『SHIDAMYOJIN』遠藤ミチロウ(監督・ミュージシャン) × 中村達也(ミュージシャン) トークショーレポート【2/3】(取材：深谷直子)

新宿K's cinemaにてレイトショー上映中
6月10日（土）より大阪第七藝術劇場、6月11日（日）南相馬市朝日座、 7月15日（土）より立誠シネマプロジェクト・神戸アートビレッジセンター、7月22日（土）より名古屋シネマテークほか全国順次公開

中村達也続く中村の「あのとき珍しいキノコ舞踏団がいたおかげでよかったなと思って。おねえちゃんたちがお客さんに振付を教えてあげて。振付があるといいですね」という感想から、話題は盆踊りの“振付問題”に。遠藤が「振付も単純なのはいいんだけど、あんまり細かくやるとなかなか入ってこれないんだよね、振付どおりにやらなきゃいけないという感じになって。だから勝手にやればいいと思うんだけど、意外と勝手にやるのも難しくて、結局誰かがやっているのを真似する感じになっちゃう」と言うと、小沢和史監督が「志田名のジッチやバッパは振付なんてなくても踊りますからね、てんでバラバラに。あれはやっぱりおばあさんたちの血の中に盆踊りの振りが流れているんですかね？」と語り、中村は「そういや奄美でやったときにも、“ろくごう”だっけかな（＝六調）、奄美の踊りがなんかあって、みんなワッと踊り出すもんね。沖縄もずっと音楽が流れているし、何かあると三線出して歌い出したりする」と、日本各地での音楽や踊りの習慣の違いについての興味深い話がひとしきり展開していった。

さらに、遠藤と中村が2001年に再会したのが遠藤にとっては思い入れもある奄美への機上だったとのことで、話題はそのときの回想に。
遠藤が「前の映画（『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』・15）で奄美がよく出てくるんだけど、達也と再会したのも奄美で。スターリンでやってからしばらく会っていなかったんですよね、15年ぐらいかな」と語りかけると、中村は「俺が多分二十歳ぐらいのときにビデオスターリンをロフトに見に行ったことがあったの。それ以来会っていなくて、そこから14、5年かな。奄美で再会したのが2001年の1月13日だったから、その時点ですでに今から16年前だからねぇ」と、付き合いの長さにあらためて驚いている様子。さらに「飛行機の中でミチロウさんにバッタリ会って、『達也どこ行くの？』って言うから、『いやこれ奄美行きの飛行機なんですけど』って（笑）。そのとき俺は、ブランキーもなくなり、離婚もして、落ち込んでいたところをマネージャーから『奄美に行ってこい』って言われて行っていたんだけど、そこでミチロウさんにバッタリ会ったんで、『年をとるってどういうことなんですか？』って紙に書いて渡して（笑）。そしたらミチロウさんが隣に来て『達也、年をとるっていうことは肉体と精神のバランスが取れてくるから、これからが楽しいんだよ』って、言われて迎えた40代が大変でした（笑）」と、一瞬で打ち解けた再会の模様をありありと語った。その後も中村は抜群の記憶力でスターリンのツアー中に遠藤ともども悪さを働いたことなど暴露し、遠藤を「達也と喋っているとスターリンのころの全然覚えていないことがいっぱい出てくるんだよね……。『えっ、俺そんなことやったっけ？』みたいな」と苦笑いさせた。

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SHIDAMYOJIN シダミョウジン (2017年/日本/カラー/ステレオ/64分/)
監督：遠藤ミチロウ、小沢和史
撮影：小沢和史、藤田功一、照屋真治、木村真三、阿部崇　編集：小沢和史整音：宇波拓
カラーグレーディング：稲川実希　製作・配給：北極バクテリア　プロデューサー：伊東玲育、藤田功一
宣伝/海外担当/ウェブデザイン：植山英美　デザイン：新矢千里
出演:遠藤ミチロウ、木村真三、伊藤多喜雄、石塚俊明［羊歯明神］、山本久土［羊歯明神］、
茶谷雅之[羊歯明神Jr.]、タテタカコ、永山愛樹
© 2017 SHIDAMYOJIN
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