新作情報

17歳の肖像

http://www.17-sai.jp/

4月17日(土)より、TOHOシネマズ シャンテほか
全国順次ロードショー

INTRODUCTION

未知の世界へ憧れ、自らの手で大人への道を切り拓いていく少女の青春ドラマ

『17歳の肖像』1大学進学を目指す少女は、フランスの教養文化に憧れる聡明な16歳。そこに現れた魅力的な年上の男性。彼女にとってそれは、学校の授業とは異なる、心ときめく“エデュケーション”の始まりだった。初めての音楽会、初めてのナイトクラブ、初めての週末旅行、初めての恋……。未知の世界への扉を開け、大人への一歩を踏み出そうとしたとき、優美で自由に思えた大人の世界の裏側に、ほろ苦い真実が存在していたことを知ってしまう。彼女が自ら選んだ人生の答えとは……?
誰もが“成長”という道程で通り過ぎる、視界が急にひらけていくような瞬間、昨日の自分と今日の自分がまるで別人であるかのような感覚、人生で一番楽しかったと思い出せる夜。そんな未知の世界への憧れを描いたこの物語は、すべての“17歳”だった女性に共感を呼び起こすだろう。
年上の異性の導きで訪れるときめきは、いつの時代も心を打つ名作のインスピレーションになってきた。『ローマの休日』『マイ・フェア・レディ』『プリティ・ウーマン』。しかし、本作がほかの恋物語と違うのは、幸せへ導いてくれるのは男性ではないということ。絶望的なほどに傷ついて、自分の情けなさをも噛みしめた時、それでも後悔をせずに前を向いて進んでいこうとする少女が、自らの力で明るい未来を切り拓こうとする物語、それが『17歳の肖像』である。
舞台は、ビートルズ全盛以前の60年代のロンドン郊外。劇中にはジュリエット・グレコのLPレコードやシャネルの香水といった小道具が、大人の世界への憧れの象徴として巧みに使用されている。また、イギリスの文化が花開く前の、まだつつましやかだった頃の街並みやインテリアにも細心の注意が払われている。当時のヨーロッパの文化・ファッションを再現したディテールも本作の楽しみだ。

映画賞総なめ!!すでに17冠!!(2010.1.14現在)
驚異の演技派新人キャリー・マリガン

2009年サンダンス映画祭で初めて披露され、観客賞に輝いた本作は、この一年、世界中の映画ファンから愛され続けてきた。とりわけ誰もがあっと驚かされたのが、ジェニーを演じた新星キャリー・マリガン。どこまでも観客の目と心を引きつけてやまない圧倒的存在の登場に、たちまち“新たなオードリー・ヘップバーン”の呼称がメディアのヘッドラインを飾り、一大センセーションを巻き起こした。さらに、ナショナル・ボード・オブ・レビューや英国インディペンデント映画賞での主演女優賞受賞のほか、第67回ゴールデン・グローブ賞(ドラマ部門)や英国アカデミー賞での主演女優賞ノミネートなど、この映画賞シーズン、メリル・ストリープやヘレン・ミレンなどのオスカー女優を向こうにまわして、堂々と賞戦線を勝ち抜き続けている。
恋や音楽やファッションに憧れる、ごく普通のティーンの女の子としての可愛さ。制服からドレス姿へ鮮やかに変貌する美しさ。そして、ただ恋に溺れるのではなく、自分を見つめる理性を持ち、たとえ涙を流すことがあろうとも前向きに未来を切り拓いてゆける爽やかさ。少女と大人の狭間に位置する年頃の多面性を演じ分け、スクリーンいっぱいに魅力と才能を花開かせたマリガンの、記念すべき映画主演デビュー作としても、本作は映画史に名を留めることになるだろう。

英人気辛口女性ジャーナリストの実体験を女性監督が映画化

『17歳の肖像』2原作は英国きっての人気記者リン・バーバーの回想録。彼女の実体験を基に、『アバウト・ア・ボーイ』『ハイ・フィデリティ』の原作で知られるベストセラー作家ニック・ホーンビィが脚色した。監督は『幸せになるためのイタリア語講座』で数々の映画賞に輝いたデンマーク人女性監督ロネ・シェルフィグ。原題『An Education』が示唆する複雑な意味合いをかみしめながらも痛快な気分にさせられる、後味爽やかな作品に仕上げた手腕は高く評価されている。

