インタビュー
エドワード・ノートン/『マザーレス・ブルックリン』画像

エドワード・ノートン
(監督・脚本・製作・主演)
公式インタビュー
映画『マザーレス・ブルックリン』について

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2020年1月10日(金)新宿ピカデリー他にてロードショー

全米批評家協会賞を受賞したジョナサン・レセムの同名小説を原作に、時代設定を1999年から1957年に変更して、当時の犯罪映画を彷彿とさせる古典的なスタイルで、今の社会問題にも繋がる現代的なテーマを描きあげたアメリカン・ノワール『マザーレス・ブルックリン』。トロント国際映画祭を始め、ローマ映画祭&テルライド映画祭&ニューヨーク映画祭などで高く評価されている本作で、一風変わったキャラクターを演じつつ、初めてシナリオに挑戦し、約20年振りにメガホンも取るなど、プロデュースも含めて1人4役の活躍を見せたエドワード・ノートンの公式インタビューをお届けする。
STORY 1957年、ニューヨーク。障害の発作に苦しみながらも驚異の記憶力を持つ私立探偵のライオネルは、人生の恩人であり唯一の友人でもあるボスのフランクが殺害された事件の真相を追い始める。ウイスキーの香りが漂うハーレムのジャズ・クラブからマイノリティの人々が集うブルックリンのスラム街まで、僅かな手掛かりを頼りに天性の勘と抜群の行動力を駆使して大都会の固く閉ざされた闇に迫っていく。やがて、腐敗した街で最も危険な黒幕に辿り着くが……。

「トランプ時代の“今”こそ、この映画を作るのに相応しい時」
地元NYでの撮影&フィルム・ノワールの名作『チャイナタウン』の影響も

『マザーレス・ブルックリン』 『マザーレス・ブルックリン』場面1 『マザーレス・ブルックリン』場面2

およそ20年振りとなる監督作で長い時間を掛けて作られたプロジェクトである事に対して、ノートンは、

「そこまで長い期間を想定していた訳ではありませんでした。2012~2013年辺りに何度か制作したいと思い、キャスト&クルーと共に試みたのですが、それに適した手法を見つける事が出来ませんでした」

と、大切な作品だからこそ、生半可な気持ちでやるつもりはなかった事を明かす。しかし、“今”というタイミングについては、

「ただ、不思議なもので、脚本を書き終えた時、オバマが大統領として第二期に再選したところで、自分が書いているものが、もしかしたら今の時代ともはや関係がなくなってしまったのかもしれないと感じました。人種差別による緊迫感は過去の事になってしまうのかもしれないとか、性別による力関係というのはそれほど関心の高いものではなくなってしまったのではと思いました(笑)。そうしているうちに、ドナルド・トランプが、私の映画をまた時代と関連のあるものとしてくれたという訳です。そう考えると、結果的に今こそがこの映画を作るのに相応しい時なのだと改めて思いますね。この映画の後半の部分をご覧になれば、皆さんにもきっとそう思って頂けるでしょう。現在起きている出来事に、非常に関連しています」

と、“今”だからこそ公開されるべき作品になったと自負していた。
前回の監督作からの20年間で、私生活でも父親になったノートン。家族と離れて過ごしていたかと思いきや、

「私は地元で映画を制作しました。没頭しなければならないものでも、午後1時から午前2時まで仕事していたとしても、朝に息子を学校まで送ります。家を離れていた訳ではないのです。そして地元についての映画を作っていたのです。本作では、アレック(・ボールドウィン)、ウィレム(・デフォー)、ボビー(・カナヴェイル)と私は、5ブロック圏内に住んでいますので、多くの場合なるべくマンハッタンのダウンタウンで撮影する事にし、ブルックリンから徒歩15分で、誰もが自宅から至近距離で仕事をしていたのです」

と、ノートンだけではなく、その他の役者にとっても、自宅から徒歩でも通える“地元”での撮影だった事を明かした。
原作の1999年から映画は1957年に設定を変更し、フィルム・ノワールの世界観を踏襲している本作。参考にした作品を尋ねられると、

「富は全て犯罪の上に作られたという、ロマン・ポランスキー監督作『チャイナタウン』(1974年)は私にとって印象的で、その場合、太陽が一杯のロサンゼルスの夢を見てみると、実はそれら全てが窃盗の上に作られたのだという訳ですが、そういうのがとても気に入っています」

と、フィルム・ノワールの名作とも言える作品の影響を語っていた。

マザーレス・ブルックリン (2019 / アメリカ / カラー / 144分 )
監督・脚本・製作:エドワード・ノートン 原作:ジョナサン・レセム「マザーレス・ブルックリン」
オリジナル・ソング:トム・ヨーク「デイリー・バトルズ」
出演:エドワード・ノートン、ブルース・ウィリス、ググ・バサ=ロー、アレック・ボールドウィン、ウィレム・デフォー
配給:ワーナー・ブラザース映画 © 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved PG12
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2020年1月10日(金)新宿ピカデリー他にてロードショー

マザーレス・ブルックリン (ミステリアス・プレス文庫) マザーレス・ブルックリン (ミステリアス・プレス文庫)
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2019/12/12/18:47 | トラックバック (0)
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