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距ててて

『距ててて』画像 『距ててて』場面画像1

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2022年5月14日(土)、東京・ポレポレ東中野ほか全国順次公開

INTRODUCTION

4 つのお話、不思議な人々、微妙な空気。

写真家を目指すアコ(加藤紗希)とフリーターのサン(豊島晴香)。二人は共通の友人とともに共同生活を始めたものの、事情により友人が家を出た今やむを得ず二人暮らしをしている。アコは几帳面でストイック、サンはだらしなく自由気まま。正反対な二人の生活が順風満帆なわけもなく、日々の暮らしは微妙な空気に包まれている。
そんなある日、二人の住む木造の一軒家に不動産会社の男がやってくる。なんでもサンが買ったアコーディオンが原因で、近隣住民から騒音クレームが入っているというのだが……。
一人の男が訪ねてくることで始まる「ホーム」、立て篭もりをする女と口下手な男の喧嘩にサンが巻き込まれる「かわいい人」、アコの元に不思議な女の子が現れる「湯気」、口論した二人がちぐはぐな旅に出る「誤算か憧れ」。噛み合わない二人と、二人を取り巻くちょっと変わった人々との日々を描いた 4 章構成のオムニバス作品。

映画『距ててて』(読み:へだててて)は、加藤紗希(振付師/俳優)と豊島晴香(俳優)の創作ユニット「点と」が製作した初の長編映画にして、初の劇場公開作品。「第 41 回ぴあフィルムフェスティバル」に入選した短編映画『泥濘む』(2018 年)に続いて、監督・加藤と脚本・豊島のタッグによる作品になっている。なお、加藤と豊島は本作の主演も務めている。

『距ててて』の製作にあたって、加藤と豊島はコロナ禍で実現可能な少人数での撮影・製作方法を模索。各話、数名の俳優が出演した、 4 幕構成(1 章「ホーム」、 2 章「かわいい人」、 3 章「湯気」、 4 章「誤算か憧れ」)のオムニバス作品に仕立て上げた。
本作の特色は、俳優ならではの視点からおこなったキャスティング、それをもとに当て書きをした豊島の脚本、加藤の俳優に寄り添った演出と現場で作り上げた時間を活かす編集など。ユーモア、他人との距離感、時空間の交差といった要素が散りばめられた独特の作品世界は、映画祭で鑑賞した観客や審査員の間に多様な解釈を生んでいる。

『距ててて』場面画像2『距ててて』は、「第 43 回ぴあフィルムフェスティバル」にて入選・観客賞を受賞、「第 22 回 TAMA NEW WAVE」コンペティション部門に入選、「第 15 回 田辺・弁慶映画祭」に入選と、自主映画や若手映像作家の登竜門とされる国内の主要映画祭に相次いで入選した。そんな本作が、今回初めて劇場公開される。

トークショー情報 @ ポレポレ東中野

5月15日(日):五十嵐耕平(映画監督)
5月16日(月):三浦康嗣(音楽家/□□□主宰)
5月17日(火):玉田真也(劇作家/演出家/映画監督/玉田企画主宰)
5月18日(水):星野概念(精神科医など)
5月19日(木):はましゃか(エッセイ スト/モデル/イラスト レーター/俳優)
5月20日(金):高橋洋(映画監督/脚本家)
5月21日(土):野本梢(映画監督)
5月22日(日):星野智幸(小説家)
5月23日(月):近藤良平(振付家/ダンサー/コンドルズ主宰)

