映画祭情報&レポート

第5回シューレ大学国際映画祭
「生きたいように生きる」

人が出会える、繋がれる映画祭を作りたいという思いから生まれたシューレ大学国際映画祭も、
今年で5周年を迎えます。原一男監督自選のサプライズドキュメンタリー映画上映や、
フランス、イギリス、NYからの海外作品に一般公募作品と色とりどりの映画が揃いました。

http://shureuniv.org/filmfes/

2012年8月24日(金)~26日(日)まで、シューレ大学特設シアターにて開催

INTRODUCTION

『第5回シューレ大学国際映画祭』生き難さを感じながらも、その生き難さの正体も自分とは何者なのかさえわかりにくい状況に私たちはいます。
この生き難さに向かい合うあり方は様々ですが、私たちは映像表現でこの生き難さに穴を穿っていきたいのです。日本にも世界にも同じ思いを持ち、夢中になって映像をつくっている人々がいます。私たちはささやかながら、生きたいように生きんとして映画をつくっている人々、そのような映画を観に足を運んで下さる方々が出会える場にしたいと、この映画祭を計画しました。観ることは、出会うこと、世界や自分が変わることであり得ると私たちは感じています。皆さんのご来場をお待ちしています。

参加費
上映タイトル一覧

◆原一男監督の未公開ドキュメンタリー映像の上映!!

原一男監督は、現代日本のドキュメンタリー映画の第一人者だ。代表作『ゆきゆきて、神軍』は国内のみならず海外でも衝撃を持って迎えられ、今や原監督の作品は世界各地で上映されている。この映画祭では原監督の劇場公開ドキュメンタリー作品を全て上映した。今回は、この映画祭で未上映のドキュメンタリーを上映して下さると云う。いつのいかなる作品かは当日までのお楽しみということになる。原監督ファンのみならず、ドキュメンタリー映画に関心のある方、必見の1コマだ。

◆原監督講演会 8月26日15:30~(参加費が別途必要)

原一男:映画監督。45年生まれ。72年、疾走プロダクションを設立し、『さようならCP』を監督・撮影。その後の作品に、『全身小説家』『ゆきゆきて、神軍』などがある。2006年から大阪芸術大学映像学科教授。
※参考:過去に映画祭で上映した原監督作品:『さようならCP』『極私的エロス・恋歌1974』『ゆきゆきて、神軍』『全身小説家』

◆原一男監督推薦作品

ほんがら( 監督:長岡野亜/日本/89分/カラー/2008年 )

『ほんがら』近江八幡市(滋賀県)にある島町には約50年前に途絶えた伝統の「ほんがら松明」がある。島町は高齢化した60世帯ばかりの集落だ。中空の巨大松明の先から炎が噴出す「ほんがら松明」をもう一度つくろう。記録に残っていないこの松明は、老人たちがいなくなれば失われてしまう伝統だ。老人たちは復活を期して動き始めた。長岡野亜監督は1年以上かけて丹念にカメラを向けその表情を収めた。「ほんがら松明」は果たして空を焦がすのだろうか。

◆海外作品

SIMOMEN( 監督:Ana Maria Gomes/フランス/字幕【英・日】/27分/カラー/2006年 )
JEAN DANIEL( 監督:Ana Maria Gomes/フランス/字幕【英・日】/2分/カラー/2009年 )

アナ・マリア・ゴメス監督はフランスを代表する新進気鋭の映像作家の一人だ。子ども・若者・女性などに継続した関心を持ち、おしゃれで切れ味の良い映像表現を追及している。今回上映する作品は、10代半ばの少年を描いた 「シモノ」 「ジーン・ダニエル」 の2本だ。 「シモノ」 は、日常生活でカメラを向け、監督の問いかけから日常生活から友人関係の葛藤を映像化している。 「ジーン・ダニエル」 は格闘家になりたい少年を切れ味良く切り取った短編映像である。

『Broken Mirror,』Broken Mirror,
( 監督:Megan Rosado/アメリカ/字幕(日)/14分/カラー/2007年 )

自閉症の弟を持つミーガンは17歳。両親の期待のもと“完璧な自分”を目指す中で、ついに拒食症になる。私の苦しさを誰もわかってくれない。ぎりぎりに追い詰められたとき、自分自身との対話が始まる。インタビューと日常の風景を織り交ぜて生きづらさと希望を描いたドキュメンタリー。

◆シューレ大学作品

てがみ( 監督:高橋貞恩/日本/5分/カラー/2012年 )

郵便屋さんに出した手紙が届くまで、どんどん歩く手紙配達人の姿を独特の世界観で描いたアニメーション作品。絵を動かすということ、その絵を手で描くということ、それらのことを確かめながら、それらのことに敬意を持ってつくった作品。視点と視界の変化にご注目頂きたい。

如何に生きるべきか フリースクールを出た三人の青年の話
( 監督:中川公太郎/日本/30分/カラー/2012年 )

オルタナティブ大学で学ぶマサヒロは、修了制作として「如何に生きるか」を主題としたドキュメンタリーに取り掛かっている。そこで、自分と同じフリースクールを出た二人の友人・タカシとノブヒロにインタビューを試みる。それは、マサヒロ自身が納得のいく生き方とは如何なるものかを考えるためでもあったが……?

