中村 公彦 (監督) 映画『恋のプロトタイプ』について
▶公式サイト2014年8月2日~8日(金)まで、ポレポレ東中野にて一週間限定公開
5日・7日・8日に監督とキャスト陣によるトークイベント開催
(取材:わたなべりんたろう)
――そもそもなぜ青春Hを撮ることになったんですか?
中村 去年、五藤利弘監督の『スターティング・オーヴァー』という作品に出たのが、青春Hシリーズに関わる最初のきっかけでした。それまでは、知り合いが監督してたり出演してたりを遠目で眺めてた感じです。偶然ですが、その頃ちょうど製作サイドがホームページをできる人を探していたみたいで、『ビキニ★ラーメン』を撮った小泉剛監督の紹介で、公式サイトを手がけるようになりました。それで昨年末ぐらいに、「青春Hを撮る方に興味がありますか?」と聞かれました。自分もここ数年映画の企画を他の会社に持ち込んだり、脚本や自主映画を映画祭やコンクールに出したりしていたんですけど、なかなか長編デビューができなかった状況がありまして、企画を出すことにしました。プロデューサー陣に2012年に撮った2本の自主映画『もうひとりのルームメイト』と『スルー・ロマンス』を見せて、製作にゴーサインをいただきました。
――今までの活動が活きたわけですね。
中村 はい。『恋のプロトタイプ』の企画も5年前に既に書いていたもので、大手芸能事務所で預かりになっていた時期もありました。その時はまさか自分のデビュー作になるとは思っていませんでしたが(笑)。
――ゲーム画面の合成などセンスがいいと思いました。こちらの監督作「3.11日常」の公式Webも作ってもらいましたが中村監督の今までのホームページ制作や映画『TOKYO TRIBE』等での劇用画面のはめ込み制作経験が活きてますね。
中村 いやもうその辺は恥ずかしくて、確かにいくつかの映画・ドラマで劇用のHP、携帯、TV画面等を制作させていただきましたが自分はデザイナーでもないし、今回の合成なども本職の方に頼めばもっと素晴らしいものができることは分かっています(笑)。ただ確かに今回その経験が活きました! またTVバラエティやダンスDVD等のディレクターを務めた経験も役立っていると思います。
――『恋のプロトタイプ』の撮影はどれぐらいだったんですか?
中村 8日間です。自分がキャストとして出演するようなピンク映画やVシネマは3日撮りが普通なので、それを考えたら恵まれていますが。ただ、深夜はやりませんでした。遅くても22時半には終わった感じです。スタッフは少なかったんですよ。この間知り合いの自主映画に出たら、うちの倍以上の人数のスタッフがいて「何だこれは?」と思いました(笑)。
――見たところ、余分な押さえカットを撮っていない印象を受けましたが。
中村 その通りですね。自分も撮影の宮永さんも余計なカットは撮らない主義というか(笑)、カット割通りに撮ってOKテイクはほぼ全部使うスタイルです。OKテイクで使わなかったのは2~3カットぐらいですね。
――一箇所、映画としては大胆というかデンジャラスなカットがありました。公園で心平(櫻井拓也)と義男(阿部隼也)がお互いにゲーム画面に向かっているカットです。お互い視線を合わせず、ゲーム画面も観客には見えないという絵的には相当寂しいものになりかねないカットです。
中村 街角で、知らない人がゲームをやっているところを見るとこんな感じですよね。本当は二人に芝生に座ってもらって俯瞰めに撮るつもりでした。前のカットで「こんなゲーム、絶対やんねー!」と啖呵を切って、カットが変わると時間経過であっさりやっているという、山中貞夫の『丹下左膳余話 百萬両の壺』の時代からある古典的なギャグですね(笑)。いろいろあって、映画であるようなカットになりましたが。
監督・脚本:中村公彦
出演:櫻井拓也,星咲優菜,阿部隼也,堀有里,杉原憂,原田祐輔,米本千晴,山本宗介,原彩咲,世志男,柳東史,倖田李梨,津田篤
製作:松下順一 企画:高﨑正年 プロデューサー:小貫英樹,奥野邦洋 アソシエイトプロデューサー:田中忍
撮影:宮永昭典 録音:荒井保,國分玲,春本一大 音楽:與語一平 主題歌:CLipCLover 「タカラモノ」
助監督:清水理俊 制作プロダクション:東京レイダース 製作:娯楽TV 配給・宣伝:アートポート
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