COMMENTARY
  • 五十嵐耕平(映画監督)
    二人の暮らす家によく知らない人が入ってきたり、人の家に行ってみたら理解し難い関係性のカップルが喧嘩してたりする。この世の中には圧倒的な他者がいて、くっついたり離れたりしているんだよねってことが、こんなに牧歌的に成し遂げられるとは思っていなかった。
    それだけじゃなくて、すでにこの世にいない者、過ぎ去った時間も、ちゃんと他者としてこの世界に今もある事として描かれていて、それは僕たちをいろいろな距離の呪縛から解き放ってくれる。
    今この時代にそう思わせてくれるこの映画に、なんだかすごくワクワクする。
  • ウスバアミ(TAMA 映画フォーラム実行委員)
    停滞気味で微妙に息苦しい日々も、些細な出来事たちが積み重なり少しずつ変化していく。
    そうしているうちに、過去から今までの点と点が繋がり、視界が開けたような喜びを手にする瞬間が突然訪れたりする。
    『距ててて』にはそんな生活の難しさや面白さが詰まっていて、わたしもやっていくぞ〜!と元気をもらえた。
  • 酒井善三(自主映画監督)
    無邪気でも、皮肉でもない、独特のユーモア!
    リアルにいるようで、いないような、異様なキャラクター!
    意味不明に爽やかな読後感!
    他の何にも似ていないが、なんなんだコレは!!怪・快・傑作です!
    しかし人との距離感って、ホントこんな風に、一筋縄ではいかないよな……。
『距ててて』場面画像3 『距ててて』場面画像4
  • 前田弘二(映画監督)
    加藤さん豊島さんの、なんとも言えない二人の距離感が可笑しくて何度も笑いました。
    目の前でとんでもない事が起きても、ま、いっか!って思わせる、無敵な力が漂ってて爽快です。
    どこへ向かうか分からない二人のロードムービーを、このままずっと観ていたい。
  • 松林うらら(女優/プロデューサー)
    伸びやかなシスターフッド映画だった。
    誰からも惑わされていなかった。
    彼女たちは、お互いの余白に寄り添おうとしなくても、 目には見えない何かで繋がっている。
    お互いのズレを楽しみ、等身大の関係性を保っている。 生き生きとした豊かな時間だった。
    2 人の空間をずっと眺めていたかった。
  • 佐々木敦(思考家)
    ささやかな日常、のささやかでなさ。
    なにげない生活、のなにげなくなさ。
    そんな「特別ではない特別さ」と「特別でないことの特別さ」を、この映画は繊細に、だが力強く描いている。
  • 新谷和輝(ラテンアメリカ映画研究者)
    安易な共感や感情移入をすりぬける異物たちが混線的に絡みあうことで、「私とあなた」の閉鎖的二者関係は歪み、ほぐれ、生まれ変わっていく。見知ったキャストと共に主演俳優の二人が監督と脚本をつとめる制作手法も、こうした作品のあり方と響きあう。内輪ノリからは遠いところで、ウェットでもクールでもない視線が探し出す秘密の輝きがある。そこには、今を誰かと生きていくことの望外の楽しみが隠されている。
  • 星野智幸(小説家)
    どの物語も、マレビト(闖入者)が押しかけてきて、空気を不穏にする。ずっとゾワゾワして先が怖いのに、一方でもう可笑しくて可笑しくて笑いっぱなし。怖いことと可笑しいことの間には境界はないんだなと発見。迷惑かけ合うって、楽しいね!
  • 近藤強(俳優)
    洗濯、掃除、料理、何気ない会話のシーンがとても印象的だった。日々の生活が丁寧に描かれて、会話の機微がじーんと伝わってくる。でもどこかオフビートでユーモラスな台詞達。そして、それを成立させてる出演者の存在感がすごい。存在感というか、ただそこにいる感じかも。ニコニコで幸せな 78 分でした。
  • 本橋龍(演劇作家)
    何かを抱えつつも最後は屈託なく笑う ED の物語が好きだ。「距ててて」はそうだった。僕らは人生を都度センテンスとしてまとめる。しかし問題の解決なんてありゃしない。ふと物事を俯瞰できた瞬間、句点が打たれ、読み直す自分の文章は滑稽で照れ 臭く、笑っちゃう。そうしたことが讃えられていた。
CREDIT
監督:加藤紗希 脚本:豊島晴香
出演:加藤紗希,豊島晴香,釜口恵太,神田朱未,髙羽快,本荘澪,湯川紋子
撮影:河本洋介 録音・音響:三村一馬 照明:西野正浩 音楽:スカンク /SKANK 宣伝美術:一野篤
宣伝協力:天野龍太郎 製作:点と
2021 年/日本/フィクション/78分

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2022年5月14日(土)、東京・ポレポレ東中野ほか全国順次公開

2022/05/08/18:52 | トラックバック (0)
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