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映画史上の名作番外編
サイレント小特集Ⅳ

2012年3月17日(土)~3月30日(金)まで、シネマヴェーラ渋谷にて開催

映画史上の名作番外編サイレント小特集Ⅳシネマヴェーラ渋谷では、第102弾企画として「映画史上の名作番外編 サイレント小特集Ⅳ」を開催する。
シネマヴェーラ渋谷は2008年より、国内外から収集した16mmフィルムに独自に字幕をつけ直し、パブリックドメインとなったクラシック作品の上映プロジェクトを実施している。長らくスクリーンにかからなかった作品はもちろん、ときには日本未公開作もセレクトし、数々の名画を劇場で鑑賞できる「映画史上の名作」シリーズは現在までに6回の特集が組まれている。そして、サイレント映画に特化した「映画史上の名作番外編 サイレント小特集」シリーズは、今回で四度目の開催を迎える。
サイレント映画ながら、先の第84回アカデミー賞で作品賞はじめ五部門を受賞した『アーティスト』に注目が集まっているところでもあり、この特集上映を通してサイレント映画の魅力に触れて欲しい。

料金 一般 1400円/会員・シニア 1000円/大学生・高校生 800円/中学生以下 500円
毎日2本立て、終日入れ替えなしの上映。
http://www.cinemavera.com/

2012年3月17日(土)~3月30日(金)まで、シネマヴェーラ渋谷にて開催

上映タイトル一覧

カリガリ博士 “Das Kabinett des Doktor Caligari” ( 1920年/48分/ドイツ/モノクロ )

監督:ロベルト・ヴィーネ/脚本:カール・マイヤー、ハンス・ヤノビッツ
出演:コンラート・ファイト、ヴェルナー・クラウス、リル・ダゴファー

北ドイツの田舎町に、眠り男を使って予言をするという怪しい演し物がやって来る。眠り男を操る精神科医・カリガリ博士は、村人たちに次々と死の予言をし…。白と黒の強いコントラストの中で無秩序に繰り広げられる狂気の世界は圧巻。ドイツ表現主義を代表するホラー作品。大戦の間で揺れ動く、ドイツの邪悪で陰惨な空気がスクリーンに蘇る!

キートンの恋愛三代記 ”Three Ages” ( 1923年/58分/アメリカ/モノクロ )

監督:バスター・キートン、エドワード・クライン
出演:バスター・キートン、ウォーレス・ビアリー、マーガレット・リーイー、ジョー・ロバーツ、ホラス・モーガン、リリアン・ローレンス

石器時代は投石合戦、ローマ時代は戦車競争、現代はアメフト。力も金も地位もないキートンが、3つの時代でライバルを蹴落とし恋人を得んと、体を張って大奮闘。今も昔も変わらぬ恋愛事情、そして最後に愛は勝つ!恐竜、マンモス、ライオン、馬、猫と、様々な動物たちを使ったギャグも冴える、キートン傑作の1本。

サロメ 短縮版 “Salome” ( 1923年/27分/アメリカ/モノクロ )

監督:チャールズ・ブライアント/原作:オスカー・ワイルド/脚本:ピーター・M・ウインタース
出演:アラ・ナジモヴァ、ミッチェル・ルイス、ローズ・ディオン、ナイジェル・ブルリエ、アール・シェンク

前王である兄を殺してその妃を奪い、王の座に就いたヘロデは、妃の娘・サロメに魅せられてしまう。一方、投獄されていた預言者・ヨカナーンに冷たくされたサロメは、復讐しようとヨカナーンの首をヘロデ王に所望し…。有名なオスカー・ワイルドの戯曲を、ロシア出身のスター女優アラ・ナジモヴァを主演に、彼女の夫でもあるブライアントが映画化。アールデコ調の美術も素晴らしい。

アッシャー家の末裔 ”La chute de la maison Usher”
アッシャー家の末裔( 1928年/43分/フランス、アメリカ/モノクロ/仏語字幕 )

