！」とファンを沸かせた。

本日のもう一人の主役であるPANTAは、『眼球の夢』（16）、『沈黙－サイレンス－』（16）など、俳優としての活躍も近年めざましい。本作で演じたナマ族の王・ナマゴンを彷彿とさせるポンチョ姿で登壇し、「今日は自分のキャラをロックシンガーと映画の中の“ナマゴン”とどちらに設定すればいいのか考えてしまって（苦笑）。僕は映画の現場に行くとアウェイ感がすごくあるのね。でも『いぬむこいり』はそれがない。今日は勝手にしやがれとの素晴らしいライブの機会を与えてくれてありがとうございます！」と、やはり本領発揮できるミュージシャンの顔になって嬉しそうだった。

有森也実が演じた主人公の梓は、天からのお告げに従って離島への旅に出た小学校教師という役どころ。道中で詐欺師、革命家、犬男などと出会い、様々な思惑に巻き込まれ、奇妙な体験をしながらも邁進していくさまを体当たりで熱演した。紅一点の登壇となったこの日のトークでは、華やかな笑顔を浮かべながら、共演者や作品の魅力を紹介していく座長役に専念。「PANTAさんと武藤さんと共演させていただきました。みなさんミュージシャンのお二人のことはよくご存じだと思いますけど、役者としてのお二人もとても魅力的なんです。みなさんに『いぬむこいり』のこと、お二人の役者ぶりをお伝えできたらな、と思います」とお客さんに挨拶したあとは、トークの司会役を務めて、それぞれのキャラクターなどを訊いていった。

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