2018年 カンヌ国際映画祭 監督週間 正式出品
2019年 ヨーロッパ映画賞 最優秀女優賞ノミネート
ペトラは静かに対峙する
2019年6月29日(土)より新宿武蔵野館、
アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
INTRODUCTION
陽光に溶けてゆく、偽りと真実
カタルーニャの乾いた大地で繰り広げられる、
逃れられない悲劇の連鎖
作品制作のために著名な彫刻家ジャウメの邸宅にやってきた画家ペトラ。彼女の本当の目的はジャウメが自分の父かどうか確かめることだったが、接するうちに、彼が権力を振りかざす、冷酷な人物であることがわかってくる。そんな中、一家の家政婦が謎の自殺を遂げる。そこから始まる、長い負のスパイラルにペトラも巻き込まれていくのだった……。
時系列が前後する章仕立てのストーリー展開により、パズルのピースをはめていくように徐々に明らかになっていく家族の秘密に震撼させられる。
監督のハイメ・ロサレスは長編 6 作品のうち、 5 作品がカンヌ国際映画祭に選出された気鋭の映画作家。主演は『マジカル・ガール』(14)でゴヤ賞主演女優賞を獲得し、本作でヨーロッパ映画賞最優秀女優賞にノミネートされたバルバラ・レニー。複雑な心情を持つヒロインを繊細な表現で演じ切った。また、悪の権化であるジャウメは、なんと 77 歳にして本作で演技デビューを果たしたジョアン・ボテイ。さらに 2018年に名誉ゴヤ賞を受賞したスペインの大女優マリサ・パレデス(『オール・アバウト・マイ・マザー』)がジャウメの妻役を演じている。撮影にエレーヌ・ルヴァール(『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』『幸福なラザロ』)、音楽にクリスチャン・エイネス・アンダーソン(『アンチクライスト』『メランコリア』)も加わり、ハネケ、ランティモスの系譜に連なる、緊張感と不穏な空気をまとった、人間の闇や業をえぐる怪作がここに誕生した。
COMMENT
- キメ細かい人物設定、過不足ないシナリオ、お見事。パズルがぴったり嵌る感じ。さらに個人的感想言えば、初の演技という素人オッサンの吐き気を伴う存在感がスゴい……。――会田誠(美術家)
- 浮遊するカメラは神なのか悪魔なのか?愛なのか試練なのか?
運命という見えない糸が観るものを宿命という迷路へといざない、心と体を静かに縛り上げていく。やがて、観ている者が天空へと浮遊し解き放たれた時無常の笑みがこぼれる。――奥田瑛二(俳優、映画監督) - ギリシャ悲劇は究極のファミリー・メロドラマと盲信させる素材を見守る眼の静謐。その澄んだ厳しさに緑、風、自然のおおらかさを拮抗させて物語る監督ハイメ・ロサレス!じわじわと迫りくる才気に陶然と惹き込まれた。
――川口敦子(映画評論家) - ミノタウルスのような怪物的男の王国に果敢に侵入し、真実を求めるペトラ。彼女はテセウスの助けを借りず、自らがテセウスとなって怪物に立ち向かう。虚偽を見抜こうとする彼女の勇気と眼差しの美しさが印象的だ。
――野谷文昭(東京大学名誉教授・ラテンアメリカ文学) - ピカソやガウディを生み出したスペインのバルセロナがあるカタルーニャ地方。
その美しい風景の中で繰り広げられる人間模様。ヒロインはアーティストとしての新たな領域を生み出す苦悩と自身のルーツを探していく。淡々と過ぎていく日常と異常な事件。それぞれがアートを追求していく異なるプロセスも興味深いものがある。――和多利浩一(ワタリウム美術館 代表)
CREDIT
監督・脚本:ハイメ・ロサレス 撮影監督:エレーヌ・ルヴァール
出演:バルバラ・レニー、アレックス・ブレンデミュール、ジョアン・ボテイ、マリサ・パレデス
2018年|スペイン、フランス、デンマーク|スペイン語、カタルーニャ語|
107分|カラー|1:1.66|5.1ch|PG-12
原題: Petra|日本語字幕: 伊藤美穂 配給・宣伝:サンリス
© 2018 FRESDEVAL FILMS, WANDA VISIÓN, OBERON CINEMATOGRÀFICA, LES PRODUCTIONS BALTHAZAR, SNOWGLOBE2019年6月29日(土)より新宿武蔵野館、
出演:バルバラ・レニー、アレックス・ブレンデミュール、ジョアン・ボテイ、マリサ・パレデス
2018年|スペイン、フランス、デンマーク|スペイン語、カタルーニャ語|
107分|カラー|1:1.66|5.1ch|PG-12
原題: Petra|日本語字幕: 伊藤美穂 配給・宣伝:サンリス
© 2018 FRESDEVAL FILMS, WANDA VISIÓN, OBERON CINEMATOGRÀFICA, LES PRODUCTIONS BALTHAZAR, SNOWGLOBE