映像作家白川幸司10年ぶりの新作
『ようこそ、美の教室へ』
前半の撮影が完了し、後半の撮影予算を
クラウドファンディングで募集中
2014年12月30日(火)まで、
「Motion Gallery」ファンドページにて応募受付
国際的評価の高い映像作家・白川幸司の10年ぶりの新作『ようこそ、美の教室へ』の撮影が半分完了し、現在、後半の撮影予算のサポートをクラウドファンディングで募っている。ストーリーの概略は「一人の少年が、詩の教室での一年を通して、母親に愛されない理由を追及しながら、才能を開花させる」というもので、死や美をテーマとして扱う一方、家族愛中毒やモノヅクリ中毒といった人間のどうしても止められない中毒への姿を描いている。自主映画でありながら、従来の自主映画のイメージを払拭する絢爛豪華な映像を、荘厳なオペラが彩る野心的な作品を目指しているという。
本クラウドファンディングは12月30日(火)までで目標金額は100万円。出資者への特典として『完成試写会招待』『DVD進呈&試写会招待』『Blu-ray進呈&試写会招待』『エキストラ出演&Blu-ray進呈&試写会招待』『アソシエイトプロデューサー&エキストラ出演&Blu-ray進呈&試写会招待』と、出資額によって様々な特典が用意されているとのことなので、興味のある人は投資の検討をしてみてはいかがだろうか。詳細は「Motion Gallery」のファンドページでご確認いただきたい。
これまでの制作報告
今回の制作にあたり、まずはサントラとなるオペラを7曲収録する必要が有った。東京音大の学生を中心にオペラチームを結成し、じっくりと1年を掛けて収録した。曲が先に収録出来た事は、作品の世界観を構築する上でも必要な作業だった。オペラ収録が完了し、ロケハンやオーデォションを済ませ、フェイスブックにて制作日記を開始した。そしてついに2013年8月31日にクランクインしてから、月に2シーンの平均ペースで撮影してきた。これほどにゆっくりと制作しているのは、すべて作品の完成度を高める為で、実際に作品映像や音楽にその成果は出ている。自主映画のお手軽さやチープ感は全くなく、それは本来の自由に作るべき自主映画の姿でもある。
映画を個人が作り上げるという時代
数年前までは、映画の機材は高額で個人で所有するのはあり得なかった。しかしCANONの5Dmk2から始まった撮影機器の革新は、Red や、BlackMagic の台頭する時代となり、商業映画でさえ、同じカメラを使う時代となってきている。アカデミー作品賞受賞作「スラムドッグ・ミリオネラ」などにも一眼カメラが使用され、既に大手と個人との環境の差は無くなりつつある。個人でも映画史に残る作品がとれる時代なのだ。今回の「ようこそ、美の教室へ」では、3万円で購入したパナソニック一眼カメラGH2を使用している。そのGH2は、ファームウェアを改造する事によって、撮影時のビットレートを極端に引き上げることが可能なのである。本作では、日本の改造ファームウェア開発の第一人者bkmcwd氏が、直接関わり、素晴らしい映像撮影に成功をもたらしている。
『ようこそ、美の教室へ』2015年夏完成、2016年劇場公開予定
監督:白川幸司 出演:レイチェル・ダムール,小川ゲン,早川知子,豊永伸一郎,岸本啓孝,亀岡園子,朝戸佑飛,松田祥一,高橋健二,マメ山田
白川幸司(しらかわ こうじ)
映画監督。イメージフォーラム付属映像研究所第20、21期卒(特待生として優遇される。)卒業制作『意識さえずり』『ヒダリ調教』がイギリスの映画評論家、トニー・レインズにより「この年の日本映画で最大の発見」と称えられた。バンクーバー国際映画祭での上映、ロッテルダム国際映画祭での特集ほか各国で上映される。3作目『獣の処刑』は横浜美術館へ収蔵された。4作目『REC』の元となったあるゲームシナリオを手がけた事から「物語性」を持った作品に傾倒してくる。5作目『ファスナーと乳房』は、日本をはじめ多くのゲイ&レズビアン映画祭で上映された。愛知県立芸術文化センターから出資を受けた6作目『眠る右手を』は香港国際映画祭、バンクーバー国際映画祭に招待。さらにミュージカル短編7作目『マチコのかたち』がバンクーバー国際映画祭他多くの映画祭で上映。韓国JuMF2004 eMotion Film Festival Conpetitionでグランプリを受賞する。8作目の『SPICA』が 第59回カンヌ国際映画祭ショートフィルムコーナーopenArtセレクションに出展。オーバーハウゼン国際短編映画祭インターナショナル・コンペティション部門ノミネート。そして現在、「ようこそ、美の教室へ」を製作中。