インタビュー
遠藤ミチロウ『SHIDAMYOJIN』

遠藤 ミチロウ (監督・ミュージシャン)
映画『SHIDAMYOJIN』について【1/7】

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2017年5月27日(土)より、新宿K's cinemaにてレイトショー上映

ミュージシャンの遠藤ミチロウ氏の映画監督2作目『SHIDAMYOJIN』が5月27日より公開される。第1作『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』は、2011年の還暦ツアーと、震災に襲われた故郷・福島の復興支援、そして自らのルーツ探しの旅が交錯する不思議なロード・ムーヴィーとなっていたが、本作もまたユニークな作品。震災をきっかけに出会った盆踊りと民謡の魅力を探りながら、祭りの楽しさを各地に届けるミチロウ氏の姿を収めたロード“盆踊り”ドキュメンタリーだ。庶民の怒りや苦しみを音頭に乗せて歌えば人々の身体はウズウズと動き出し、誰もがみるみる感情全開のいい笑顔を浮かべている。音楽の力を再認識しながらますますエネルギッシュに旅を続ける遠藤ミチロウ監督にお話をうかがった。 (取材:深谷直子)
遠藤 ミチロウ 1950年福島県生まれ。1980年、パンクバンドTHE STALINを結成。過激なパフォーマンス、型にはまらない表現が話題を呼び、1982年、石井聰互(現・石井岳龍)監督『爆裂都市』に出演。同年メジャーデビュー。1985年、THE STALIN解散後、様々なバンド活動を経て1993年からはアコースティック・ソロ活動を開始。21世紀に入り多彩なライブ活動を展開、さらに詩集、写真集、エッセイ集なども多数出版。また、中村達也(LOSALIOS)とのTOUCH-ME、石塚俊明(頭脳警察)と坂本弘道(パスカルズ)とのNOTALIN'S、クハラカズユキ(The Birthday)と山本久土(MOST、久土‘N’茶谷)とのM.J.Qとしても活動。2011年、東日本大震災の復興支援として「プロジェクトFUKUSHIMA!」を発足し、数々の活動を展開する。2014年に突如膠原病を患い、入院。その時期に書いた詩集『膠原病院』を2015年に出版、同時にアルバム『FUKUSHIMA』を発表。同年、アンプラグドパンク民謡バンド「羊歯明神」、自身最後のバンドとして「THE END」と2つのバンドを結成。さらに精力的な活動を始動している。2016年には初監督作品ドキュメンタリー『お母さん、いい加減あなたの顔を忘れてしまいました』を発表。山形ドキュメンタリー映画祭、ニューヨーク・ジャパン・カッツ映画祭にて招待上映、韓国の堤川国際音楽・映画祭ではコンペティション部門にて審査員特別賞を受賞。全国で公開され、国内外で話題となった。
作品紹介 2015年8月。福島第一原発事故から4年後の終戦記念日、遠藤ミチロウは民謡パンクバンドを率いて、40年ほど途絶えていた盆踊りの復活のため、櫓の上に立つ。そこに集まるのは、事故後に発見された福島県いわき市にあるホットスポット、志田名の住人だ。若者たちが避難した後に残された高齢者たち。遠藤は「志田名は俺たちの未来の姿だ」と見る。大震災、原発事故、揺れ動く政治情勢の中、福島で生まれた民謡パンクが祭りから祭りへと駆け抜ける。ミュージシャン・遠藤ミチロウのルーツを辿りながら、ヘリパッド建設問題に直面する沖縄・高江を経て、愛知・豊田の大衆奇祭・橋の下世界音楽祭へと登りつめていく。
遠藤ミチロウ監督1
――『SHIDAMYOJIN』は『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』(15・以下『お母さん』)に続くミチロウさんの監督第2作ですが、シマフィルムさんからお話をもらって作った前作とは違って、今回は自主映画ですよね。

遠藤 そうですね、完全に自主映画です。どっちも自分が主人公のドキュメンタリー映画なんですけど、前が「お母さん」としたら今度は「父」です。

――この映画を作ろうと思ったきっかけはどんなことだったのですか?

遠藤 盆踊りですよね。盆踊り、民謡……、盆踊りから始まって民謡になりました。2012年に浪江音楽祭というのを二本松の仮設住宅でやったときに、仮設に住んでいる人たちに「盆踊りをやってくれないか」って言われて、「盆踊りですかぁ?」ってやったんですけど、その盆踊りにすごくインスパイアされて、「じゃあ民謡を歌おうか」っていうことになって。

――その初めての盆踊りの映像も映画に収められていますね。屋内での盆踊りで、ミチロウさんも一緒に踊っていました。ここから民謡バンドの羊歯明神が生まれたのですね?

遠藤 そこからじゃないんですよね。そのときは「相馬盆歌」を流して盆踊りをしたのですが 、それを自分の新しい歌詞で、震災後の世の中のことを歌う民謡にしたら面白いなあと気づいんですよ。その後志田名(いわき市の高線量地域)で盆踊りをやろうということになったときに「じゃあ今度は自分らで歌おう」ということになって、それで作ったのが羊歯明神なんです。

――なるほど。その志田名での盆踊りというのは映画の最初のほうに出てくる手作り感のある盆踊りですよね。

遠藤 そうですね。2012年に仮設で初めて盆踊りをやって、次の年の2013年のプロジェクトFUKUSHIMA!で「盆踊りをやろう」って提案したんです。で、やって「これは面白いな。次は志田名でもやろう」っていう話になったんです。ところがその矢先に病気になって1年間活動を休んでしまったんですが、復活した最初のライブは志田名でやりました。そのときに「本当は去年盆踊りをやりたかったんだ」っていう話をしたら、「じゃあ今年やってくださいよ」って言われて。「志田名で盆踊りをやるなら志田名の盆踊りの歌を作ろう」と思っていたので、1年間休んでいる間に「志田名音頭ドドスコ」というのを作っていて、それを8月の盆踊りで実際に演奏したんです。

――本当に地元の方のためにやっている盆踊りで、人もパラパラといるぐらいでした。

遠藤 そうそう、パラパラでしたね。

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SHIDAMYOJIN シダミョウジン (2017年/日本/カラー/ステレオ/64分/)
監督:遠藤ミチロウ、小沢和史
撮影:小沢和史、藤田功一、照屋真治、木村真三、阿部崇 編集:小沢和史 整音:宇波拓
カラーグレーディング:稲川実希 製作・配給:北極バクテリア プロデューサー:伊東玲育、藤田功一
宣伝/海外担当/ウェブデザイン:植山英美 デザイン:新矢千里
出演:遠藤ミチロウ、木村真三、伊藤多喜雄、石塚俊明[羊歯明神]、山本久土[羊歯明神]、
茶谷雅之[羊歯明神Jr.]、タテタカコ、永山愛樹
© 2017 SHIDAMYOJIN
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2017年5月27日(土)より、新宿K's cinemaにてレイトショー上映

2017/05/24/22:21 | トラックバック (0)
深谷直子 ,インタビュー
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