インタビュー
『ミッドナイト・イン・パリ』

映画「ミッドナイト・イン・パリ」
ウディ・アレン
監督
オフィシャルインタビュー

公式

2012年5月26日(土)より、新宿ピカデリー&丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

STORY  2010年夏、ハリウッドの売れっ子脚本家ギル(オーウェン・ウィルソン)は、婚約者(レイチェル・マクアダムス)と憧れの街パリにやって来た。それなのにどこか満たされない彼は、本格的な作家に転身し、ボヘミアンな人生を夢見ている。そんなギルが深夜0時を告げる鐘の音に導かれ、さまよい込んだ先は、活気漲る芸術&文化が花開いた1920年代だった!これは夢か、はたまた幻かと驚くギルの前に、次から次へと高名なる人物を名乗る面々と、官能的な美女アドリアナ(マリオン・コティヤール)が現れて……。
ウディ・アレン監督
©Jason Frank Rothenberg
――まず、本作の着想についてお聞かせ下さい。パリに憧れる主人公が過去にタイムスリップするというアイデアはどこから、どうやって湧いたのでしょうか?

ウディ・アレン アイデアはすごく自然に思い付いた。まず『ミッドナイト・イン・パリ』とういタイトルが思い付いたんだ。だけど、パリのミッドナイトに一体何が起きるのか、何が起きるべきなのかというのはまだ自分でも分からなかったんだ。だけど、ある時ふと思い付いたんだ。パリを愛する主人公が、パリの街を歩いていて、新しい冒険に出発することになる、というアイデアをね。後は簡単だったんだよ。

――1920年代へタイムスリップしていますが、なぜ20年代のパリなのですか?

ウディ・アレン 1920年代のパリは、ボヘミアンで栄えていた時代だったからね。ヘミングウェイも、フィッツジェラルドも、ピカソも、マティスも、サルバドール・ダリも。みんな知り合いで、パリに住んでいたし、コール・ポーターもだよね。即ち、その特定の時代には非常に神話的雰囲気があったからだよ。

――1920年代のパリを表現する中で、一番こだわった点また苦労した点はどこですか?

ウディ・アレン そうだな。この時代については、僕がこれまで読んできたパリについての話や、またはヘミングウェイの作品を読んだり、またはピカソ自身について読んだり、またはその当時の音楽を聴いたりしたことから、僕自身がすでに知っていることが多かったんだ。つまり、とりわけこの時代について勉強する必要もなかったんだよね。この時代のことをよく知っていたんだ。だから、僕がこだわったのは、自分が好きな1920年代の音楽や20年代の女性のファッションなどを非常に魅力的な時代として描くことだったんだ。それと、1920年代のパリをいかに再現するかってことだった。あと、登場する著名人たちが本物の彼らに似ていて、かつ演技もしっかりできる人を捜すのが肝心だったんだけど、実はそれには苦労させられたよ。

――その当時アメリカからパリに渡った偉大な芸術家である、ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、セルダ、スタインetcとはアメリカ人にとってどのような存在だと思いますか?また、監督自身は彼等をどのようにとらえていますか?

ウディ・アレン アメリカにおいては、登場人物の全てが非常にアイコニックな存在であり伝説でもある。スコット・フィッツジェラルドも、アーネスト・ヘミングウェイも、ピカソも、ガートルード・スタインもみんな現代の偉大なるアーティストであり神話だと思う。

――あなたにとってはどのような意味がありますか?

『ミッドナイト・イン・パリ』2 『ミッドナイト・イン・パリ』3 『ミッドナイト・イン・パリ』4ウディ・アレン 僕の世代の人間にとってはみんな同じだと思うけど、とにかく夢中になってしまうよう存在なんだよね。だって、彼らは、文学の神であり、絵画の神であり、音楽の神であるわけだから。僕は彼らの作品に触れながら大人になってきたわけで、だから、僕にとっては、シェイクスピアみたいな存在だとすら言えるんだ。つまり、“偉大なる偉大なるアーティスト”という存在なんだよね。

――もし監督自身がタイムスリップ出来るとしたら、どの国の、いつの時代へタイムトリップしたいですか?

ウディ・アレン (笑)そうだな。行きたい所はあるんだけど、でも、長居はしたくないな(笑)。だから、ランチを食べに行く程度でいいよ。僕は、1920年代のパリに行きたいし、ベル・エポック時代のパリにも行きたい。でも1日だけで十分。街を見て、お昼を食べて、買い物をして、散歩をしてね。是非やってみたいよ。だけど、その時代に住みたいとは思わないんだ。だってエアコンがないところには住めないし、抗生物質がないところにも住めない。僕らが今持っているものすべてがない所にはね。僕は、今の時代の便利さに慣れすぎてしまったと思っているよ。

――撮影時の印象的なエピソードがあればお聞かせ下さい。

ウディ・アレン それが実は撮影している時というのは、僕にとってはとにかくすべてが、「急げ!急げ!急げ!」って感じで、覚えていることと言ったらそればかりなんだよ。だから、楽しいエピソードの記憶がない。いつだって、「急げ!急げ!」だからね。お金はとにかく飛んでいくわけだから、その間にこれもやらなくちゃいけないし、あれもやらなくちゃいけないし、ってなわけでね。「早く!早く!」ってさ。だから、撮影を終えて、ようやく嬉しく思えるんだ。撮影している時というのは、いつも朝早く起きて、一日中急いでいる、ってただそれだけだよ。

――『ミッドナイト・イン・パリ』の公開を待ち望んでいる日本のファンに向けて、本作の見所と共にメッセージをお願いします。

ウディ・アレン 『ミッドナイト・イン・パリ』はとにかく日本のみなさんに思い切り楽しんで観てもらいたい。劇場に足を運んでもらいたいし、そこで是非とも楽しい時間を過ごしてもらいたい。そして、面白い物語だったと感じてもらえたら嬉しいよ。この映画はすごくロマンティックだし、笑えて、楽しい作品だからね。

(2012年4月6日NYにて実施 提供:ロングライド)

ミッドナイト・イン・パリ 公式
監督・脚本:ウディ・アレン 製作:レッティ・アロンソン、スティーブン・テネンバウム、ハウメ・ロウレス 製作総指揮:ハビエル・メンデス
撮影:ダリウス・コンジ 美術:アン・セイベル 編集:アリサ・レプセルター 衣裳:ソニア・グランデ
出演:キャシー・ベイツ,エイドリアン・ブロディ,カーラ・ブルーニ,マリオン・コティヤール,レイチェル・マクアダムス,マイケル・シーン,オーウェン・ウィルソン
2011年/スペイン=アメリカ合作/英語、フランス語/アメリカン・ビスタ/ドルビー・デジタル/原題:Midnight in Paris
提供:角川書店、ロングライド、東宝 配給:ロングライド 宣伝:アステア
©Photo by Roger Arpajou © 2011 Mediaproducción, S.L.U., Versátil Cinema, S.L.and Gravier Productions, Inc

2012年5月26日(土)より、
新宿ピカデリー&丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

2012/05/23/23:34 | トラックバック (1)
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