インタビュー
川口潤監督/『狂猿』画像

川口 潤 (監督)
映画『狂猿』について【1/4】

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2021年5月28日(金)よりシネマート新宿ほかにてロードショー!以降順次公開

凶器アリ、反則ナシの特殊ルールで行われるプロレスの一ジャンル、デスマッチ。その危険極まりないリングに20年以上も上がり続け、”デスマッチのカリスマ”として君臨する葛西純を追うドキュメンタリー『狂猿』が5月28日(金)よりシネマート新宿ほか全国で公開される。蛍光灯、画鋲、カミソリボードといった凶々しいアイテムに臆せず肉体を差し出し、本物の流血を見せつけて観客にも“生きる実感”を体感させる。驚きに満ちたデスマッチ史と葛西の華々しい戦果を、過去の映像と関係者の証言できっちり伝えながら、カメラが実際に追うのは身体の故障でリングを下り、さらにはコロナ禍に見舞われ、激動のレスラー人生の中で異色な凪いだ時間を過ごす葛西の姿。家族との平凡な日常、自粛疲れで酒浸り。“カリスマ”と呼ばれる存在でありながら私たちと何ら変わらない人間くさい側面をさらし、回り道を経て徐々に愛するデスマッチへの情熱を取り戻す瞬間が鮮烈だ。スクリーンに大写しになる生々しい傷におののきながら、五感フル回転で普通さとクレイジーさの間を揺れ動く男の生き様を味わってほしい。監督したのは『THE COLLECTORS~さらば青春の新宿JAM~』などミュージシャンのドキュメンタリーを手がけてきた川口潤。被写体の人間性に共振し、大胆な撮影・編集でダイナミックに味わい深く魅力を映し出す手腕が本作でも発揮された。そんな川口監督にお話を伺った。 (取材:深谷直子)
川口 潤 SPACE SHOWER TV / SEPを経て2000年に独立。SPACE SHOWER TV時代はブライアン・バートンルイスと共に「SUB STREAM」「MEGALOMANIACS」といった人気音楽番組を制作。独立後はミュージックビデオ、ライブDVD、音楽番組の演出等を多数手がけ先鋭的な音楽ドキュメント作品で注目を集める俊英。数々のライブで培われた音楽的感性で切り取られた臨場感たっぷりの試合映像は、いまだかつてない没入感を生み、観客をデスマッチの最前線に送り込む。
【劇場公開作品】『77BOADRUM』(2008)、『kocorono』(2011)、『山口冨士夫皆殺しのバラード』(2014)、『オールディックフォギー/ 歯車にまどわされて』(2016)、『THE COLLECTORS~さらば青春の新宿JAM~』(2018)
葛西 純 1974年9月9日生、北海道出身。プロレスリングFREEDOMS所属 / プロレスラー。1998年8月23日デビュー。通称:デスマッチのカリスマ。愛称:狂猿( クレイジー・モンキー)。プロレスラーのなかでも、ごく一部の選手しか足を踏み入れないデスマッチの世界で2000年代からデスマッチシーンを席巻。現在に至るまでトップの座に君臨、国内のみならず海外での圧倒的な知名度を誇り「デスマッチのカリスマ」と呼ばれている。2009年には東京スポーツ新聞社が毎年12月に発表する日本プロレス大賞で、インディーズであり、またデスマッチ形式の試合にも関わらず、永遠のライバル伊東竜二との激闘がベストバウトに選出されるなど数々の伝説を打ち立てている。
川口潤監督画像2 『狂猿』
――デスマッチはまったく未知の世界で、過激さにビックリしながら映画を観ました。

川口 ですよね。僕もビックリしながら撮っていました。

――そうなんですか。監督はプロレスに興味は?

川口 プロレスには小学生のころすごくハマっていました。プロレス世代だったんです。アントニオ猪木とかタイガーマスクとかが大人気で。この仕事が来るまではすっかり忘れていましたけど、思い返せば大好きでしたね。小3、小4ぐらいかな、そのころは毎週テレビで試合を見ていましたし、プロレス図鑑とか見るくらい好きでした。でも小学生以降はまったく追っていないので、デスマッチというジャンルがあることも知らなかったですね。

――衝撃でした。凶器を使った試合の映像を見て「これって合法なの?」と……。

川口 ホントそうですよ、僕らが見てきたプロレスだったらあれは反則になるわけで。いろんなジャンルが確立されているんだなあと、まあ音楽と同じですけど、そういうのも撮りながら知っていったという感じですね。

――音楽畑で活動されてきた川口監督にオファーが来たのはなぜなのでしょうか?