監督、脚本:ジャン・エプスタイン/原作:エドガー・アラン・ポー/撮影:ルスカ  出演:シャルル・ラミ、ジャン・ドビュクール、マルグリート・ガンス、ピエール・オットー、アルマ

アッシャー家最後の当主・ロデリックに請われて、霧に包まれた沼地に建つ荒れ果てた館を訪ねた友人が見たのは、取りつかれたように妻・マドリーヌの肖像画を描き続けるロデリックの姿だった…。エドガー・アラン・ポーのいくつかの短編を基に映画化。揺れる蝋燭の炎、波立つ沼、曇った空、不気味な枯れ木と、悪夢のようなイメージの連続が恐怖を募らせる。サイレント期の映像表現の頂点を極めたジャン・エプスタイン監督の傑作。

ロストワールド ”The Lost World” ( 1925年/51分)/アメリカ/モノクロ )

監督:ハリー・O・ホイト/原作:アーサー・コナン・ドイル/脚色:マリオン・フェアファックス/撮影:アーサー・エディソン
出演:ウォーレス・ビアリー、ベッシー・ラヴ、ルイス・ストーン、アーサー・ホイト

原作はコナン・ドイルの『失われた世界』。前半では台地を悠然と歩きまわり、後半では霧につつまれたロンドンを破壊しつくす恐竜たちの姿は大迫力。特撮の神様・オブライエンが7年超をかけて作り上げたという、当時の人々を驚かせたストップモーション・アニメや特殊メイクの完成度は、今見ても驚異的。特撮映画の古典。

ロイドの福の神 ”For Heaven’s Sake” ( 1926年/58分/アメリカ/モノクロ )

監督:サム・テイラー/撮影:ウォルター・ランディン
出演:ハロルド・ロイド、ジョビナ・ラルストン、ノア・ヤング、ジェームズ・メイソン、ポール・ワイゲル

スポイルされた大富豪・ロイドが気まぐれで寄付した大金が、貧民街の伝道所設立に使われることに。文句を言おうと出かけた伝道所で、牧師の娘に一目ぼれしたロイドは…。恋する彼女のためと伝道活動に邁進するロイドが可笑しい。後半での、2階建てバスの疾走シーンでは、危険で超人的なアクロバティック・スタントがスゴイ!スラップスティック・コメディの傑作。

思ひ出 ”The Student Prince in Old Heidelberg” ( 1927年/103分)/アメリカ/モノクロ )

監督:エルンスト・ルビッチ/原作:ヴィルヘルム・マイエル・フェルステル/脚本:ハンス・クレイリー/撮影:ジョン・メスコール  出演:ラモン・ノヴァロ、ノーマ・シアラー、ジーン・ハーショルト、グスタフ・フォン・セイファーティッツ、フィリップ・デラシー

ザクセン公国の王子カール・ハインリッヒと、留学先のハイデルブルグで出会った下宿屋の娘・カティとの恋の顛末を描くメロドラマ。初々しい若者の恋物語というルビッチらしからぬ主題ながら、二人が初めて抱擁を交わす瞬間の青春のきらめきに、胸が熱くなること必至。身分違いゆえ、結ばれるはずのない恋だからこそ、その思い出は永遠に輝く。 サイレント絶頂期にあったルビッチの知られざる名作。

知られぬ人知られぬ人 ”The Unknown” ( 1927年/50分/アメリカ/モノクロ )

監督、原作:トッド・ブラウニング/脚本:ウォルデマー・ヤング/撮影:M・ガースタッド  出演:ロン・チェイニー、ノーマン・ケリー、ジョーン・クロフォード、ニック・デ・ルイス、ジョン・ジョージ、フランク・ランニング

男性の手恐怖症のサーカスの娘・ナノンは、「腕なし」アロンゾに心を許していたが、彼はある理由で腕がないふりをしているだけだった。ナノンへの思いを募らせるアロンゾは、彼女に拒絶されたくない一心で、途方もない決断に至るが…。狂気の愛に突っ走るアロンゾ役のロン・チェイニーの凄まじい演技は鳥肌もの。『フリークス』の姉妹編ともいえる一作。必見!!

