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イメージフォーラム ・シネマテーク No.1025

コールヒストリー

『コールヒストリー』画像 『コールヒストリー』画像2

公式サイト

2019年12月15日(日)、12月22日(日)各日17:00〜
シアター・イメージフォーラムにて上映

INTRODUCTION

福島県の一帯に〈声〉と呼ばれる都市伝説がある。ふとした時、知らない誰かに声をかけられ、他愛もない会話をする。話しているあいだは気づかないが、後になってからはたと気づく。「さっきまで話していた人はヒトではなかった。私はいま〈声〉を聞いたのだ」と……。幼い頃に体験した〈声〉に魅了され、三度目を聞くための手がかりを探し求める「彼」と、その探索に付き合ってきた「私」の関係は、〈声〉に関心をもつ「美術家」の来訪をきっかけにして、少しずつ、だが決定的に変化していく。三者の心象風景を語る朗読音声と、彼らが見たであろう風景映像の重ね合わせによって描く、21世紀の風景論映画。

作家と作品について

佐々木友輔は、「揺動メディア」や「場所映画」など独自の映画理論の構築と、それに基づいた作品制作を通じて、現在の「日本」という場所で生きることの条件を考察する活動をおこなってきた。近年は、60年代末から70年代初頭にかけて議論された「風景論争」および「風景論映画」を主な参照項として、ある土地の風景映像と、その風景に関わりのある物語の朗読音声とを重ね合わせた形式の長編作品の発表を続けている。風景は「語られていないもの」を想像させ、朗読は「見えていないもの」を想像させるというように、両者は一定の距離もしくは無関係性を保ちながら、互いに補完しあうだろう。
『コールヒストリー』は、朗読の菊地ゆきとの共同脚本である。舞台は東日本大震災後の福島。架空の都市伝説とアーティスト・イン・レジデンスを媒介として、地域アートや参加型アートにおけるリサーチやフィールドワーク、ドキュメンタリー映画における撮影や取材が孕む構造的・制度的な問題を浮かび上がらせるとともに、より普遍的なテーマ、すなわち、あらゆるコミュニケーションにかかわる「聞くこと」「受け取ること」の困難に向き合う試みである。

佐々木友輔(ささき・ゆうすけ)
1985年、兵庫県生まれ。映像作家、企画者。主な長編映画に2010年『新景カサネガフチ』、2013年『土瀝青 asphalt』、2016年『TRAILer』、主なグループ展に2015年「第7回恵比寿映像祭」、2016年「記述の技術 Art of Description」(ARTZONE)、主な著作に2015年「三脚とは何だったのか――映画・映像入門書の20世紀」(『ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評』所収、南雲堂)、2018年「房総ユートピアの諸相――〈半島〉と〈郊外〉のあいだで」(『半島論──文学とアートによる叛乱の地勢学』所収、響文社)などがある。

『コールヒストリー』場面画像1 『コールヒストリー』場面画像2 『コールヒストリー』場面画像3 『コールヒストリー』場面画像4
CREDIT
制作・撮影・編集:佐々木友輔
脚本:佐々木友輔、菊地ゆき 朗読:菊地ゆき 音楽:田中文久
主題歌「モノローグ」作詞:菊地ゆき、作曲:田中文久、歌 : 角銅真実、ヴァイオリン : 秋山利奈
協力:高橋裕行、多田かおり、佐々木つばさ、井田遥、山崎七重、根路銘翔以李
スペシャル・サンクス:筒井宏樹、カオス*ラウンジ
89分/ビデオ/2019年

公式サイト

2019年12月15日(日)、12月22日(日)各日17:00〜
シアター・イメージフォーラムにて上映

人間から遠く離れて――ザック・スナイダーと21世紀映画の旅 (日本語) 単行本 人間から遠く離れて
――ザック・スナイダーと
21世紀映画の旅 (日本語) 単行本
2019/12/08/18:35 | トラックバック (0)
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