アダム・トレル (プロデューサー)
映画『下衆の愛』について【1/6】
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2016年4月2日(土)より テアトル新宿ほか全国順次公開
2015年の東京国際映画祭で上映されてから話題になっている『下衆の愛』のプロデューサーのアダム・トレルさんと監督の内田英治さんにインタビューをおこなった。 (取材:わたなべりんたろう)
STORY 映画監督のテツオは40歳を目前にしながらも夢を諦めきれないパラサイトニート。映画祭での受賞経験が唯一の自慢。監督とは名ばかりで女優を自宅に連れ込む自堕落な毎日をおくっていた。しかしある日、才能溢れる新人女優・ミナミとの出会いにより新たな希望が生まれて新作映画の実現に奔走する。「裸と動物」にこだわる団塊世代のプロデューサー貴田や、枕営業にすべてをかける売れない女優・響子、自らのハメ撮りで生計をたてる助監督のマモルなど、映画界の底辺に巣くう仲間たちと最後の賭けに出ようとする。しかしそんなテツオの前に現実の壁が立ちふさがる。映画作りを巡る夢と現実がテツオの中で交差するのであった。
amazon.co.uk/Hana-bi (Fireworks) [Blu-ray]――2年前にロンドンに行った時にSOHOのDVDショップでサード・ウィンドウの日本映画のDVDを多く見ました。
アダム・トレル(以下、アダム) ああ、あそこの店ね。あそこは安く売るよね。3ポンドぐらいだから発売している側としたら安過ぎるぐらい!今年になって、ぼくは北野武さんの「HANA-BI」「菊次郎の夏」「DOLLS」のブルーレイをヨーロッパで発売した。
――イギリス人はブルイーレイは買うのですか?
アダム 買う。ぼくが発売した武さんの3本は日本ではブルーレイがまだ出てないから、とても売れた。特典も付けたしね。特典ないと売れないよ。
――イギリスで日本映画の公開は今もやっているんですか
アダム 以前よりはやっていないけど最近だと『太秦ライムライト』を15館ぐらいで公開した。映画館で日本映画を観てもらうのは年々難しくなってきている。園(子温)さんの映画でも同じ。
――「TOKYO TRIBE」はどうでしたか?
アダム 映画館を貸し切って配信とソフト発売の上映イベントはやった。その甲斐あって配信で視聴は多くあったよ。小さい規模の映画の公開がイギリスで難しくなってきたから日本に来た。日本は『下衆の愛』のような自主映画でも映画館でかかるから。
――日本の映画業界のどこがいいですか?
アダム 『下衆の愛』や『お盆の弟』みたいな作品が映画館で公開される日本はいいよ。あの規模の作品が日本では1か月上映できるけどイギリスでは無理でもう出来ない。イギリスのインディペンデント映画の製作費は2〜3億だけど、日本は50万円から500万円ぐらいの自主映画が劇場で上映されている。これは良いこと。イギリスではできない。だから、今は日本にいてイギリスには殆ど帰っていない。日本では映画を製作して自分で宣伝もしている。だからすごく疲れる(笑)。
――それは大変です。
アダム 今作はお金がなかったからクラウドファンディングした。海外はkickstarterで5日間で100万集めて、日本はcanpfireで10日間で90万円集めた。撮影開始まで時間が無かったから短い日数だった。時間に余裕があったら日数をもっとかけてクラウドファンディングをしたい。
監督・脚本:内田英治 プロデューサー:アダム・トレル 音楽:T字路s
出演:渋川清彦,でんでん,忍成修吾,岡野真也,内田慈,津田寛治,木下ほうか,古舘寛治,細田善彦,山崎祥江,
川上奈々美,マツモトクラブ,新井雅人,後藤ユウミ,桜まゆみ,平岡亜紀,谷手人,伊東紅,卯水咲流,松井薫平,
松井理子,小林麻祐子,牛丸亮,森本のぶ,山田ジェームス武
製作会社:サードウィンドウフィルムズ © Third window films
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