共演には英米の実力派が顔を揃えた。謎を秘めた年上の恋人デイヴィッドを演じたのは『ニュースの天才』でも善玉か悪役か判別しがたい役柄を絶妙なバランスで演じ、ゴールデン・グローブ賞候補になったピーター・サースガード。デイヴィッドの仕事仲間ダニーを演じるのは『ヒストリーボーイズ』で注目されたドミニク・クーパー。ダニーの恋人ヘレンには『007/ダイ・アナザー・デイ』『プライドと偏見』のロザムンド・パイク。ジェニーの進学を一番期待している父親ジャックには『フリーダ』『ダ・ヴィンチ・コード』の演技派アルフレッド・モリーナ。母親マージョリーには『ギャング・オブ・ニューヨーク』のカーラ・セイモア。ジェニーの学才を認めている先生役に『シックス・センス』のオリヴィア・ウィリアムズ、そして、ジェニーの行動を厳しく見つめる校長役には『ハワーズ・エンド』『いつか晴れた日に』のオスカー女優エマ・トンプソンが出演している。

Story

1961年、ロンドン郊外のトゥイッケナム。ジェニー(キャリー・マリガン)はこの町の学校に通う16歳の少女。両親のジャック(アルフレッド・モリーナ)とマージョリー(カーラ・セイモア)は、成績優秀なジェニーがオックスフォード大学に進学することを期待している。苦手なラテン語に悪戦苦闘し、楽団でチェロを弾き、寝室ではジュリエット・グレコのシャンソンに耳を傾け、フランスに憧れ、ロマンティックな恋を夢見る日々……もっとも、今のボーイフレンドは、生真面目だが冴えない同級生のグラハム(マシュー・ビアード)。現実はロマンティックにはほど遠いように思われたが、大学に入ればもっともっと自由に好きなことができると信じていた。だが彼女の人生はある日突然、一変する……。
楽団の練習の帰り道、どしゃぶりの雨に見舞われたジェニーは、高級車を運転する見知らぬ大人の男性から声をかけられる。「君のチェロが心配だ。チェロだけ載せるから車の脇を歩いて」。自宅までのほんの僅かな距離を行く間に、彼の紳士的な態度と柔らかな物腰、ウィットと教養に富んだ言葉が、魔法のようにジェニーの心を捉える。気がつくと、彼女は彼の隣のシートに座っていた。それがデイヴィッド(ピーター・サースガード)との出会いだった。
雨の出会いから数日後、ジェニーは街角でデイヴィッドを見かけて声をかける。彼女を音楽会と夕食に誘うデイヴィッドの申し出を喜んで受けるジェニー。問題は堅物の父親だ。ジェニーの大学進学のことしか頭にない父親が、許すわけがないとわかっていた。ところが金曜の夜、彼女を迎えにやって来たデイヴィッドは、巧みな話術でたちまちのうちに初対面の父親の了解を得て、彼女を驚かせるのだった。
『17歳の肖像』3デイヴィッドは友人で美術品取引の仕事仲間のダニー(ドミニク・クーパー)とその恋人ヘレン(ロザムンド・パイク)をジェニーに紹介する。彼らが足を運ぶナイトクラブや絵画のオークションに同行したジェニーは、今までまったく知らなかった洗練された大人の世界にすっかり魅了されていく。彼女は生まれて初めて、“人生を楽しむ”ということを知ったと同時に、これまでの自分の人生が急に色褪せたものに思えてしまった。踏み出した世界の心地よさに浸りながら、それを教えてくれたデイヴィッドにますます恋をしていくジェニー。そしてデイヴィッドもまた、ジェニーの聡明さに惹かれていくのであった。
音楽会の次に、デイヴィッドはオックスフォードへの週末旅行にジェニーを誘う。泊りがけの旅行はさすがに父親に反対されると思っていたジェニーだったが、またもデイヴィッドは、オックスフォード大学の恩師であり有名作家のC・S・ルイスを紹介すると言って、父親をうまく説得してしまう。初めての旅行に胸を躍らせるジェニーは、見違えるほどのおしゃれをして旅立つ。旅先でも仕事に精を出すデイヴィッドたちに、大学見学をするとばかり思っていた彼女は若干の違和感を覚え始めるが…。
初めての真剣な恋に夢中のジェニー。17歳の誕生日を前に、もう後戻りできない大人への入り口で、大切な選択を迫られる。そして、彼女が最後に自ら選んだ道とは……?

