中村 公彦 (監督) 映画『恋のプロトタイプ』について
▶公式サイト2014年8月2日~8日(金)まで、ポレポレ東中野にて一週間限定公開
5日・7日・8日に監督とキャスト陣によるトークイベント開催
(取材:わたなべりんたろう)
――櫻井拓也さんと阿部隼也さんの髪型が二人とも特徴的で面白いですが、これは演出ですか?
中村 いや、指示してません(笑)。衣装は打ち合わせしましたけどね。
――キャスティングはご自身でされたんですか?
中村 元々『恋のプロトタイプ』の企画を青春Hに出した時に「今なら自分の周囲の俳優たちでできる!」と考えていました。なので、殆どの役を宛て書きで脚本を書きました。そして実際にオファーしたところ、第一希望の人たちがほぼOKでした。主役の心平とヒロインのこずえだけが該当者がおらず、製作会社に相談したところ、以前の青春Hシリーズに出ていた櫻井拓也さんと星咲優菜さんを紹介されました。その二人以外は自分でキャスティングしたことになります。
――結果的にイメージ通りの配役になりましたか?
中村 はい。櫻井さんは見た目もイメージ通りだし、作品を通して観た時のバランスの構築と言うか安定感が素晴らしかったです。まだ若いのにとてもクレバーな俳優だと思いました。星咲さんは脚本を気に入ってくれて、こずえのキャラクターに感情移入していましたね。カットをかけた後もいい表情を続けているので、思わずカメラを回し直したところもありました。星咲さんが泣くカットが3つあるんですが本当に泣いているほどです。もちろん、自分でキャスティングした俳優陣も期待通りでした。
――星咲さんの肉感的なところが序盤は強調されていませんよね。
中村 それは意図的にです。最初からわかりやすく巨乳だと、心平ももっと心揺れるでしょうから(笑)。中盤まで隠しておいて、こずえが走るところからはっきり分かるようにしました。あのシーンをきっかけに、物語の主軸がバーチャルからリアルに切り替わる、みたいな。
――そこはとても巧かったです。ゲームキャラの二人(堀有里、杉原憂)は二人とも似た系統の顔立ちに見えましたが何故ですか? 星咲さんとは違いますが。
中村 えっ、そうですか……自分としては堀さんと杉原さんは違うタイプをキャスティングしたつもりでしたが。それじゃ、そういう顔がタイプなのかも……ということにしておいてください(笑)
――分かりました(笑)。青春コメデイ『ポーキーズ』や『グローイング・アップ』、『パンツの穴』などを彷彿とさせる部分もあるような気がします。
中村 特別それらを参考にしたわけではありませんが、頭の片隅にはあったと思います。特に世代的にも『パンツの穴』はあったと思います。
――ゲーム機を連打するところなんかは表情も含めて自慰行為の暗喩ですよね。
中村 それだけではないですが、もちろんそれも入っていますよね。
――心平が牛乳を噴き出すところは?
中村 あれは、脚本段階ではこずえの口から白い液体がこぼれるところを書いていて、それを踏まえての隠しギャグでしたが、そこまでエロくする必要がなかったのでやめました(笑)。ピンク映画を長くやっているとそういう発想になってしまうということで。
監督・脚本:中村公彦
出演:櫻井拓也,星咲優菜,阿部隼也,堀有里,杉原憂,原田祐輔,米本千晴,山本宗介,原彩咲,世志男,柳東史,倖田李梨,津田篤
製作:松下順一 企画:高﨑正年 プロデューサー:小貫英樹,奥野邦洋 アソシエイトプロデューサー:田中忍
撮影:宮永昭典 録音:荒井保,國分玲,春本一大 音楽:與語一平 主題歌:CLipCLover 「タカラモノ」
助監督:清水理俊 制作プロダクション:東京レイダース 製作:娯楽TV 配給・宣伝:アートポート
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