たった1人で作った30分の自主制作アニメ
絶望の怪物
2019年12月14日(土)~20日(金)、大阪シネ・ヌーヴォX
12月21日(土)~29日(日)、下北沢トリウッド
12月23日(月)~1月12日(日)、名古屋大須シネマにて上映
ある日、中学生の星野葵は自分と家族が醜い宇宙人の怪物だと知る。彼女と弟の雄太はそのことを知らないまま育った。両親がずっと隠していたから。怪物はおぞましい姿をしている。彼らは薬を使って人間の姿に化けていた。その薬がなぜか葵にだけゆっくりと効かなくなっていく……。
声の出演:麻言,香川理沙,小川隼,川嵜かおる,門倉智美,犬飼真志
アニメーション制作:コタニジュンヤ(原作・脚本・絵コンテ・演出・作画・美術・着彩・撮影・編集・音響・ 監督・ プロデューサー・他全般)
音楽:AKIKO 音響効果:川田清貴 サウンドミキサー:咲良 英翻訳字幕:蔭山歩美
主題歌:「星の終わり」作詞:コタニジュンヤ 作曲:AKIKO 歌:麻言
© JUNYA KOTANI
コタニジュンヤ監督インタビュー
――どうしてこのアニメを作ったのですか?
iPhone で動画が簡単に撮れるので、PV でも撮ろうかなあと考えていたところでなんとなくアニメが作りたくなったような気がします。
――注目してもらいたいポイントはありますか?
音響です。音楽はピアニストの方にすべて作曲してきちんと弾いてもらい収録しました。音響効果、整音、MIX も業界の第一線で活躍されている方に協力いただきました。あとはストーリーとエンディングの歌ですね。
――インディーズアニメならではというエピソードがあれば教えてください。
1人で制作して1人で劇場と交渉して1人で宣伝をやってというのはインディーズアニメならではだと思います。
――映画を見に行こうか迷っている読者にメッセージをお願い致します。
「絶望の怪物」は誰にも相談しないで1人で作りました。だからずっとこの人は何をやっているんだろうと後ろ指を刺されていました。私はこの作品に3年費やしていますが、最初はもっとかかるかもしれないと思っていました。何度かもうこれ以上は進めないかもしれないという現実を突き付けられたりもしたのですが、それでも諦めずに一歩を踏み出せば道は続いていました。そうして劇場にたどり着いたのです。見て欲しいです。
2019年12月14日(土)~20日(金)、大阪シネ・ヌーヴォX
12月21日(土)~29日(日)、下北沢トリウッド
12月23日(月)~1月12日(日)、名古屋大須シネマにて上映
うたかたシノプシス;
声の出演:芽唯 監督・脚本・演出・作画:小さな音 音楽:りでさん
カラー/アニメーション/35分/16:9/2chステレオ 公式サイト
ちょっとワケありな姉と二人で暮らしている新米ラノベ作家の「望月準」。日がな一日山手線に乗りノートPCで小説を書く毎日。そんな日常が永遠に続くと思っていた。ある時、姉の「初芽」がいなくなってしまう。それでも電車内で小説を書きつつ、自称ファンの「つくば」と他愛もない会話をしつつ姉の帰りを待っていた。どれくらい経った時だろうか、唐突に姉が帰ってきた。再び、永遠の日常が始まる…のだろうか。
12月14日(土)、16日(月)、17日(火)、18日(水)、大阪シネ・ヌーヴォXにて上映
小さな音 監督インタビュー
――どうしてこのアニメを作ったのですか?
妹系のアニメは数あれど、姉系のアニメはほとんどありません。無ければ、自分で作ればいいや、という感じで作りました。ただ、この作品で楽しんでもらうというよりは、これを見て、「姉物…ありだな」と思ってもらったり「俺の方がもっとうまく作れる」「商業でも姉物作ってみようか」的な、俺が見たい姉物もっと世の中にあふれろ、みたいな願いが強いです(笑)。制作環境でいうと、昔から、長めのアニメを作ってみたいという気持ちはあったのですが、基本的にはめんどくさがりなので、使いづらいツールや紙を使って書く等はしたくありませんでした。そんな時クリスタでタップ割が出来るという事がわかって、これならいけると思って、制作を開始しました。
――注目してもらいたいポイントはありますか?