4月17日(土)より、TOHOシネマズ シャンテほか
全国順次ロードショー

Production Note

ベストセラー作家が有名ジャーナリストの回想録に惹かれた理由

本作は英国で人気の辛口ジャーナリストであるリン・バーバーが雑誌に書いた短い回想録が基になっている。彼女はこう話す。“いつかは最初の恋人のことを振り返らなくてはと、ずっと思っていたわ。あれは途方もない経験だったとずっと思っていたから。この話は夫にしかしてなかったの。これは私がずっと抱えてきた秘密のようなものね”。
本作の脚本を手がけたベストセラー作家ニック・ホーンビィは、バーバーの回想録に興味を持った理由をこう語る。“リン・バーバーの書く人物評は極めて強烈で、時にはケンカ腰。それで、彼女が自分の若い頃のことを書いたと聞いて、ああ、それは知りたい!って思ったんだ。彼女の記事を読んだ人は彼女にすごく興味を持つんだが、リンは記事の中に自分自身を出すようなことは決してしないので、彼女の若い頃の物語ってどんなだろうって思ったのさ”。
“はっきり言えることがひとつある”と彼は言う。“あれを読んだ後、僕は妻のアマンダ・ポージー(本作のプロデューサー)に渡してこう言った、‘ほら、ここに映画があるぞ’。妻も同じ考えを持って、それでプロデューサー仲間のフィノラ・ドワイヤーと一緒に脚本家の検討を始めた。それを見ていたら段々妬ましくなってきてね――‘そんなダメ脚本家に任せてどうするんだ?’――みたいなことさ。それで、僕にやらせてくれないかって言ったんだ”。
雑誌では10ページばかりの回想録を、まだ実現の保証のない映画のために脚色するのは、大きな賭けだった。“でも、この仕事に報酬を求める気持ちはなかったね。僕にはジェニーの人生が分かる気がしたんだ。僕も郊外育ちで、両親とも大学には行ってないからね。僕が気に入ったのは、‘人生vs教育’とも言えるジレンマの豊かさだ。僕は昔、教師をしていたんだが、最後はそのことばかり考えていた。自分ならリンの作品をふくらませて脚本に出来る、映画的に面白い作品に出来るって確信があったよ”。
バーバーはこの作品に終始協力的だったが、ある時点からは“私たちを信頼して後は任せることにし、手放したように見えた”とポージーは言う。“映画版を初めて観た時、彼女はこう言ったのよ、あんまり夢中になってしまって、最後はどうなるのかと思ったわって。自分の話だということを忘れていたのね”。

少女の心を描き出すために集結した女性製作陣

ホーンビィは、この映画の監督は女性でなければ、と考えていた。彼は言う。“脚本のジェニーをふくらませていく間は、女性プロデューサーたちが彼女を見守ってくれていた。でも、撮影現場で若い女優とうまく仕事のできる女性監督がいてくれたら、その存在価値は計り知れない、と僕は思っていた。ロネ・シェルフィグが興味を示してくれた時は、僕ら全員、どんな考えか聞いてみたいって思ったよ。ロネは脚本の理解も鋭かったし、どこまでも熱心で、それにアウトサイダーの視点で細かいところまで見てくれた。監督に決まると、彼女は1961年の英国に没頭する作業を始めた。服装とか車とかケーキとかね。彼女と出会えて僕らは運がよかったよ”。
キャスティングの仕事は主にキャスティング・ディレクターのルーシー・ビーヴァンに任された。この役をそんな人にオファーしたら失礼ではないか、とホーンビィが思うような時でも、女性プロデューサー・コンビとビーヴァンは志を高く持ち続けた。エマ・トンプソンが早い段階で校長役を引き受けたことは、この企画に安心感と期待感を持たせるのに役立った。こうしてアルフレッド・モリーナ、ドミニク・クーパー、ロザムンド・パイクといった英国きっての名優たちが参加することになった。