川口 スペースシャワーネットワークの企画だからというのが根底にあると思いますけど、プロデューサーの佐藤優子さんには『THE COLLECTORS~さらば青春の新宿JAM』(18)のときに手伝っていただいていて、佐藤さんが言うには「あの映画はモッズの歴史とかを全然知らずに観てもすごく面白かった」と。それで同じようにデスマッチのことを知らない人にも届いてほしいというのがあっていただいたんだと思います。

――葛西純さんのほうでも、川口さんが監督を務めることに即OKという感じだったのでしょうか?

川口 さっき葛西さんとの対談形式で取材を受けていて、そこでおっしゃっていたんですけど、葛西さんはこの映画の話を最初断ったそうです。民放の番組でよくあるような、家の中まで密着して夫婦喧嘩だとかの裏話を撮るドキュメンタリーだったら俺はそんなことできないよ!という感じ。そこで佐藤さんが企画意図を説明して。そのときすでに葛西さんはしばらく欠場することが決まっていたので、その休んでいる間から華々しく復活するまでの日々を追いたいと。葛西さんも「そういう感じだったらやってみましょう」という感じだったんだと思います。

――密着に抵抗を感じていたというわりに、映画には家族団欒のシーンがたくさん入っていますよね。

川口 そうなんです。2回目ぐらいの撮影のときに、もう奥さんが出てきたんですよ。葛西さんは普段から奥さんに車で送り迎えをしてもらっているそうなんですが、車の中から「あ、どうも~」と、そんな感じでした。

――すぐに打ち解けてくださって。

川口 わりとそうでしたね。撮影初日は2019年12月25日の試合で、そのときは時間もなくてあんまり喋れなかったんですけど、年明け2020年の1月にあらためて挨拶と簡単な打ち合わせをしに行って、そこでオープンな人なんだなあと感じていました。葛西さんは葛西さんで、僕のことを全然映画監督らしくないなと思ったんじゃないかな? この話もさっきの対談で初めて聞いたんですけど、葛西さんが映画の話を聞いたとき、映画監督といえばメガホン持ってガミガミ怒鳴ってるイメージを持っていたらしくて。そういう感じの監督だったらおそらくケンカして終わるだろうと思っていたらしいんですけど、僕に会って拍子抜けしたって言われました(笑)。

――(笑)。川口監督と葛西さんは歳が近いんですよね。監督が一つ上で。

『狂猿』場面画像1 『狂猿』場面画像2川口 そうです。映画に証言者として出てもらった他のレスラーたちも、みんな僕より年下なんですよ。この中で松永光弘さんと大日本プロレスの登坂栄児社長は多分僕より上なんですけど、それ以外全員僕より年下で。全然そうは思えなくて、もう全員に敬語でした(笑)。なんという貫禄なんだと思いましたよ。

――(笑)。馴染みのなかったプロレス業界の方たちを撮影して、今までの作品を撮るときと勝手が違うなと思うようなことはありましたか?

川口 特にそんなことはないですね。ゲストの方へのインタビューはワンチャンスということもあり、大谷弦さんというプロレスに詳しいライターさんに手伝ってもらっているところはあるんですけど。基本僕がやっていますし、葛西さんに関しては僕が全部聞いています。

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狂猿 (1.78:1/カラー/ステレオ/107分/2021年/日本/PG12)
出演:葛西純,佐々木 貴,藤田ミノル,本間朋晃,伊藤竜二,ダニー・ハボック,竹田誠志,杉浦 透,佐久田俊行,登坂栄児,松永光弘 ほか
監督:川口 潤 撮影:川口 潤,大矢大介,鳥居洋介,村尾照忠 録音:川口 潤
編集:川口 潤,築地亮佑(COLORS) MA:三留雄也 Art Work:BLACK BELT JONES DC
写真撮影:岸田哲平,中河原理英 制作:アイランドフィルムズ 企画:佐藤優子
製作:葛西純映画製作プロジェクト(スペースシャワーネットワーク+ポニーキャニオン+プロレスリングFREEDOMS)
配給:SPACE SHOWER FILMS ©2021 Jun Kasai Movie Project.
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2021/05/26/18:31 | トラックバック (0)
深谷直子 ,インタビュー

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