『いぬむこいり』公開記念トークイベントレポート 【2/3】
(取材:深谷直子)
2017年5月13日(土)より、新宿K's cinemaほか全国順次公開!
PANTA 山根和馬ほぼ全編を通じて登場し、梓に絡む詐欺師のアキラ役を演じた武藤には、「インチキ詐欺師の役ってふわあっとしていて難しいじゃないですか?」と質問。武藤は「ああ……、酔っ払った自分を想定して演じた」と答えて場内を爆笑させながらも、「場の空気もあるじゃないですか? 台本を読んで『こんなシーンだからこういう感情になっているよな』って考えて現場に入って有森さんと演じると、有森さんはすっげえ入ってて、そうなると『よっしゃあ、梓ー!』っていう感じで、それがいつの間にか芝居になっていくっていう」と、ミュージシャンらしく相手役とのセッションによって演技を作っていった体験を語ってくれた。
PANTAは、「昭平すごいよ。このキャラが炸裂している。主演の有森さんを筆頭に、本当に役者さんが素晴らしい」と、俳優陣を称賛。有森から「PANTAさんもすごく難しい役ですよね。王様の役で」と振られて、「“ナマゴン”っていう役名を聞いたときはすごくショックでしたね(苦笑)。でも監督にナマ族とキョラ族の話を聞いたら、ナマっていうのは『新しい』っていう意味なんですよね。で、キョラが『美しい』でしたっけ? 敵がすごいからさ。緑魔子さんですよ。ハンパないですよ」と興奮交じりにキョラ族の女王・卑弥呼を演じた緑魔子のことを話すと、片嶋監督も「緑魔子さんは映画の中で歌と踊りを披露しているんですけど、クルっと回ってお尻出しますからね。71歳のお尻が大変きれいで」と大絶賛した。監督はそのあと「『お尻出してください』って僕は言っていませんよ」と付け加えて笑いを誘ったが、緑魔子が自分から提案して挑んだという熱演は、公開されたら話題となること必至だ。ぜひお見逃しなきように。
ナマゴンの息子であり、わけあって犬男として無人島で暮らす翔太を演じたのは、野性味あふれるダンサーでもある山根和馬。有森に「すごく複雑な役で、犬と半犬と翔太と3つやらなきゃいけないんですよね。『いぬむこいり』の物語を象徴するような役でもあるので難しいと思うんですけど、どうでしたか?」と訊かれて、山根は「監督から事務所に呼び出されて『犬になれ』って言われて、『はあ?』っていう感じだったんですけど、『じゃあやります。ワン!ワン!』とかいろいろやっていたら『お前イケるな』って言われて(笑)。当日の瞬間までどうなるのか分かりませんでしたが、お面をかぶったら自信がみなぎってきて、そのまま最後までやり切りました」と、手探りでの挑戦を振り返った。劇中で犬男と異類婚をする有森は、「私も翔太と『ワンワン』って言いながら戯れているときがいちばん楽しかった」と明かし、まわりから「問題発言!」と突っ込みを入れられていた。
出演:有森也実,武藤昭平(勝手にしやがれ),江口のりこ,尚玄,笠井薫明,
山根和馬,韓英恵,ベンガル,PANTA,緑 魔子,石橋蓮司,柄本 明
企画プロデュース・監督:片嶋一貴
脚本:中野 太,片嶋一貴 プロデューサー:金丸雄一,宮城 広,高橋直樹 撮影:たむらまさき 照明:堀口 健
録音:臼井 勝 美術:磯見俊裕,黒川通利 装飾:大原清孝 衣裳デザイン:嶺井 淳 ヘアメイク:野本滋代
編集:福田浩平 VFXスーパーバイザー:立石 勝 音楽:佐東賢一 助監督:末永 賢,江良 圭 製作担当:山岸秀起
主題歌:「カオス」勝手にしやがれ(hige records/Barbate Rock)
特別協力:指宿市 企画・製作:ドッグシュガー 配給・宣伝:太秦 © 2016 INUMUKOIRI PROJECT
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