16歳のジェニーを演じた新星キャリー・マリガン

キャリー・マリガンの非凡な才能は、舞台やTVで一緒に仕事をした人々の間では既に評判になっていた。だが彼女の作品を見たことがなかったホーンビィは、16歳のジェニー役に当時22歳のマリガンを起用するというアイディアを初めて聞いた時は、失望したという。
“アマンダによれば、僕は‘そうか、何もかもぶち壊しだな’って言ったらしいよ。違う映画になると思ったんだ。年が上ということは、ずっと分別臭い子が主役だということだからね。ところが制服姿のキャリーの最初のシーンを見たら、あまりに幼く見えるので、これは『ロリータ』のリメイクまがいになるんじゃないだろうなって心配になったほどさ。キャリーのお母さんが撮影現場に見えた時に、キャリーは自分の童顔をずっと悩んでいたって教えてくれたけど、今回はそれが吉と出たね”。
マリガンは、16歳の役をオファーされた時はちょっとしたパニックに陥ったという。“22歳がティーンのふりをしているだけに見えるんじゃないかって心配で。それで自分が16歳の時はどうだっただろうと考えてみたけれど、大して変わっていなかった。もっと声が高くて笑い上戸だったかなって想像してみたけれど、そんなことはなかった。16歳と、もっと年上になってからとの唯一の違いは、以前は自分の言葉で他人が傷つくことに無自覚で、控えめにするのが下手だったってことね。自己評価が下手だったってこと”。
久しぶりに制服を着て教室に座ることで、マリガンは外見だけでなく、気持ちまでティーン時代に戻ったという。“制服を着たらぞっとしたわ。クルーのみんなが私のことを12歳みたいに扱い始めたのよ。私の前では汚い言葉を使わなくなったりね。教室であるシーンを撮っている時、‘やれやれ、何てつまらないんだろ!’って思えてきて、ハッとしたわ。危ない危ない、学生モードに戻ってるぞ、目を覚ませって”。
衣装デザイナーのオディール・ディックス=ミローにとってジェニー役は、“変化に富んだ長い旅”だった。“制服の時は16歳、17歳に見えなくてはいけないでしょ、それがまず課題。次に、そこからスタートしてヘレンに変身させられるところまで行かなくてはならない。難しかったのは最初の変身だったわ――制服は難しくはなかった。でも、こんなにこの子は変わるんだ、そしてやっぱりまだまだ子供なんだ、とみんなに納得させるためには、どこまですべきか?”
“こんな女優は他に思いつかないよ、女子学生を演じても説得力があるし、変身後もあんなに魅力的なんだから”とホーンビィはマリガンを絶賛する。“それにもちろん、演技もできる。若手女優にとってはこれは大役だ――ジェニーは全部のシーンに出ているからね――でも観客が彼女を見飽きることはないと思うよ。彼女の演技はとても細やかで、とても知的だから、退屈するなんてあり得ないね”。

難役デイヴィッドを巧みに演じたピーター・サースガード

デイヴィッド役はスター俳優なら普通は敬遠したくなる役どころかもしれない。だが幸い、早い段階で米俳優のピーター・サースガードがオファーを受けてくれた。“彼は、この役のせいでロマンティック・コメディの主役を演じる機会が減るかもしれない、なんて心配は、あまりしていないようだったね”とホーンビィは言う。
サースガードは撮影中の心境をこう語る。“この人物はアウトサイダーのような気持ちを感じていて、本当の自分とは別人のふりをしているが、僕も撮影現場にいる間、まさにそうだったよ”。デイヴィッドについては、“ジェニーといる時のデイヴィッドは、まるですべてを初めて経験し直しているような感じだね――‘いい車だなぁ、そうだろ?パリって素敵な街だなぁ、そうだろ?――大事なのはセックスじゃない、人生なんだ。彼は「悪い大人」ではない。ただ、人生を精一杯謳歌したいと思っているだけなんだ”。とサースガードは言う。
 ドミニク・クーパーは、“ピーターにはデイヴィッドのように、愛すべき子供っぽさがある”と言う。“いつもクスクス笑っているんだ。危険な香りも漂わせるけれど、大抵は彼は全幅の信頼のおける、クスクス野郎さ”。
ジェニーは初めてデイヴィッドと会った時、彼の車に乗せてもらう。これは脚本通りだが、サースガードとマリガンは、彼の説得が成功しない限りジェニーは車に乗らない、と決めていた。
“デイヴィッドの誘い方はとても巧みだけど、私の仕事は彼がジェニーを誘惑したように観客を誘惑することだったわ”とシェルフィグ監督は言う。“もし彼のとても素敵な外見の下で何が起きているかがばれてしまうと、先が見え見えになってしまう。彼は観客に同情されなくては。観客に好かれなくては。私は彼のことはとても興味深い人物だと思ったし、彼が悪くなればなるほど、ますます好きになったわ”。

