現代家族が抱える闇をえぐる、衝撃の問題作
蜜月
2022年3月25日(金)、テアトル新宿ほか全国ロードショー!
榊英雄監督による女優への性行為強要報道を受け公開中止
愛を求めながら壊れていく家族の、愛と再生の物語
山奥の古民家。優しい陶芸家の夫と穏やかに暮らす美月32歳。弟が15年ぶりに現れ、母の死を告げる。封印していた家族の過去があふれ出す。愛する夫との暮らしを守るために美月は過去の黒歴史と対決する――。母親は、ある“事件”がきっかけで離婚し心にトラウマを抱える。美月は子どもながらに不安定な母を支え、母子で必死に生きてきた。母が新たな伴侶を得て、四人家族となったとき、美月は、やっと温かな居場所ができることを期待した、美しい17歳に成長していた。だが、その『女という性』に対し、母はかつての事件のトラウマから、嫌悪・嫉妬し、激しく抑圧する。
美月は母への反抗心から、義父に接近する。ささやかな反抗心だったが、次第に深みにはまっていく。再び“事件”が起こり、家族が崩壊していく……。15年ぶりに故郷の実家へ戻る美月。義弟から15年間にわたる過酷な義母の介護も知らされ、その代償の重さに押しつぶされそうになる。目を背けてはいけない。夫に封印した「秘密」を告白する。その切なすぎる真実に涙する――。
榊英雄監督7年かけて映画化、親としての感情をぶつけた新境地
『捨てがたき人々 』など、これまで社会の片隅で生きる男たちを描き定評のある榊英雄監督が、7 年越しに取り組み、リアルな親としての感情をぶつけ、“家族の愛”という新境地を切り開いた。
『MOTHER マザー 』など一貫して社会的抑圧や差別を題材にした作品を生み出した脚本家・港岳彦によるオリジナル脚本。ヒロインを演じたのは、自身の監督作を発表するなどマルチに活躍する佐津川愛美。傷つきながらも愛を求め一線を越えてしまう 17 歳、秘密を抱えながら夫を愛し平穏な暮らしを望む32歳、過酷な家族環境下、懸命に生きる一人の女性の成長という難役を見事に演じきった。
美月の母五十鈴役に、第 69 回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞作『淵に立つ 』(16/深田晃司監督)で第 71 回毎日映画コンクール女優主演賞など多数の賞を受賞した演技派女優筒井真理子。美月の義父靖男役には独特な存在感が光る俳優板尾創路。美月の義弟伊織役に、大河ドラマ『龍馬伝』で坂本龍馬の子供時代を愛嬌たっぷりに演じお茶の間の人気者となった濱田龍臣。伊織の恋人香澄役にネクストクリエーターから引手数多な森田想。陶芸家で美月の夫哲郎役に、ジム・ジャームッシュ監督『パターソン』(16)などで日本人俳優として初めて出演作が3年連続でカンヌ国際映画祭出品となった国際派俳優永瀬正敏。
- 榊英雄監督
10年前に産み落とされた脚本と出会った時に
歪で闇の深い子供でしたが、何か気になり
どうしても育てたいと感じました。
自分なりに頑張りましたが、もう駄目だと思った時に
佐津川愛美という伴侶と出会いました。
でも子供は中々意固地で意地悪で、心を開いてくれませんでした。
私は途方に暮れかけましたが、佐津川の献身的な愛に漸く心を開いてくれました。
「美月」という名前の女性に成長しましたが、私は不安です。
佐津川と「美月」の親子がいい関係であれば或る程、私は怖いのです。
いつか彼女らに嫉妬し、家族を破壊してしまわないか。。
我々スタッフキャストが懸命に献身的に愛を注ぎ込んだ「美月」を何卒よろしくお願い致します。
映画館の暗闇の中こそに、この家族の物語があぶりだされると信じて。
皆様の光で。 - 佐津川愛美(美月役)
撮影まで4年かかりました。
静かに待ちながら、常に彼女が気になる。
突然自分の人生に入り込んできたようでした。
時間が経つほどにどんどん存在が濃くなっていく。
きっと、彼女はそういう人間なんだと思います。
どこに惹かれたのか、未だにわかりません。
港さんの作り出した世界にいる彼女をただただ演じたい、心の底からそう思いました。
辛いシーンを超えるたびに私は現場で愛を感じていました。
頼もしい共演者、スタッフのお陰で、ひとりぼっちではありませんでした。
だからこそ、ひとりぼっちだった彼女を演じ切れました。
もがき苦しんで生まれたこの作品を、榊組で完成させられたこと、役者として誇りに思います。
どうかこの家族が、スクリーンの先に居る「美月」に届きますように。
- 筒井真理子(加納五十鈴役)
映画「蜜月」の撮影は佐津川愛美さんとの濃密で忘れがたい、まさに蜜月なとても愛おしい時間でした。