東京と福島の狭間で(仮)( 監督:石本恵美/日本/15分/カラー/2012年 )

311の直後、私は「揺れて」いた。1号機の爆発。すごく不安にかられた。原発は怖い、やめたい。けれどデモに行けば、署名をすればそれでいいのか? 反原発という思いはあるが、どうして私は反対しているのか? そんなことを自問しながら月日が過ぎた。東日本大震災と原発事故から1年後、初めて福島に行った私が触れたものとは…?

◆公募作品

死にたすぎるハダカ( 監督:アベラ ヒデノブ/日本/70分/カラー/2012年 )

『死にたすぎるハダカ』高校生の桜木ミチルはいつもいじめられている。友達はいない。そんな彼が安らぎを感じられるのは「自殺ごっこ」とビデオカメラ。ダンボールでつくったカンオケの中でなら、安心して眠ることができる。ある日、万引きを強要されたミチルは店員につかまってしまう。「やめてあげてください!」そこへ現れたのは、謎の少女だった……!

アイゴー! ~我が国籍は天にあり~
( 監督:李達也 Lee Dalya/韓国/字幕(英)/28分/カラー/2011年 )

京都に住む李家のお正月。息子のガンホが国籍を朝鮮から韓国に変えたいと訴える。娘は日本人の彼氏がいると告白する。二人の告白に激怒する父親。何が父をそうさせるのか。

『AUTOMATON (自動人形)』AUTOMATON (自動人形)
( 制作:Anna-Marie Rammほか/イギリス/字幕(日)/10分/カラー/2012年 )

ウェバー社のいつもの勤務日、自律神経的な単調さによって動かされている社員は、何とかこなすべき仕事に絶望的にしがみつきながら、衝撃と痛みと格闘しつつ緩やかに蝕まれながら機械化されていくのだ。

◆フリースクール部門

韓国のハジャセンターから寄せられたのは、“学校に行かない道を選ぶ私”を詩的なアニメーションでつづる 「I keep myself going」 と、娘から母への対話を通して二人の女性の生き方を見つめる「Story of two women」。モスクワ国際フィルムスクールからは、無声映画の古典にオマージュを捧げた「Harlequin」。そして、フリースクールで過ごす “私” の日常を描く 「わたしはわたしでいいんだ(仮)」 (東京シューレ)の4作品を今年は上映。

”Harlequin”へのオマージュ( 制作:モスクワ国際フィルムスクール/ロシア/4分/カラー/制作年不明 )
わたしはわたしでいいんだ(仮)( 監督:島夢美 / NPO法人東京シューレ/日本/15分/カラー/2012年 )
Story of Two Women( 監督:Sin Eun -Jeong / haja center/韓国/字幕(英・日)/14分/カラー/2000年 )
I Keep Myself Going( 監督:Tarak / haja center/韓国/字幕(英・日)/7分/カラー/2004年 )
スケジュール
24日(金)
14:20~の回 フリースクール部門 ※この回のみ参加費500円(前売りなし。会場に直接お越しください)
国内外のフリースクールの通う子ども・若者の映像作品の上映&制作者のトークセッション
16:00~の回 『AUTOMATON (自動人形)』『Broken Mirror,』『如何に生きるべきか フリースクールを出た三人の青年の話』
※「如何に生きるべきか」「てがみ」中川公太郎、高橋貞恩監督トークセッション
18:00~の回 『Broken Mirror,』『東京と福島の狭間で(仮)』『SIMOMEN』『JEAN DANIEL』
※「東京と福島の狭間で(仮)」 石本恵美監督トークセッション
25日(土)
13:00~の回 『死にたすぎるハダカ』 ※アベラ ヒデノブ監督トークセッション
15:00~の回 『ほんがら』 ※長岡野亜監督トークセッション
17:30~の回 『Broken Mirror,』『東京と福島の狭間で(仮)』『SIMOMEN』『JEAN DANIEL』
『アイゴー!~我が国籍は天にあり~』
※「アイゴー!」李達也監督トークセッション
26日(日)
13:00~の回 特別上映・原一男監督によるサプライズドキュメンタリー映画上映
16:50~の回 『如何に生きるべきか フリースクールを出た三人の青年の話』『てがみ』『AUTOMATON (自動人形)』『アイゴー!~我が国籍は天にあり~』『東京と福島の狭間で(仮)』
※原一男監督から制作者へのコメント
19:40~ 交流パーティ ※500円

第5回シューレ大学国際映画祭「生きたいように生きる」

http://shureuniv.org/filmfes/

2012年8月24日(金)~26日(日)まで、シューレ大学特設シアターにて開催

2012/08/08/23:50 | トラックバック (0)
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