ブルージャスミン
http://blue-jasmine.jp/2014年5月10日(金)より、新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ、
シネスイッチ銀座&シネ・リーブル池袋ほか全国公開!
ヨーロッパからアメリカ西海岸へ、
ロマンティック・コメディからシリアスで辛辣なドラマへ――。
残酷なまでにひとりの女性の心の奥底に迫り、
人間の本質をあぶり出す、ウディ・アレン監督の最新作!
ヨーロッパの主要都市を巡って『ミッドナイト・イン・パリ』『ローマでアモーレ』といった珠玉作を放ってきたウディ・アレン監督が、初めてアメリカ西海岸を舞台に撮り上げた『ブルージャスミン』。監督作44本目にして歴代5位の記録を早々に達成し、世界各国でロングラン・ヒット中のこの最新作は、軽妙でシニカルな作風でおなじみの天才監督の真の“凄み”が発揮されたヒューマン・ドラマである。近年の群像劇形式のロマンティック・コメディ路線とはがらりと趣向を変え、思いがけない未知の冒険を余儀なくされたひとりの女性の姿をシリアスに描出。突然すべてを失い、絶望のどん底へと真っ逆さまに転落したセレブリティの運命を、残酷なまでに冷徹な眼差しで見すえていく。同情欲しさののメロドラマとはかけ離れ、人生の崖っぷちに立たされたヒロインの心の奥底に容赦なく踏み込んだ本作は、ふだん誰もが目を背けがちな人間の本質を剥き出しにさせ、身震いするような驚きを呼び起こす。
この物語の発端は昼食中に妻から聞いたある女性の身の上話だったと、アレンは明かす。その女性は長年にわたりとても裕福な毎日を送っていたが、いきなり政府に宝石やら住宅やら自家用ジェットやらの資産を没収されたそうだ。そして店員として働き始めるも、これまでの生活との落差に大変な苦労を強いられた。アレンは彼女が体験した“人生の悲劇的な展開”に興味を持ったと言う。それが本作の骨格となり、他の要素が肉付けされ、ここに天才監督と名女優の新たなる代表作が誕生したのだ。
サンフランシスコの空港にジャスミンという名の女性が降り立った。かってニューヨーク・セレブリティ界の花と謳われた彼女の華麗なる人生は、ある日突然崩壊した。実業家でハンサムな夫との結婚生活も資産も何もかも失ったジャスミンは、庶民的な妹宅に身を寄せて再出発を図る。しかし過去の栄華を忘れられず、不慣れな仕事や勉強に疲れ果て、精神のバランスを崩してしまう。やがてすべてに行き詰まった時、理想的なエリート男性と巡り会ったジャスミンは再び上流階級への返り咲きをもくろむのだが……。
映画史に燦然と輝くヒロインに、ウディ・アレン創造の
新たなる主人公“ジャスミン”が名を連ねた。
ケイト・ブランシェットのその鬼気迫る、
キャリア最高のパフォーマンスに喝采!