時代背景 ―― スイングの60年代到来を目前にした夜明け前の英国

本作の時代設定は1961年から62年。それはまだ英国にスイングが到来する前だった。
“シックスティーズ60年代のことが話題に出る度に、私は声を大にして言いたくなる”とバーバーは言う。“シックスティーズ”は、実際には63年か64年頃までは始まっていなかった。それまではまだまだ退屈な時代だったのよ”。
“僕にとってこの映画の設定として魅力だったのが、1961年、まだ英国が戦後の耐乏生活から抜け出せずにいた頃の話、という点だった”とホーンビィは言う。“当時、英国は極めて島国的な貧しい国だった。米国は第二次大戦で豊かになった。彼らの50年代――大型乗用車やロックンロール――は繁栄の産物。向こうではキャデラックがすべて。ところが英国ではまだ、みんなバス停に並んでいたんだ”。
マリガンは、“これはジェニーにとっての人生の第一歩を描いた物語だけれど、同時に“シックスティーズ”の第一歩を描いた物語でもあるの”と言う。“‘あら、“シックスティーズ”物の映画に出るんだ’ってよく言われるわ。‘いいえ、フラワー・パワーとかじゃないの。その前の話’って答えると、‘その前って何があったの?’ で、こう言うの、‘別に!’”
“ジェニーの両親のジャックとマージョリーはまさにあの時代の産物”とホーンビィ。“ところがジェニーはそれにいらだち始めている。そしてデイヴィッドは導き手として完璧な人物――50年代から60年代へと彼女を導くわけだ。それはまるで、‘スイングのシックスティーズ’がトゥイッケナムの町のジャックとマージョリーのキッチンに、他所より数年早く訪れたようなものさ”。
サースガードはこう語る。“あの頃はみんなが楽しいものに飢えていて、大勢の人たちがそれをまさに享受しようとしていた時代だ。しかも、ルールなんかお構いなしに享受しようとしていた。デイヴィッドにはそういうところがあるね――あと8年も待てば、彼はいやというほどの楽しみを享受できたと思うよ”。
ディックス=ミローは当時の映画をたくさん見て本作の衣装の参考にした。デイヴィッドの衣装は1962年のヒット作『007/ドクター・ノオ』のショーン・コネリーがモデルになっている。彼女は言う。“当時のニュー・ルック、50年代からまさにこの60年代へ入っていく感じだったからよ”。
シェルフィグ監督は1957年のデンマークを舞台にした作品を撮った経験があり、この時代の欧州の空気はわかっていたが、ロンドンについては門外漢だった。“だから慎重に、間違いのないよう気をつけたわ”と彼女は言う。“英国人じゃなくても、トゥイッケナム生まれじゃなくても、1961年に16歳だった人じゃなくても、そこで起きていることが理解できるようにしようと気を遣ったの。あの時代の香りをちゃんと出そうと努めたわ。なぜなら、もし今の観客に共感してもらえるとすれば、この話はあの時代を舞台にする以外あり得ないって思っていたから”。

ジュリエット・グレコ、ベス・ロウリー、ダフィー…映画を彩る音楽の魅力

シェルフィグ監督は本作に使う音楽を求めて何百もの曲を聴いたと言う。“あの時代の香りを知るためにね。そしてそれぞれがうまくマッチして、決して物語の純粋さやシンプルさに勝ることがないように”。
ジェニーの憧れの対象はフランスの音楽や映画、食べ物だ。“1961年は、英国の若者たちが、太平洋の向こうではなく、海峡の向こう側にインスピレーションを求めた最後の時代だったと思う”とホーンビィは言う。“ビートルズやストーンズはもういたけれど、ジェニーとデイヴィッドが出会った時は、まだ彼らのレコードは一枚も出ていなかった。もちろん、リトル・リチャードやエルヴィスを使うこともできたけれど、ポップスは中流階級の頭のいい子たちの間では、まだ評価されていなかったんだ”。
ジュリエット・グレコのシャンソンは本作に2曲使われている。他に使用料が高かったため断念した曲もあった。“僕らはグレコの録音のうち、最後に候補に残したものだけ使用許可を取ったんだ――予算の範囲内でね――、それもロネと僕が本人に手紙を書いて承諾をもらった後でだよ”とホーンビィは明かす。
サウンドトラックには英国のふたりの若手人気シンガー・ソングライターも曲を書き下ろしてくれた。2008年にデビューアルバム「リトル・ドリーマー」を出したベス・ロウリーと、同じく08年にデビューアルバム「ロックフェリー」を出し、60年代風の曲調で人気を獲得しているダフィーである。ロウリーはナイトクラブのシーンでは歌手として出演し、“You Got Me Wrapped Around Your Little Finger”を自ら歌ってみせている。
音楽を担当したのは、シェルフィグ監督が以前から組みたいと熱望していた作曲家ポール・イングリッシュビィ。彼がまだ撮影が始まる前に作った‘ジェニーのテーマ’は、監督たちをインスパイアするのに大いに役立った。
シェルフィグ監督は言う。“ワルツが欲しいということははっきりしていたの――私が監督した映画には必ず1曲入っているのよ。ニックの脚本に、通りでダンスを踊る重要な場面があって、主人公ふたりの美しく複雑なやりとりが描かれているんだけれど、そこがうってつけだったわ”。
レコーディングはビートルズが使ったことで有名なアビー・ロード・スタジオで行われた。“監督冥利に尽きる日々だったわ”とシェルフィグ監督は振り返る。