パンドラの箱 ”Die Büchse der Pandora/Pandora's Box "The Box of Pandora” ( 1929年/88分/ドイツ/モノクロ )

監督:G・W・パブスト/原作:フランツ・ベーデキント/脚本:ラディスラウス・ヴァホダ/撮影:ギュンター・クランフ
出演:ルイーズ・ブルックス、カール・ゲーツ、フリッツ・コルトナー、フランツ・レデラー、グスタフ・ディーズル

場末の踊り子・ルルは、その魅力で新聞社社主のショーン博士を誘惑し妻となった。しかしその後も数々の男たちと関係を持つルル。ついに息子までが虜になったことを知った博士は…。無邪気で奔放、悪意のかけらもない魔性の女・ルルの流転の物語。ルイーズ・ブルックスを見て、パブスト監督は「ルルを見つけた!」と叫んだという。ドイツのサイレント期を代表する傑作。

竜宮城 ”The Mysterious Island” ( 1929年/94分/アメリカ/モノクロ )

監督:ルーシャン・ハバード、モーリス・ターナー、ベンジャミン・クリスチャンセン/原作:ジュール・ヴェルヌ/脚本:ルーシャン・ハバード/撮影:パーシー・ヒルバーン/音楽:マーティン・ブルーンズ、アーサー・ラング
出演:ライオネル・バリモア、ロイド・ヒューズ、モンタギュー・ラヴ、スニッツ・エドワーズ、ギブソン・ゴーランド

深海の研究に没頭するヘトビア王国のダッカー伯爵は、沖合の島付近の海底に恐るべき秘密が隠されていることを確信し、密かに潜航艇を建造する。海底への旅に出た伯爵らが見たものは、驚くべき世界だった…。ヴェルヌの『神秘の島』の映画化。巨大なタコやカメやドラゴン、小さな水棲人が登場する、パートトーキー作品。

カメラを持った男(これがロシアだ)カメラを持った男(これがロシアだ)
”Человек с Киноаппаратом”

( 1929年/67分/ソ連/モノクロ/英語字幕 )

監督、脚本、撮影:ジガ・ヴェルトフ

多重露光、コマ落としなど、様々な技法を使って撮影した映像をつづった、あまりにも有名な前衛映画。ジガ・ヴェルトフは、映画の特性はカメラにこそあり、ストーリーや役者やセットを使用せず、ありのままの事物をカメラで捉えることで、映画特有の体験を観客に提示できると唱えた。後にゴダールが、「ジガ・ヴェルトフ集団」なる映像結社を作ったことでも知られている。

グリフィス短編集 ( 56分/すべて英語字幕 )
断念 ”The Renunciation” ( 1909年/10分/アメリカ )

監督・脚本:D.W.グリフィス
出演:メアリー・ピックフォード、アンソニー・オサリヴァン、ジェイムズ・カークウッド、ハリー・ソルター

幼馴染の親友同士が同じ女性を巡って恋敵となり、遂には相手を殺そうと決闘を企てる。それを知った彼女は二人を叱りつけ、街から来た自分の婚約者を紹介するのだが…。


戦闘 ”The Battle” ( 1911年/11分/アメリカ )

監督:D.W.グリフィス
出演:チャールズ・ウェスト、ブランチ・スイート、チャールズ・ヒル・マイルズ、ドナルド・クリスプ

南北戦争さなか。北軍兵士が初めての戦いにおびえて恋人の家に逃げ込んだ。彼女に励まされた兵士は、勇気を振り絞って、友人を助けるため敵の戦線を突破するが…。壮大な戦闘シーンが見もの。


ピッグ横丁のならず者 ”Musketeers of Pig Alley” ( 1912年/13分/アメリカ )