これまでダイアン・キートン、ミア・ファロー、シャーロット・ランプリング、ジーナ・ローランズといった大女優たちと組み、幾多の複雑な女性キャラクターを生み出してきたアレン。その彼に「世界で最もすばらしい女優のひとりだ」と言わしめたのが、本作で初のコラボレーションが実現したケイト・ブランシェットである。彼女の扮するのは虚栄心とプライドだけは人一倍で、「平凡だから」という理由で本名のジャネットをジャスミンに変えた元セレブ美女。“本当の自分”や“目の前の現実”と向き合うことができず、急場しのぎの嘘と現実逃避を繰り返す女性というリスクの大きな難役を、魅惑的なエレガンスとはかなさを吹き込んで見事に体現した。『欲望という名の電車』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたヴィヴィアン・リー、『サンセット大通り』のグロリア・スワンソンといった映画史上の伝説的な女優たちの名演技にも比肩しうる、そのキャリア最高のパフォーマンスには絶賛評が相次いでおり、全米の賞レースの先頭を快走。ゴールデン・グローブ賞を制した今、オスカー最有力との呼び声がひときわ高まっている。(後にオスカーを獲得した。)
ジャスミンの浮世離れした“過去”と痛々し過ぎるほど悲惨な”現在”を鮮やかに対比させ、観る者の好奇心を掻きたてるようにヒロインの危なっかしい行く末を映し出すアレン節は切れ味十分。安易な共感をはねつける型破りなキャラクター造形は、他の追随を許さない鋭い人間洞察力を改めて印象づける。
ブランシェットの脇を固めるキャストには、いつものアレン作品と同様に個性あふれる演技巧者たちが配された。ジャスミンに偽りの幸福を与えたハル役は、『アリス』『ローマでアモーレ』に続く3本目のアレン作品となるアレック・ボールドウィン。外見から男の趣味までジャスミンとは対照的な妹のジンジャーを演じるのは、『ウディ・アレンの夢と犯罪』『ハッピー・ゴー・ラッキー』のサリー・ホーキンス。ブランシェットと同じく、ゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞のダブルで助演女優賞候補となった。さらに『ニュースの天才』『17歳の肖像』の曲者俳優ピーター・サースガードが、ジャスミンの胸をときめかせるエリート外交官に扮している。
ジャスミンの想い出の曲として、劇中に何度か流れるのはスタンダード・ナンバーの『ブルームーン』。またジャスミンを彩る数々のファッションを代表するのがシャネルのジャケット。カール・ラガーフェルドへの謝意がクレジットされている。
人生のどん底に堕ちた、ブルーすなわち憂鬱なジャスミン。
再び夢のようなセレブリティ生活に返り咲くことができるのだろうか?
ニューヨークのセレブリティ界の花ジャスミン(ケイト・ブランシェット)は、裕福でハンサムな実業家のハル(アレック・ボールドウィン)との結婚生活も潤沢な資産もすべて失い、人生のあらゆる面でどん底に堕ちていた。華やかな舞台への返り咲きを願うジャスミンは、妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)の暮らすサンフランシスコへとやって来る。里子同士で血のつながりのない姉妹と言えども、ふたりは対極だった。ジンジャーはバツ1のシングル・マザー。彼女の質素なアパートへ到着するや否や、ジャスミンはかつてハルとの愛の巣だったマンハッタンの瀟酒な家へと思いを馳せる。過去の幸せにしがみつき、今や抗うつ薬とウォッカが手放せないようだ。
生活費を稼ぐ能力など皆無のジャスミンだったが、受付の職を得て、夜はインテリアの資格を取るためのコンピュータースクールに通い始めた。不慣れな仕事の上に勉強も重なり、疲労が色濃く、日に日に神経がすり減っていく。
しかし、ある日ジンジャーと出掛けたパーティでジャスミンは、ドワイト(ピーター・サースガード)という政界進出を狙うリッチな独身男性に出会い、彼こそが自分をすくい上げてくれる存在だと確信する。自分はインテリア・コーディネーターで東海岸の高級別荘地の邸宅を何軒も手掛け、外科医の夫は病死したと告げた。上流階級の身のこなしが染みついたエレガントなジャスミンにドワイトはすっかり魅了されている…。果たしてジャスミンは、転落の人生から這い上がり、再び大輪の花を咲かせることができるだろうか?
出演:ケイト・ブランシェット『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『エリザベス』、
アレック・ボールドウィン『ローマでアモーレ』、
サリー・ホーキンス『ウディ・アレンの夢と犯罪』、ピーター・サースガード『17歳の肖像』
2013年/アメリカ/1時間38分/英語 提供:KADOKAWA、ロングライド 配給:ロングライド
© 2013 Gravier Productions, Inc.
http://blue-jasmine.jp/
2014年5月10日(金)より、新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ、
シネスイッチ銀座&シネ・リーブル池袋ほか全国公開!
映画と恋とウディ・アレン 完全版 [DVD]
- 監督:ロバート・B・ウィード
- 出演:ウディ・アレン, ペネロペ・クルス, スカーレット・ヨハンソン, ダイアン・キートン, ショーン・ペン
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- 監督:ウディ・アレン
- 出演:アントニオ・バンデラス, アンソニー・ホプキンス, ジェマ・ジェーンズ, フリーダ・ピント, ルーシー・パンチ
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