いつの時代にも通じる物語 ―― 年上の異性への憧れ

プロデューサーのアマンダ・ポージーは、“私たちは最初から、これは普遍的な話だと思っていたわ”と言う。彼女はともに製作を務めたフィノラ・ドワイヤーと、学生時代に年上の男性と付き合った経験について話し合ったが、その結果、多くの女性が、時には男性さえもが、年上の異性と付き合った経験を持っていることが分かった。この映画のオーディションを受けた少女たちの多くも、親が聞いたら目を丸くするような体験を話してくれたという。
ドワイヤーは言う。“私もこれは普遍的な話だと思う。若い時に、自分にないものを求め、退屈に思える存在から逃れて、別の世界への興味をかきたててくれる魅力的で楽しい人に出会う話よ”。
シェルフィグ監督はジェニーについて、“彼女は犠牲者とは言えない”と言う。“ただひとつ、彼女がデイヴィッドよりはるかに若いという事実を除いてはね。だから責任があるとすれば彼。でも彼女もそこで起きていることに加担しているわけだし、物語の中で17歳になるのだから、子供ではないわ。とは言え彼女は純潔。これは彼女の純潔喪失の物語であり、悪役はデイヴィッド――それを私はつい忘れそうになるの、彼が大好きなものだから”。
シェルフィグ監督はこう語る。“願わくば、この映画がもっとずっと過激な出来事の起きる映画と同じぐらい感動を与えてほしいと思う。というのも、ジェニーにとっては、これは人生の重要な転機だもの。彼女が映画の中で経験するようなことは、あまり多くの人には経験していてほしくないけれど、それでもきっと観客の皆さんは共感してくれると思うわ”。

C R E D I T

キャスト
デイヴィッド/ピーター・サースガード ジェニー/キャリー・マリガン ジャック/アルフレッド・モリーナ
ダニー/ドミニク・クーパー ヘレン/ロザムンド・パイク スタッブス先生/オリヴィア・ウィリアムズ
校長/エマ・トンプソン マージョリー/カーラ・セイモア グラハム/マシュー・ビアード セイラ/サリー・ホーキンス

スタッフ
監督/ロネ・シェルフィグ 製作/フィノラ・ドワイヤー&アマンダ・ポージー
脚本/ニック・ホーンビィ(リン・バーバーの回想録に基づく)
製作総指揮/デイヴィッド・M・トンプソン,ジェイミー・ローレンソン,ニック・ホーンビィ,
ジェイムズ・D・スターン,ダグラス・E・ハンセン,ウェンディ・ジャフェット
撮影/ジョン・デ・ボーマンBSC 美術/アンドリュー・マッカルパイン 編集/バーニー・ピリング
音楽/ポール・イングリッシュビィ 衣装/オディール・ディックス=ミロー
メイクアップ&ヘアデザイナー/リジー・イアンニ・ジョルジュ 音楽スーパーバイザー/クリ・サヴィッジ
ライン・プロデューサー/キャロライン・レヴィ キャスティング/ルーシー・ビーヴァン

2008年イギリス映画/原題:AN EDUCATION/スコープサイズ/全6巻/2,740m/
ドルビーデジタル、ドルビーSR/本篇上映時間:1時間40分/字幕翻訳:野口 尊子/PG-12/
サントラ発売・販売元:ユニバーサル ミュージック合同会社/配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト:http://www.17-sai.jp/

4月17日(土)より、TOHOシネマズ シャンテほか
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2010/03/20/05:49 | BBS | トラックバック (0)
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