内面をさらけ出すような屈折した役に対して、真っ直ぐ向き合っている彼女の姿がとても印象に残っています。
ストイックに挑んだ俳優佐津川さんの移り変わってゆく繊細な表情の変化は、ぜひ映画館の大きなスクリーンで目の当たりにしてほしいです。
この映画には言葉にできない複雑な想いが溢れています。
その感情は、心の奥にある柔らかな部分にそっと触れるものです。
不器用でぎこちなく、でも決して特別ではない一つの家族に会いに来てほしいと思います。
港岳彦さんが作り出した厳しくも優しい世界が美しい映像に昇華しています。
榊監督の作品への熱量と愛を正面から受け止めて下さい。 - 板尾創路(加納靖男役)
家族や親子について考えさせられる映画です。
とにかく女優さん達の演技が素晴らしいです。
主演の佐津川さんの作品との向き合い方と表現力は胸を打つものがあります。 - 濱田龍臣(加納伊織役)
今回の『蜜月』では、今までした事が無い事に挑戦させて頂いた作品でした。
複雑な家庭環境の中で育っていった伊織が抱えている様々な感情をしっかりと受け止めて全てのシーンを撮影させて頂きました。
伊織が抱えている物や、伊織の成長が少しでもスクリーン越しに見る皆様に伝われば幸いです。 - 森田 想(香澄役)
二度目の榊監督のもと、撮影前どんな画になるのかと読み込んだ港さんの脚本によって息が詰まるほど濃密な物語がこうして完成し、香澄として関われたことを光栄に思います。何よりも大好きな佐津川さんとの再演が嬉しく、その妖美な佇まいと目の前で役として生きる姿に改めて惚れ惚れしました。
他にも敬愛する俳優さん方の映画に対する愛を近くで学べ、とても豊かな撮影の期間を過ごせました。
私も楽しみです。是非ご期待ください。 - 永瀬正敏(高橋哲郎役)
役者同士として現場で共に時を刻んだ榊英雄氏に
今回は監督として呼んでいただきました。
心の歪みや暗部、、、積み重ねられたそれは、まるで月が流れくる雲に覆われ、身体から伸びる微かな影も見えなくなってしまった様な主人公、、、
生と性、愛情と憎悪、濃い血の繋がりと繋がらない、家族・親子・姉弟・夫婦を描いた港岳彦氏渾身の脚本。
その世界感と美月に、そっと寄り添いながら、あの日々を生きていました。
覆っていた雲はいずれまた、風に流され美しい姿を見せるのでしょう、、、溢れ落ちた涙と共にスクリーンから離れ、その先へ向かって。
- 脚本:港岳彦
「蜜月」は、正しくあろうと願いながらあやまちを犯してしまう人びと、つまり加害者たちの物語です。
罪を犯すのは(この劇の作者を含め)いつだって男。
それなのに佐津川愛美さんが身代わりとなって、重い十字架を背負います。
ラスト10分、キリストを殺したものの気持ちを味わいながら、佐津川さんの演技にただ泣きました。 - 音楽:和(IZUMI)
わたしは美月が嫌いだった。思いのままに、周りの人を虜にしていく美月。
こんな女がいるから、他の女が迷惑する。
全く知らない人の SNS に、匿名で罵倒する人間みたいな心理状態になった。
思考じゃなくて感覚で生きている羨ましさ。
深層心理にある寂しさを鷲掴みして、その手で誰かを抱きしめていく。
あなたはどうなの?迫ってくる問いかけの波に飲まれそうになりながら、いつのまにか美月のことが忘れられなくなっていた。
そんな彼女のストーリーに併走する音楽は、彼女の中に流れてるであろう、ひたすら無機質な音を追いかけてみた。
そして本当の愛を受け入れた時に、彼女の音は変わるのではないか。
あなたの中にいる「美月」と、この映画でどんな風に出会うのか、楽しみにしています。 - 撮影:早坂伸
この作品の撮影はシンプルさを心がけました。
余計なカメラワークを一切廃し、フィックスメインで佐津川愛美さんをはじめ、演者の芝居に没頭させることを主眼にしました。
狂気シーンの長回しは、自分が今まで撮影してきたなかでも最も震え立ちました。
港岳彦氏の脚本世界とそれを見事に体現している役者さんたち。
撮影者としてはこの上ない至福の時間でした。
- 監督:大森立嗣
- 出演:長澤まさみ, 奥平大兼, 夏帆, 皆川猿時, 仲野太賀
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- 監督:榊英雄
- 出演:大森南朋, 三輪ひとみ, 美保純, 田口トモロヲ, 内田慈
- 発売日:2015/1/6
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