あまり動かない所、登場人物の少なさ、場面の少なさ、等でしょうか。ともするとマイナスポイントに聞こえそうですが、手間をかけなくても、どうにか作品として成り立たせる事が出来るという部分はある意味見所だと思います。SFが好きな方にとっては、ありがちなシナリオだと思いますが、そこに姉という要素が加わる事で魅力がアップしている所も注目ポイントです(笑)。とりあえず、ネタに困ったら姉物にするという安易な考えが世界に広まれば良いなと思います。SFをあまり見ない方には、わかりやすいベタな設定の一つを知る機会として楽しんでもらえればと思います。
――インディーズアニメならではというエピソードがあれば教えてください。
基本的には商業アニメの作り方をなぞっているので、ならではの表現は無いと思います。あえていえば一人でやっているので、よく考えてから動けば、ほとんど無駄なく効率的に物が作れるという所でしょうか。商業アニメに限らずですが、複数の人間で物を作ると、説明する時間が必要だったり、次に作業する人の事をあまり考えなかったりと、どうしても無駄が出がちです。その点、一人だと、脚本段階から自分の絵の技量に合わせた芝居にしたり、作業量が増えないよう場面を設定したりと、綿密にカスタマイズする事が出来ます。もっとも、何にも考えずに作り始めてしまう事も可能で、その場合はとん挫の道が待っていそうですが、そうならずに良かったです。
――映画を見に行こうか迷っている読者にメッセージをお願い致します。
最近では一人で作られたアニメも珍しくは無くなっています。レベルが高いものも多数存在しています。ただ、「一人で作られた30分物の姉萌えアニメ」というジャンルでは「うたかたシノプシス;」が日本一面白いと思います(笑)と、冗談はさておき、多くなってきたと言っても自主制作アニメが劇場で公開される事はあまり多くないと思います。YouTube やニコニコ動画で見るのも良いですが、音響の整った大画面で自主制作アニメを見るというのも、あまりできる体験ではないと思うので、是非よろしくお願いします。
ピリオド オブ・ザ マウスマン
監督/制作者:ピエール伊東
カラー/アニメーション/20分/16:9/2chステレオ 公式サイト
フリーターマウスマンは青くて耳が4つある32歳のどこにでもいるおじさん。彼は様々な少女と出逢い、そして死ぬ。夢か現実かわからない世界を彷徨い彼が行き着く先の未来とは?
映画でのタブーと言われている表現にあえて挑戦してみました。先が見えないストーリーをお楽しみください。
12月15日(日)、19日(木)、20日(金)、大阪シネ・ヌーヴォXにて上映
ピエール伊東監督インタビュー
――どうしてこのアニメを作ったのですか?
「作りたいから作った」これにつきます。どうしても作りたいものだったので作りました。映像作りは僕のライフワークみたいなものなので、作っていないと死んじゃうんです(笑)。テーマや表現したいもの先行の方もいると思いますが、僕は作ることそのものが目的でした。プラモデルを組み立てる要領で作っていて楽しかったです!
――注目してもらいたいポイントはありますか?
20 分間とにかく先が読めない物語に設定してみたので全シーンが注目ポイントです。女の子のキャラクターがたくさん出てくるのでそこも注目ポイントの一つですね!リアルに居そうな女の子からアニメの中にしかいないような女の子まで色々出てきます。また、押井守監督や庵野秀明監督のオマージュも多々出てくるので、そういうところも楽しんでいただきたいです!小さな音監督の「うたかたシノプシス;」に通じるテーマや設定を持っている本作ですので、比較して見ていただいても面白いかと思います。ぜひお楽しみください!
――インディーズアニメならではというエピソードがあれば教えてください。
アニメを作る大変さは商用でも自主制作でも変わらないと個人的には思うのですが、自由に作っていい、制約が少ないのが自主制作アニメの良さであり欠点かと思います。何をやってもいいんですが、自分で物語の落ち着きどころや映像のクオリティをどこまで上げるかというところからスケジュールまでを管理しなくてはならない。そういう部分が自主制作アニメならではと思います。
――映画を見に行こうか迷っている読者にメッセージをお願い致します。
人生の中の数割を削って作ったアニメです見てください!商用アニメも面白いですが、作者の気持ちが原液のまま反映された自主制作アニメも面白いですよ!