中村 公彦 (監督)
映画『恋のプロトタイプ』について
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2014年8月2日~8日(金)まで、ポレポレ東中野にて一週間限定公開
5日・7日・8日に監督とキャスト陣によるトークイベント開催
プロフィールにもあるように映画をメインに映像の分野で監督、脚本、俳優、Web製作などの活動をしてきた中村公彦さんが「恋のプロトタイプ」で長編監督デビューを飾り、インタビューを急きょおこなった。中村監督ならではの見事な構成力と秀逸なキャラクター描写の脚本から映画は良作に仕上がっている。なお、インタビューは画像にあるように当初の時間をオーバーして屋外の近所の公園にまで移動しておこなわれた。(取材:わたなべりんたろう)
<Story> 彼女いない歴23年のフリーター・岸田心平の唯一の生きがいは、恋愛シミュレーションゲーム"ラブ:プロトタイプ"(通称ラブプロ)のCGキャラクター"沢口アオイ"との疑似恋愛。ラブプロは、"お気に入りの女の子と過ごす日常"をテーマにしたゲームで恋人同士になってからもプレイは続いていき、誕生日や旅行などのイベントがリアルな時間に連動して発生する。女の子の性格や言動も、プレイヤーの言葉やアクションによって変化していく。バイト中にアオイとの会話に夢中になり、クビになってしまった心平はラブプロの新作の購入資金を稼ぐためコンビニで働くことにする。そこで大学生の美郷こずえと最悪の出逢いを果たし、入店早々ケンカ。そして、こずえにフラれた河本義男に心平がラブプロを教えたことから、それぞれの感情が波打ち始める――。
――『恋のプロトタイプ』は恋愛シミュレーションゲームを題材にしていますね。
中村 劇中に「ラブ:プロトタイプ」というゲームが出てきますが、これはまんま「ラブプラス」ですね(笑) また、漫才コンビの「ときめきエブリデイ」というネーミングも「ときめきメモリアル」から取っています。
――バーチャルを題材にした映画は多いですが、恋愛ものは最近では『her/世界でひとつの彼女』があります。バーチャル恋愛ではないですが、コンピューターを題材に取り入れた恋愛映画には「エレクトリック・ドリーム」、「ときめきサイエンス」、趣向は少し違いますがマイケル・クレイトンの日本未公開スリラー「ルッカー」などがあります。
中村 出来上がってみて気づいたんですが、あまりテイストが近い作品が思いつかないんですよね。なくはないんでしょうけど。話を聞く限り『her/世界でひとつの彼女』が一番近い気はしますが。でもまだ観てないです。
――『her/世界でひとつの彼女』は主人公が恋人と別れるところから始まるんですが、ある意味『恋のプロトタイプ』はその逆から行った作品ですよね。『恋のプロトタイプ』公開前に中村さんも観ておいた方がいいですよ。
中村 それは興味深いですね(笑) 観たいです。
――観る前に「テイストが近い作品が思いつかない」と聞いていたことや、デビュー作ということからもっとジャンル映画的なものを想像していたんですが、監督のウェルメイドな資質が出た正統な作品だと思いました。
中村 そうですか? ウェルメイドと言われるのは嬉しいです。昭和のプログラムピクチャーとか好きですからね。アートや実験みたいなセンスは逆にぼくには無いですね。
――具体的にはどういう監督が好きですか?
中村 川島雄三、小津、成瀬、岡本喜八、増村保造、今井正、中平康、市川崑、鈴木清順、大島渚、石井輝男、鈴木則文、中川信夫、深作欣二、須川栄三などです。ロマンポルノもプログラムピクチャーという解釈で観ていましたね。神代と小沼勝が特に好きでした。今のピンク映画も大きな括りではプログラムピクチャーなんでしょうね。青春Hはもう少し監督任せなのでちょっと違いますが、コンスタントに40作以上続いているという意味ではそういう要素もあるかもしれないです。
監督・脚本:中村公彦
出演:櫻井拓也,星咲優菜,阿部隼也,堀有里,杉原憂,原田祐輔,米本千晴,山本宗介,原彩咲,世志男,柳東史,倖田李梨,津田篤
製作:松下順一 企画:高﨑正年 プロデューサー:小貫英樹,奥野邦洋 アソシエイトプロデューサー:田中忍
撮影:宮永昭典 録音:荒井保,國分玲,春本一大 音楽:與語一平 主題歌:CLipCLover 「タカラモノ」
助監督:清水理俊 制作プロダクション:東京レイダース 製作:娯楽TV 配給・宣伝:アートポート
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