監督・脚本:D.W.グリフィス/共同脚本:アニタ・ルース
出演:エルマー・ブース、リリアン・ギッシュ、クララ・T・ブレイシー、ウォルター・ミラー

ニューヨークで暮らす貧しい若夫婦。ミュージシャンの夫が旅に出ている間、妻に言い寄ってすげなくされた隣人のチンピラは、仕返ししようと金を盗むが…。ニューヨークの下町でのロケが素晴らしい。清純な妻役でリリアン・ギッシュが出演。


少女と責務 ”The Girl and Her Trust” ( 1912年/11分/アメリカ )

監督:D.W.グリフィス/脚本:ジョージ・ヘネシー
出演:ドロシー・バーナード、ウィルフレッド・ルーカス、エドウィン・オーグスト

列車で運ばれてくる2000ドルを狙って、浮浪者たちが電信局を襲った。女性職員は、何とか助けを呼ぼうと、隣駅にメッセージを送るのだが…。


ニューヨークの帽子 ”The New York Hat” ( 1912年/11分/アメリカ )

監督:D.W.グリフィス/脚本:アニタ・ルース、フランセス・マリオン/撮影:G・W・ビッツァー
出演:メアリー・ピックフォード、チャールズ・メイルズ、ライオネル・バリモア、リリアン・ギッシュ

ハーディング夫人の遺言で、娘のために使ってくれとお金を託された牧師。ニューヨークの最新流行の帽子を欲しがる娘にそれを買ってやった牧師だが、村中の噂になり…。後の大スターが初々しい演技を見せる愛らしい一篇。

ロイド短編集 ( 65分/すべて英語字幕 )
お隣さん ”Just Neighbors” ( 1919年/9分/アメリカ )

監督:ハロルド・ロイド、フランク・テリー
出演:ハロルド・ロイド、ビーブ・ダニエルズ、スナッブ・ポラード、サミー・ブルックス

郊外に住むロイド夫婦は、隣人の中年夫婦と仲良し。しかし、庭に小屋を作ろうとして失敗し、お隣さんまで巻き込んで事態は大事に…。隣同士というシチュエーションで描く、ドタバタ喜劇。


ロイドのスケート ”Don’t Shove” ( 1919年/11分/アメリカ )

監督:アルフレッド.J.グールディング/脚本:H.M.ウォーカー
出演:ハロルド・ロイド、ビーブ・ダニエルズ、バッド・ジェーミソン、エディ・ボランド

人気者の女性を好きになったロイドは、ライバルに差をつけて彼女にいいところを見せようと、ローラースケートのレース大会に出場するが…。


ロイドの神出鬼没 ”Get Out And Get Under” ( 1920年/22分/アメリカ )

監督:ハル・ローチ/脚本:H.M.ウォーカー 出演:ハロルド・ロイド、ミルドレッド・デイヴィス、フレッド・マクファーソン

素人芝居の上演に遅れそうになり焦るロイド。もし間に合わなければ、ライバルに役を奪われてしまう!しかし、隣人とトラブルになるは、車はエンコするはで…。


ロイドの落胆無用 ”Never Weaken” ( 1921年/23分/アメリカ )

監督:フレッド・C・ニューメイヤー/脚本:ハル・ローチ、サム・テイラー
出演:ハロルド・ロイド、ミルドレッド・デイヴィス、ロイ・ブルックス

隣のOLに夢中のロイド。ところが彼女が結婚していると聞き、自殺を企てるが…。建設中のビルの柱をそろそろ歩き、間一髪でつかまり、何もない空間に身を乗り出すロイド。この恐るべき身体能力を見よ!

料金

一般 1400円/会員・シニア 1000円/大学生・高校生 800円/中学生以下 500円
毎日2本立て、終日入れ替えなしの上映。
http://www.cinemavera.com/

2012年3月17日(土)~3月30日(金)まで、シネマヴェーラ渋谷にて開催

2012/03/14/12:45 | トラックバック (0)
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